遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国が、海洋油田の生産量を倍増!

2005-10-02 11:23:44 | 東シナ海ガス田
 中国の石油消費量、輸入量は、米国に次いで世界第二位となり、それでも供給不足状態でその購買力が世界の原油価格の高騰を招いていることは、今更特筆することではありませんが、中国では輸入のウェイトを抑えるべく、海洋油田の増産と、開発促進を図るのだそうです。
 
【日経(9/27 朝刊)】中国、海洋油田生産を倍増
2010年まで1兆6000億円投資
領有権争い激化も


【北京11宮沢徹】中国は二〇一〇年までに千二百億元(約一兆六千億円)を投じて中国領内にある海洋油田の生産能力を倍増させる。陸上油田の生産が頭打ちになっており、海洋のエネルギー開発を強化して国内需要増に対応する狙い。国境線付近での開発にも力を入れており、エネルギーの確保を巡る周辺国との領有権争いが一段と激しさを増す可能性もある。

 <中略>
 海洋油田開発最大手の中国海洋石油(CNOOC)は〇五年から〇六年までに、新たに十六の海洋油田で生産を始める計画だ。
 〇五年の原油需要は〇四年比六%増の三億一千万トン、原油生産は三%増の一億八千万トンの見込み。主力である陸上油田でも能力の増強を進めているが多くの油田で生産が伸び悩んでいる。海洋油田の生産拡大により四割を超える原油の輸入依存度の上昇を食い止める。

 中国近海には原油が二百七十五億ゾ、天然ガスが十兆六億立方層程度埋蔵されているといわれる。原油についてはまだ全体の九・二%しか発見されておらず、新規開発の余地が大きい。
 原油価格が高値で推移する中で、コスト高のため手を付けてこなかった油田やガス田の開発も採算が合うようになり、埋蔵量が少ない国境線近くの海洋エネルギー開発も加速させている。
エネルギー安定確保につなげるとともに、開発の既成事実を積み上げることで領有権を巡る周辺国との交渉を有利に運べるとみているとの指摘もある。

 中国は東シナ海の日中境界線(中間線)近くの「天外天」ガス田でガスなどの生産作業を始めたもよう。中間線に隣接する「春暁ガス田」では、CNOOCが近く生産を始める意向を表明。周辺国と領有権を争っていた南シナ海南沙諸島(スプ一ラトリー諸島)ではべトナム、フィリピンと共同で原油、天然ガス探査を始めることで合意した。

 最近、中国は春暁ガス.田付近に軍艦を巡航させるなど領有権を主張するためともみられる行為を繰り返し、ガス田のデータ提供や作業中止を求めてきた日本政府との話し.合いも平行線のままだ。


 今後、中国が国境線近くでの油田やガス田の開発を一段と加速させれば、日本など周辺国は新たな対応を迫られそうだ。

 # 転載文中の赤文字は、遊爺の主観で着色しています。

 中国近海とは。渤海湾、東シナ海、南シナ海を指していて、国境を接するものとしては、東シナ海で日本との境にある「平湖ガス田」「断橋ガス田」「天外天ガス田」「春暁ガス田」と、南シナ海南沙諸島(スプ一ラトリー諸島)の「南沙諸島海底油田」が載っていました。

 「南沙諸島海底油田」につては、上記の日経の記事の地図でも一目瞭然ですが、随分昔('70年代らしい)に、突然中国が領有権を主張し始めて、ベトナムとフィリピンなら真ん中当たりなのでいざ知らず、中国、台湾は遙か彼方で関係ないだろうと感じ、なんて無茶を言う国か、言った者勝ちの国かと印象を持った記憶がよみがえってきました。以下のような記事もありました。
 
現代中国放大鏡

 南シナ海をめぐる中国とベトナム・フィリピン等との領有権問題は70年代から論議が高まり、中国が南沙群島に兵を駐屯させ緊張が高まる中、2002年、漸く関係諸国間で<南海各方行為宣言>が調印され、平和的解決への望みが拓けました。2004年3月、マニラで中国・ベトナム・フィリピンの石油3社が、将来の石油共同開発に向け、南シナ海指定区域(14万㎢)海洋地震共同観測に合意しました。その後6月には、2002年に調印された<北部湾境界協定>を双方が批准し、北部湾で操業する両国漁船が遵守すべき12項目を取り決めた漁業協力協定も同時に発効しています。

こういった進展を背景に、2004年10月、温家宝首相はベトナムを訪問、両国の陸上境界線に標識を設置する速度を速めることで合意し、また、 2010年二国間貿易額100億ドル達成を目標に掲げ、雲南省の昆明・広西チワン族自治区の南寧からそれぞれ国境のラオカイ・ランソンを経てハノイ-ハイフォンと結ぶ経済ルートと北部湾経済圏形成についてFSを進めることでも合意しました。しかし一方では中越間は常にギクシャクした問題が生じています。 2004年4月、ベトナムが南沙群島観光ルートを開設し、同19日に最初の観光団が訪れたことは中国側をかなり刺激しましたし、10月にはベトナムの国営石油天然ガス企業が係争海域の石油天然ガス探査権の入札を行ったことに対して、中国側は厳しく抗議しました。両国関係は今後も硬軟取り混ぜた駆け引きが続くものと思われます。

 ベトナムは、去年の秋頃は、石油資源の探査に関して、国際入札をはじめるとして、中国は、「南シナ海及び周辺諸島の権益は中国にある。中国の国家主権と管轄権を侵犯する行為だ」と主張し、各国の石油会社に対しても、「中国政府の立場を尊重し、中国の権益を侵す行為を控えるべきだ」と警告していたのです。
 ベトナムに「強い不満」、南沙諸島資源問題で 2004/10/21(木) 13:21:09 [中国情報局]

 ベトナムに対しても勿論ですが、各国に対してとは、なんと傲慢な覇権主義。世界の君臨者気取りです。こんな位置に中国の領有権が主張出来る根拠は、勉強不足でわからないのですが、どんな理屈か興味があります。

 それなのに、一転して共同開発に合意とは、ベトナムやフィリピンはどうしたのでしょう? 中国、ベトナム、フィリピンの 3カ国で共同開発(資源調査)ということは、同じく領有権を主張している、マレーシアと台湾はどうなるのでしょう?

 日経の記事で言う「既成事実を積み上げることで領有権を巡る周辺国との交渉を有利に運べるとみている」のとおりで、先ず無茶でも言い切る、次に増強した軍事力や、調査船(日本は借り物でこれから建造?)、開発建設隊などで既成事実を積み上げる。そして、経済交流拡大をえさに、事実を政治とは切り離した経済に限定として公認のものとする。その後には、どんな展開が...?

 一段と、誰が見ても不必要な軍備拡張を急ぐ中国は、何を考えているのでしょう。
 共同開発が一概に悪いと言っているのではありません。
 中国の経済発展は(いつまで続くか知りませんが)、日本やアジアの各国、世界の国々にとっても、必要でメリットがあるから続いているのです。一番は、中国の国民にとって有益な事なのですが。
 そこでエネルギー不足が生じたので、新規の開発をすすめ、タイトな供給を緩和し、経済への悪影響を緩和すると言うこともひとつの方策ですです。
 それが、世界との協調ではなく、自国の為、さらに覇権拡大の為となると、今、意義を唱えないと、気が付いたら取り返しのつかない事態になってる...。

 余談ですが、中国の経済発展のきっかけは、世界の工場の役割でした。それが、国民の生活向上も推進し、内需を拡大し、経済成長のサイクルを廻しています。
 ただし、成長のひずみや、生活レベルアップからか、賃上げのストを耳にすることが増えています。
 9月に始まった、キャノンでの大規模なストと操業停止は、行方を注目していましたが、政府が介入し、ストを中止させ、首謀者の処分もしたのですね。
 なので、反日が、反政府へ発展したとかするとか...。
 難しい国ですが、そう仕掛けているのも政府や共産党。

 大紀元時報-日本/遼寧省大連:日系企業で大規模ストライキ
 大紀元時報-日本/遼寧省大連:日系企業ストライキに現地政府が介入

 

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2 コメント

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ホントいびつな国ですね! (tsubamerailstar)
2005-10-02 15:06:37
日本企業は1千万人弱の雇用を担っていますし、お上にとっても逃げられたら大変ということでストの抑え込みに走っているんでしょうが、70年頃は韓国への進出で日本企業は散々な目に遭ったようですから何か二の舞のような気もしますね。

元切り上げもあるし、内需も期待できないわけですからそろそろケツまくって逃げる準備しといた方が賢明でしょうね。

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Re: ホントいびつな国ですね! (遊爺)
2005-10-02 22:21:47
tsubamerailstarさん、こんにちは。いつも、TBや、貴重な情報をありがとうございます。

 

> そろそろケツまくって逃げる準備しといた方が賢明でしょうね。



 中国も、キヤノン・御手洗社長が中国に対抗出来る日本の製造業を唱っていることは知っていることでしょうから、賃上げで、世界の工場の役割が終わることには、危惧をいだいているのでしょうか?

 反日にのって(自分たちの生活向上を唱え?)、ストをする国民を処罰するのですから、反日を煽っておいて、国民もとまどうことでしょうし、政府 or 共産党が、自分で自分の首を絞めることになっています。(二つの異なった考え方がある...?)

 キヤノンも日経の優良企業ランクでトップに立ち、脱中国を唱えていますので、今回賃上げしたようですが、ますます国産化(無人ロボットを採用とのことですが)を加速させるのでしょうね。

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