「アジア安全保障会議」が、シンガポールで開幕(3日)されました。アジアや欧米の約30カ国の国防相や軍事関係者が集うのだそうですが、南シナ海南沙諸島の領有権が焦点となっているそうで、ゲーツ米国防長官が4日講演し、「(南シナ海の)航行の自由は米国の国益」と強調し、中国をけん制しました。
ゲーツ氏は、シンガポールへの機中でも同行記者団に「中国は、アジアにおける活動の自由と影響力の拡大をもたらす軍事力を、構築しようとしている」と指摘していて、会議での目的の一つは、東南アジア諸国などに対し、米国防予算の削減によってアジア・太平洋地域における米軍のプレゼンスが低減することはない、とのメッセージを送ることにあるとしていました。
ただ、一方では産経新聞の記事によると、中国の梁光烈国防相と会談し(3日)、中国の軍事力増強と覇権拡大に対する脅威認識を背景に、両国の安全保障対話などを強化する必要性を表明し、中国側も対話強化には基本的に同意したのだそうです。
読売の記事では、梁氏は、「米国の関与」を拒絶する姿勢を示したとなっています。
写真は、白馬八方尾根の第1ケルン(標高 1,820m)近辺から見下ろした景色です。(余談です。写真に雪は写っていませんが、第1ケルン付近は残雪が多く、平坦な登山道は閉鎖され尾根の岩づたいの道が通行できる状況でした。=5月中旬)
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国防長官、米軍のアジア関与強化 南シナ海で中国けん制 - 47NEWS(よんななニュース)
【シンガポール共同】ゲーツ米国防長官は4日、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議」で講演し、中国が南沙(英語名スプラトリー)諸島などの領有権をめぐりフィリピンやベトナムと摩擦を強めている南シナ海問題を踏まえ「航行の自由は米国の国益」と強調。オバマ政権の国防費削減方針を進める中でも、米軍のアジアへの関与を強化すると述べた。
講演後の質疑では、他国からのサイバー攻撃が判明した場合には「戦争行為と見なして(武力で)反撃する」と初めて明言した。米インターネット検索大手グーグルの電子メールサービス「Gメール」利用者に中国からサイバー攻撃があったことなどを念頭に置いた発言とみられる。
【シンガポール共同】ゲーツ米国防長官は4日、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議」で講演し、中国が南沙(英語名スプラトリー)諸島などの領有権をめぐりフィリピンやベトナムと摩擦を強めている南シナ海問題を踏まえ「航行の自由は米国の国益」と強調。オバマ政権の国防費削減方針を進める中でも、米軍のアジアへの関与を強化すると述べた。
講演後の質疑では、他国からのサイバー攻撃が判明した場合には「戦争行為と見なして(武力で)反撃する」と初めて明言した。米インターネット検索大手グーグルの電子メールサービス「Gメール」利用者に中国からサイバー攻撃があったことなどを念頭に置いた発言とみられる。
ゲーツ氏は、シンガポールへの機中でも同行記者団に「中国は、アジアにおける活動の自由と影響力の拡大をもたらす軍事力を、構築しようとしている」と指摘していて、会議での目的の一つは、東南アジア諸国などに対し、米国防予算の削減によってアジア・太平洋地域における米軍のプレゼンスが低減することはない、とのメッセージを送ることにあるとしていました。
ただ、一方では産経新聞の記事によると、中国の梁光烈国防相と会談し(3日)、中国の軍事力増強と覇権拡大に対する脅威認識を背景に、両国の安全保障対話などを強化する必要性を表明し、中国側も対話強化には基本的に同意したのだそうです。
読売の記事では、梁氏は、「米国の関与」を拒絶する姿勢を示したとなっています。
中国、南シナ海「米国の関与」拒絶か…安保会議 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
<前略>
中国からは過去最高ランクとなる梁光烈国防相が出席、米国のゲーツ国防長官と会談した。梁氏は、中国と周辺諸国の摩擦が激化する南シナ海の領土、領海問題で最大焦点となっている「米国の関与」を拒絶する姿勢を示したとみられる。
今回で10回目となる同会議に、中国はこれまで人民解放軍副総参謀長を派遣してきた。胡錦濤・党中央軍事委員会主席以下、中国軍トップである同委のメンバーである梁氏は、軍首脳の一人。梁氏出席に、会議を極めて重視する中国の政治判断があったのは確実だ。
<前略>
中国からは過去最高ランクとなる梁光烈国防相が出席、米国のゲーツ国防長官と会談した。梁氏は、中国と周辺諸国の摩擦が激化する南シナ海の領土、領海問題で最大焦点となっている「米国の関与」を拒絶する姿勢を示したとみられる。
今回で10回目となる同会議に、中国はこれまで人民解放軍副総参謀長を派遣してきた。胡錦濤・党中央軍事委員会主席以下、中国軍トップである同委のメンバーである梁氏は、軍首脳の一人。梁氏出席に、会議を極めて重視する中国の政治判断があったのは確実だ。
梁国防相の演説は 5日に行われるのだそうで、最近頻度が増している南シナ海でのトラブルの弁明や、中国の方針についてどのような内容になるのか注目されます。
中国と摩擦が生じているフィリピン、ベトナム、マレーシアの3カ国の国防相が海洋安保について意見交換する予定だそうで、南シナ海問題が諸国の間で大きく取り上げられる流れが一段と強まる気配は、歓迎すべきことで、中国に対する国際世論の盛り上がりとして牽制も強まります。
日本の北澤氏は 4日に講演し、南西諸島にアジア太平洋地域の災害救援のための活動拠点を整備する考えを表明したのだそうです。
南西諸島に災害救援拠点を整備 防衛相が表明 - 47NEWS(よんななニュース)
会議の焦点は南シナ海の中国の覇権拡大で、東シナ海のガス田や尖閣で同様の問題を抱える日本は、米国やベトナム他のASEAN諸国と連携した行動で、国際世論の支援を獲得せねばならないのですが、報道を見る限りでは中国の脅威についてふれたコメントは見られません。ASEAN諸国の期待を裏切る態度で、連携どころか孤立化を招きかねない対中弱腰振りです。
「辞任などとは言っていない」と詐欺まがいの態度を示していたカンカラ菅も、「鳩菅覚書」(北澤氏は作者のひとりで玉虫色化の元凶)の趣旨は理解しているとまたまた態度を変遷させ、早期退陣を口にしだしたようですね。
そんな政権が外交約束をしようとすまいと、各国からは真剣に耳を傾けてはもらえませんが、最後っ屁で政権の信頼を大きく失うこととなった中国のいじめのお返しに、中国海軍の脅威論をぶちあげてASEAN諸国の信頼回復をやれば、賞賛されるところでしたが...。
写真は、白馬八方尾根の第1ケルン(標高 1,820m)近辺から見下ろした景色です。(余談です。写真に雪は写っていませんが、第1ケルン付近は残雪が多く、平坦な登山道は閉鎖され尾根の岩づたいの道が通行できる状況でした。=5月中旬)
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