「プリゴジンの乱」は1日足らずであっけなく終了。
激怒したプーチン大統領は当初、「裏切り者」プリゴジン氏の逮捕・捜査を厳命。しかし、ベラルーシのルカシェンコ大統領が間に入り、一応プーチン氏は捜査の終了と暗殺指令を取り下げ、プリゴジン氏のベラルーシへの亡命も容認。
マッチポンプの激変は、「ひとまずプリゴジン氏を泳がせておこう」と、プーチン氏や彼を取り巻く軍・情報機関を指す「シロビキ」の最高幹部たちによる「大人の判断」も働いたようだと、フリー記者の深川氏。
いずれにせよ「プリゴジンの乱」は、プーチン政権にメガトン級の衝撃を与えたことは確かで、早速主要メディアや専門家は、政権の帰趨を占うとばかりに、さまざまな見立てを披露すると、深川氏。
まずは「プーチン失脚説」
安全保障会議メンバーは「求心力を失いつつあるプーチン氏の首を早期にすげ替え、取り急ぎ“お飾り”の新大統領を据えて安保会議が裏で操る集団指導体制への移行を模索しているのでは。当然ウクライナ戦争の停戦も視野に入れている。戦争の失敗をプーチン氏1人に負わせてお茶を濁す好機と捉えても不思議ではない」
と、考えるのか。
逆に「プーチン政権盤石説」を掲げるマスコミも多いと、深川氏。
一方、「軍の反乱」を危惧する向きもあるとも。
「深刻なのは軍部の不満が爆発寸前なことで、反乱の契機に軍内部でも反乱が起きるのではとの観測もある。プリゴジン氏は軍を愚弄し謀反を起こしたのに、軍の最高指揮官であるプーチン氏は不問とした。この不条理に対する反発は、特に若手将校の間で大きくなっている」のだそうです。
プーチン氏の去就については百家争鳴の状況だが、仮に「プーチン失脚説」が有力だとしたら、ポスト・プーチンはどうなるのか。メディアなどの観測をまとめると次のようになると、深川氏。
安保会議を現在主導するのは、プーチン氏の古巣・KGBの仲間たちで、中でも「地縁」で結ばれた「KGB・サンクト閥」で固めている。
パトルシェフ安保会議書記、ボルトニコフFSB長官、ナルイシキンSVR長官の“三羽烏”。
ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長の両名も安保会議のメンバーだが、“三羽烏”ほどの発言力はないと見られていると、深川氏。
「ポスト・プーチン」という話となれば、プーチン氏の意向を尊重しながら“三羽烏”を中心に後継者を選ぶはずだ。ただし、3人のうちの誰かが後任として大統領ポストにつくとは考えにくい。いずれも「陰の実力者」として辣腕を振るうタイプで、今後もキングメーカーとして裏で政権を動かしていくと思われるとも。
そこで「ポスト・プーチン」の有力候補として、早くも下馬評では次のような名前が挙がっているのだと。
メドベージェフ安保会議副議長(第3代大統領、1965年生まれ)
ミシュスチン首相(1966年生まれ)
パトルシェフ農相(1977年生まれ)
この他、デューミン・トゥーラ州知事や、ソビャニン・モスクワ市長、キリエンコ大統領府第1副長官などの名も挙がるが、とにかくロシアの密室政治は、何が飛び出すか分からないと、深川氏。
今後、ロシア最大の傭兵組織だったワグネルがどうなるかは予断を許さないが、少なくとも今までのようなロシア国内での活動は不可能だろうと。
となると気になるのは「強大なワグネル利権を誰が継承するのか」だ。特に中央アフリカやマリなどアフリカ・中東で、傭兵ビジネスと並行して獲得した地下資源や宝石、森林資源などの既得権益は莫大。
驚くことにロシアにはワグネルのような傭兵組織が、少なくとも37団体も存在するのだそうです。
、権謀術数うごめくロシア政界の権力闘争で生き残るには、資金と同様に直属の武装組織を持って保身に走るのが鉄則とも聞く。
そもそも安保会議の主要メンバーの大半は、背後に実力部隊を抱えている。軍歴のないショイグ氏でさえ私兵組織「パトリオット」を有しているのは有名な話だ。
肝心のプーチン氏も兵力33万5000名の国家親衛隊を直轄部隊として抱えるほか、本来は別動隊としてワグネルを事実上私兵として睨みをきかせていた。
こうした有象無象の傭兵組織がワグネル利権の後釜を狙うのは確実で、今後醜い争奪戦が繰り広げられるのかもしれない。「プリゴジンの乱」は、奇しくも魑魅魍魎が跋扈するクレムリンの権力闘争の内情を垣間見るきっかけとなっている。
プリゴジン氏と関係が深いと目される、前司令官で降格されていた、スロビキン軍統合副司令官は当局に拘束され、これを皮切りに、ワグネルとつながりのある将校が続々と逮捕されているのだそうです。
まさに「大粛清」を彷彿させるような動きだが、「見方を変えればロシア軍内の派閥抗争で、『プリゴジンの乱』を好機に捉え、自らの体制に不満を持つスロビキン氏をはじめとする一派を、この際一網打尽で排除しようと企むショイグ・ゲラシモフのカウンターではないか」と読む向きも少なくないと、深川氏。
ウクライナと交戦中に内部抗争が勃発したロシア軍は、敵との闘い能力が弱体化するのか、元々内部抗争の問題をかかえていたのが、プリゴジンの乱で表に出てそれが粛清され、団結が強まるのか。
プーチンの統率力は低下するのか、固められるのか。首都キーウに近い地に駐留することになったワグネルは、そこからウクライナへの侵攻に参戦するのか。
要注目ですね。
# 暴動の画像は、失脚説も飛び交うロシアのプーチン大統領
激怒したプーチン大統領は当初、「裏切り者」プリゴジン氏の逮捕・捜査を厳命。しかし、ベラルーシのルカシェンコ大統領が間に入り、一応プーチン氏は捜査の終了と暗殺指令を取り下げ、プリゴジン氏のベラルーシへの亡命も容認。
マッチポンプの激変は、「ひとまずプリゴジン氏を泳がせておこう」と、プーチン氏や彼を取り巻く軍・情報機関を指す「シロビキ」の最高幹部たちによる「大人の判断」も働いたようだと、フリー記者の深川氏。
ポスト・プーチン、ワグネル利権を巡るクレムリン“仁義なき戦い”の行方 「プリゴジンの乱」を契機に権力闘争勃発か、プーチンの後釜を狙う面々 | JBpress (ジェイビープレス) 2023.7.5(水) 深川 孝行
プリゴジン氏の「暗殺指令」を取り下げた背景
結局この男は何がしたかったのだろうか──。6月23日、ロシアの民間軍事会社(PMC/実態は傭兵組織)「ワグネル」の創設者プリゴジン氏は、子飼いの傭兵部隊と戦車を従え、ロシアの首都モスクワに進軍し、武装反乱を企てた。
だが、当初狙っていたとされるショイグ国防相とゲラシモフ・ロシア軍参謀総長の拘束計画は事前に漏れた。急ごしらえの示威行動だったらしく、形勢不利と悟ったプリゴジン氏は首都まであと200kmのところで進軍を中止。「プリゴジンの乱」は1日足らずであっけなく終了した。
激怒するプーチン大統領は当初、「裏切り者」プリゴジン氏の逮捕・捜査を厳命。加えて一説には以下のような内部組織に暗殺命令を発令したとも言われる。
・FSB(連邦保安庁/旧KGB=国家保安委員会の後身で秘密警察。国内治安を担当)
・SVR(対外情報庁/同じく旧KGBの後身。海外でのスパイ活動を担当)
・GRU(連邦軍参謀本部情報総局/軍の情報機関)
・国家親衛隊(実質プーチン氏の直轄部隊。国内治安を担当)
ところが、プーチン、プリゴジン両名と昵懇のベラルーシのルカシェンコ大統領が間に入り、一応プーチン氏は捜査の終了と暗殺指令を取り下げ、プリゴジン氏のベラルーシへの亡命も容認した。
これが「プリゴジンの乱」の顛末だ。「ウクライナ侵略戦争が予期せぬ苦戦に陥る中、ワグネルごときの内輪揉めにエネルギーを使うのは得策ではない。ひとまずプリゴジン氏を泳がせておこう」と、プーチン氏や彼を取り巻く軍・情報機関を指す「シロビキ」の最高幹部たちによる「大人の判断」も働いたようだ。
ロシアの政治権力は事実上シロビキが牛耳る。軍事・治安・情報関連の実力部隊を持つ省庁のコミュニティであり、大統領のプーチン氏を筆頭に、これら省庁のトップからなる「安全保障会議(CSRF)」がシロビキの最高意思決定機関で、いわばプーチン氏の“お友達クラブ”だ。
プーチン政権は崩壊寸前か、それともなお盤石か?
いずれにせよ「プリゴジンの乱」は、プーチン政権にメガトン級の衝撃を与えたことは確かで、早速主要メディアや専門家は、政権の帰趨を占うとばかりに、さまざまな見立てを披露する。
まずは「プーチン失脚説」だ。
「安保会議の権威保持のため、求心力を失いつつあるプーチン氏の首を早期にすげ替え、取り急ぎ“お飾り”の新大統領を据えて安保会議が裏で操る集団指導体制への移行を模索しているのでは。当然ウクライナ戦争の停戦も視野に入れている。戦争の失敗をプーチン氏1人に負わせてお茶を濁す好機と捉えても不思議ではない」
また、これとは逆に「プーチン政権盤石説」を掲げるマスコミも多い。
「安保会議メンバーはプーチン氏の旧友で、さまざまな巨大利権を分け合う運命共同体。プーチンという“神輿”は何が何でも担ぎ続けるはず。プーチン氏の古巣は旧ソ連KGBで全土にスパイ網を張って反体制派を根こそぎ逮捕・暗殺してきたので、組織的な反政府活動は難しい。2024年3月の大統領選も圧倒的支持で再選するはず」
一方、「軍の反乱」を危惧する向きもある。
「深刻なのは軍部の不満が爆発寸前なことで、反乱の契機に軍内部でも反乱が起きるのではとの観測もある。プリゴジン氏は軍を愚弄し謀反を起こしたのに、軍の最高指揮官であるプーチン氏は不問とした。この不条理に対する反発は、特に若手将校の間で大きくなっている」
事実「プリゴジンの乱」で、ワグネルはロシア軍のヘリコプター5機と、非常に高価な大型機イリューシンII-22M空中指揮通信機1機を携帯式地対空ミサイルで撃墜。少なくとも十数名の兵士が死亡したという。
そもそも傭兵組織はロシアでは違法で、非合法な「ゴロツキ」武装集団が大統領に寵愛され、正規軍の将兵が殺されても無罪放免というのは何とも異常だ。これでは軍隊内の士気低下は必至で、すでにウクライナの前線ではその兆候が出ているとも聞く。
プーチン氏の“お友達クラブ”を主導する「KGB・サンクト閥」
プーチン氏の去就については百家争鳴の状況だが、旧ソ連時代からクレムリンは伏魔殿で謎に満ちている。事実、1991年のソ連邦崩壊や2014年のクリミア侵攻、2022年のウクライナ侵略戦争を言い当てたメディアや自称ロシア通の専門家など皆無に近い。
では仮に「プーチン失脚説」が有力だとしたら、ポスト・プーチンはどうなるのか。メディアなどの観測をまとめると次のようになる。
プーチン氏のお友達クラブである安保会議を現在主導するのは、プーチン氏の古巣・KGBの仲間たちで、中でも故郷が同じサンクトペテルブルク(旧レニングラード)の人間や、この地の大学出身者、つまり「地縁」で結ばれた「KGB・サンクト閥」で固めている。
具体的には、大統領のプーチン氏が安保会議議長を務め、主要メンバーは以下のKGB・サンクト閥“三羽烏”が務める。
【パトルシェフ安保会議書記】
KGB・サンクト閥でプーチン氏の1年先輩。政権の事実上ナンバー2だが、安全保障政策ではプーチン氏を操る“陰の実力者”と目される。ウクライナ侵略戦争をプーチン氏に強く促したとも言われる。
【ボルトニコフFSB長官】
KGB・サンクト閥で同じくプーチン氏の1年先輩。パトルシェフ氏同様にウクライナへの全面侵攻を迫ったと目される。
【ナルイシキンSVR長官】
KGB・サンクト閥でプーチン氏の後輩。
また、ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長の両名も安保会議のメンバーだが、“三羽烏”ほどの発言力はないと見られている。
【ショイグ国防相】
非KGB閥で軍歴もないが、非常事態省時代にプーチン氏の信頼を得て国防相に。「軍隊経験のない国防相」との揶揄も。
【ゲラシモフ参謀総長】
生粋の軍人。「祖国の救世主」として一目置かれる戦車部隊の経験が長いエリート。
早くも名が挙がる「ポスト・プーチン」の有力候補
仮に「ポスト・プーチン」という話となれば、プーチン氏の意向を尊重しながら“三羽烏”を中心に後継者を選ぶはずだ。ただし、3人のうちの誰かが後任として大統領ポストにつくとは考えにくい。いずれも「陰の実力者」として辣腕を振るうタイプで、今後もキングメーカーとして裏で政権を動かしていくと思われる。
そこで「ポスト・プーチン」の有力候補として、早くも下馬評では次のような名前が挙がっている。
【メドベージェフ安保会議副議長(第3代大統領、1965年生まれ)】
非KGBだがサンクト閥。旧ソ連時代からプーチン氏の信頼が厚く、プーチン氏の首相就任時には連邦政府官房次長に抜擢、以後政権の要職を歴任した。ロシアでは当時大統領の連続3選が禁じられていたため(現在は5選までOK)、プーチン氏は一旦首相に退き“名代”としてメドベージェフ氏が2008年に第3代大統領に就任。「タンデム(二頭)体制」と呼ばれた。
2012年に任期を終え、プーチン氏に大統領ポストを移譲して首相に就任。タンデム体制は2020年まで続き、その後初代安保会議副議長に。プーチン氏の「従順な右腕」と目されるが、安保会議副議長への異動は、徐々にプーチン氏の考えと異なる発言を強めることに対する更迭ではとの見方もある。
ただし、「プーチン氏は依然として信頼を置いているので、メドベージェフ氏が後任となることには拒否反応を見せないのでは。大統領経験者でサンクト閥、今は安保会議の要職につき、ピンチヒッターとしては申し分ない」と分析する専門家は少なくない。
【ミシュスチン首相(1966年生まれ)】
メドベージェフ氏の後任として首相に就任。官僚出身の「経済テクノクラート」で、税務畑が長く金融・経済に精通するため、経済立て直しでの活躍にプーチン氏は期待を寄せている。
首相なのでプーチン氏が次期大統領に指名という線が順当だが、政治経験がほとんどなくクレムリンの権力闘争とも無縁のため、果たして務まるのか全くの未知数。逆に「権力欲のなさ」が安保会議の重鎮たちに気に入られ、「傀儡」として祭り上げられる可能性もある。
【パトルシェフ農相(1977年生まれ)】
「陰の実力者」パトルシェフ安保会議書記の長男で「サラブレッド」。FSBに籍があると言われ、長年銀行業で辣腕を振るうなど金融・経済分野に明るい。「来年の大統領選でプーチン氏は病気を理由に出馬せず、彼を後継者指名するのでは」との憶測も出ている。
父のパトルシェフが将来的に長男を大統領にしたがっているのは確実なのだが、予想に反してウクライナとの戦争が長引き、この状態で息子をトップに推挙するのは、火中の栗を拾わせるようなもの。「次の次」の最有力候補と考えたほうが無難だ。
この他、デューミン・トゥーラ州知事や、ソビャニン・モスクワ市長、キリエンコ大統領府第1副長官などの名も挙がるが、とにかくロシアの密室政治は、何が飛び出すか分からない。
ワグネル利権を虎視眈々と狙う「民間軍事会社」の群れ
今後、ロシア最大の傭兵組織だったワグネルがどうなるかは予断を許さないが、少なくとも今までのようなロシア国内での活動は不可能だろう。
となると気になるのは「強大なワグネル利権を誰が継承するのか」だ。特に中央アフリカやマリなどアフリカ・中東で、傭兵ビジネスと並行して獲得した地下資源や宝石、森林資源などの既得権益は莫大だ。
また、驚くことにロシアにはワグネルのような傭兵組織が、少なくとも37団体も存在するという。大半はウクライナ戦争で兵力不足に苦しむロシア軍に戦闘員を紹介する人材派遣業のようなビジネスをメインにしているようだが、ワグネルのように自ら武装部隊を組織し、正規軍とは別に戦闘に参加する組織も珍しくないという。
また、権謀術数うごめくロシア政界の権力闘争で生き残るには、資金と同様に直属の武装組織を持って保身に走るのが鉄則とも聞く。
こうして見ると、そもそも安保会議の主要メンバーの大半は、背後に実力部隊を抱えている。軍歴のないショイグ氏でさえ私兵組織「パトリオット」を有しているのは有名な話だ。
肝心のプーチン氏も兵力33万5000名の国家親衛隊を直轄部隊として抱えるほか、本来は別動隊としてワグネルを事実上私兵として睨みをきかせていた。
余談だが、今回の「プリゴジンの乱」では、この国家親衛隊がワグネルの進軍をいの一番に阻止すべきだった。だが実は戦車や戦闘装甲車、大砲などがないため、ワグネル部隊に対抗できず、進軍を看過するしかなかったとも聞く。これに慌てたプーチン氏は国家親衛隊の戦車保有をただちに認可したという。
その他、国営の天然ガス企業・ガスプロムが「ファケル」「ポトーク」を、また「プーチン氏の金庫番」とも目されるオリガルヒのティムチェンコ氏は、「リダウト」なる傭兵組織をそれぞれ組織。政界での発言力を高める用心棒としてチラつかせていると見られる。
こうした有象無象の傭兵組織がワグネル利権の後釜を狙うのは確実で、今後醜い争奪戦が繰り広げられるのかもしれない。「プリゴジンの乱」は、奇しくも魑魅魍魎が跋扈するクレムリンの権力闘争の内情を垣間見るきっかけとなっているのだ。
事実、今回の騒動に関してプリゴジン氏と関係が深いと目される、「アルマゲドン(最終決戦)将軍」ことスロビキン軍統合副司令官は当局に拘束され、これを皮切りに、ワグネルとつながりのある将校が続々と逮捕されているという。
まさに「大粛清」を彷彿させるような動きだが、「見方を変えればロシア軍内の派閥抗争で、『プリゴジンの乱』を好機に捉え、自らの体制に不満を持つスロビキン氏をはじめとする一派を、この際一網打尽で排除しようと企むショイグ・ゲラシモフのカウンターではないか」と読む向きも少なくない。
「プリゴジンの乱」の余波はまだまだ続きそうだ。
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深川 孝行のプロフィール
(ふかがわ・たかゆき)昭和37(1962)年9月生まれ、東京下町生まれ、下町育ち。法政大学文学部地理学科卒業後、防衛関連雑誌編集記者を経て、ビジネス雑誌記者(運輸・物流、電機・通信、テーマパーク、エネルギー業界を担当)。副編集長を経験した後、防衛関連雑誌編集長、経済雑誌編集長などを歴任した後、フリーに。現在複数のWebマガジンで国際情勢、安全保障、軍事、エネルギー、物流関連の記事を執筆するほか、ミリタリー誌「丸」(潮書房光人新社)でも連載。2000年に日本大学生産工学部で国際法の非常勤講師。
プリゴジン氏の「暗殺指令」を取り下げた背景
結局この男は何がしたかったのだろうか──。6月23日、ロシアの民間軍事会社(PMC/実態は傭兵組織)「ワグネル」の創設者プリゴジン氏は、子飼いの傭兵部隊と戦車を従え、ロシアの首都モスクワに進軍し、武装反乱を企てた。
だが、当初狙っていたとされるショイグ国防相とゲラシモフ・ロシア軍参謀総長の拘束計画は事前に漏れた。急ごしらえの示威行動だったらしく、形勢不利と悟ったプリゴジン氏は首都まであと200kmのところで進軍を中止。「プリゴジンの乱」は1日足らずであっけなく終了した。
激怒するプーチン大統領は当初、「裏切り者」プリゴジン氏の逮捕・捜査を厳命。加えて一説には以下のような内部組織に暗殺命令を発令したとも言われる。
・FSB(連邦保安庁/旧KGB=国家保安委員会の後身で秘密警察。国内治安を担当)
・SVR(対外情報庁/同じく旧KGBの後身。海外でのスパイ活動を担当)
・GRU(連邦軍参謀本部情報総局/軍の情報機関)
・国家親衛隊(実質プーチン氏の直轄部隊。国内治安を担当)
ところが、プーチン、プリゴジン両名と昵懇のベラルーシのルカシェンコ大統領が間に入り、一応プーチン氏は捜査の終了と暗殺指令を取り下げ、プリゴジン氏のベラルーシへの亡命も容認した。
これが「プリゴジンの乱」の顛末だ。「ウクライナ侵略戦争が予期せぬ苦戦に陥る中、ワグネルごときの内輪揉めにエネルギーを使うのは得策ではない。ひとまずプリゴジン氏を泳がせておこう」と、プーチン氏や彼を取り巻く軍・情報機関を指す「シロビキ」の最高幹部たちによる「大人の判断」も働いたようだ。
ロシアの政治権力は事実上シロビキが牛耳る。軍事・治安・情報関連の実力部隊を持つ省庁のコミュニティであり、大統領のプーチン氏を筆頭に、これら省庁のトップからなる「安全保障会議(CSRF)」がシロビキの最高意思決定機関で、いわばプーチン氏の“お友達クラブ”だ。
プーチン政権は崩壊寸前か、それともなお盤石か?
いずれにせよ「プリゴジンの乱」は、プーチン政権にメガトン級の衝撃を与えたことは確かで、早速主要メディアや専門家は、政権の帰趨を占うとばかりに、さまざまな見立てを披露する。
まずは「プーチン失脚説」だ。
「安保会議の権威保持のため、求心力を失いつつあるプーチン氏の首を早期にすげ替え、取り急ぎ“お飾り”の新大統領を据えて安保会議が裏で操る集団指導体制への移行を模索しているのでは。当然ウクライナ戦争の停戦も視野に入れている。戦争の失敗をプーチン氏1人に負わせてお茶を濁す好機と捉えても不思議ではない」
また、これとは逆に「プーチン政権盤石説」を掲げるマスコミも多い。
「安保会議メンバーはプーチン氏の旧友で、さまざまな巨大利権を分け合う運命共同体。プーチンという“神輿”は何が何でも担ぎ続けるはず。プーチン氏の古巣は旧ソ連KGBで全土にスパイ網を張って反体制派を根こそぎ逮捕・暗殺してきたので、組織的な反政府活動は難しい。2024年3月の大統領選も圧倒的支持で再選するはず」
一方、「軍の反乱」を危惧する向きもある。
「深刻なのは軍部の不満が爆発寸前なことで、反乱の契機に軍内部でも反乱が起きるのではとの観測もある。プリゴジン氏は軍を愚弄し謀反を起こしたのに、軍の最高指揮官であるプーチン氏は不問とした。この不条理に対する反発は、特に若手将校の間で大きくなっている」
事実「プリゴジンの乱」で、ワグネルはロシア軍のヘリコプター5機と、非常に高価な大型機イリューシンII-22M空中指揮通信機1機を携帯式地対空ミサイルで撃墜。少なくとも十数名の兵士が死亡したという。
そもそも傭兵組織はロシアでは違法で、非合法な「ゴロツキ」武装集団が大統領に寵愛され、正規軍の将兵が殺されても無罪放免というのは何とも異常だ。これでは軍隊内の士気低下は必至で、すでにウクライナの前線ではその兆候が出ているとも聞く。
プーチン氏の“お友達クラブ”を主導する「KGB・サンクト閥」
プーチン氏の去就については百家争鳴の状況だが、旧ソ連時代からクレムリンは伏魔殿で謎に満ちている。事実、1991年のソ連邦崩壊や2014年のクリミア侵攻、2022年のウクライナ侵略戦争を言い当てたメディアや自称ロシア通の専門家など皆無に近い。
では仮に「プーチン失脚説」が有力だとしたら、ポスト・プーチンはどうなるのか。メディアなどの観測をまとめると次のようになる。
プーチン氏のお友達クラブである安保会議を現在主導するのは、プーチン氏の古巣・KGBの仲間たちで、中でも故郷が同じサンクトペテルブルク(旧レニングラード)の人間や、この地の大学出身者、つまり「地縁」で結ばれた「KGB・サンクト閥」で固めている。
具体的には、大統領のプーチン氏が安保会議議長を務め、主要メンバーは以下のKGB・サンクト閥“三羽烏”が務める。
【パトルシェフ安保会議書記】
KGB・サンクト閥でプーチン氏の1年先輩。政権の事実上ナンバー2だが、安全保障政策ではプーチン氏を操る“陰の実力者”と目される。ウクライナ侵略戦争をプーチン氏に強く促したとも言われる。
【ボルトニコフFSB長官】
KGB・サンクト閥で同じくプーチン氏の1年先輩。パトルシェフ氏同様にウクライナへの全面侵攻を迫ったと目される。
【ナルイシキンSVR長官】
KGB・サンクト閥でプーチン氏の後輩。
また、ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長の両名も安保会議のメンバーだが、“三羽烏”ほどの発言力はないと見られている。
【ショイグ国防相】
非KGB閥で軍歴もないが、非常事態省時代にプーチン氏の信頼を得て国防相に。「軍隊経験のない国防相」との揶揄も。
【ゲラシモフ参謀総長】
生粋の軍人。「祖国の救世主」として一目置かれる戦車部隊の経験が長いエリート。
早くも名が挙がる「ポスト・プーチン」の有力候補
仮に「ポスト・プーチン」という話となれば、プーチン氏の意向を尊重しながら“三羽烏”を中心に後継者を選ぶはずだ。ただし、3人のうちの誰かが後任として大統領ポストにつくとは考えにくい。いずれも「陰の実力者」として辣腕を振るうタイプで、今後もキングメーカーとして裏で政権を動かしていくと思われる。
そこで「ポスト・プーチン」の有力候補として、早くも下馬評では次のような名前が挙がっている。
【メドベージェフ安保会議副議長(第3代大統領、1965年生まれ)】
非KGBだがサンクト閥。旧ソ連時代からプーチン氏の信頼が厚く、プーチン氏の首相就任時には連邦政府官房次長に抜擢、以後政権の要職を歴任した。ロシアでは当時大統領の連続3選が禁じられていたため(現在は5選までOK)、プーチン氏は一旦首相に退き“名代”としてメドベージェフ氏が2008年に第3代大統領に就任。「タンデム(二頭)体制」と呼ばれた。
2012年に任期を終え、プーチン氏に大統領ポストを移譲して首相に就任。タンデム体制は2020年まで続き、その後初代安保会議副議長に。プーチン氏の「従順な右腕」と目されるが、安保会議副議長への異動は、徐々にプーチン氏の考えと異なる発言を強めることに対する更迭ではとの見方もある。
ただし、「プーチン氏は依然として信頼を置いているので、メドベージェフ氏が後任となることには拒否反応を見せないのでは。大統領経験者でサンクト閥、今は安保会議の要職につき、ピンチヒッターとしては申し分ない」と分析する専門家は少なくない。
【ミシュスチン首相(1966年生まれ)】
メドベージェフ氏の後任として首相に就任。官僚出身の「経済テクノクラート」で、税務畑が長く金融・経済に精通するため、経済立て直しでの活躍にプーチン氏は期待を寄せている。
首相なのでプーチン氏が次期大統領に指名という線が順当だが、政治経験がほとんどなくクレムリンの権力闘争とも無縁のため、果たして務まるのか全くの未知数。逆に「権力欲のなさ」が安保会議の重鎮たちに気に入られ、「傀儡」として祭り上げられる可能性もある。
【パトルシェフ農相(1977年生まれ)】
「陰の実力者」パトルシェフ安保会議書記の長男で「サラブレッド」。FSBに籍があると言われ、長年銀行業で辣腕を振るうなど金融・経済分野に明るい。「来年の大統領選でプーチン氏は病気を理由に出馬せず、彼を後継者指名するのでは」との憶測も出ている。
父のパトルシェフが将来的に長男を大統領にしたがっているのは確実なのだが、予想に反してウクライナとの戦争が長引き、この状態で息子をトップに推挙するのは、火中の栗を拾わせるようなもの。「次の次」の最有力候補と考えたほうが無難だ。
この他、デューミン・トゥーラ州知事や、ソビャニン・モスクワ市長、キリエンコ大統領府第1副長官などの名も挙がるが、とにかくロシアの密室政治は、何が飛び出すか分からない。
ワグネル利権を虎視眈々と狙う「民間軍事会社」の群れ
今後、ロシア最大の傭兵組織だったワグネルがどうなるかは予断を許さないが、少なくとも今までのようなロシア国内での活動は不可能だろう。
となると気になるのは「強大なワグネル利権を誰が継承するのか」だ。特に中央アフリカやマリなどアフリカ・中東で、傭兵ビジネスと並行して獲得した地下資源や宝石、森林資源などの既得権益は莫大だ。
また、驚くことにロシアにはワグネルのような傭兵組織が、少なくとも37団体も存在するという。大半はウクライナ戦争で兵力不足に苦しむロシア軍に戦闘員を紹介する人材派遣業のようなビジネスをメインにしているようだが、ワグネルのように自ら武装部隊を組織し、正規軍とは別に戦闘に参加する組織も珍しくないという。
また、権謀術数うごめくロシア政界の権力闘争で生き残るには、資金と同様に直属の武装組織を持って保身に走るのが鉄則とも聞く。
こうして見ると、そもそも安保会議の主要メンバーの大半は、背後に実力部隊を抱えている。軍歴のないショイグ氏でさえ私兵組織「パトリオット」を有しているのは有名な話だ。
肝心のプーチン氏も兵力33万5000名の国家親衛隊を直轄部隊として抱えるほか、本来は別動隊としてワグネルを事実上私兵として睨みをきかせていた。
余談だが、今回の「プリゴジンの乱」では、この国家親衛隊がワグネルの進軍をいの一番に阻止すべきだった。だが実は戦車や戦闘装甲車、大砲などがないため、ワグネル部隊に対抗できず、進軍を看過するしかなかったとも聞く。これに慌てたプーチン氏は国家親衛隊の戦車保有をただちに認可したという。
その他、国営の天然ガス企業・ガスプロムが「ファケル」「ポトーク」を、また「プーチン氏の金庫番」とも目されるオリガルヒのティムチェンコ氏は、「リダウト」なる傭兵組織をそれぞれ組織。政界での発言力を高める用心棒としてチラつかせていると見られる。
こうした有象無象の傭兵組織がワグネル利権の後釜を狙うのは確実で、今後醜い争奪戦が繰り広げられるのかもしれない。「プリゴジンの乱」は、奇しくも魑魅魍魎が跋扈するクレムリンの権力闘争の内情を垣間見るきっかけとなっているのだ。
事実、今回の騒動に関してプリゴジン氏と関係が深いと目される、「アルマゲドン(最終決戦)将軍」ことスロビキン軍統合副司令官は当局に拘束され、これを皮切りに、ワグネルとつながりのある将校が続々と逮捕されているという。
まさに「大粛清」を彷彿させるような動きだが、「見方を変えればロシア軍内の派閥抗争で、『プリゴジンの乱』を好機に捉え、自らの体制に不満を持つスロビキン氏をはじめとする一派を、この際一網打尽で排除しようと企むショイグ・ゲラシモフのカウンターではないか」と読む向きも少なくない。
「プリゴジンの乱」の余波はまだまだ続きそうだ。
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深川 孝行のプロフィール
(ふかがわ・たかゆき)昭和37(1962)年9月生まれ、東京下町生まれ、下町育ち。法政大学文学部地理学科卒業後、防衛関連雑誌編集記者を経て、ビジネス雑誌記者(運輸・物流、電機・通信、テーマパーク、エネルギー業界を担当)。副編集長を経験した後、防衛関連雑誌編集長、経済雑誌編集長などを歴任した後、フリーに。現在複数のWebマガジンで国際情勢、安全保障、軍事、エネルギー、物流関連の記事を執筆するほか、ミリタリー誌「丸」(潮書房光人新社)でも連載。2000年に日本大学生産工学部で国際法の非常勤講師。
いずれにせよ「プリゴジンの乱」は、プーチン政権にメガトン級の衝撃を与えたことは確かで、早速主要メディアや専門家は、政権の帰趨を占うとばかりに、さまざまな見立てを披露すると、深川氏。
まずは「プーチン失脚説」
安全保障会議メンバーは「求心力を失いつつあるプーチン氏の首を早期にすげ替え、取り急ぎ“お飾り”の新大統領を据えて安保会議が裏で操る集団指導体制への移行を模索しているのでは。当然ウクライナ戦争の停戦も視野に入れている。戦争の失敗をプーチン氏1人に負わせてお茶を濁す好機と捉えても不思議ではない」
と、考えるのか。
逆に「プーチン政権盤石説」を掲げるマスコミも多いと、深川氏。
一方、「軍の反乱」を危惧する向きもあるとも。
「深刻なのは軍部の不満が爆発寸前なことで、反乱の契機に軍内部でも反乱が起きるのではとの観測もある。プリゴジン氏は軍を愚弄し謀反を起こしたのに、軍の最高指揮官であるプーチン氏は不問とした。この不条理に対する反発は、特に若手将校の間で大きくなっている」のだそうです。
プーチン氏の去就については百家争鳴の状況だが、仮に「プーチン失脚説」が有力だとしたら、ポスト・プーチンはどうなるのか。メディアなどの観測をまとめると次のようになると、深川氏。
安保会議を現在主導するのは、プーチン氏の古巣・KGBの仲間たちで、中でも「地縁」で結ばれた「KGB・サンクト閥」で固めている。
パトルシェフ安保会議書記、ボルトニコフFSB長官、ナルイシキンSVR長官の“三羽烏”。
ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長の両名も安保会議のメンバーだが、“三羽烏”ほどの発言力はないと見られていると、深川氏。
「ポスト・プーチン」という話となれば、プーチン氏の意向を尊重しながら“三羽烏”を中心に後継者を選ぶはずだ。ただし、3人のうちの誰かが後任として大統領ポストにつくとは考えにくい。いずれも「陰の実力者」として辣腕を振るうタイプで、今後もキングメーカーとして裏で政権を動かしていくと思われるとも。
そこで「ポスト・プーチン」の有力候補として、早くも下馬評では次のような名前が挙がっているのだと。
メドベージェフ安保会議副議長(第3代大統領、1965年生まれ)
ミシュスチン首相(1966年生まれ)
パトルシェフ農相(1977年生まれ)
この他、デューミン・トゥーラ州知事や、ソビャニン・モスクワ市長、キリエンコ大統領府第1副長官などの名も挙がるが、とにかくロシアの密室政治は、何が飛び出すか分からないと、深川氏。
今後、ロシア最大の傭兵組織だったワグネルがどうなるかは予断を許さないが、少なくとも今までのようなロシア国内での活動は不可能だろうと。
となると気になるのは「強大なワグネル利権を誰が継承するのか」だ。特に中央アフリカやマリなどアフリカ・中東で、傭兵ビジネスと並行して獲得した地下資源や宝石、森林資源などの既得権益は莫大。
驚くことにロシアにはワグネルのような傭兵組織が、少なくとも37団体も存在するのだそうです。
、権謀術数うごめくロシア政界の権力闘争で生き残るには、資金と同様に直属の武装組織を持って保身に走るのが鉄則とも聞く。
そもそも安保会議の主要メンバーの大半は、背後に実力部隊を抱えている。軍歴のないショイグ氏でさえ私兵組織「パトリオット」を有しているのは有名な話だ。
肝心のプーチン氏も兵力33万5000名の国家親衛隊を直轄部隊として抱えるほか、本来は別動隊としてワグネルを事実上私兵として睨みをきかせていた。
こうした有象無象の傭兵組織がワグネル利権の後釜を狙うのは確実で、今後醜い争奪戦が繰り広げられるのかもしれない。「プリゴジンの乱」は、奇しくも魑魅魍魎が跋扈するクレムリンの権力闘争の内情を垣間見るきっかけとなっている。
プリゴジン氏と関係が深いと目される、前司令官で降格されていた、スロビキン軍統合副司令官は当局に拘束され、これを皮切りに、ワグネルとつながりのある将校が続々と逮捕されているのだそうです。
まさに「大粛清」を彷彿させるような動きだが、「見方を変えればロシア軍内の派閥抗争で、『プリゴジンの乱』を好機に捉え、自らの体制に不満を持つスロビキン氏をはじめとする一派を、この際一網打尽で排除しようと企むショイグ・ゲラシモフのカウンターではないか」と読む向きも少なくないと、深川氏。
ウクライナと交戦中に内部抗争が勃発したロシア軍は、敵との闘い能力が弱体化するのか、元々内部抗争の問題をかかえていたのが、プリゴジンの乱で表に出てそれが粛清され、団結が強まるのか。
プーチンの統率力は低下するのか、固められるのか。首都キーウに近い地に駐留することになったワグネルは、そこからウクライナへの侵攻に参戦するのか。
要注目ですね。
# 暴動の画像は、失脚説も飛び交うロシアのプーチン大統領