遊爺雑記帳

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揺らぐ米国のウクライナ支援、欧州が役割拡大

2023-11-21 01:23:56 | ウクライナ全般
 米議会は2024会計年度(23年10月〜24年9月)の予算案をまだ策定しておらず、9月末に11月17日までのつなぎ予算を成立させて政府機関の閉鎖を回避していました。その期限が近づき、再延長が必要になっていて、つなぎ予算を審議。
 ウクライナ軍が目立った戦果を上げられない中、国際的な関心はイスラエルとハマスの紛争に移っており、米国のウクライナ支援策は議会で足止めを食っている。
 下院共和党は、ウクライナ・イスラエル・台湾向けの支援パッケージのうち、イスラエル向けの資金のみを拠出することで合意した。だが米議会は16日、いずれの国への支出も承認しないまま2週間の休会に入った。
 米国が新たな支援策を承認しなければ、ウクライナがロシアとの戦争で形勢不利になりかねないとの懸念が高まる中、欧州各国は支援強化に動いていると、WSJ。

 アメリカ「つなぎ予算案」、下院が可決 政府閉鎖は回避へ - 日本経済新聞

 
揺らぐ米国のウクライナ支援、欧州が役割拡大 - WSJ
 ウクライナ軍が対ロシア戦線を維持できるよう米国に代わって支援を強化 by ローレンス・ノーマン and ボジャン・パンチェフスキー (WSJと、総称) 2023年 11月 20日

 【ベルリン】米国が新たな支援策を承認しなければ、ウクライナがロシアとの戦争で形勢不利になりかねないとの懸念が高まる中、欧州各国は支援強化に動いている。

 
欧州と米国は、ウクライナが短期的に大規模な領土奪還を目指すのは難しいとの見方を強め、ウクライナ軍が対ロシア戦線を維持するための支援に主眼を置いている

 ウクライナは今年の反転攻勢で有意な領土奪還を達成できておらず、戦争はほぼ袋小路に陥っている。
欧米首脳らが目下懸念するのは、ウクライナの資金・弾薬不足がさらに深刻化すれば、来年ロシアがウクライナに昨年奪還された地域を再び取り戻すチャンスを与えかねないことだ

 
これまでは米国がウクライナを軍事的に助ける負担の多くを引き受け、数百億ドル規模を支援してきた。だが今度は欧州がその役割を拡大しようとしている。

 
ロシアは西側のウクライナ支援が時間の経過とともに弱まる可能性を計算し、長期戦になる覚悟を決めている。ロシアは砲弾や無人機(ドローン)などの軍需品の生産を拡大する一方、北朝鮮などの国々と武器供給契約を結ぶことで、自国より小さな隣国に消耗戦を仕掛ける能力を高めている。

 
欧州当局者は、たとえ米国のウクライナ支援が縮小しようとも、当面はウクライナを支援し続けると述べている。また欧米の当局者は、来年11月の米大統領選前にロシア政府がウクライナと本格的な和平交渉を始める見込みはほぼないとみている。欧州当局者は、ウクライナが弱体化した状態でその段階を迎えるのは避けたいとしている。

 ウクライナ軍トップは同国の課題を率直に語っている。英経済誌エコノミストの最近の記事によると、
バレリー・ザルジニー総司令官は、今の戦場は第1次世界大戦の消耗戦に次第に似てきているとし、ウクライナにとって行き詰まりを打開できるのは、西側の武器支援による大きな技術的躍進のみだ、と述べた

 ウクライナ軍が目立った戦果を上げられない中、
国際的な関心はイスラエルとハマスの紛争に移っており、米国のウクライナ支援策は議会で足止めを食っている下院共和党は1060億ドル(約15兆9000億円)のウクライナ・イスラエル・台湾向けの支援パッケージのうち、イスラエル向けの資金のみを拠出することで合意した。だが米議会は16日、いずれの国への支出も承認しないまま2週間の休会に入った

 
米国防総省は目下、ウクライナに兵器を供与し続ける資金を現予算の範囲内で約50億ドル確保している。一方、ウクライナへの兵器供与により、米軍自身の在庫を補充するために別途設けた予算はわずか11億ドルにまで減少し、国防総省は資金が尽きつつある、と当局者は指摘する。

 その結果、軍事支援パッケージは縮小の一途をたどり、約2週間ごとに発表されるパッケージの規模は通常3億~5億ドルだが、11月3日に発表されたものは1億2500万ドルにとどまった。

 
バイデン政権はウクライナ支援を続けると約束している。だが新たな支援策は年明けまで待たなければならない可能性がある

 こうした現状を受け、
米国の姿勢が揺らいだ場合、欧州のウクライナへのコミットメントがどの程度持続するかに疑問が持ち上がっている欧州の高官らは米国のウクライナへの支援は不可欠であり、欧州が資金や軍備の面で米国に取って代わるのは無理だと話している。

 
それでも各国は資金不足を埋めようとしているドイツの連立政権は最近、来年のウクライナへの軍事援助額を倍増させ、80億ドル余りにすることで合意。ドイツはウクライナ軍事支援で米国に次ぐ第2位の国となった

 
欧州連合(EU)は今後4年間でウクライナに540億ドルの経済援助を予定するほか、追加の資金援助を伴うウクライナへの地域安全保障コミットメントについても議論している。

 
フランスは今月、ウクライナのフランス製軍備品購入に追加で2億ドル以上の予算を割り当て、支援規模を倍増させると発表した。オランダ政府はウクライナの弾薬調達を支援するため、5億4200万ドル余りの拠出を約束。またベルギーは先月、同国の金融機関が保管するロシア中央銀行の資産から生じた利益に対する課税収入を使い、来年ウクライナに18億5000万ドル超を提供すると発表した。

 
英外相に就任したデービッド・キャメロン氏は先週、キーウを初訪問し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、英国は「今年と来年だけでなく、必要な限りいくらでも長く軍事支援を」提供する、との意向を伝えた

 だが、こうした約束にもかかわらず、EUは来年3月までにウクライナに100万発の砲弾を供与するという目標には遠く及ばない見通しとなっている。

 さらに
戦争への反対姿勢を強めるハンガリーが、EUのウクライナ軍事支援に難色を示している。EUのウクライナ支援の4分の1を拠出するドイツは、二国間支援だけでなく、EUの軍事支援にどこまで貢献するべきかについても疑問を呈し始めている


 欧州と米国は、ウクライナが短期的に大規模な領土奪還を目指すのは難しいとの見方を強め、ウクライナ軍が対ロシア戦線を維持するための支援に主眼を置いている。
 欧米首脳らが目下懸念するのは、ウクライナの資金・弾薬不足がさらに深刻化すれば、来年ロシアがウクライナに昨年奪還された地域を再び取り戻すチャンスを与えかねないことだと、WSJ。
 
 ロシアは西側のウクライナ支援が時間の経過とともに弱まる可能性を計算し、長期戦になる覚悟を決めている。
 欧州当局者は、たとえ米国のウクライナ支援が縮小しようとも、当面はウクライナを支援し続けると述べているのだそうです。

 英経済誌エコノミストの最近の記事によると、バレリー・ザルジニー総司令官は、今の戦場は第1次世界大戦の消耗戦に次第に似てきているとし、ウクライナにとって行き詰まりを打開できるのは、西側の武器支援による大きな技術的躍進のみだ、と述べたのだと。

 国際的な関心はイスラエルとハマスの紛争に移っており、米国のウクライナ支援策は議会で足止めを食っている。下院共和党は、ウクライナ・イスラエル・台湾向けの支援パッケージのうち、イスラエル向けの資金のみを拠出することで合意した。だが米議会は16日、いずれの国への支出も承認しないまま2週間の休会に入ったのでした。

 米国防総省は目下、ウクライナに兵器を供与し続ける資金を現予算の範囲内で約50億ドル確保している。一方、ウクライナへの兵器供与により、米軍自身の在庫を補充するために別途設けた予算はわずか11億ドルにまで減少し、国防総省は資金が尽きつつある、と当局者は指摘しているのだそうです。

 バイデン政権はウクライナ支援を続けると約束している。だが新たな支援策は年明けまで待たなければならない可能性があると、WSJ。

 こうした現状を受け、米国の姿勢が揺らいだ場合、欧州のウクライナへのコミットメントがどの程度持続するかに疑問が持ち上がっている。欧州の高官らは、米国のウクライナへの支援は不可欠であり、欧州が資金や軍備の面で米国に取って代わるのは無理だと話しているのだそうです。

 それでも各国は資金不足を埋めようとしている。ドイツの連立政権は最近、来年のウクライナへの軍事援助額を倍増させ、80億ドル余りにすることで合意。
 欧州連合(EU)は今後4年間でウクライナに540億ドルの経済援助を予定。
 フランスは今月、ウクライナのフランス製軍備品購入に追加で2億ドル以上の予算を割り当て、支援規模を倍増させると発表。
 オランダ政府はウクライナの弾薬調達を支援するため、5億4200万ドル余りの拠出を約束。またベルギーは先月、同国の金融機関が保管するロシア中央銀行の資産から生じた利益に対する課税収入を使い、来年ウクライナに18億5000万ドル超を提供すると発表。
 英外相に就任したデービッド・キャメロン氏は先週、キーウを初訪問し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、英国は「今年と来年だけでなく、必要な限りいくらでも長く軍事支援を」提供する、との意向を伝えたのだそうです。

 だが一方では、EUは来年3月までにウクライナに100万発の砲弾を供与するという目標には遠く及ばない見通しとなっている。
 さらに戦争への反対姿勢を強めるハンガリーが、EUのウクライナ軍事支援に難色を示している。
 ドイツは、二国間支援だけでなく、EUの軍事支援にどこまで貢献するべきかについても疑問を呈し始めていると、WSJ。

 ウクライナ、中東、中国と 3方面での紛争に対峙することになった米国。
 議会の混迷で予算がままならないバイデン政権。
 
 ハマス・イスラエル紛争でトランプ氏の再選に現実味、米外交は混乱・崩壊も イスラエル支持を鮮明にするバイデン大統領だが、リベラル派に離反の恐れ | JBpress (ジェイビープレス)

 日本が果たせる役割は、何なのでしょう。岸田政権は、何をしようとしているのでしょう?



 # 冒頭の画像は、つなぎ予算を主導した10月に就任したばかりのジョンソン下院議長(共和党)



  この花の名前は、アキチョウジ


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