遊爺雑記帳

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5中総会 35年までの長期目標達成は白日夢に終わる可能性が大

2020-11-08 01:33:55 | 中国 全般
 中国共産党第19期中央委員会第 5回総会(5中総会)は、2021~25年の中期経済目標「第14次5カ年計画」と35年までの長期目標の基本方針を承認し、10月29日に閉幕しました。
 これまで掲げていた「中国製造2025」の表現は完全に消えてしまい、代わりに自主開発による「核心技術の突破」がうたわれているのだそうです。
 これは、「中国製造2025」という国家的プロジェクトの失敗により、35年までの長期目標に切り替えざるを得なくなったからだと、石平氏。
 
【石平のChina Watch】「百年の計」粗略にしたツケ - 産経ニュース 2020.11.5

 先月29日、中国共産党第19期中央委員会第5回総会(5中総会は、2021~25年の中期経済目標「第14次5カ年計画」と35年までの長期目標の基本方針を承認し、閉幕した。35年までの長期目標には「鍵となる核心技術で重大な突破を実現する」とあり、「国家的技術自立戦略」の柱として強調されている。

 
なぜ今になってこのような長期目標が打ち立てられたかといえば、その背後にあるのは「中国製造2025」という国家的プロジェクトの失敗である。2025年までにIT産業や、半導体産業などにおける中国製造業の技術レベルを先進国並み、あるいは先進国以上に向上させていくというこの戦略は結局、あらゆる不当な手段を使って先進国から先端技術を摂取(あるいは盗取)して自国技術のレベルアップを図るものであった

 しかし、先端技術主要所有国の
アメリカが自国の知的財産権を守るべく中国に対する制裁や制限を実行し始めると、中国の安易な「盗取戦略」は徐々に通用しなくなり、「技術自立」の道を模索せざるを得なくなった

 実際、5中総会が策定した上述の
「長期目標」で「中国製造2025」の表現は完全に消えてしまい、代わりに自主開発による「核心技術の突破」がうたわれている

 問題は、
中国は果たして、35年までに「核心技術の突破」を成し遂げることができるのかであるが、現状から見れば実に疑わしい。

 例えば、21世紀における「産業のコメ」
半導体の場合、中国国内で使用されている半導体の自給率は2019年でわずか15・7%。精度の高い半導体ほど、ほぼ完全に海外からの輸入を頼りにしている。しかし、先端の半導体を作れる企業の多くはアメリカ企業であったり、アメリカ企業の製造技術を用いて半導体を作っている。アメリカが中国企業に対する半導体技術と部品の供給を完全に止めてしまえば、華為技術(ファーウェイ)のような中国の代表的なIT企業でも、スマホ一つ作れない

 従って、5中総会が策定した前述の長期目標には当然、「半導体の自主開発と製造」が「核心技術の突破」として含まれているが、それは決して安易なことではない。

 先月20日発売の
『瞭望東方週刊』の記事によると、中国各地で2019年に立ち上げられた6つの半導体大型投資プロジェクトは今年になって悉(ことごと)く挫折してしまい、約3000億元程度の不良債権を残したまま、中止されたという。中国国内企業の半導体産業新規参入はほとんど失敗に終わっている。

 
なぜそうなっているのかというと、同じ20日における国家発展改革委員会の孟瑋報道官の発言から、その一端がうかがえる。曰(いわ)く、国家からの補助金を目当てにして「技術無し、人材無し、経験無し」の「三無企業」が大量に半導体産業に参入していることが中国の半導体振興戦略にとっての最大の問題であるという。

 
ファーウェイ創業者の任正非氏は先月28日に国内の関連会議において、中国の半導体振興の最大のネックは資金の不足ではなく、基礎教育と基礎研究が長年ないがしろにされてきていることにあると指摘している。

 しかし、基礎教育と基礎研究の再興は短期間でできる仕事ではないし、「百年の計」が粗略にされたツケは十数年か数十年で解消できるものでは決してない。2035年までに半導体などの
「核心技術の突破」を目指す5中総会の策定目標は白日夢に終わる可能性が大であろう。

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【プロフィル】石平(せき・へい)

 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
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 「中国製造2025」は、2025年までにIT産業や、半導体産業などにおける中国製造業の技術レベルを先進国並み、あるいは先進国以上に向上させていくという戦略。あらゆる不当な手段を使って先進国から先端技術を摂取(あるいは盗取)して自国技術のレベルアップを図るものであったと、石平氏。
 アメリカが自国の知的財産権を守るべく中国に対する制裁や制限を実行し始めると、中国の安易な「盗取戦略」は徐々に通用しなくなり、「技術自立」の道を模索せざるを得なくなったと。
 余談ですが、トランプ政権からバイデン政権に代わるとどうなるかは未明ですね。

 中国は果たして、35年までに「核心技術の突破」を成し遂げることができるのか。
 例えば半導体の場合、中国国内で使用されている半導体の自給率は2019年でわずか15.7%。精度の高い半導体ほど、ほぼ完全に海外からの輸入を頼りにしている。
 アメリカ企業の製造技術を用いて半導体を作っているのが現状。アメリカが中国企業に対する半導体技術と部品の供給を完全に止めてしまえば、華為技術(ファーウェイ)のような中国の代表的なIT企業でも、スマホ一つ作れない。
 『瞭望東方週刊』の記事によると、中国各地で2019年に立ち上げられた 6つの半導体大型投資プロジェクトは今年になって悉(ことごと)く挫折。中国国内企業の半導体産業新規参入はほとんど失敗に終わっているのだと。
 なぜそうなっているのかというと、国家からの補助金を目当てにして「技術無し、人材無し、経験無し」の「三無企業」が大量に半導体産業に参入していることが中国の半導体振興戦略にとっての最大の問題だと石平氏。

 ファーウェイ創業者の任正非氏は、中国の半導体振興の最大のネックは資金の不足ではなく、基礎教育と基礎研究が長年ないがしろにされてきていることにあると指摘しているのだそうです。
 しかし、基礎教育と基礎研究の再興は短期間でできる仕事ではない。2035年までに半導体などの「核心技術の突破」を目指す5中総会の策定目標は白日夢に終わる可能性が大であろうと石平氏。

 とはいえ、米国に挑んできて、盗んだ技術とはいえ接近してきている技術。米中の「新冷戦時代」に突入し、優位を保っているトランプ氏から、かつて、習近平の南シナ海の人口島建設に対し、ハリス太平洋軍司令官が早期の対策を提言したにもかかわらず、話し合いで解決させるとした、オバマ大統領、バイデン副大統領政権は、逆に「太平洋二分割統治」論を示してきた習近平によって論破され、南シナ海の不法領有を許してしまったそのバイデン氏に政権が代わることになりそうです。
 与野党が共に中国の覇権拡大に対抗する情勢に変化しているとは言え、習近平に論破されたオバマ、バイデンの実績からは、不安が募ります。
 パンダハガーのスーザン・ライスの国務長官登用とか、民主党の本流は左派色が濃いサンダース上院議員派であり、政権奪回の為に無難なバイデン氏を候補に立てたが、政権獲得後は、サンダース派が仕切ると言う見方があります。
 
 米中「新冷戦時代」に突入し、対中包囲網造りにとりかかっていたトランプ政権の退陣。
 「新冷戦時代」の片方の旗頭が交代しました。FBIが真相究明中というチャイナゲート疑惑で中国に抑えられているバイデン氏。バイデン氏はお飾りにして、実質は仕切ると言われるサンダース派の民主党政権。

 米国の核の傘におんぶにだっこで護られてきた日本。尖閣諸島の実行支配争いで、「海警」の侵略を受けている日本。自立した抑止力の強化と、自由主義各国との連携強化が求められますね。



 # 冒頭の画像は、深圳経済特区成立40年を祝う記念式典で演説する中国の習近平国家主席




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