遊爺雑記帳

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「米国第一」に回帰のトランプ大統領 欧州各国に対し、国防費の負担増や鉄鋼の輸入制限等圧力

2018-05-19 23:58:58 | 米国 全般
 トランプ大統領は、11月の米中間選挙を意識し「米国第一」への回帰を進めていて、欧州各国に対しても、国防費の負担増や鉄鋼の輸入制限、イラン核合意離脱による経済制裁の復活を打ち出してきました。
 欧州諸国はトランプ米政権への反発を強め、EUのトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、米国への依存脱却の必要性を訴えているのだそうです。

 
トフンブ氏 欧州に圧力 国防費負担、輸入制限… (5/19 読売朝刊)

 【ワシントン=黒見周平】トランプ米大統領が欧州各国に対し、国防費の負担増や鉄鋼の輸入制限、イラン核合意離脱による経済制裁の復活を打ち出し、圧力を強めている。11月の米中間選挙を意識し、基本理念である「米国第一」に回帰していることが背景にある。

中間選挙へ「米国第一」
 「実際は4%であるべきだ。2%はとても低い」 
トランプ氏は17日、ホワイトハウスで会談した北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長に、加盟国の国防費負担を倍増するように迫った
 NATOは2024年までに各国の国防費負担を国内総生産(GDP)の2%以上とする目標を掲げる。これに対しトランプ氏は「米国の安全保障上の負担が重すぎる」と不満を抱く。
 
トランプ氏にとっては、対欧州連合(EU)の貿易赤字も大きな課題だ。17日の会談ではドイツの自動車大手企業を名指しし「我々は車を売るのがとても難しいのに、メルセデスやBMWは米国に流れ込んでいる」と非難した。
 トランプ氏は、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限や核合意で解除した対イラン制裁の再開を「武器」に、欧州から貿易赤字削減などで有利な条件を引き出す戦略を描いているとみられる。
 輸入制限を巡っては、EUなどへの一時的な適用除外措置が5月末で期限切れとなる。イラン制裁では、
11月初旬にイランの石油や金融取引に対する本格的な措置が発動される。イランに積極的に進出してきた欧州企業も「二次的制裁」の対象となり得るため、影響は絶大だ。
 トランプ氏は16年大統領選で、国防費の公平な負担や貿易赤字の削減を訴え、支持を集めた経緯がある。米国内では、「欧州の同盟国を脅して成果を得ても、米国は信頼を失い、長期的には国益を損なう」(米外交筋)との懸念も出ている。

欧州企業制裁 対抗手続き イラン巡り EU、米市場締め出し想定
 【ブリュッセル=横堀裕也】欧州連合(EU)の執行機関・
欧州委員会は18日、イラン核合意から離脱した米国が経済制裁を再開させる方針を示していることを受け、イランに進出している欧州企業が制裁の対象となった場合、対抗措置を取るための手続きを開始したと発表した。
 対抗措置は、欧州企業が米国の「二次的制裁」の対象となり、米金融市場から締め出されるような状況での発動を想定している。欧州委によると、欧州企業の事業に損害が生じた場合に、EU内の裁判所での審理を経て、米側に賠償させる措置などが柱だ。18日に欧州議会と加盟国に、関連する規則の修正案を提示した。
 欧州諸国はトランプ米政権への反発を強める。
EUのトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は16日の記者会見で、同盟国であるはずのEUが不当に扱われていると不満を表明しつつ、米国への依存脱却の必要性を訴えた

露、対欧州改善を模索 独首相と会談 プーチン外交再始動
 【モスクワ=畑武尊】
ロシアのプーチン大統領は17日、露南部ソチで、シリアのアサド大統領と会談し、大統領通算4期目の外交を本格的に始動させた。18日には、ドイツのメルケル首相と会談した。ロシアは対米関係が最悪の状態で、欧州を手始めに先進7か国(G7)との関係改善の糸口を探りたい考えだ。
 ロシアも参加するイラン核合意について、プーチン政権は核合意堅持の立場で独仏などと足並みをそろえており、メルケル氏ともこの方針を再確認するとみられる。プーチン氏は、24日に露西部サンクトペテルブルクで
フランスのマクロン大統領とも会談する予定だ。3月に英国で起きた露元情報機関員らの襲撃事件で、独仏との関係は冷え込んだが、プーチン氏は、イラン核合意などを巡り米欧に亀裂が生じている現状を好機ととらえ、独仏と米国との分断を図りたい考えとみられる。
 アサド氏との会談で、プーチン氏はアサド政権を支持する姿勢を鮮明にした。4月中旬の米英仏によるシリア攻撃後、初めての会談で、中東外交に引き続き深く関与する姿勢を示した。

 17日、ホワイトハウスで、NATOのストルテンベルグ事務総長と会談したトランプ大統領は、各国の国防費負担をGDPの2%以上とする目標を掲げるNATO加盟国に対し、負担を倍増するように迫ったのだそうです。
 また、メルセデスやBMWを名指しして、貿易赤字の批難もしたのだそうです。
 更に、イラン制裁再開に伴い、11月初旬にイランの石油や金融取引に対する本格的な措置が発動され、イランに積極的に進出してきた欧州企業も「二次的制裁」の対象となり得るため大きな影響が発生するとも。

 欧州委員会は、イランに進出している欧州企業が制裁の対象となった場合、対抗措置を取るための手続きを開始したと発表。トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、同盟国であるはずのEUが不当に扱われていると不満を表明しつつ、米国への依存脱却の必要性を訴えたのだそうです。

 EUと米国の対立をチャンスととらえたたプーチン大統領は、独・メルケル首相、仏・マクロン大統領と相次いで会談し、独仏と米国との分断を図る意向なのだと。

 アジアでは北朝鮮との、核とミサイル廃棄を巡る交渉と制裁。対中貿易赤字解消制裁と交渉をすすめ、中東ではイランへの制裁解除離脱、そして欧州へもNATOの国防費負担と貿易赤字で圧力をかけ対立。
 ロシアとも続く対立を抱え、隣国のカナダ、メキシコともNAFTA再交渉中と、世界中で対立を産んでいる「米国第一」のトランプ大統領。
 日本にも鉄鋼・アルミニウムの輸入制限策を適用し、TPPを離脱し二国間交渉での赤字解消を迫ろうとしています。

 11月の米中間選挙を睨み、選挙戦モードに入った様子。「米国第一」を通り越して、目先の選挙第一での外交や安全保障成果優先とならないか。それが、日本を取り巻く安全保障や、対米関係にどんな影響を及ぼすのか、ひいては世界の安全保障や経済に、どのような影響を及ぼすのか。目が離せませんね。



 # 冒頭の画像は、トランプ大統領とNATOのストルテンベルグ事務総長




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