今日の産経の正論で、田久保杏林大学名誉教授が同様の事を書いておられました。まぁ、当たり前の考えかたで珍しくもないということですね。
しかし、中韓の世界世論への宣伝がエスカレートするなか、世論獲得戦争には打ち勝たねばなりませんね。コツコツと連携国造りに努力し足を運ぶ安倍首相。効果が膨らんできて欲しいものです。
産経新聞に時折コラムを書いている米国の評論家、リチャード・ハロラン氏が、43年前の1970年に、日本で出されていた英文季刊誌「パシフィック・コミュニティー」に、「米国とアジア-70年代への提案」と題する一文を書いたのを思い出している。時期的に、ニクソン大統領がアジア全域から米地上戦闘部隊を引き揚げると宣言した翌年に当たる。
≪米国は頼れる世界の警察か≫
ハロラン氏は、米軍は今の第2列島線まで手を引き、機動戦略戦力としては依然、にらみをきかせながら、その空白は、韓国から豪州までの中国を除く太平洋・アジア諸国が参加する「太平洋アジア条約機構(PATO)」の結成で埋めよ、と説いた。撤兵の具体的スケジュールも挙げたから、米政府内部には、そのようなシナリオがあるのではないかとの臆測を関係各国に生み、米国務省はわざわざ「米政府とは無関係」とのコメントを出したほどだ。
日本が一国平和主義の殻に閉じこもっていたことに対して、ハロラン氏は苛立(いらだ)っていたのだろう。「四半世紀の間、米国が与えてきた安全保障のための盾を当然視することをやめ、アジアの主要国としてふさわしい負担を引き受けなければならない」と述べ、日本は「PATO」で指導的役割を果たすべきだ、と切言した。
論文が今も現実離れしているのは言うまでもないが、シリア問題の不始末を弁解するために行ったとしか思えない9月10日のテレビ演説で、オバマ大統領が「米国は世界の警察官になるべきではない」と2度も繰り返したのを見ると、米国は果たして頼りになるかとの懸念が脳裏をかすめ、ハロラン論文を思い出してしまう。
同盟国の米国は一体どうしたのか。シリア化学兵器全廃を主張したロシアが一躍、外交の主導権を握り、内戦で一般市民10万人余が犠牲になったシリアのアサド大統領は国連決議に従って誠実に化学兵器の処理に取り組んでいる政治家に一変し、主役だったオバマ大統領は端役に転落してしまった。
≪中国と渡り合った安倍首相≫
政争による政府の機能停止という特殊事情があったにせよ、オバマ氏が10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に顔を出さなかったのは、外交上の大失敗以外の何ものでもない。代わってこれ見よがしに存在感を誇示したのは中国の習近平国家主席だった。
主席がインドネシアの国会演説でぶった「21世紀の海上シルクロード構想」は、9月に中央アジア・カザフスタンの首都アスタナで提唱した「シルクロード経済ベルト構想」と相まって、米国や日本に対抗し地域の経済、安保面の指導権を確立しようという野心がむき出しになっている。
米国がアジアで影を薄める中で特筆すべきは安倍晋三外交だと思う。首相就任後、ASEAN諸国を積極的に訪問し、近くカンボジアとラオスも訪れるようだが、ブルネイで開かれたASEAN加盟諸国と日米中など18カ国による東アジアサミットでは、中国と渡り合った。南シナ海の領有権問題で中国が一貫して主張してきたのは2国間交渉であり、その魂胆が古ぼけた「分断統治」にあることは誰の目にも明らかだ。それに最も脅威を感じているのはベトナムとフィリピンであろう。
安倍首相は「南シナ海をめぐる問題は地域国際社会全体の関心事であり、全ての関係国が国際法を順守し、一方的な行動は慎むべきだ」との議論を展開した。全ての国々が中国と経済的に結びつつ、安全保障面では米国に依存する複雑な方程式の中で大胆な本音を口に出せないASEAN諸国が、この日本の正論をどのように受け取ったかは明らかだろう。
≪日米豪印強化して対中改善≫
そうした中、にわかに脚光を浴びているのが、日米同様の太平洋国家、オーストラリアで9月に誕生したアボット政権だ。米国との同盟強化を唱え、日本との経済、安全保障関係をとりわけ重視する。岸田文雄外相とビショップ外相ら、安倍首相とアボット首相との会談がインドネシアとブルネイで相次いで行われて、日米豪3カ国の連携強化が話し合われた。ビショップ外相はその後、訪日して首相と会い、日本記者クラブでの会見では、日本の集団的自衛権に関する憲法解釈見直しの作業に賛意を表した。安倍政権にとって、ありがたい助っ人が駆けつけてくれたことになる。
国際秩序は、冷戦の終焉(しゅうえん)を経て中国の台頭を迎え、米国を中心にこれにどう対応するかという難問を抱えている。2期目に入ったオバマ政権の外交的指導性に陰りが生じ始め、その米国の弱点をアジア・太平洋地域で日本と豪州がいかに補っていくか、新しい局面がほの見えだしたと考えていいのではないか。中国との対立は決して好ましくはないが、日本が米豪両国ならびにインドなどとの関係をさらに強化していく中で、中国との関係改善も考える時期が到来しているように思われる。(たくぼ ただえ)
外交力の後ろ盾が軍事力であることは、いまさら申し上げるほどのことでもありませんが、アジア回帰は米国の太平洋軍司令部でも形骸化していて、パンダハガーが多数を占めるようになってきているのだそうですね。
かつてキーティング太平洋軍司令官が中国軍の幹部と会談した際に「ハワイから東を米国、西を中国で管理しないか」と提案された話を、習近平が訪米しオバマ大統領と会談した際にも持ち出し、オバマ大統領は一蹴したことは諸兄がご承知の通りです。
ところが、43年前の1970年に元ニューヨーク・タイムズの東京支局長のリチャード・ハロラン氏が、米軍は今の第2列島線まで手を引き、その空白は、「太平洋アジア条約機構(PATO)」の結成で埋めよと説いていたのだそうですね。
ところが今、太平洋軍司令部の中に、パンダハガーが多数派を占めるようになり、太平洋二分割論に賛同する勢力が増えてきていると、取材訪問した青山繁晴氏が随所で語っておられますね。
青山繁晴氏が驚愕したアメリカ軍司令部の実態とは!?
(開始2分後あたりから)
ザ・ボイス そこまで言うか 青山繁晴/Radital/ニッポン放送
(10月17日放送分の開始6分10秒あたりから)
ハロラン氏が論じた米軍の撤退が、全くの空論ではなく現実味をおびてきているのですね。そして、ハロラン氏は米軍の撤退した空白は、日本が主導するPATOが埋めることを唱えていましたが、太平洋軍司令部のパンダハガーは、中国に明け渡すと言っているのです。
艦隊司令部ではそのようなことはないと言うことですし、オバマ大統領も習近平氏には、日米同盟があると一蹴していました。
しかし、最近の急速なオバマ氏の指導力の低下と、ケリー国務長官の登用によるアジア離れ兆候は、日本としては備えが必要です。
ハロラン氏の提唱のPATOはさておいて、日豪安保共同宣言を交わしている豪州や、インド、あるいはアジアに目を向けてきた英連邦の盟主・英国といった国々との連携強化・反覇権主義国の世論形成が急がれますね。
オバマ政権はアジア・太平洋に適切な兵力投入の意欲も能力もない。 - 遊爺雑記帳
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# 冒頭の画像は、豪・ダーウィンに米海兵隊が駐留開始した時のオバマ大統領と、ギラード首相
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中韓の宣伝攻勢には十分に注意すべきでしょう。対米ロビーといえば、韓国が得意で、国連への働きかけも、元大臣級などの政治家が名を挙げて、奏功しているのですが、中韓から習うべきは、自国ではなく、敵国を含めて、他国を市場と見なして、そこに向けて、積極攻勢を懸けている事だと思います。アメリカには政治ロビー、日本には韓流など、他国の国民性も十分に研究し、ベストの方法を考えていると思います。日本には、大衆路線を取るというのは、アメリカと同じで、宗主国の模倣と言えるでしょうね。
中国は、政治と文化における、日本の親米を基本とした国是に対して、対決姿勢を強める他にないでしょう。中国の軍拡は明らかに日本を相手としたもので、沖縄などでは、米軍基地がありながら、アメリカ化が進まないのは、米国文化の限界を露呈すると共に、沖縄が、独自の文化を取り戻す、再評価が必要だと思います。