米・アトランタで行われていたTPP交渉は、大筋合意に達し、閣僚会議を経て、22時現在発表会見が行われています。
7月にハワイで行われた会議で合意に達することが出来なかった時には、米国、カナダ、オーストラリア等の選挙戦が迫っていることから、直近での合意は困難と思われました。一転し、今回合意に達するには、日本の甘利大臣の行司役での活動が大きかったと言われています。
民主党・野田政権時に遅ればせながらの交渉参加を決断して以来の長い時間を要しましたが、日本が主導する役割も担いながらの大筋合意は、決定打を欠くアベノミクス第三の矢の大きな柱となるもので、お流れとなりそうな状況からの逆転合意には、未だ信じられない想いです。
他方、日本国内でTPPがデメリットとなる産業があります。
政府は対策を講じるとしていますが、従来の様な、単なる補助金支援ではなく、TPPとは関係なく、少子高齢化で構造改革が必要であった産業が多く、その抜本的変革を軸に、お上に依存するでけではない対応が求められます。
一例で、農業の大規模化でのコストダウンが上げられていますが、規模の大小でのコストダウンを、海外の大規模農業と競争しても勝てません。専業大規模農家や新規参入企業への農地集約によるコストダウンと共に、品質の差別化の推進が欠かせません。
TPP対応に留まらない、少子高齢化による衰退構造への対策が構築されることを願います。
# 冒頭の画像は、閣僚会合に向かう甘利経済財政・再生相
この花の名前は、フロックス ・パニキュラータ
↓よろしかったら、お願いします。
7月にハワイで行われた会議で合意に達することが出来なかった時には、米国、カナダ、オーストラリア等の選挙戦が迫っていることから、直近での合意は困難と思われました。一転し、今回合意に達するには、日本の甘利大臣の行司役での活動が大きかったと言われています。
民主党・野田政権時に遅ればせながらの交渉参加を決断して以来の長い時間を要しましたが、日本が主導する役割も担いながらの大筋合意は、決定打を欠くアベノミクス第三の矢の大きな柱となるもので、お流れとなりそうな状況からの逆転合意には、未だ信じられない想いです。
TPP交渉 閣僚会合で大筋合意 NHKニュース
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉は、アメリカ南部のアトランタで開かれている参加12か国による閣僚会合で、バイオ医薬品の開発データの保護期間など、難航していた分野で各国が折り合い、大筋合意に達しました。
アメリカ南部のアトランタで行われているTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉参加12か国による閣僚会合は、当初、2日間の日程で始まりました。
しかし、バイオ医薬品の開発データの保護期間、乳製品の関税の取り扱い、それに、自動車分野の原産地規則を巡って、協議が難航し、日程が繰り返し延長されて、日本時間の5日まで6日間にわたり交渉が続けられました。
こうしたなか、日本政府の関係者によりますと、最大の焦点となっていたバイオ医薬品を巡って、アメリカとオーストラリアとの間の協議が合意に達し、チリやペルーなど、ほかの関係国との調整も整うなど、難航分野で各国が折り合い、TPP交渉は大筋合意に達したということです。
交渉参加12か国の閣僚らは、日本時間の午後8時20分ごろから全体会合を開き、このあと、記者会見し、交渉が大筋合意に達したことを発表することにしています。
TPP交渉は、交渉が始まってから5年半、日本が交渉に参加してから2年余りを経て、ほぼ終結する見通しとなりました。TPPに参加する12か国の経済規模は、世界全体の4割を占めていて、日本政府は、TPPはアジア太平洋地域の新たな貿易・経済活動のルールの礎になるものとして、早期の大筋合意の実現を目指してきました。
安倍首相「アジア太平洋の未来に大きな成果」
安倍総理大臣は、総理大臣公邸で記者団に対し、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の閣僚会合について、「先ほど、現地の甘利経済再生担当大臣から、『TPP交渉が大筋合意に達した』との報告を受けた」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「TPPは、価値観を共有する国々が自由で公正な経済圏を作っていく国家百年の計であり、政権発足後、最初の日米首脳会談において交渉参加の決断をした。以来2年半にわたって粘り強い交渉を続けてきた結果、大筋合意に至ったことは、日本のみならずアジア太平洋の未来にとって大きな成果だ。政権発足以来の大きな課題に結果を出すことができた」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は「交渉の結果、農業分野において、米、牛肉、豚肉、乳製品といった主要品目を中心に、関税撤廃の例外をしっかりと確保することができた。農業は国の基(もとい)であり、美しい田園風景を守っていくことは政治の責任だ。生産者が安心して再生産に取り組むことができるよう若い皆さんにとって夢のある分野にしていくために、われわれも全力を尽くしていきたい。農林水産業をしっかりとそうした分野にしていきたい」と述べました。
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉は、アメリカ南部のアトランタで開かれている参加12か国による閣僚会合で、バイオ医薬品の開発データの保護期間など、難航していた分野で各国が折り合い、大筋合意に達しました。
アメリカ南部のアトランタで行われているTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉参加12か国による閣僚会合は、当初、2日間の日程で始まりました。
しかし、バイオ医薬品の開発データの保護期間、乳製品の関税の取り扱い、それに、自動車分野の原産地規則を巡って、協議が難航し、日程が繰り返し延長されて、日本時間の5日まで6日間にわたり交渉が続けられました。
こうしたなか、日本政府の関係者によりますと、最大の焦点となっていたバイオ医薬品を巡って、アメリカとオーストラリアとの間の協議が合意に達し、チリやペルーなど、ほかの関係国との調整も整うなど、難航分野で各国が折り合い、TPP交渉は大筋合意に達したということです。
交渉参加12か国の閣僚らは、日本時間の午後8時20分ごろから全体会合を開き、このあと、記者会見し、交渉が大筋合意に達したことを発表することにしています。
TPP交渉は、交渉が始まってから5年半、日本が交渉に参加してから2年余りを経て、ほぼ終結する見通しとなりました。TPPに参加する12か国の経済規模は、世界全体の4割を占めていて、日本政府は、TPPはアジア太平洋地域の新たな貿易・経済活動のルールの礎になるものとして、早期の大筋合意の実現を目指してきました。
安倍首相「アジア太平洋の未来に大きな成果」
安倍総理大臣は、総理大臣公邸で記者団に対し、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の閣僚会合について、「先ほど、現地の甘利経済再生担当大臣から、『TPP交渉が大筋合意に達した』との報告を受けた」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「TPPは、価値観を共有する国々が自由で公正な経済圏を作っていく国家百年の計であり、政権発足後、最初の日米首脳会談において交渉参加の決断をした。以来2年半にわたって粘り強い交渉を続けてきた結果、大筋合意に至ったことは、日本のみならずアジア太平洋の未来にとって大きな成果だ。政権発足以来の大きな課題に結果を出すことができた」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は「交渉の結果、農業分野において、米、牛肉、豚肉、乳製品といった主要品目を中心に、関税撤廃の例外をしっかりと確保することができた。農業は国の基(もとい)であり、美しい田園風景を守っていくことは政治の責任だ。生産者が安心して再生産に取り組むことができるよう若い皆さんにとって夢のある分野にしていくために、われわれも全力を尽くしていきたい。農林水産業をしっかりとそうした分野にしていきたい」と述べました。
中国経済が低迷期に突入する今後、成長が期待されるのはアジア市場です。
少子高齢化で国内市場が縮小する日本は、TPPを通じ市場を拡大させることが必須です。勿論、参加12カ国も思いは同じでしょう。
中国(含、AIIBに参加した欧州勢)と、TPP参加国とでアジアの市場獲得競争となりますが、多国間の貿易、投資の新しいルールを構築したTPPが、国際標準となり、主導することが可能となります。
TPP大筋合意へ 中国に代わる経済牽引役に 経済本部長・関根秀行 (10/5 産経)
世界最大の自由貿易圏を作る取り組みが難産の末、合意にこぎつけた。世界経済の約4割を占める米国、日本など12カ国が貿易や投資拡大を通じアジア太平洋地域の経済を活性化する意義は大きく、何より「中国の不参加」というのが特徴だ。
アジアインフラ投資銀行の設立など経済支援の影響力を強める中国だが、成長に陰りが見え始めた。南シナ海への軍事進出といった不条理と表裏一体の台頭を抑える意味で、日米が制度設計から関わったTPPは千鈞(せんきん)の重みを持つ。新しい貿易・投資のルールを通じ世界経済の健全な成長を促す試みとなるからだ。
TPPと比較される国際貿易交渉は1993年12月に合意した関税貿易一般協定(ガット)多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)だが、日本にとって22年前と共通の課題は「農業開国」への覚悟だろう。
ガット交渉の合意直前、コメなどの農産品輸入を迫られた日本では「農業が壊滅する」との懸念が強まった。スイス・ジュネーブのガット本部で、コメの特殊性を訴える日本の国会議員団と会談したサザランド・ガット事務局長の困惑の表情は今も忘れがたい。
ウルグアイ・ラウンドで日本はコメ1キロあたり341円の高関税を課す代わりにミニマムアクセス(最低輸入量)で約77万トンの輸入を決め、6兆円の農業関連対策費を打ち出した。どのように使われ消えたのか。結局、農業が壊滅する事態は起きなかった。
TPP合意を受け、来年夏の参院選を視野に平成28年度予算の概算要求で「国内農業強化」の働きかけが強まりそうだが、歳出抑制への逆行や農家保護のバラマキへの逆戻りは慎んでほしい。競争力を持つ強い農業への支援こそ急務だ。
ガットを受け継いだ世界貿易機関(WTO)を舞台にした多国間交渉が難しい今、経済連携の動きは世界の潮流となった。その先頭を走るTPPは、アジア太平洋地域はもちろん、国際標準の羅針盤となる成果が求められる。
世界最大の自由貿易圏を作る取り組みが難産の末、合意にこぎつけた。世界経済の約4割を占める米国、日本など12カ国が貿易や投資拡大を通じアジア太平洋地域の経済を活性化する意義は大きく、何より「中国の不参加」というのが特徴だ。
アジアインフラ投資銀行の設立など経済支援の影響力を強める中国だが、成長に陰りが見え始めた。南シナ海への軍事進出といった不条理と表裏一体の台頭を抑える意味で、日米が制度設計から関わったTPPは千鈞(せんきん)の重みを持つ。新しい貿易・投資のルールを通じ世界経済の健全な成長を促す試みとなるからだ。
TPPと比較される国際貿易交渉は1993年12月に合意した関税貿易一般協定(ガット)多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)だが、日本にとって22年前と共通の課題は「農業開国」への覚悟だろう。
ガット交渉の合意直前、コメなどの農産品輸入を迫られた日本では「農業が壊滅する」との懸念が強まった。スイス・ジュネーブのガット本部で、コメの特殊性を訴える日本の国会議員団と会談したサザランド・ガット事務局長の困惑の表情は今も忘れがたい。
ウルグアイ・ラウンドで日本はコメ1キロあたり341円の高関税を課す代わりにミニマムアクセス(最低輸入量)で約77万トンの輸入を決め、6兆円の農業関連対策費を打ち出した。どのように使われ消えたのか。結局、農業が壊滅する事態は起きなかった。
TPP合意を受け、来年夏の参院選を視野に平成28年度予算の概算要求で「国内農業強化」の働きかけが強まりそうだが、歳出抑制への逆行や農家保護のバラマキへの逆戻りは慎んでほしい。競争力を持つ強い農業への支援こそ急務だ。
ガットを受け継いだ世界貿易機関(WTO)を舞台にした多国間交渉が難しい今、経済連携の動きは世界の潮流となった。その先頭を走るTPPは、アジア太平洋地域はもちろん、国際標準の羅針盤となる成果が求められる。
他方、日本国内でTPPがデメリットとなる産業があります。
政府は対策を講じるとしていますが、従来の様な、単なる補助金支援ではなく、TPPとは関係なく、少子高齢化で構造改革が必要であった産業が多く、その抜本的変革を軸に、お上に依存するでけではない対応が求められます。
一例で、農業の大規模化でのコストダウンが上げられていますが、規模の大小でのコストダウンを、海外の大規模農業と競争しても勝てません。専業大規模農家や新規参入企業への農地集約によるコストダウンと共に、品質の差別化の推進が欠かせません。
TPP国内対策を検討 政府、農業大規模化を後押し :日本経済新聞
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意に至った場合に、政府は影響があるとみられる農業を中心に国内対策の検討に入る。米国産などのコメの輸入量が拡大することを踏まえ、農地の大規模化などを通じた生産コストの引き下げを促す。2015年度補正予算の編成も視野にコメや畜産農家向けに支援を実施する方針だ。
政府はTPP交渉が大筋合意すれば、週内にも全閣僚が参加する国内対策本部を立ち上げる。農業の国内対策は首相官邸に設置している「農林水産業・地域の活力創造本部」で週内にも議論を始める見通しだ。
合意内容に基づいて、各分野にどれぐらいの影響があるかも試算する。試算を踏まえて、今後数年間にわたって実施する対策を見極めるとみられる。農産物の場合には実際に関税が撤廃されたり、大幅に引き下げられたりするのに時間がかかるとみられ、麻生太郎財務相は「対策としては長期的なものを考えている」と指摘している。
具体策としては生産コストの引き下げが不可欠になる。農林水産省によると、10アールあたりのコメの生産コストは農地面積が15ヘクタール以上では10万3395円。0.5ヘクタール以下の場合に比べて5割低い。農地をできるだけ大規模化するほど効率的な生産ができる。
政府は14年度に複数の農地を集約して農業法人などに貸し出す「農地中間管理機構」を立ち上げた。16年度にも耕作放棄地への課税を強化して同機構に農地が集まりやすくする考え。農地の大規模化に合わせてパイプラインなどの施設整備を支援する予算の増額も検討課題になる。高齢化が進む農家の新しい担い手の育成も支援する。
農林水産関係の予算は15年度当初で2兆3090億円と10年前に比べて22%減っており、国内対策を積み増すべきだとの声が勢いを増す可能性がある。
ただ、1993年に合意したガット・ウルグアイ・ラウンドでは2兆6700億円の農業対策予算が計上されたが、農業の強化にはつながらなかったとの指摘もある。政府は20年度の基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げているだけに、具体策は精査が必要になりそうだ。
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意に至った場合に、政府は影響があるとみられる農業を中心に国内対策の検討に入る。米国産などのコメの輸入量が拡大することを踏まえ、農地の大規模化などを通じた生産コストの引き下げを促す。2015年度補正予算の編成も視野にコメや畜産農家向けに支援を実施する方針だ。
政府はTPP交渉が大筋合意すれば、週内にも全閣僚が参加する国内対策本部を立ち上げる。農業の国内対策は首相官邸に設置している「農林水産業・地域の活力創造本部」で週内にも議論を始める見通しだ。
合意内容に基づいて、各分野にどれぐらいの影響があるかも試算する。試算を踏まえて、今後数年間にわたって実施する対策を見極めるとみられる。農産物の場合には実際に関税が撤廃されたり、大幅に引き下げられたりするのに時間がかかるとみられ、麻生太郎財務相は「対策としては長期的なものを考えている」と指摘している。
具体策としては生産コストの引き下げが不可欠になる。農林水産省によると、10アールあたりのコメの生産コストは農地面積が15ヘクタール以上では10万3395円。0.5ヘクタール以下の場合に比べて5割低い。農地をできるだけ大規模化するほど効率的な生産ができる。
政府は14年度に複数の農地を集約して農業法人などに貸し出す「農地中間管理機構」を立ち上げた。16年度にも耕作放棄地への課税を強化して同機構に農地が集まりやすくする考え。農地の大規模化に合わせてパイプラインなどの施設整備を支援する予算の増額も検討課題になる。高齢化が進む農家の新しい担い手の育成も支援する。
農林水産関係の予算は15年度当初で2兆3090億円と10年前に比べて22%減っており、国内対策を積み増すべきだとの声が勢いを増す可能性がある。
ただ、1993年に合意したガット・ウルグアイ・ラウンドでは2兆6700億円の農業対策予算が計上されたが、農業の強化にはつながらなかったとの指摘もある。政府は20年度の基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げているだけに、具体策は精査が必要になりそうだ。
TPP対応に留まらない、少子高齢化による衰退構造への対策が構築されることを願います。
# 冒頭の画像は、閣僚会合に向かう甘利経済財政・再生相
この花の名前は、フロックス ・パニキュラータ
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