遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

インドのエリートたちは、中国との国家的競争に関しては、むしろ自信満々

2016-04-07 23:58:58 | 中国 全般
 中国に次ぐ人口を擁し、やがては追い抜くインド。アジアの雄国で、成長力は世界が注目する国ですね。
 そのインドの人々は、中国についてどのように評価しているのか、石平氏が書いています。インドのエリートたちは、中国に対する適度のライバル意識と警戒心を抱きながら、中国との国家的競争に関しては、むしろ自信満々なのだそうです。
 

インドから見た中国の限界 (4/7 産経 【石平のChina Watch】)

 先月21日から1週間、友人のペマ・ギャルポ・桐蔭横浜大学教授に連れられて、インドへ視察旅行に出かけた。「インドから日本と中国を見る」との趣旨で、現地の人々にいろいろと聞き回ったが、特に、インド人の対中国認識
を探ってみた。
 一概に言えば、
インドのエリートたちは、中国に対する適度のライバル意識と警戒心を抱きながら、中国との国家的競争に関しては、むしろ自信満々
である。

 たとえば、インド政府の元駐外大使で今は国際問題研究機関に勤めるS氏は、ほほ笑みながらこう語る。
 「
インドと中国の競争は、経済力や軍事力の面だけではない。ソフトパワーの競争が肝心だ。どちらの方が平和国家なのか、どちらの方が政治的に安定
しているか。長い目で見れば、世界の人々は分かってくるのではないか」と。
 この言葉はすごく印象に残っているが、ちょうど私たちの旅行中に、世界に広がった中国とインド関連の国際ニュースを見てみれば、S氏の言いたいことの意味が分かったような気がする。

 たとえば中国に関しては、21日からの1週間、こういったニュースがあった。
 まずは21日、
インドネシア政府が、違法操業で検挙した中国漁船を中国公船に奪われた一件で、中国政府に抗議した。24日、中国の漁船など約100隻が同日までに、マレーシアの排他的経済水域(EEZ)に侵入し
たことが報じられた。
 いつものように、各国と何らかの
トラブルを起こしている中国
だが、国内でもさまざまな問題が起きた。
 24日、習近平国家主席を批判する公開書簡を掲載した新疆ウイグル自治区の政府系のニュースサイト「無界新聞」が閉鎖されたとのニュースがあった。25日、習主席批判書簡との関連で、米国に滞在する著名な中国人の民主活動家、温雲超氏が、中国に住む家族と連絡が取れなくなっていることが分かった。
 そして26日朝、中国の著名な女性人権活動家、倪玉蘭さん夫妻の借家に多数の当局者が押し入り、夫妻を追い出して家具や荷物を路上に運び出し放置した、という衝撃的な出来事もあった。
 このように、たった1週間で、
中国という国の対外姿勢の横暴さと国内の独裁政治の野蛮さを示すような出来事が相次いで起き、それらがニュースとなって世界中を駆け巡る
こととなった。
 世界の人々、特に
アジアの人々はこれで、このえたいの知れぬ大国に対する不信感と警戒感を増幅させていく
しかないのではないか。

 中国とは対照的に、同じ21日からの1週間、
インドに関するマイナスのニュースが何かあったのかといえば、ほとんど見当たらない

 インドはどかの国とトラブルを起こして国際社会を騒がせたわけでもなければ、国内で非道な言論弾圧を行うこともない。
 24日、米誌が発表した「世界の偉大なリーダー50人」の2016年版で、インドのデリー首都圏政府のケジリワル首相が42位に選出された。それがこの1週間におけるインド関連ニュースのトップであった。

 つまり、
中国がその「野蛮国家」のイメージを毎日のように世界に拡散させているのに対し、インドはむしろ、アジアの平和国家と民主主義国家としての評判を確実に高めている。だからこそ、今は米国も日本もその他の世界の主要国も競ってインドとの親交を求めている
のだ。
 いずれかインドの経済的実力が中国に追いついた暁には、アジアの中で各国から信頼され、影響力を持つ大国が、中・印のどっちになるのか、一目瞭然ではないか。それこそは、私が
インドという異国から見た、大国中国の「大いなる限界」
なのである。


 評価の決め手は、経済力や軍事力の面だけではなく、ソフトパワーの競争が肝心だと。どちらの方が平和国家なのか、どちらの方が政治的に安定しているかは、世界の人々は分かってくると。
 世界に流される両国に関するニュースで、中国は、対外姿勢の横暴さと国内の独裁政治の野蛮さを示すような出来事が次々と発生し世界中を駆け巡っている。したがって、世界の人々、特にアジアの人々はこれで、このえたいの知れぬ大国に対する不信感と警戒感を増幅させていく。
 それに対しインドに関するマイナスのニュースはほとんどない。
 中国がその「野蛮国家」のイメージを毎日のように世界に拡散させているのに対し、インドはむしろ、アジアの平和国家と民主主義国家としての評判を確実に高めていると。。

 BLICSと言われ、経済成長の著しい国々として注目された各国。一時の成長力の面影は薄れ、筆頭の中国も減速する経済成長率では、中国発の世界経済不況を指摘され、ロシアに至っては、原油価格暴落で国家経済の深刻な危機が指摘されていますね。
 インドについても、一時の勢いは影を潜めてはいますが、いまではチャイナプラスワンや脱中国の候補の有力候補とされています。話題の鴻海も、主力工場を、賃金の上昇が著しく、労働争議が絶えなくなってきた中国からインドへ移行すべく大型投資をはじめていることは、諸兄がご承知の通りです。

 経済力や軍事力の面だけではなく、ソフトパワーの競争が肝心と言うインドの方々。数学教育が進んでいて、IT技術者のレベルが質・量ともに世界最高水準で、国内にとどまらず、広く世界で活躍していることは衆知のことですね。
 仏教発祥の国、平和を唱えるガンジーを産んだ国の方々であればこその、ソフトパワー重視なのですね。勿論、原爆を有し、隣国のパキスタンや中国との国境紛争での力の行使や抑止力強化も厭いません。身分制度等、新興国ならではの社会問題は、当然内包しています。
 しかし、ソフトパワー重視のインドの人々。基盤にその姿勢と自信があり、人口増加を続けている国。世界の人々の成長余力への評価は、安全性を含めて高まって当然ですね。

 少子高齢化で、国内市場が縮小する日本ですが、このソフトパワー重視の視点は見習うべきですね。製造業のもつ技術と開発力。サービス業の持つ技術や先進性。農水産物の品質。それらは、世界のトップの水準にあります。
 それを、世界の市場と繋げて拡散させる。TPPの狙いはそのひとつの手段ですね。

 余談ですが、コンビニや運送業(宅配)
では、中国国内でも日本企業が奮闘しているとのことです(4/7 読売朝刊)。いずれ、中国国内で物まねする企業が産まれ追い越される可能性大ですが、ノウハウを進化させ続けて差別化を維持すれば、信頼によるシェアは維持できます。

 ソフトパワーの深化と進化で、新たな競争に勝つ。日本の目指す道でもありますね。



 # 冒頭の画像は、ニューデリーの迎賓館で談笑する安倍首相とモディ首相 (2015年12月)






  クコの実


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


Fotolia







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 独裁スーチー政権は中国回帰 | トップ | 4月7日(木)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国 全般」カテゴリの最新記事