遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

経団連が農協と協力し、農業のハイテク化実証実験を始める

2011-08-19 00:34:38 | my notice
 経団連が、愛媛県西条市や地元農協と協力し、農業のハイテク化の実証実験を始めるのだそうですね。
 住友化学が9割以上出資する株式会社サンライズファーム西条を、市の第三セクターやJA西条と共同で今月中に設立して、5ヘクタールの土地を借りてレタスやキャベツ、ネギを育てるのだそうです。
 農業活性化を目指すと共に、農業関係者のTPPへの抵抗感を薄める効果も期待しているのだとか。
 

経団連、JAと農業連携 ハイテク化実験 企業参入促す (8/18 朝日朝刊)

 
経団連が、愛媛県西条市や地元農協と協力し、農業のハイテク化の実証実験を始める。企業と農協が農産物の生産で協力するのは珍しく、経団連は、国際競争力の高い農業のモデル作りを目指す。企業の農業参入を促す狙いもあるが、農協側には警戒感もある。
 瀬戸内海に面する西条市の中心部から約2キロの水田地帯。青々とした稲が育つ田んぼは、今年の収穫が終われば、経団連の「西条農業革新都市」プロジェクトの畑に変わる予定だ。
 実験の中心は、経団連の米倉弘昌会長が会長を務める住友化学。同社が9割以上出資する株式会社、サンライズファーム西条を、市の第三セクターやJA西条と共同で今月中に設立。5ヘクタールの土地を借りてレタスやキャベツ、ネギを育てる。
 三菱重工業やパナソニックが協力し、模型ヘリによる農薬散布や無人トラクターでの肥料まきを導入。インターネットカメラを使って事務所や自宅から作物の状況を監視する。住友化学CSR推進室の西広信部長は「各社の技術を統合し、省力化を進める」と意気込む。高級レストランなどの販路を開拓し、2013年ごろには黒字化する計画だ。
 米倉氏は「農業を魅力ある成長産業にすべきだ」が持論で、実績を作って農家にもノウハウを提供。農業関係者の環太平洋経済連携協定(TPP)への抵抗感を薄める効果も期待する。
 市は近く、農業活性化を目指し総合特区に申請する方針。経団連は企業による土地取得の規制緩和などを盛り込んでもらい、企業の参入を促したい考えだ。

JA側に警戒感も

 西条市は「うちぬき」と呼ばれる地下水の自噴井が有名。豊富な水資源を生かそうと、市は夏場のイチゴ栽培などに取り組んできたが、高齢化もあり、耕作面積は7年間で約1割減少。同市の真鍋和年参与は「危機感は強い」と話す。
 生産性向上に必要な多額の設備投資も、住友化学の資金調達力なら可能になると期待する。例えば、形が悪く捨てていた野菜を、名水で洗ってカット野菜に加工し、「うちぬき」ブランドで売り出す━━。真鍋氏はそんな構想を描く。
 ただ、農協(JA)グループには「
効率性を重視する企業は農業に向かない
」という意見が強い。従来担ってきた野菜や資材の流通が、農協を素通りするようになるという不安もある。
 しかし、
後継者不足の解決策はなく、JA西条は「野菜価格は横ばいで、生産者も減っていく。ファームに加わる方が組合員のメリットになる
」(木村春雄参事)と参加を決めた。住友化学も肥料購入や野菜の販売は、できるだけ農協を経由すると約束した。
 一方、市西部のJA周桑は参加を見送った。ファームと競合する野菜をつくる組合員も多く、戸田耕二専務は「現時点ではメリットが見えない」と慎重だ。 (高木真也、中川仁樹)

 菅による日本の総理大臣延命実験はようやく終点の目途がついてきましたが、この間思いつきの連発で政治は混乱・空転しています。
 大震災で大きな危機を抱えた日本ですが、その前にも世界の動きの中で転換を迫られていた大きな課題は多く、そのうちの一つに、TPPへの参加決断がありました。
 菅の独走発言で党内の反発がでていましたが、大震災を理由に、6月に結論を出すといったものが先送りされていましたが、そのまま放置されています。
 少子高齢化の日本で、農林水産業もその現象は顕著で、後継者の不在、産業の絶滅が危惧され改革が叫ばれていたのは、震災やTPP以前からのことで、いまさら申し上げるまでもないことです。
 ここへきて、円高や電力不足・料金値上げで、日本の企業の海外脱出が現実味を帯びてきています。TPP加盟による関税格差の撤廃は、国際競争力の障害を減らすひとつであり、企業の海外移転を食い止めて国内の雇用を確保する数少ない手段のひとつであることは、諸兄がご承知のとおりです。

 3流政治が、菅のおもいつきの延命発言で空転する中を、民と地方自治体、JAが前へ進むための実験を開始したのは、日本の経済が民の力で発展してきた原点でもあり、期待される試みです。
 東北の世界に影響を及ぼした部品などの製造業、多くの方々が関連する農林水産業の復興が雇用を復活することで成し遂げられますが、その施策は、元々叫ばれていた後継者のいなくなる農林水産業の改革策や輸出企業の障壁を減らすTPP等の推進という懸案の打開策と同じなのですね。

 利益が先行する企業への依存は、利益が出ないとわかると撤退され残された地元が荒廃するとの危惧が、東北の漁協などでも聞かれ、復興策が停滞しています。
 経団連と農協という、産業団体が一致して取り組み、地方自治体も絡む改革の構造は、日本社会の取り組みと言え、そうした不安を減らすことにも役立つことでしょう。
 農協や漁協の方々も、サラリーマンになるのではなく、資本家になるのだという前向きの姿勢で、年寄りは金(=権利)をだして悠々自適、若者には地元の雇用を生み出して活気ある地域づくりという新しい希望のある時代へ踏み出して行けることを願っています。

 # 冒頭の写真は、西条市内の各所で自噴する「うちぬき」



この花の名前は、セダム マトロナ

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