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トランプ政権が「アメリカファースト」で各国と対立を産んでいますが、EU諸国は米欧の溝が深まるなか、ロシアの拡張主義を警戒して安全保障面での「自立」を目指すべきだと、NATO首脳会議で、EUは共同宣言に調印し、NATOとの協力関係を深化させたのだそうです。
日本は、中国の東シナ海や尖閣諸島での侵略や、北朝鮮のミサイルの脅威を抱えるなか、米国との二国間貿易交渉を抱え、日米同盟での在日米軍負担問題を抱えていますが、EUと米国のとの経済と安全保障の枠組みの成り行きは、対岸の火事とは言えず、注目されるところです。
EUが防衛力の強化を急ぐのは、現状への危機感が強いからで、メルケル独首相は演説で「米国がこれまでのように欧州を守ってくれるとは限らない」と述べ、トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、「米欧関係は強い逆風下にある。隔たりは貿易だけにとどまらない」とEU各国首脳に宛てた書簡で強調したのだそうです。
ロシアの拡張主義と、米・トランプ政権の国内回帰で脅かされる危機に、自立を強めるEU諸国。
中国の覇権拡大、日本列島撃沈を公言した金正恩と対峙する安全保証課題を抱え、他方、TPPを脱退した二国間貿易交渉に転じた米国との在日米軍負担を抱える日本。
EU諸国と米国との関係が、そのまま日米関係と同じということではありませんが、似た構造ではあります。
さきのカナダでのG7時に孤立したトランプ大統領。
G7では、メルケル首相に次ぐ古参となった安倍首相が、EU諸国首脳とトランプ大統領との間に立つ場面もあったかの報道もありました。
明治維新時に来日した黒船で、自立に目覚めた日本。平成が終わる今、おんぶにだっこで全面依存してきた戦後の日本の安全保障も、見直しを迫られています。
国会は、蛸壺の中での政局に熱中するのではなく、日本国はもとより、アジアの安全保障をどう護るのかの議論が急がれているのですが。。
# 冒頭の画像は、G7での各国首脳
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サンシュユの果実
↓よろしかったら、お願いします。
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日本は、中国の東シナ海や尖閣諸島での侵略や、北朝鮮のミサイルの脅威を抱えるなか、米国との二国間貿易交渉を抱え、日米同盟での在日米軍負担問題を抱えていますが、EUと米国のとの経済と安全保障の枠組みの成り行きは、対岸の火事とは言えず、注目されるところです。
EU、防衛力強化急ぐ NATOと協力深化 新たな共同宣言へ (7/7 読売朝刊)
【ブリュッセル=横堀裕也】欧州連合(EU)が防衛力の強化に向けた動きを加速させている。11~12日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、EUは共同宣言に調印し、NATOとの協力関係を深化させたい考えだ。トランプ米政権による輸入制限措置などを受けて米欧の溝が深まる中、ロシアの拡張主義を警戒して安全保障面での「自立」を目指すべきだとの声が強まっていることが背景にある。
NATOとEUは、2016年7月に開かれたNATO首脳会議で初めてとなる共同宣言を採択し、サイバー対策や海洋パトロールなど、計74に上る具体策を通じて協力を進めてきた。
EUはNATOに加え、域内での防衛協力も拡大している。昨年12月に有志国で発足させた「常設防衛協力枠組み(PESCO)」が柱で、兵器の共同調達・開発のほか、域外で第三国の部隊に対する軍事訓練なども行っていく構想だ。
EUが防衛力の強化を急ぐのは、現状への危機感が強いからだ。トランプ大統領が5月にイラン核合意からの離脱を表明したことを受け、メルケル独首相は演説で「米国がこれまでのように欧州を守ってくれるとは限らない」と述べ、各国の胸の内を代弁した。
トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、6月末のEU首脳会議の前に各国首脳に宛てた書簡で「トランプ氏の政策によって、米欧関係は強い逆風下にある。隔たりは貿易だけにとどまらない」と強調し、「我々は最悪のシナリオにも備えなければならない」と訴えた。
パリ協定およびイラン核合意からの離脱、鉄鋼やアルミニウムへの輸入制限措置の発動━━。「米国第一」を前面に押し出すトランプ氏の動きを踏まえ、トゥスク氏が言う「最悪のシナリオ」について、EU高官は「『トランプ・ドクトリン』とも言うべきパターンが形成されつつある。米国にとって、もはや敵も味方もなく、ルールに基づく秩序も重視されない。非常に危険だ」と補足する。
国防費負担増 直談判へ トランプ氏、NATO加盟国に
【ワシントン=黒見周平】トランプ米大統領は5日、米西部モンタナ州の集会で演説し、11~12日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で加盟国に対し、国防費の負担増を自ら直接求める方針を示した。11月の米中間選挙を見据え、「米国第一」を支持者にアピールする狙いがあるとみられる。
トランプ氏は演説で、「大勢に会う予定だが、『勘定を払わなければならない』と言うつもりだ。米国は全部の面倒を見切れない」と宣言した。
NATO加盟国は国内総生産(GDP)の2%を防衛費に充てるという共通目標を掲げている。しかし、目標水準を現在満たしているのは米、ギリシャ、英国、エストニアの4か国だけだ。
トランプ氏は6月、カナダやドイツ、イタリア、スペインなど各国首脳に書簡を送り、国防費の増額を前もって求めた。
米国が安全保障上の負担をする一方、対欧州連合(EU)の貿易赤字が膨らんでいることがトランプ氏の不満の原因になっている。
トランプ氏は「彼らは貿易で米国を殺している」と非難し、「EU最大のドイツはほんの1%しか払っていない。米国が全てを払う間抜けな存在になっている」と語気を強めた。
トランプ氏の外遊日程では、13日に英国でのメイ首相との首脳会談、16日にフィンランド・ヘルシンキでのプーチン露大統領との首脳会談が控えている。プーチン氏との会談に臨むことを巡っては、「米欧の同盟関係を弱める」(在米欧州外交筋)との懸念も出ている。
日本代表部 開設を歓迎
NATOのストルテンベルグ事務総長は本紙とのインタビューで、日本政府が7月1日付でNATOに代表部を開設したことについて、「NATOと日本との強固な協力関係を示すものだ」と歓迎した。「さらに協力を深められる分野があると思う」とも述べ、サイバー対策や海洋安全保障などを挙げた。また、北朝鮮の核やミサイル問題について「我々にとっても懸念事項だ」と強調したうえで「検証可能で不可逆的な非核化を全面的に支持する」と語った。
【ブリュッセル=横堀裕也】欧州連合(EU)が防衛力の強化に向けた動きを加速させている。11~12日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、EUは共同宣言に調印し、NATOとの協力関係を深化させたい考えだ。トランプ米政権による輸入制限措置などを受けて米欧の溝が深まる中、ロシアの拡張主義を警戒して安全保障面での「自立」を目指すべきだとの声が強まっていることが背景にある。
NATOとEUは、2016年7月に開かれたNATO首脳会議で初めてとなる共同宣言を採択し、サイバー対策や海洋パトロールなど、計74に上る具体策を通じて協力を進めてきた。
EUはNATOに加え、域内での防衛協力も拡大している。昨年12月に有志国で発足させた「常設防衛協力枠組み(PESCO)」が柱で、兵器の共同調達・開発のほか、域外で第三国の部隊に対する軍事訓練なども行っていく構想だ。
EUが防衛力の強化を急ぐのは、現状への危機感が強いからだ。トランプ大統領が5月にイラン核合意からの離脱を表明したことを受け、メルケル独首相は演説で「米国がこれまでのように欧州を守ってくれるとは限らない」と述べ、各国の胸の内を代弁した。
トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、6月末のEU首脳会議の前に各国首脳に宛てた書簡で「トランプ氏の政策によって、米欧関係は強い逆風下にある。隔たりは貿易だけにとどまらない」と強調し、「我々は最悪のシナリオにも備えなければならない」と訴えた。
パリ協定およびイラン核合意からの離脱、鉄鋼やアルミニウムへの輸入制限措置の発動━━。「米国第一」を前面に押し出すトランプ氏の動きを踏まえ、トゥスク氏が言う「最悪のシナリオ」について、EU高官は「『トランプ・ドクトリン』とも言うべきパターンが形成されつつある。米国にとって、もはや敵も味方もなく、ルールに基づく秩序も重視されない。非常に危険だ」と補足する。
国防費負担増 直談判へ トランプ氏、NATO加盟国に
【ワシントン=黒見周平】トランプ米大統領は5日、米西部モンタナ州の集会で演説し、11~12日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で加盟国に対し、国防費の負担増を自ら直接求める方針を示した。11月の米中間選挙を見据え、「米国第一」を支持者にアピールする狙いがあるとみられる。
トランプ氏は演説で、「大勢に会う予定だが、『勘定を払わなければならない』と言うつもりだ。米国は全部の面倒を見切れない」と宣言した。
NATO加盟国は国内総生産(GDP)の2%を防衛費に充てるという共通目標を掲げている。しかし、目標水準を現在満たしているのは米、ギリシャ、英国、エストニアの4か国だけだ。
トランプ氏は6月、カナダやドイツ、イタリア、スペインなど各国首脳に書簡を送り、国防費の増額を前もって求めた。
米国が安全保障上の負担をする一方、対欧州連合(EU)の貿易赤字が膨らんでいることがトランプ氏の不満の原因になっている。
トランプ氏は「彼らは貿易で米国を殺している」と非難し、「EU最大のドイツはほんの1%しか払っていない。米国が全てを払う間抜けな存在になっている」と語気を強めた。
トランプ氏の外遊日程では、13日に英国でのメイ首相との首脳会談、16日にフィンランド・ヘルシンキでのプーチン露大統領との首脳会談が控えている。プーチン氏との会談に臨むことを巡っては、「米欧の同盟関係を弱める」(在米欧州外交筋)との懸念も出ている。
日本代表部 開設を歓迎
NATOのストルテンベルグ事務総長は本紙とのインタビューで、日本政府が7月1日付でNATOに代表部を開設したことについて、「NATOと日本との強固な協力関係を示すものだ」と歓迎した。「さらに協力を深められる分野があると思う」とも述べ、サイバー対策や海洋安全保障などを挙げた。また、北朝鮮の核やミサイル問題について「我々にとっても懸念事項だ」と強調したうえで「検証可能で不可逆的な非核化を全面的に支持する」と語った。
EUが防衛力の強化を急ぐのは、現状への危機感が強いからで、メルケル独首相は演説で「米国がこれまでのように欧州を守ってくれるとは限らない」と述べ、トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、「米欧関係は強い逆風下にある。隔たりは貿易だけにとどまらない」とEU各国首脳に宛てた書簡で強調したのだそうです。
ロシアの拡張主義と、米・トランプ政権の国内回帰で脅かされる危機に、自立を強めるEU諸国。
中国の覇権拡大、日本列島撃沈を公言した金正恩と対峙する安全保証課題を抱え、他方、TPPを脱退した二国間貿易交渉に転じた米国との在日米軍負担を抱える日本。
EU諸国と米国との関係が、そのまま日米関係と同じということではありませんが、似た構造ではあります。
さきのカナダでのG7時に孤立したトランプ大統領。
G7では、メルケル首相に次ぐ古参となった安倍首相が、EU諸国首脳とトランプ大統領との間に立つ場面もあったかの報道もありました。
明治維新時に来日した黒船で、自立に目覚めた日本。平成が終わる今、おんぶにだっこで全面依存してきた戦後の日本の安全保障も、見直しを迫られています。
国会は、蛸壺の中での政局に熱中するのではなく、日本国はもとより、アジアの安全保障をどう護るのかの議論が急がれているのですが。。
# 冒頭の画像は、G7での各国首脳
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↓よろしかったら、お願いします。
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