遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

TPP 日米閣僚協議 相当な距離感 

2014-04-10 23:49:51 | 米国 全般
 日米のTPPをめぐる閣僚協議が終わりました。日豪のEPAが先行して大筋合意した直後の交渉で、その結果が吉とでるか凶と出るかが注目されていました。
 

TPP日米閣僚協議 日豪EPA手応え 自民農林族 強気の静観 (4/10 産経)

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結に向けた甘利明TPP担当相とフロマン米通商代表の協議が9日はじまったが、自民党「農林族」は奇妙なほどの「静けさ」をみせている
。オーストラリア産牛肉の関税の引き下げなどを内容とした日豪経済連携協定(EPA)に大筋合意した直後のため、日豪EPAがTPP交渉に与える影響などを冷静に見極める構えのようだ。(水内茂幸、力武崇樹)

 自民党は9日、外交・経済連携本部と農林水産貿易対策委員会などの合同会議を党本部で開いた。森山裕委員長は会議で、日豪EPA合意について「党の決議や衆参両院の決議に沿った形だ」と指摘。西川公也TPP対策委員長も「合意の中身を大変高く評価している」と語った。
 一方で、「間違いなく離農者が増える」などと日豪EPAを批判したのは衆院北海道6区選出の今津寛衆院議員。今後のTPP交渉でも日本が譲歩を迫られると警鐘を鳴らしたが、そうした批判はごくわずか。反対論が渦巻くことはなかった。
 
農林族の多くが日豪EPAを歓迎するのは、TPP交渉で関税の「完全撤廃」を強固に迫る米国の「防波堤になる」(農水副大臣経験者)との見方からだ。

 米国と同じ牛肉輸出国のオーストラリアが日本の関税を残すことに合意したため、TPP交渉で原則論ばかり振りかざす米国に対する交渉参加国の風当たりが強まることが予想される。難航するTPP交渉の日米協議で有効な交渉材料になるというわけだ。
 また、日豪EPAは、豪州産牛肉が際限なく流入しないよう輸入が一定量を超えた分は従来の関税に戻す「セーフガード」も導入した。国内の畜産農家への影響は限定的とされる。
 ただ、農林族の間にも今津氏のような危機感がないわけではない。このため農林族は8日に会合を開き、TPP交渉の日米協議でも日豪EPAの水準から譲歩しないことを確認。その水準を「(妥協できない)レッドライン」と位置付けた。日米協議の行方次第では反発、批判の声が強まることになる。

 会合に出席したある議員は、こう強気に語った。
 
「日本はTPP交渉を急ぐ必要はない。日豪EPAの合意水準を米国がのむかのまないかだけだ」


 今日(4/10)の、NHKニュース7によれば、オランダ・ハーグでの日米韓首脳会談の後、日米首脳会談が行われ、オバマ大統領から、TPPでの譲歩の強い要請があったのだそうです。
 
NHKニュース7|NHK (画面中央の「PICK UP TPP日米協議が異例の長時間に 背景は…」をクリックすると視聴できます。リンク切れしたら有料のオンデマンドもあります)
 ●オバマ大統領
  片づけなければならない重要な課題が残っている
  特に農業と自動車について 交渉官にさらに努力するよう指示してほしい
  日本に着くまでに農業と自動車について合意が出来るかどうかが極めて重要だ
  日本側の歩み寄りを 強く要求

 ○安倍首相
  オバマ大統領の訪日までに「まとめたい」との考えを示したうえでアメリカ側からも譲歩案を示すよう要求

 ●オバマ大統領
  中国がTPPの先行きに注目 日米交渉不調は誤ったメッセージを伝えることになりかねないと安全保障を絡めて日本側に譲歩を要求

 ○ケネディ大使
  日米首脳会談のテーマとして第1はTPP

 それを踏まえた閣僚級協議でしたが、合意に至るには「相当な距離感がある」という結果となりました。
 
時事ドットコム:日米、TPP大筋合意困難に=閣僚協議「相当な距離感」-重要農産物・自動車で応酬
 
 TPA(大統領貿易促進権限)を得られていないオバマ政権。中間選挙を控えて、TPPの実績造りをしたいところですが、内容は原則を押し通すことにならざるをえないのですね。
 オバマ氏は来日時に合意の要求をしています。対中国との安全保障まで絡めて、日本の急所を突いての強要(?)とも言えます。
 しかし、安定政権の安倍内閣は、急ぐ必要はありません。対中配慮は必要ですが、交渉を継続し、訪米時の約束の、TPP参加以外の、普天間移転、集団的自衛権運用、ハーグ条約批准(実施済)を進めていくことでも日米同盟の強化はPR出来ますし、オバマ政権への支援にもなるでしょう。
 
 米の中間選挙が終わって、議会からTPAを獲得できるのを待っての交渉が日本にはベターな道でしょう。
 その間、オーストラリアの様に、関係国との交渉を詰めていけばよいのです。

 一方、米議会では日本を除いたTPPの妥結論が出ているとの報道があります。
 その姿勢こそが、中国に誤った姿勢を伝えているのですが、日本としても国益を損ねてまでTPPに参加する必要はありません。
 農業を護る為に自由貿易を犠牲にしたこれまでとは転換し、関税の譲歩をして合意に漕ぎつけた日豪EPA。かたくななこれまでとは姿勢を変えた日本ですが、米国の為に国益を損なうことは出来ません。

 
米議会、TPP交渉に悲観的見方―日本抜きの合意も - WSJ.com


 # 冒頭の画像は、ハーグで会談した、安倍首相とオバマ大統領






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日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略




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