今朝（12/13）の産経では同じ着目点で、中国国内で中国人民解放軍の発言力が増しているとする記事が載っていました。「米国の封じ込め戦略には力をみせるべきだ」「反撃すべきだ」との意見が軍部では大勢を占めてきているのだそうです。予想通りですね。
南シナ海を舞台としたアジア太平洋地域で米中のパワーゲームが鮮明となるなか、中国国内で中国人民解放軍の発言力が増している。中国は表面的には米国や周辺国の動きを静観しているように見えるが、実際は軍事演習を増やし、先制攻撃能力を増強するなど、軍部の強硬派の意見が中国外交とは別の次元で勢いづいている。
そうした中、クリントン米国務長官のミャンマー訪問と今後のミャンマーの対米、対中外交は、アジア太平洋重視に転じた米国の新たな世界戦略の成否を占うものとして注目される。ベンガル湾に面したミャンマーは中東からのエネルギーが通過するインド洋から太平洋につながるシーレーン（海上輸送路）に位置する戦略的要衝だからだ。
インド洋に面するバングラデシュ、ミャンマー、スリランカ、パキスタンにくさびを打つ中国。米国はインド洋の英国領ディエゴガルシア島、シンガポール、オーストラリア・ダーウィン、グアム、日本、韓国などの軍事拠点を結び、中国を線で囲い込む意図が浮かび上がる。
１１月３０日付の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報はクリントン長官のミャンマー訪問に関し「中国の利益に対する具体的な侵害には断固、反対する」と強調。一方で同紙は「１回の訪問で中国と東南アジアとの伝統的な関係をそぎたいのだろうが、現実的ではない」と指摘する。
中国外務省の反応は比較的穏健だ。しかし、中国筋によると、米国に対し「積極的防衛戦略」を重視すべきだとの意見が改めて軍部で台頭している。７月１８日付の中央党校機関紙、学習時報では、「積極」とは「戦争準備と戦闘上の攻勢を重視すること」と明言する。
中国軍は「戦争は宇宙から始まる」との原則下、空軍と宇宙を一体化した「空天一体化」戦略を進めており、「米国の封じ込め戦略には力をみせるべきだ」「反撃すべきだ」との意見が軍部では大勢を占めるという。オーストラリアでの米軍拠点構築も「中距離弾道ミサイルの射程を避けるとの意味があるなら、中国の攻撃能力に対して無知」（環球時報）との考えもある。
中国軍には米軍との全面衝突は米軍も望まないとの考えが底流にあるが、中国国防大学の李大光教授は「周辺国との合同軍事演習を増やすべきだ」と論評。力で対抗しようとする意図がにじむ。
中国初の空母「ワリャーグ」は、中国遼寧省大連周辺の海域で11月29日から行っていた 2回目の試験航行を終え、11日朝大連港に帰港しました。今回は、ヘリを積み込んで発着訓練をしたり、まだ着艦機がひっかけて停止するワイヤ機器が未装備のため、艦載機とは通信テストを行ったとみられ、１回目よりも長い１２日間の航海となり、予想より速いペースで本格配備に向けた準備が進められているとのことですね。
中国空母が艦載機と訓練、試験航行終え帰港 : 国際 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）
米国とASEANのベトナム等が連携する中国包囲網に、プーチン首相が提唱する、「ユーラシア同盟」による中国包囲網。人民解放軍とすれば、腹の中は煮えたぎっていることでしょう。
そして、危惧している習近平氏への政権交代後に向け、その人民解放軍の発言力が強まってきている傾向が観られることは注目すべきことです。
経済成長に陰りが見え始めた来年以降のかじ取りを担う習近平氏。増大を続ける軍事費と強硬姿勢を強める人民解放軍を、どう御していけるか、アジアの平和の維持に大きな役割を占めます。
国産空母の増設で、更なる海洋進出を推進する人民解放軍。オーストラリアでの米軍拠点構築も「中距離弾道ミサイルの射程を避けるとの意味があるなら、中国の攻撃能力に対して無知」とする強気の姿勢から、包囲網への力での対抗姿勢は強まるばかりです。
これからも、人民解放軍の動きには目が離せません。
日本も、万全の備えが必要です。FXの機種選定が、F35で決まるのは朗報ですが、早期の導入が求められます。
Ｆ３５、次期主力戦闘機に…最新ステルス機 : 政治 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）
# 冒頭の画像は、1回目の試験航行のワリャーグ
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