遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

脱北木造船 野田政権の危機意識の試金石

2011-09-16 00:20:03 | 民主党の正体
 脱北木造船は、第一発見者は日本漁船でした。危険も考えられる中を接近して、水を要請する姿や子供の表情を見て水やソーセージをあげたのだそうですね。母親らしき女性は、手を合わせて拝んで謝意を表していたとか。人と人のふれあいは、国境を越え、言葉の壁を越えるのですね。
 しかし、国と国、ましてテロ国家相手となると別問題がありますし、北朝鮮以外の日本の主権侵略を強めている各国は、この事件の日本政府の対応を、侵略戦術に反映しようと注視していることは申し上げるまでもないことですが、民主党の主権意識の無いDNAが、野田政権では再現されることがないのか、国内でも議論を深めることが必要と考えます。
 

「脱北」薄い危機意識 政府、連絡体制にも不備 (9/15 読売朝刊)

 
石川県輪島沖で小型木造船に乗った脱北者と見られる9人が保護された問題で、政府は2007年に青森県に船で4人の脱北者が上陸した前例を踏まえて対処する方針だ。ただ、関係省庁が一元的に対応する体制の発足が遅れたり、情報連絡が滞ったりするなど、政府の危機管理意識の薄さを指摘する声も出ている。

 今回の事案について、政府内では「07年の青森の事例に沿って、淡々と処理するだけ」(首相周辺)などと、軽く見る見方が大勢だ。9人が乗ってきた小型木造船(全長約8層)は、「レーダーなどの装備もなく、漁に使う小船を改造した軽装備なもの」(海上保安庁)と見られることや、9人のうち3人が子供であることなどから、「北朝鮮の工作員などではなさそうだ」(外務省筋)との見方が強いためだ。
 だが、脱北者や朝鮮半島からの難民をめぐっては、今後、北朝鮮情勢がさらに不安定になった場合、日本に相次いで流れ着くのでは、との懸念が以前からある。今回の野田政権の対応には、近い将来のそうした危機管理を想定した動きはほとんど見られない。
 9人の韓国移送についても、政府内には「韓国には受け入れ施設もあり、取り調べ能力が高い」などの声すら聞かれ、早く日本の管理下から手離したいとの姿勢がにじむ。北朝鮮の現状を聞くなどの対応を考慮しているのか、疑わしいとの見方も出ている。
 また、政府内の連絡体制にも、内部から疑問の声が上がっている。海上保安庁からは、9人が韓国への移送を希望していることなど詳細について外務省への連絡が遅れた。同省関係者からは「報道で初めて知ることもあった。政府対応としてまずい」との声が漏れた。
 また、野田首相は9人が発見された当初、「情報収集に努め、事実確認を急いでほしい」と指示したが、直ちに具体的な体制を整える動きは乏しかった。藤村宣房長官は13日夕の記者会見では、関係省庁の連絡体制は必要ないと説明。14日午後の会見で連絡調整チームの発足を発表した。
 野田首相は国連総会に出席するため、20日には渡米する予定だ。政府内には「最終的に韓国とのやりとりなど政治判断が必要な局面も予想される」として、首相の出発までに一定の結論は得たいと急ぐ声も出ているが、今回の事案が「野田政権にとって、安全保障に関する初めての試金石となる」(朝鮮半島専門家)といった認識は政府内に希薄だ。

 菅・仙石で中国漁船の対応の歴史的大失政をしでかしたことの記憶は、野田政権でも鮮明なはずで、藤村官房長官は、先例に習ってと慎重な初動でした。中国漁船事件は、菅、前原のご両所が訪米中に発生しましたが、今回は未だ出発前なので、官僚を交えて慎重な初動がなされているということなのでしょうか。
 それにしも、対応が遅いとか、意識がたりないとの指摘が上記の記事です。野党のみならず、世間の批判にもめげず強引に国会議員の主な仕事である国会での討論を止めてしまう内閣ですから、北朝鮮の木造船には、手が回らないのでしょうか。管や鳩をはじめ、多くの議員が資金を貢いでいる北の関連団体や将軍様が怖いのでしょうか?

 本件では、諸兄は既にご承知のことですが、二つの国家としてその安全保障にかかわる重大な課題がありますね。
 ひとつは、冒頭で触れた人情に眼をつぶらねばならない、脱北者(スパイ論もなくはないが)が漁業に携わりながらも軍人と言うことですから、多くの最新情報を引き出せねばならないということです。さすがに、これは現場(玄葉ではなく)のプロが百も承知で実行されていると推測しますし、そのせいで時間をかけていると考えます。韓国への受け入れ打診は未だ行っていないとの時間稼ぎの情報もありますね。
 
 遊爺が注目するのは、多くの方々も指摘されているもう一つの国防体制の方です。
 何故、漁船が発見・通報するまで海保や自衛隊は気づかなかったのでしょう。上記の記事では、今後増えることが予測される脱北者の懸念をしていますが、日本の領海に迫る不審船の早期発見と侵入防止は、脱北者以外に、スパイの上陸を含む拉致船舶や麻薬を含む密輸船といった北朝鮮の船と、中国の領海領土侵入を画す漁船、韓国の不法漁漁船などいろいろあります。
 最も危惧される東シナ海・尖閣諸島近海の警備に力を注がねばなりませんが、日本海沿岸の警備がおろそかになってもいけません。
 つまり、海保の警備設備(巡視船や航空機)やそれを補完支援する海空の自衛隊情報収集力の不足です。
 民間の漁船が第一発見者など、第一次大戦の頃の話でしょう。いえ、もっと古く日清・日露戦争時代までさかのぼるローテク振りです。
 木造船なのでレーダーで捕えられないとの情報もありますが、逆に、木造船まがいのステルス性を持たせれば、日本の沿岸には容易に近づけることが証明されてしまいました。尖閣がどのレベルまで(P3Cの巡回は未だ 1回/日?)強化されたか知りませんが、日本海での船舶に対する探査能力の無さが証明されてしまいました。
 虎視眈々と日本の主権侵略を狙っている近隣国家で、にんまりしている顔が想像されます。
 政府の緊急体制のとりかた、領海侵犯に対する法整備、侵入を試みようとする船舶などの巡視と防御戦力の整備・増強が必要なことが、この事件は改めて警告してくれました。

 早急な改善・強化が望まれます。





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