遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

習近平 周氏を摘発して政権は安定するのか

2014-08-01 22:56:34 | 中国 全般
 中国共産党が周永康・前共産党政治局常務委員の立件が公表され、連日メデイアで大きく取り上げられています。
 習近平が、トラもハエも捕まえると公言していたトラですが、前政権時に党中央政治局常務委員会の9人のメンバーに連なった大物であり、歴史に残る事件と言われていることは、諸兄がご承知の通りです。
 以前にも書きましたが、党主席の最大の任務は共産党独裁の政治体制を維持することです。しかし、近年の格差(貧富、地域、民族)問題や、人権問題、憲政導入問題、環境問題等に加えて特権階級の汚職問題により、共産党の信頼が傾いています。と同時に、党主席は激しい政局争いにも打ち勝たねばなりません。しかしながら、政権基盤がいまだ安定しない習近平が、汚職撲滅を政権基盤強化に利用しようとしていることは、衆目が一致するところですね。
 周到な準備と根回しを重ねたとされる習近平ですが、今回の件で、習近平の政治基盤が強まるとの見方より、党内の不興を買い、混乱を増すとの見方が多い様に感じますが、いかがでしょう。

 軍や武装警察が相次いで習近平支持を打ち出していて、政権基盤を固めることに寄与していると言うのが、以下の産経の記事。
 
習政権、周氏の基盤掌握 軍・武装警察「党決定を支持」 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

 党内の反発が強まる懸念をあげるのが以下。

 
「大物」の立件が映す中国の腐敗  :日本経済新聞
 周永康氏摘発 腐敗蔓延の陰で続く権力闘争 : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
 
周永康氏失脚 習政権基盤固めへ続く“粛清” 崩れる党内バランス (7/30 産経)

 ■江・胡両派が連携し反撃も
 【北京=矢板明夫】中国で習近平政権による汚職追及の最大標的とみられてきた中国共産党の前政治局常務委員、周永康氏の取り調べが発表された。経済利権と治安機関を握り続けた周氏をも排除することで、習主席の求心力を高め、政権基盤の強化につなげようとの思惑がある。しかし、
伝統的な権力闘争の手法で、政敵を失脚に追い込んだことは党内の政治バランスを崩し、今後、政局の混乱をもたらす可能性もある。

 中国国営新華社通信が「周永康氏への調査」を発表した直後の29日夕、中国の有力経済誌「財経」(電子版)は、周氏の息子の周浜氏が、「違法経営」の疑いで湖北省宜昌市当局に逮捕されることが決まったと報じた。父の政治的な影響力を利用して、石油利権の売買で不正な利益を得た疑いが持たれているという。また、周氏の歴代6人の秘書のうち、すでに5人が失脚しており、弟夫婦や、息子の妻の家族からも複数の逮捕者が出ている。習指導部が政敵を倒すのに、その
一族郎党を一網打尽にする前近代的な政治手法に対し、党内から批判の声もあるという。
 習政権は発足後、政治運動として反腐敗キャンペーンを展開してきた。習主席の盟友、王岐山・党規律検査委員会書記が主導し、これまでに局長以上の幹部を数百人摘発。しかし、
胡錦濤前国家主席が率いる共産主義青年団派や、江沢民元国家主席の上海閥の関係者が大半を占め、習・王氏が所属する太子党グループの幹部はほとんどいなかった
 今回、周氏を失脚に追い込んだことで、「反腐敗の決意」を国民にアピールすることができた。太子党への権力集中はさらに進むとみられる。しかし、
反腐敗という武器を使って勢力拡大を図る習一派の強引なやり方に対し、党内の不満が高まっているという。
 共産党筋によると、
習主席は事前に、周氏の後ろ盾である江沢民氏に周氏の責任を追及する意向を報告し、同意を取り付けた胡錦濤氏も反対しなかったという。しかし、江氏周辺には、経済問題を抱える党長老が多くおり、胡錦濤派の幹部たちも習主席周辺の政治手法に対する不満が高まっているという。
 今後、このような“粛清”が続くのであれば、
習主席の暴走を止めようと、長年対立してきた江・胡両派が連携して反撃する可能性も取り沙汰されている。

 同様に、江・胡両派が連携して反撃する可能性は、青山繁晴氏も習近平が病気の為に引退する可能性があると指摘しておられます。
 2014/07/31 ザ・ボイス 青山繁晴 ニュース解説  
 (15分30秒 あたりから) 
 英・フィナンシャルタイムズの「中国の「トラ退治」が失敗に終わる理由」と言う記事に接し、目的が、本当に汚職撲滅なら失敗に終わる理由の 1つ目が、裁きが法律によるものではなく、憲法より上位に共産党が位置する中国では党による恣意的なものになる。2つ目の理由は、独裁者による恐怖政治の手法であるということで、紅衛兵の暴挙が連想されてしまう。と、遊爺も書かせていただいていました。
 
習近平の汚職撲滅での党改革は、わが身を破滅させる革命となる - 遊爺雑記帳

 走り始めた習近平。今後は、更なる強い政府の姿勢を示し続けていくことになり、南シナ海、東シナ海での強硬な姿勢と進出はエスカレートすると多くの方々が指摘しておられます。
 南西諸島の日本の守りを固めねばなりませんが、安倍政権は石垣島、宮古島への陸自の配備を延期しました。(上のリンクの「ザ・ボイス」の、25分10秒あたりから)沖縄知事選への配慮とのことですが、そんなみえみえの姑息な手段を講じるから支持を得られないのです。中国が一段と攻勢を強めてくることを、堂々と沖縄県民の方々に説明し、沖縄を護る為に抑止力として配備が必要であること、危険な普天間からキャンプシュアブに移転が必要なことを訴えるべきです。
 沖縄県民の方々も、中国に占領されることを望んでいる方は少数派のはずです。



 # 冒頭の画像は、周永康前共産党政治局常務委員と、習近平




  この花の名前は、サンビタリア・スタービーニ


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