プーチン大統領は、アサド政権と反体制派が14日に再開した和平協議を後押しする為、シリアから軍の一部を撤収することをあきらかにしました。
ロシア軍の支援により、アサド政権が反体制派に対し軍事的に優位に立っている状況への自信を示したものと見られると共に、アサド政権への支援の縮小により、同政権に対し反体制派との和平協議に真剣に取り組むよう働きかけを強めたとの見方もあるのだそうです。
また、米政府では、アサド政権の立て直しという所期の目的を達成したために撤収したに過ぎないとの見方があるなど、真意は解りかねている様子ですが、遊爺は、長期にわたる作戦費用の重みに耐えられないという単純な理由とする説に賛同しますが、真相はどうなのでしょう。
世界同時株価下落の原因となったされる、原油価格の低迷には、関連国による生産調整の動きが進展を見せている様子ですね。
サウジアラビアとベネズエラ、カタールのOPEC加盟3か国とロシアは、原油安に歯止めをかけるため、主要産油国の協調を条件に、生産量を1月の水準に据え置くことでの合意を2月にしていました。イラン以外の産油国も追随する動きを見せ、米国のシェールオイルの生産量の落ち込みもあり、国際エネルギー機関(IEA)は、「原油価格が底打ちした可能性がある」と指摘したのだそうですね。
ただ、原油の需要見込みは軟調であることには変わりなく、1バレル=30ドル台で上下するなどの、大幅な価格回復には慎重な見方が大勢の様子です。
サウジアラビアによる、米のシェールガスやロシア、イランとのシェア争いで始まり、チキンレース化していた原油価格。関連各国が苦境に追い込まれて、協調の方向が見え、価格が底打ちしたことは、歓迎されます。
ただ、需給バランスでは、需要の回復が見込まれない状況下で、イランの供給再開があり、供給過多の基調は変わりません。1月の生産量水準での生産調整も、原油価格のさらなる下落は、イランにとっても増産の効果を薄めるので好ましくないと、イランが、参加は明言していないものの、支持の意向を示していることから、価格下落への歯止めは見込める状況ですね。
イラン:「生産調整支持」 合意産油国、増産特例提案か - 毎日新聞
チキンレースの終焉、オイルマネー動向の平静化、シリアの和平への歩み等の進展が見られるのか、注目ですね。
冒頭の画像は、ショイグ国防相(右)、ラブロフ外相(手前)とクレムリンで会談するプーチン大統領
ヤナギハナガサと蝶
↓よろしかったら、お願いします。
ロシア軍の支援により、アサド政権が反体制派に対し軍事的に優位に立っている状況への自信を示したものと見られると共に、アサド政権への支援の縮小により、同政権に対し反体制派との和平協議に真剣に取り組むよう働きかけを強めたとの見方もあるのだそうです。
また、米政府では、アサド政権の立て直しという所期の目的を達成したために撤収したに過ぎないとの見方があるなど、真意は解りかねている様子ですが、遊爺は、長期にわたる作戦費用の重みに耐えられないという単純な理由とする説に賛同しますが、真相はどうなのでしょう。
露軍撤収 米は疑心 寝耳に水「評価困難」 シリア和平協議 (読売 朝刊)
【モスクワ=緒方賢一、ワシントン=大木聖馬】ロシアのプーチン政権は15日、シリアから軍を撤収させ、アサド政権と反体制派が14日に再開した和平協議を後押しする姿勢を示した。軍撤収について米国に事前説明はなく、オバマ政権はロシアの出方を慎重に見極めている。
■空爆は可能
プーチン大統領は14日、ショイグ国防相とラブロフ外相に対し、「軍事作戦により和平協議を始める条件は整った」と述べた。その上で、外務省に協議の前進に向け努力するよう指示した。ロシアが後押しするアサド政権が反体制派に対し軍事的に優位に立っているとの自信を示したものと言える。アサド政権の存続を求めるロシアの立場は変わっていない。
撤収は部分的で、ロシア軍はシリア駐留を続ける見込み。ロシア紙「ベドモスチ」は15日、シリアには約60機のロシア軍機があり、撤収の第1段階で約半分がロシアに戻されると伝えた。北西部ラタキア近郊の基地に空爆に必要な兵力を残し、過激派と反体制派の双方へにらみをきかせる状況は変わらない。
一方、軍撤収はアサド政権への支援の縮小を意味し、反体制派との和平協議に真剣に取り組むよう同政権への働きかけを強めたとの見方も出ている。
■冷めた見方も
オバマ米政権にとって、撤収の発表は突然のものだった。アーネスト米大統領報道官は14日、「現時点で和平協議にどのような影響を与えるかを評価するのは難しい」と述べた。その上で、「ロシアの意図は何なのか正確に見る必要がある」と慎重な姿勢を示した。
米政府内では「ロシアはアサド政権の立て直しという所期の目的を達成したために撤収したに過ぎない」と冷めた見方もある。
米政府はロシア軍が昨年9月にシリアに展開した後、長期闇駐留する兆候がないことは把握していた模様だ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は14日、複数の米政府当局者の話として、ロシア軍が補修のために兵器を国内外に移動させたりする動きは見られなかったと報じた。
残る兵力に留意が必要 北大西洋条約機構(NATO)前欧州連合軍最高司令官 ジェームス・スタプリディス氏
ロシアがシリアからの撤収を表明したのは、作戦費用の重みに耐えられないという単純な問題が根本的原因だろう。通貨ルーブルと石油価格が低迷する中、シリア作戦のような冒険に資金をつぎ込み続けることが非常に難しいのは明らかだ。一方で、撤収可能な環境が整ったとみていることも間違いない。ロシアの見方では、アサド政権は軍事的に優勢な立場にあり、国際交渉の場における米国の立場は弱いということだ。
ロシアが本当に撤収すれば、サウジアラビア主導のアラブ連合軍が、穏健派のシリア反体制派を支援するための地上部隊を展開する機会が生まれるという利点はある。ロシアが撤収すると言っても、シリア国内にはロシア軍が常駐する海・空軍基地があり、それが今後も残ることには留意する必要がある。
【モスクワ=緒方賢一、ワシントン=大木聖馬】ロシアのプーチン政権は15日、シリアから軍を撤収させ、アサド政権と反体制派が14日に再開した和平協議を後押しする姿勢を示した。軍撤収について米国に事前説明はなく、オバマ政権はロシアの出方を慎重に見極めている。
■空爆は可能
プーチン大統領は14日、ショイグ国防相とラブロフ外相に対し、「軍事作戦により和平協議を始める条件は整った」と述べた。その上で、外務省に協議の前進に向け努力するよう指示した。ロシアが後押しするアサド政権が反体制派に対し軍事的に優位に立っているとの自信を示したものと言える。アサド政権の存続を求めるロシアの立場は変わっていない。
撤収は部分的で、ロシア軍はシリア駐留を続ける見込み。ロシア紙「ベドモスチ」は15日、シリアには約60機のロシア軍機があり、撤収の第1段階で約半分がロシアに戻されると伝えた。北西部ラタキア近郊の基地に空爆に必要な兵力を残し、過激派と反体制派の双方へにらみをきかせる状況は変わらない。
一方、軍撤収はアサド政権への支援の縮小を意味し、反体制派との和平協議に真剣に取り組むよう同政権への働きかけを強めたとの見方も出ている。
■冷めた見方も
オバマ米政権にとって、撤収の発表は突然のものだった。アーネスト米大統領報道官は14日、「現時点で和平協議にどのような影響を与えるかを評価するのは難しい」と述べた。その上で、「ロシアの意図は何なのか正確に見る必要がある」と慎重な姿勢を示した。
米政府内では「ロシアはアサド政権の立て直しという所期の目的を達成したために撤収したに過ぎない」と冷めた見方もある。
米政府はロシア軍が昨年9月にシリアに展開した後、長期闇駐留する兆候がないことは把握していた模様だ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は14日、複数の米政府当局者の話として、ロシア軍が補修のために兵器を国内外に移動させたりする動きは見られなかったと報じた。
残る兵力に留意が必要 北大西洋条約機構(NATO)前欧州連合軍最高司令官 ジェームス・スタプリディス氏
ロシアがシリアからの撤収を表明したのは、作戦費用の重みに耐えられないという単純な問題が根本的原因だろう。通貨ルーブルと石油価格が低迷する中、シリア作戦のような冒険に資金をつぎ込み続けることが非常に難しいのは明らかだ。一方で、撤収可能な環境が整ったとみていることも間違いない。ロシアの見方では、アサド政権は軍事的に優勢な立場にあり、国際交渉の場における米国の立場は弱いということだ。
ロシアが本当に撤収すれば、サウジアラビア主導のアラブ連合軍が、穏健派のシリア反体制派を支援するための地上部隊を展開する機会が生まれるという利点はある。ロシアが撤収すると言っても、シリア国内にはロシア軍が常駐する海・空軍基地があり、それが今後も残ることには留意する必要がある。
世界同時株価下落の原因となったされる、原油価格の低迷には、関連国による生産調整の動きが進展を見せている様子ですね。
産油国 生産調整協議へ 来月 露・OPECなど (3/16 読売朝刊)
ロシアや石油輸出国機構(OPEC)加盟国など産油国が4月、原油の生産調整に向けた協議を開く見通しとなった。ロイター通信が伝えた。原油価格は下げ止まりの兆しが出ているが、世界的に原油の供給量が需要を上回る状況は当面続きそうだ。産油国が足並みをそろえて供給過剰を和らげ、原油相場を安定化させられるのか注目される。
ロイター通信によると、ロシアのノワク・エネルギー相は14日、産油国が原油の増産凍結を目指し、カタールのドーハで協議の場を持つ公算が大きいとの見通しを明らかにした。核開発問題に絡む制裁が1月に解除され、増産態勢に入るイランについて、ノワク氏は「特別な状況にある」と述べ、生産量が経済制裁前の水準に戻るまで例外扱いとする考えを示した。
サウジアラビアとベネズエラ、カタールのOPEC加盟3か国とロシアは2月、原油安に歯止めをかけるため、主要産油国の協調を条件に、生産量を1月の水準に据え置くことで合意した。4か国にイラン以外の産油国も加え、増産凍結で合意を目指すものとみられる。
原油価格は、こうした産油国の動きや、米国のシェールオイルの生産量の落ち込みを背景に、持ち直しの動きを見せている。
11日には、ニューヨーク原油先物市場で、代表的な指標のテキサス産軽質油(WTI)の4月渡し価格が1バレル=38.50ドルと、終値としては今年最高となった。国際エネルギー機関(IEA)が同日発表した報告書で、「原油価格が底打ちした可能性がある」と指摘したことが好感された。
ただ、原油の需給を巡り、原油相場は神経質な値動きを続けている。OPECは14日に発表した報告書で、OPEC産原油に対する16年の需要見通しを日量約3150万バレルと、前月の予想から約10万バレル下方修正した。これを受け、同日のWTI価格は37.18ドルと2営業日ぶりに下落した。
今後の原油相場について、日本総研の藤井英彦氏は「当面は需給で綱引きがあり、1バレル=30ドル台で上下する」と予測する。第一生命経済研究所の熊野英生氏も「回復基調にはあるが、産油国の協調に向けた動きが長引くと壁にぶち当たる」と指摘する。
ロシアや石油輸出国機構(OPEC)加盟国など産油国が4月、原油の生産調整に向けた協議を開く見通しとなった。ロイター通信が伝えた。原油価格は下げ止まりの兆しが出ているが、世界的に原油の供給量が需要を上回る状況は当面続きそうだ。産油国が足並みをそろえて供給過剰を和らげ、原油相場を安定化させられるのか注目される。
ロイター通信によると、ロシアのノワク・エネルギー相は14日、産油国が原油の増産凍結を目指し、カタールのドーハで協議の場を持つ公算が大きいとの見通しを明らかにした。核開発問題に絡む制裁が1月に解除され、増産態勢に入るイランについて、ノワク氏は「特別な状況にある」と述べ、生産量が経済制裁前の水準に戻るまで例外扱いとする考えを示した。
サウジアラビアとベネズエラ、カタールのOPEC加盟3か国とロシアは2月、原油安に歯止めをかけるため、主要産油国の協調を条件に、生産量を1月の水準に据え置くことで合意した。4か国にイラン以外の産油国も加え、増産凍結で合意を目指すものとみられる。
原油価格は、こうした産油国の動きや、米国のシェールオイルの生産量の落ち込みを背景に、持ち直しの動きを見せている。
11日には、ニューヨーク原油先物市場で、代表的な指標のテキサス産軽質油(WTI)の4月渡し価格が1バレル=38.50ドルと、終値としては今年最高となった。国際エネルギー機関(IEA)が同日発表した報告書で、「原油価格が底打ちした可能性がある」と指摘したことが好感された。
ただ、原油の需給を巡り、原油相場は神経質な値動きを続けている。OPECは14日に発表した報告書で、OPEC産原油に対する16年の需要見通しを日量約3150万バレルと、前月の予想から約10万バレル下方修正した。これを受け、同日のWTI価格は37.18ドルと2営業日ぶりに下落した。
今後の原油相場について、日本総研の藤井英彦氏は「当面は需給で綱引きがあり、1バレル=30ドル台で上下する」と予測する。第一生命経済研究所の熊野英生氏も「回復基調にはあるが、産油国の協調に向けた動きが長引くと壁にぶち当たる」と指摘する。
サウジアラビアとベネズエラ、カタールのOPEC加盟3か国とロシアは、原油安に歯止めをかけるため、主要産油国の協調を条件に、生産量を1月の水準に据え置くことでの合意を2月にしていました。イラン以外の産油国も追随する動きを見せ、米国のシェールオイルの生産量の落ち込みもあり、国際エネルギー機関(IEA)は、「原油価格が底打ちした可能性がある」と指摘したのだそうですね。
ただ、原油の需要見込みは軟調であることには変わりなく、1バレル=30ドル台で上下するなどの、大幅な価格回復には慎重な見方が大勢の様子です。
サウジアラビアによる、米のシェールガスやロシア、イランとのシェア争いで始まり、チキンレース化していた原油価格。関連各国が苦境に追い込まれて、協調の方向が見え、価格が底打ちしたことは、歓迎されます。
ただ、需給バランスでは、需要の回復が見込まれない状況下で、イランの供給再開があり、供給過多の基調は変わりません。1月の生産量水準での生産調整も、原油価格のさらなる下落は、イランにとっても増産の効果を薄めるので好ましくないと、イランが、参加は明言していないものの、支持の意向を示していることから、価格下落への歯止めは見込める状況ですね。
イラン:「生産調整支持」 合意産油国、増産特例提案か - 毎日新聞
チキンレースの終焉、オイルマネー動向の平静化、シリアの和平への歩み等の進展が見られるのか、注目ですね。
冒頭の画像は、ショイグ国防相(右)、ラブロフ外相(手前)とクレムリンで会談するプーチン大統領
ヤナギハナガサと蝶
↓よろしかったら、お願いします。