仲井眞知事は、埋め立ての位置の修正を求めていましたが、キャンプシュアブへの移転で普天間の危険を回避する方向で政府と渡り合っておられたのですが、民主党政権になり鳩の県民の皆様を愚ろうする迷走で、県民・県や市町村議会が県外にかたむいたことで、その民意を尊重するとし、県外移設を唱える立場に変わっていました。
なので、民意がキャンプシュアブへの移転に戻れば、当然仲井眞知事も元々の立場に戻られるはずです。
そこで今注目されているのが、来年1月19日に投開票される名護市長選挙の成り行きです。
前回は、移転受け入れ容認派の島袋市長(当時)と、県外移転を唱える稲嶺氏とが争い、逆風の中、島袋氏が猛追し善戦したのですが、惜しくも敗れました。
今回も、容認派と、県外移転要請派の勝負となり、日米政府合意の日米安全保障政策に大きな影響を与える選挙となっています。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設が争点となる名護市長選(来年1月12日告示、19日投開票)が、保守分裂の様相となり、政府・自民党が危機感を強めている。移設に強く反対している現職の稲嶺進氏(68)に対し、「一本化しなければ敗れ、辺野古移設が頓挫しかねない」(党幹部)と見ているためだ。
同市長選には、現職の対抗馬として、移設容認派が擁立した元副市長で自民党県議の末松文信氏(65)に続き、前市長の島袋吉和氏(67)が立候補を表明した。
市長時代に移設を容認していた島袋氏は30日、記者会見で正式に出馬表明し、「辺野古移設なくして(名護市を含む県)北部の振興発展はない」と強調した。島袋氏は、辺野古移設をてこに国から北部振興予算を獲得する先頭に立ってきたという自負が強い。
容認派の市議団や経済関係者は、前回市長選で敗れた島袋氏よりも、同市が地盤の県議の末松氏の方が勝機があるとみて擁立を決め、末松氏は24日、出馬表明した。末松氏は、移設受け入れになお慎重な市民が多いことを踏まえて移設容認とまでは明言しなかった。島袋氏はこれに反発して出馬を決断したと見られている。
末松氏陣営では、島袋氏の出馬は予想外だった。自民党県連は30日、議員総会を開き末松氏の支援を決めたが、翁長政俊県連会長は記者団に「こういう状況が出てくるとは想定ができていなかった。びっくりしている」と漏らした。
政府・自民党は、市長選をきっかけに移設容認派がまとまり、仲井真弘多知事に、移設に必要な辺野古沿岸部埋め立ての承認を迫る戦略を描いていた。自民党県連の支援を受けて知事に当選した仲井真氏が「与党県議を応援するのは当然だ」と末松氏支援の姿勢を示し、期待感が出ていただけに衝撃が広がっている。
石破幹事長は、島袋氏の出馬が表面化した29日に島袋氏に電話し、「保守分裂になれば稲嶺氏を利するだけだ」と説得を試みたが、島袋氏は「政府・党本部と考えが一致する私を推してください」と応じなかったという。
自民党本部は末松氏陣営に対し、分裂回避のため移設容認を明確にするように働きかけを強めている。同県選出の島尻安伊子参院議員は29日、末松氏に「ちゃんと容認と言うように」と要請した。
また、党本部は同県連にも、移設容認を打ち出すよう求めている。鳩山政権時代に同県連が県外移設の主張に転じ、党本部とねじれたままになっているためだ。翁長氏は30日、記者団に「県連内に議論してほしいとの要望があり、ふたをするわけにはいかない」と述べ、近く議論を始める考えを示した。ただ、同県連はこれまで党本部の要請を拒み続けてきた経緯があり、党幹部は「しばらく様子を見るしかない」と述べ、慎重な見方を崩していない。
読売のこの記事だけ見ると、自民党が候補者を一本化して戦おうとしているのに、島袋氏が分裂立候補して自民党の方針を妨げている様に見えてしまいます。
真実は、候補者絞り込みでここまでに変遷があったことはご存知の諸兄が多いのですが、整理したポイントだけ並べます。
①政府及び自民党の政策は、日米合意のキャンプシュアブ移転で決まっている。
②自民党沖縄県連は、政府及び自民党の方針に反抗して県外移転を唱えている。
③さきの参議院選挙では、党本部の説得にも関わらず、県外移転を唱える候補の立候補を取り下げずに戦い、自民党が敗北した二つの県のうちの一つとなった。=本部の政策と異なる政策を掲げて敗北した県連だが、ねじれたままお咎めもなく今日に至っている。党内分裂は沖縄に限れば崩壊した民主党と同じ。
(余談ながら、この時、比例区では、キャンプシュアブ移転容認を唱えた、維新の儀間候補は、比例順位を飛び越えて当選している。)
④重要な名護市長選の候補者で、最初に一本化しようとした候補者は、川上副知事。
⑤その後、自民沖縄県連は、末松県議に一本化。末松氏と島袋氏を一本化するに際しては、キャンプシュアブ受け入れ容認を明言して戦うことで島袋氏が支援に回った。
⑥末松氏が、約束した明言を避けているので、島袋氏が約束が違うと立候補宣言した。
つまり、自民党や政府の政策と、沖縄県連の政策は、キャンプシュアブ受け入れ容認と、県外移転とで真っ向から異なっているのです。政策が異なるのに同じ党なのです。しかも、党本部が説得しても反抗して従わず、独自の県外移転で選挙に臨み敗北している。
敗北しているのに、県連のドン(翁長政俊県連会長)は居残っていて、名護市長選でも県外移転の旗を降ろそうとせず、党本部の説得に従っていないのです。
にもかかわらず、一本化で支援にまわる約束が守られないので、自民党本部や政府の政策に沿った政策を掲げる島袋氏に、石破幹事長は立候補を断念するように電話をしていますし、菅官房長官も苦言を呈しています。
島袋氏は、前回落選後も一貫して移転容認の活動を続け、盛り上げて来られたのです。
島袋氏が、石破幹事長に「政府・党本部と考えが一致する私を推してください」と言っていることの何処が間違っているのでしょう。
党本部や政府の政策とことなる政策を掲げる県連が選んだ候補者が、本部の説得を聞き入れない現状で、本部・政府の政策に沿う候補者に電話して立候補の断念を言う石破幹事長のほうが、どう考えても間違っています。
勿論、稲嶺市政の不振で、せっかく移転容認派が勝てそうな今回、立候補者が乱立することは避けねばならないことは、島袋氏も承知しているから、支援に回ったのです。
自民党本部や政府は、沖縄県連に、党の政策に沿った政策を堂々と掲げて選挙戦を戦うことを説得せねばなりません。その約束が守られれば、島袋氏は支援に回ると言っておられるのでした。
本来は、ずっと移転容認の活動を続けて来られた島袋氏が立候補されるのがベストなのですが。
県連や、末松氏が党本部の説得を受け入れないのなら、党本部の政策を掲げる島袋氏に一本化すべきです。
県連の政局や自己の地位執着心の為に、自民党や政府の方針=沖縄や日本・アジアの安全保障が歪められてよいはずがありません。
なを、沖縄での関連詳細情報は、以下の「狼魔人日記」さんが密着取材された最新情報も交えて数多くアップされていますので、是非ご参照ください。
例
名護市長選、究極のねじれ現象 - 狼魔人日記
島袋氏が本日者会見! - 狼魔人日記
捨て身の男は最強だ!島袋氏の出馬! - 狼魔人日記
# 冒頭の画像は、立候補の記者会見に臨んだ島袋氏 (「狼魔人日記」さんより引用)
この木の名前は、ニュートンのリンゴ。この画像ではよく見えませんが、まだ青い実がつき始めていました。 (2013年 6月 撮影)
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