遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

迫るG7 世界経済や日本経済浮揚策は打ち出せるのか

2016-05-07 23:58:58 | 日本を復活させる
 G7サミットまで、20日を切りました。連休中の円高が懸念されていますが、6日の東京市場では一服の様子でしたが、株価は6営業日連続下落をし、年初の6日続落以来3度目の記録となりました。
 普段なら為替や株価の変動に、いちいち反応することはしませんが、米国による「為替監視対象国」化や、G7議長国としての世界経済対処のリーダーシップ発揮を目指す今、その動向には日本の実力が問われることとなり、注目せざるを得ません。
 

円高一服でも株続落 6日で1465円安 輸出企業業績に懸念 (5/7 読売朝刊)

 連休明け6日の東京株式市場は、円高の進行が一服したのにもかかわらず株安に歯止めがかからず日経平均株価(225種)は6営業日続けて下落した。6日続落は今年3回目で、今回の下げ幅は合計1465円に達する。市場では、日本政府の為替介入は難しく円相場の落ち着きは一時的
と見る向きが多い。4月の米雇用統計で伸びの鈍化が確認されたことで、追加利上げの先送り観測から円高・ドル安が進むとの見方が広がる。金融市場はしばらく混乱が続く環境にあると言えそうだ。(吉岡みゆき、水野翔太)

 日経平均の終値は連休前の2日に比べて40円66銭安の1万6106円72銭だった。金融株などに売りが出て、取引時間中は一時、1万6000円を割り込んだ。
 6日連続の値下がりは、3月29日から4月6日まで7日続落して以来で、下げ幅は前回(1419円)を上回った。2015年に6日以上続落したのは1度だけだったが、
今年は年初から6日続落するなど、株価は下落基調を強めている

 6日の東京外国為替市場の円相場は午後5時、2日に比べて55銭円安・ドル高の1ドル=106円94~95銭で大方の取引を終えた。日本の為替介入への警戒感などから、この日は円安に振れた。
 安倍首相が5日、訪問先のロンドンで「為替の動向を注意深く見て、必要に応じて対応したい」と述べ、投機的な動きをけん制したことも背景にある。
 ただ、
投資家らは今後も円高基調が続くとみている。米財務省が日本の為替政策を監視対象とし、「日本の為替介入へのハードルは一段と高くなっている」(アナリスト)ためだ

 
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を26、27日に控え、自国の通貨安を誘導する政策は取りにくいという事情もある

 4月の米雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比16万人増にとどまった。市場では、米国経済の減速が裏付けられたとして、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、追加利上げを見送るとの見方が広がっている。早期の利上げ期待がしぼむことで、円高・ドル安が進む可能性がある。
 円相場の推移とともに市場の注目を集めるのが、国内企業の業績だ。トヨタ自動車など多くの輸出企業は、週明け以降に2016年3月期の決算を発表する予定だ。足元の円高・ドル安が業績に与える悪影響が市場の予想を上回るほど大きければ、株価のさらなる下落要因となりそうだ。


減益予測 株に下げ圧力 松井証券の窪田朋一郎氏
 6日も輸出企業の採算が悪化するとの懸念から、株を売る動きが続いている。東京外国為替市場は1ドル=107円前後で推移し、円高の進行は一服したが1ドル=110円台だった4月下旬と比べると円高基調だ。
 これまで決算を発表した企業は、2017年3月期の想定為替レートを1ドル=110円と設定した上で、減益の予想が多い。円高が進めば業績はさらに下振れするため、株価の下げ圧力につながっている。
 円高が1ドル=105円程度まで進行すれば、日経平均株価は1万5000円まで下落する可能性がある。


 この時期に「監視リスト」を新たに設け、日本が円売り介入に動くのをけん制した理由については、
 ①オバマ政権が、為替操作への強硬姿勢をアピールすることでTPP反対論を抑え込み、議会の早期承認を求めてオバマ大統領のレガシー造りを進めたいところを、日本政府がTPP批准を先送りしたことへのいらだち
 ②「日本や中国は為替操作国だ」とのトランプ旋風に迎合する姿勢を見せることでの、トランプ潰の大統領選対策
 ③マイナス金利を導入した事への米国の怒り
 が考えられると、書かせていただいていました。
 
米国が日本などを「為替管理国」の「監視国」に指定 - 遊爺雑記帳

 G7で、世界経済の浮揚、同時にアベノミクスの日本経済の浮揚や、そのための消費税増税延期のお墨付き獲得などをもくろんで、安倍首相は欧州のG7出席国を歴訪しました。
 米国が制止するロシア訪問も旅程に加え、各国と対露対話の継続合意を取り付けるといった、米国への反発姿勢をにじませていました。
 協調財政出動への賛同を、伊、仏では得ましたが、難関と予想された独では予想通り賛同を得ることが出来ませんでした。
 

独英 慎重姿勢崩さず…首相歴訪 経済協議 サミットで継続 (5/7 読売朝刊)

 【ロンドン=寺口亮一】安倍首相は5日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に参加する欧州各国首脳との一連の会談を終えた。焦点の財政出動を巡っては、慎重派のメルケル独首相とキャメロン英首相が必要性こそ否定しなかったものの、経済政策全体のバランスが重要との考えを示して立場の違いをにじませた
。経済政策を巡る協調の成否は26、27日に開かれるサミットの場に持ち越された。
 安倍首相は4日にベルリンで行われた日独首脳会談で「今こそG7(先進7か国)には、構造改革の加速化にあわせて機動的な財政出動が求められている」と述べた。メルケル氏は「財政出動について私は決してフロントランナー(先頭を走る人)ではない」と強調しつつ、構造改革、金融政策と合わせて進めるべきだとの認識を示した。
 キャメロン氏は5日の日英首脳会談で「世界の経済成長に向け、G7が協力しなければいけないという安倍首相の考えには賛成だ」と語った。ただ、財政出動については「それぞれの国の事情を反映し、(金融政策、構造改革とともに)バランス良く協力して進めていくことが重要だ」と指摘した。

 
財政出動 首相こだわり (5/7 読売 スキャナー)

<前略>
 
ベルリン近郊のメーゼベルク城はドイツ政府の「迎賓館」でもある。4日夕、城内の一室に通された安倍首相は、メルケル独首相にこう語りかけた。
 「構造改革は最も重要だ。私も、タブー視されたエネルギーや農業の自由化に踏み切った」
 
今回の欧州歴訪は、財政出動に向けた各国の理解を深めることが大きな目的で、ドイツは「最大の難関」
とされた。ドイツは第1次世界大戦後、巨額の賠償金支払いに応じるため財政支出を増やした結果、激しい物価上昇を招いた。現在も単年度の財政支出を、税収などの範囲内に抑えることを重視している。
 
ドイツが抱える事情を酌み、首相はあえてメルケル氏に寄り添う姿勢を強調した。パリからブリュッセルに向かう政府専用機内で、自ら発案した戦略だった。首相は周辺に「今回の会談でまとまらなくてもいい」とも漏らした


 メルケル氏は財政出動への慎重姿勢を堅持しつつも、こう応じた。
 「構造改革、金融政策、財政出動の三つを一緒にやっていかなければならない」
 「三つとも大事」という言い方なら、財政出動の積極派と慎重派の両方の顔が立つ。首相同行筋は会談後、「サミットの合意文書作成に向け、現時点の満額回答を引き出せた」と喜んだ。

景気浮揚と逆行
 
首相は不透明感を増す世界経済を下支えするため、先進7か国(G7)で財政出動に向けた協調を打ち出したい考え
だ。夏の参院選後の臨時国会で、経済対策などを盛り込んだ2016年度第2次補正予算案を編成することも念頭にある。
 
首相はなぜ、そこまで財政出動にこだわるのか――。与党内では、消費増税を巡る政治判断との関連を指摘する声がある。「一時的な需要減が予想される消費増税は、財政出動を柱とする景気浮揚策と逆行するため、それを大義名分に増税を先送りできる
」(自民党幹部)というわけだ。

 首相は、経済政策
「アベノミクス」の成功を最優先に考えており、来年4月の消費税率の引き上げにはこだわっていない。そんな中、サミットで主要国首脳が財政出動による景気対策の強化で合意すれば、議長国の日本は率先して取り組まねばならず、首相は増税先送りの判断に「お墨付き」を得ることができる


 サミット閉会時に首相が消費増税延期を発表する、との見通しもささやかれている。「『G7の協調』を掲げられたら、増税延期に否定的な麻生財務相や自民党税制調査会も反対しにくいはず」(首相周辺)との見方があるためだ。
 もっとも、今回の歴訪で、首相が主導する財政出動に明確に賛同したのは、フランスのオランド大統領とイタリアのレンツィ首相の2人だけだ。イギリスのキャメロン首相は「構造改革が非常に重要だ」とメルケル氏に歩調を合わせた。
首相は5日、ロンドンでの記者会見で「手応えをしっかり感じ取れた」と一連の会談の成果を強調したが、残された溝を埋める作業はサミット直前まで続く

 米国の「為替監視国」指定。青山繁晴氏は、米国による日本経済支配(日本独自の政策判断と行動を封じ、米国の同意を求める)の始まりと指摘されていますね。そして、G7サミット議長国としての縛り。(G7サミットをリード出来れば逆に大きなメリットを得られる)
 投機筋がこれを見据えて仕掛けてくる円高への挑戦。
 世界経済と日本経済の行方が、今月末、大きな山場を迎えますね!

 青山氏の円高に関する解説は以下 (ほぼ終わりに近い、1時間56分55秒経過したあたりからです。お急ぎの場合、画面下部のルーラーで早送りしてご覧ください。)
 5/5(木)~青山繁晴・居島一平~【真相深入り!虎ノ門ニュース】【Toranomon NEWS】


 こちらは冒頭から円高の話題です。
 2016/5/5 ザ・ボイス 青山繁晴 ニュース解説「ケーシック氏が共和党の指名争いから撤退 トランプ氏の指名確実に」「日独首脳会談 財政出動の議論は伊勢志摩サミットに持ち越し」など



 # 冒頭の画像は、独ベルリン近郊メーゼベルクで、会談後の共同記者会見に臨む安倍晋三首相とメルケル独首相(5月4日)




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