遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

豪首相、初外遊各国歴訪で日本外し

2008-03-16 16:52:58 | EEZ 全般

 豪新労働党政権のケビン・ラッド首相は、就任後初の本格的外遊で主要国を訪問するのだそうですが、日本は訪問対象から外されたそうです。
 親中か知中か、反捕鯨を日豪の外交問題として取り上げ両国の関係に影響を及ぼすのか、スタートしたばかりの日豪同盟を、どう進展させるのか、遊爺は注目していますが、どうやら危惧した方向に進み始めている気配ですね。
 

「反捕鯨」世論が後押し 豪首相、支持率好調 日本軽視、中国に重心 (3/14 読売朝刊)

 【シドニー=新居益】オーストラリアで労働党政権の発足後、日豪関係が変調をきたしている。ケビン・ラッド首相(50)は就任後初の本格的外遊で、米国と欧州、中国を歴訪するが、日本は訪問対象から外された。南極海の捕鯨をめぐる日豪の対立が直接の原因だが、豪州が中国に外交の重心を移行させる意図もうかがえる。

 ■財界の期待
 ラッド首相は27日から4月13日にかけて、ワシントン、ニューヨーク、ブリュッセル、ロンドン、北京を訪問すると発表した。中国では胡錦濤・国家主席らと会談し、豪州経済界と連携して商機の拡大も目指すという。
 豪州と中国は近年、経済と安全保障の両面で関係を強化している。豪州にとって長年、最大の貿易相手国は日本だったが、豪中の貿易額が2007年に豪日の貿易額を抜き、中国が最大の貿易相手国になった。08年2月には、両国外相が初の「戦略対話」を実施、スミス豪外相は日米豪印の戦略対話構想に反対の立場を表明し、中国への配慮を示した。
 ラッド首相は中国大使館勤務の外交官出身で、中国語能力と中国人脈を誇る。娘が中国系豪州人と結婚したり、息子が中国に留学したりするなど、一家と中国の縁も深い。中国との関係強化に向け、豪政財界の首相への期待は大きい。

 ■弱腰批判
 首相は1月、スミス外相を東京に派遣し、高村外相との間で、捕鯨問題が両国関係に悪影響を及ぼさないよう努める点で一致した。だが、日豪関係筋は「ラッド首相が訪日すれば、福田首相に対し、捕鯨問題を取り上げざるを得ない。日豪双方に首脳会談は当面行いたくない共通認識があった」と指摘。捕鯨問題の影響は深刻化している。
 元々、豪州では「反捕鯨」世論が極めて強く、与野党ともに反捕鯨を掲げ、ハワード前政権も例外ではなかった。ただ、日豪安保共同宣言署名(07年3月) なと「日豪の蜜月時代」(外交筋)を築いたハワード前首相は、日本との経済や安保関係を優先し、捕鯨問題を真正面から扱わなかったため、「日本に弱腰」 (地元記者)と見られていた。
 ラッド政権は昨年11月の総選挙で政権を監視する船を派遣したり、国際法廷への提訴検討を表明したりし、国民の根強い不満を吸収した。首相は2月13 日、先住民アボリジニに対し、歴史的な公式謝罪を行ったが、オーストラリアン紙のシャナハン政治部長は「『反捕鯨』と『謝罪』が、政権交代の効果を国民に象徴的に示した」と指摘する。
 この結果、同紙が実施した最新の世論調査で、首相支持率は同調査史上最高の73%を記録。野党党首として史上最低の支持率7%となったネルソン自由党党首を大きく引き離し、首相は「国民との蜜月関係」を謳歌している。

 ■米国には配慮
 一方、ラッド政権に対しては、イラクに派遣している軍部部隊約1500人のうち、約500人の戦闘部隊を年内に撤退させるため、米国との関係を危ぶむ見方もあった。
 しかし、2月23日に豪州で開かれた米豪の外務・国防閣僚定期協議で、豪側は米国との同盟が機軸になると改めて強調、アフガニスタンに警備部隊を増派する考えも示した。これにより、ラッド政権は米側の懸念を吹き飛ばし、豪米関係の再構築に成功した形だ。
 豪州は北大西洋条約機構(NATO)非加盟国だが、首相は今回の外遊で、ブカレストで開かれるNATO首脳会議にも出席。NATO諸国に対し、米国と歩調を合わせ、アフガンへの関与を強化する必要性を訴える見通しだ。豪州はアフガンに約1000人の軍部隊を派遣している。


 豪中の貿易額が、長年トップであった日豪の取引額を上回ることは、中国の経済成長から避けることは出来ない今日の状況で、経済を考えれば中国を重視することは当然です。知中派であることが中国重視の財界にも歓迎され、支持を得ましたが、世界情勢の中で個人的な親しさから、国の政策や他国との連携図を親中に切り替える度合いについては、グローバルな視野や判断を期待しています。
 しかし、今回の主要国歴訪は、日本軽視、中国に重心との読売の見出しの通りの日本外しです。

 中国の外相が訪豪し豪中外相会談が行われた時、スミス豪外相は、安倍前政権が提唱した日米と豪印を加えた4カ国対話を「推進するつもりはない」と語り、中国のご機嫌とりをしていました。
 「「4カ国対話」参加せず 豪外相、中国に配慮」世界から‐中国・台湾ニュース:イザ!

 ラッド首相は、反捕鯨についてのみ日豪間に意見の相違があるとし、日本の調査捕鯨は商業捕鯨だと反発していますが、日豪間には50年以上にわたる「第1級の」外交関係があるとし、2国間には「非常に多くの関係や連携」があると強調もしていたのですが...。
 豪首相、捕鯨船団監視を継続する姿勢を示す 国際ニュース : AFPBB News

 ハワイから西を中国、東を米国で太平洋を分割管理しようと言い出す中国です。覇権主義の本音が出たのですが、こんな国に安全保障ですり寄ろうとしているのです。ハワード政権下では考えられなかったのですが、その自由党の支持率は、総選挙前の2007年11月に44%あったものが 7%にまで落ち込んで、労働党の支持率は、47%から73%にまで伸びているのです。資源輸出国が軒並み経済成長を成し遂げていることによる、経済成長も影響があるのでしょうけど...。

 食糧やガス他の地下資源が豊富な自由主義圏の数少ない供給国で、多くを依存する日本にとっては、米国一辺倒の安全保障体制からの脱却とともに、今日最も重視して行かねばならない日豪関係だと考えるのですが、片思いに見事にひじ鉄を食らってしまったと笑って済ませられない、深刻な状況です。

 キャンベラでのカンガルー駆除で、クジラとカンガルーの取り扱いの違いについて問われたギャレット環境相(元ロック歌手で、グリーンピースの役員経験もある)は、「バランスが取られ、科学的に実行される計画は良い政策だ」と弁明しているのだそうです。
 以前にも書きましたが、「反捕鯨」は感情の問題で、アラスカの人たちに代表されるように、捕鯨国では食文化として捕鯨しているので、両者の合意点を見いだすのは、相互に冷静に考えた対話が必要です。
 

沿岸捕鯨に容認案 反対国「南極海で中止」要求 (3/12 産経)

 【ロンドン=木村正人】ロンドンで6~8日に行われた国際捕鯨委員会(IWC)の中間会合で、一部の反捕鯨国から、日本に沿岸での商業捕鯨再開を認める代わりに、南極海での調査捕鯨を中止するよう求める妥協案が提出されていたことが11日、関係者の証言で明らかになった。この妥協案は捕鯨支持国と反捕鯨国の間で非公式に協議されたという。5~6月にチリで開かれる年次総会でも提案される見通しで、打開策の1つとして注目される。

 IWCのグランディ事務局長が同日、産経新聞に語ったところによると、この妥協案は中間会合で反捕鯨国のオランダとアルゼンチンが提出した。捕鯨支持国と反捕鯨国の勢力が拮抗(きっこう)し、暗礁に乗り上げているIWCの正常化を話し合うのが中間会合の狙いだったため、正式な議題としては取り上げられなかった。しかし、会合の合間に日本など捕鯨支持国と反捕鯨国との間で妥協案の可能性が真剣に議論された。

 同じ内容の妥協案は先月、東京で開かれた国際捕鯨シンポジウムでも議題にされ、英紙インディペンデントによると、反捕鯨国の急先鋒(せんぽう)である英国の交渉筋も、捕鯨の全面禁止が見込めないなら南極海での調査捕鯨禁止につながる沿岸捕鯨再開に理解を示したという。

 IWCは1982年、商業捕鯨モラトリアム(一時停止)を採択。日本は異議を申し立てたが、85年に撤回。87年3月に商業捕鯨を中断する一方で、同年12月から南極海での調査捕鯨を開始した。日本は昨年5月に米アンカレジで開かれた年次総会で沿岸小型捕鯨の再開を提案したが、反捕鯨国に拒否され、IWCから脱退して新たな捕鯨管理機関を設立する方針を示していた。

 反捕鯨国の間には日本がIWCから離脱し、コントロールが利かなくなることへの恐れがあり、妥協案の提出につながったとみられる。反捕鯨国の半数が賛成に回れば、商業捕鯨の再開に必要な4分の3以上の支持が形成される可能性もある。


 捕鯨の魚種・地域を管理する為の調査捕鯨ですが、反捕鯨を強く唱える国民の目の前で血を流すのは、反捕鯨主義ではない遊爺でも、その国民の感情は推察できます。
 調査捕鯨の調査状況も進んでいることと聞きますし、反対国、賛成国の平行線をいつまでも続けるのではなく、歩み寄り可能なところから合意形成するよう双方で努力すべきだと考えます。
 食糧自給率向上でも貴重なタンパク源となる(かつてそうだった)クジラですが、国内の現状の需要をはかっていただき、日本に必要な捕鯨地域を産出するなど、昔から取っていたのだからというのではなく、科学的な話し合いに、譲歩も含めて日本がリードしていくことが必要です。

 捕鯨 → 双方の文化の否定 → 両国の国の軽視・乖離 の図式は避けねばなりません。
 オージービーフ同様に、クジラも豪州から輸入することにすると、カンガルーのように計画的な捕鯨は良いことと、気づいてくれるかもしれません...?





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