遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

原発は「重要なベース電源」

2013-12-09 23:22:36 | 新エネルギー
 特別秘密保護法や、中国の防空識別圏設定の話題で持ち切りで、政府の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の注目度が低い様に思われます。今後のエネルギー政策に係る重要政策ですが、社説で取り上げているのは産経だけ。
 自民党は政権を獲得した当初は、中長期政策は3年以内(長すぎるの批判はありましたが)に結論を出すとしていましたが、1年で繰り上げて出してきたのでしょうか。

 
原発の再稼働 自民「3年以内にすべて結論」 :日本経済新聞
 エネルギー基本計画案に当局が「原発再稼働進める」と明記 民主政権のゼロ政策転換 - MSN産経ニュース
 
「ゼロ」からの転換 原発を活用する出発点に (12/8 産経・主張)

 
安倍晋三政権が「エネルギー基本計画」の素案を提示し、安全性が確認された原発を「重要なベース(基幹)電源である」と位置付けた。
 民主党政権が進めた「原発ゼロ」に決別し、原発の活用再開に取り組む姿勢を示したものとして評価したい。
 安定的で安価な電力供給を確保するには原発の活用が欠かせない。政府は基本計画を着実に実行するため、原発の早期再稼働に取り組んでほしい。
 政府の
中長期的なエネルギー政策の指針となる基本計画は、経済産業省の審議会で今春から改定が進められてきた。年内に最終的な計画を取りまとめ、年明けには閣議決定
する。
 経産省が示した計画素案には、原子力規制委員会が安全性を確認した原発は再稼働を進めるとの方針を盛り込んだ。そのうえで「エネルギー需給を支える重要電源」と明記し、今後も原発を活用する姿勢を打ち出した。
 
安倍首相は政権発足時に「原発ゼロをゼロベースで見直す」としていた。実際に政府の計画に明示された
ことで、電力会社はこれからも原発の活用に向け、継続的な設備投資などを経営計画に盛り込むことができる。
 一方で、
原発の新増設方針が明記されなかった
のは残念だ。原発の運転期間を40年に規制したまま新設がなければ、2050年にも原発はゼロになる。建て替えを含めた新設の容認で原発を維持する姿勢を明示することは、海外との化石燃料の価格交渉を有利にすることにもつながる。
 国内で稼働中の原発は現在ゼロであり、老朽化した火力発電設備が故障する恐れも強まっている。原発停止に伴い、東日本大震災前に比べて今年度は3・6兆円の燃料費負担が増加する。これは電気料金の値上げに跳ね返る。
 来年4月には消費税が増税される。さらなる電気料金の負担増は産業や家計にもマイナスだ。
 安倍政権は、日本経済の再生のためにも、原発の早期再稼働を主導しなければならない。
 計画素案は、
使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策も維持するとした。民主党政権の原発ゼロ戦略には、原子力技術の喪失を懸念する声が欧米からも寄せられていた。日本には今後も高い原子力技術を通じて国際貢献する責務があると銘記すべきだ。


 第46回衆議院議員選挙(平成24年度)の時の自民党の公約では、海洋資源の開発を唱っていました。
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 国民と自民党の約束 政策パンフレット 「日本をとりもどす」重点政策2012 自民党

 ●メタンハイドレート・レアアース泥などを含む海洋資源開発への集中投資などにより、資源大国への転換を図ります。

 参議院選挙の公約では、安全と判断された原発の再稼働を唱っています。
 第23回参議院議員選挙(平成25年度)
●原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねます。
 その上で、国が責任を持って、安全と判断された原発の再稼働については、
 地元自治体の理解が得られるよう最大限の努力をいたします。

 
公約関連 | 政策 | 自由民主党
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  小泉発言騒動があった時、「原発を減らしていく方向は同じ」と党幹部の方は言っておられました。衆議院選挙に臨む時にも、即原発廃止は難しいが、代替えエネルギーの可能性を検討してベストなエネルギーミックスを見出して、原発は減らしていくといった方向だったと理解していました。
 なので、やみくもに原発ゼロを標榜する他党は無責任と批判し、自民党・安倍政権は裏付けのあるエネルギー政策を構築すると言っていたと記憶しています。
 遊爺の勝手な思い込みだったかもしれません。

 中長期的なエネルギー政策の指針となる基本計画で、「安全性が確認された原発を「重要なベース電源である」と位置付けたのです。
 未だ、新増設には触れられていない様ですが、エネルギー政策の基幹に原発を位置付けているのです。繰り返しますが、当座ではなく、中長期の政策としてです。

 成長戦略にも通じる、メタンハイドレードなどの地下資源開発や代替えエネルギーの開発に重点を置いて、これらの実用化計画を建て、原発を減らすという話ではない!
 
 最近の安倍政権は、政権を奪回する時や奪回した当初に比べ、政策が転換されているものや先送りで取り下げたもの(例=河野発言の見直し、憲法改正、集団的自衛権の行使の為の環境整備)が目立ち始めています。
 原発を巡るエネルギー政策を、3年後ではなく、1年後に繰り上げて打ち出すのは結構ですが、原発をベースに置くのでは、何の芸もありません。
 
 核燃料サイクル政策の維持は、ゴミの削減につながるもので、成功すれば世界に役立つ技術となるもので、研究資金も含めて困難はありますが、あきらめずにチャレンヂしていただきたいと考えるので、賛成です。

 代替えエネルギー開発のロードマップと併せて、原発の扱いを算入した中長期の政策を腰を入れて創り上げていただきたい。
 安易に原発をベースに置いては、代替えエネルギーの開発(=成長戦略のひとつ)が進みません。
 産経は絶賛していますが、今すぐ原発を停止するかどうかでは通用する話ですが、中長期政策としては、褒められた話ではないと考えます。廃棄物の処理・保存方法が決まっていないのですから。既に保管場所も亡くなりつつあるのですから。
 小泉さんは、読売新聞との確執があり、講演内容とはことなり「即原発停止」を口走った様ですが、原発を中長期のベースに据えるなら、廃棄物処理方法の中長期計画も同時に示すべきです。それをなんとかなると触れずに中長期のベースエネルギーに据えるのは、小泉氏の発言を待つまでもなく「無責任」のそしりは免れません。

 今冬、関西電力は自前の発電能力では不足する為、他の電力会社からの購入で凌ぐことになっています。火力発電所の故障いかんでは危険な事態が生じます。短期の政策と、長期の政策の弾力的な運用も求められるのが現実です。
 関西電力「原発ゼロ」で初の冬 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 特別秘密保護法案も、せっかくの待望の法案であるにもかかわらず、粗雑な原案と国対のせいで紛糾しました。なんだかちょっぴりおかくしなってきたと感じる安倍政権です。
 安倍さんが心変わりしたのか、任せているとりまきが無能なのか...?



 # 冒頭の画像は、青森県上北郡六ヶ所村の日本原燃の再処理工場






  この花の名前は、サルビア・コクシネア


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2 コメント

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Unknown (世界分析)
2013-12-11 11:27:29
原発は悲しいかな日本の生命線。
原発なしは理想だが。
十分考えていかねばならない。
そこで、問題は原発を政治利用する奴ども
ただただ、反対を叫ぶインチキ集団。
そしてただ賛成するならず者新聞。
産経は原発関係(昔は東電中心)
産業団体から金をもらって、提灯記事を
書いている。(金のための原発記事)
いはば、日本人のことなどどうでもいい
と思っている。
金のためなら日本人をいくら殺しても
構わないと思っているならず者。
こんな奴らに惑わされず、よく原発を
考えたい。
日本のために、電気の重要性を。
返信する
Unknown (RYU)
2013-12-14 12:24:34
遊爺さま、こんにちは。

原発推進は右翼、という既成概念を超えた公正中立なロジックこそが必要とされていると思います。
推進派は、外国からエネルギー資源を買い込んで、日本の資産を流出させるな、と言っていますが、世界の石油・ガス資源を枯渇させないためにも、後進国へのインフラ輸出の需要は高まると思います。日本で汚染水漏出があった技術を外国に売るな、と言いますが、日本が震災に弱い国であり、最高水準の技術をもっても、完璧は無いのだから、P5など世界の先進国が、インフラ輸出を進める情勢を、指を加えてみているだけでは、利益を失しますが、世界的に、インフラ輸出が進む事によって、原発を利用できる国は、恒久的なエネルギーのシェアが高まり、石油ガスなどの有限資源のシェアが大きくなる事は悪い事ではありません。

イランや、北朝鮮など、深刻な問題を抱えた国もありますが、世界から相手にされない国ではなく、自国の国益を失陥する敵失行為こそが、祟りに比肩する愚かな行為であると思います。IAEAに従わない、のであれば、問題ですが、核をめぐる国際的な基準を満たしているのであれば、協力と支援を進めるべきだと思います。
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