南シナ海のスカボロー礁の領有権を巡り、フィリピンが国連海洋法条約に基づいて提訴し、常設仲裁裁判所で審理が始まっていることは、諸兄がご承知の通りです。中国は拒否していますが、仲裁裁判は一方の当事国の通告で手続きが始まるのですね。
このため中国は、フィリピンのバナナの輸入を禁止したり、中・ASEAN博覧会でのアキノ比大統領訪中に裁判の取り下げを条件づけるなど、いじめを開始していました。
同様に南シナ海での領有権争いをしている国々に対し、ベトナムとは対立と経済面での懐柔の二面作戦で接触していましたが、バリ島でのAPEC首脳会議を機に、これまで訪問していなかった、インドネシアやマレーシアを訪問することで、フィリピンだけ首脳会談を実現させないという、陰湿ないじめ外交に出てきたのだそうですね。
南シナ海問題 仲裁裁判所の審理始まり「対中抑止力」期待-フィリピン- MSN産経ニュース
フィリピンの要請で米軍が撤退した後、中国がEEZ内に侵略を開始したことは衆知のことですが、フィリピンは再度米軍との連携を進めていますね。日本も巡視船を援助しています。
日本がフィリピンに巡視船10隻と100億円を供与―中国メディア (Record China) - Yahoo!ニュース
南シナ海での中国の覇権拡大は、東シナ海でも同様の手口で進められていることも衆知のことで、EEZ境界線のガス田開発から始まり、今では尖閣の領海侵入の定常化に至っています。
果ては、西太平洋やインド洋の制海権制空権までを狙っているのですが、これには各国が単独で対抗するのは困難になってきており、連合した対応が必要になってきていますね。
ASEAN10国に日中韓とオーストラリア、ニュージランド、インド、米国、ロシアを加えたEASや、APECなどの会合体がありますが、アジアに多くの連邦国がある英国も、アジアへ力を入れ始めた様子です。
日英交流400周年 新たな関係構築の気運 - 遊爺雑記帳
日英の絆が復活し、EAS、APEC、英連邦といった多重の会合体のなかで、中国が国際標準に適合した活動が出来る国になる様、アジアの雄の日本は尽力すべきですね。
英国との関係の深化に注目です。
# 冒頭の画像は、ミスチーフ環礁に作られた建造物と掲げられた中国国旗
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このため中国は、フィリピンのバナナの輸入を禁止したり、中・ASEAN博覧会でのアキノ比大統領訪中に裁判の取り下げを条件づけるなど、いじめを開始していました。
同様に南シナ海での領有権争いをしている国々に対し、ベトナムとは対立と経済面での懐柔の二面作戦で接触していましたが、バリ島でのAPEC首脳会議を機に、これまで訪問していなかった、インドネシアやマレーシアを訪問することで、フィリピンだけ首脳会談を実現させないという、陰湿ないじめ外交に出てきたのだそうですね。
南シナ海問題 仲裁裁判所の審理始まり「対中抑止力」期待-フィリピン- MSN産経ニュース
中国 フィリピン孤立狙う 習政権、首脳会談応じず (10/2 読売朝刊)
【北京=牧野田亨】中国の習近平国家主席は2~8日、インドネシアとマレーシアを公式訪問し、バリ島で7、8日に予定されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合に出席する。習政権が3月に本格始動して以来、東南アジア諸国連合(ASEAN、10か国)の中で、首脳級指導者の往来がないのはフィリピンだけとなる。南シナ海の領有権問題で対立する同国の孤立化を図り、外交圧力を強める構えだ。
外交筋によると、李克強首相も9、10日にブルネイで開かれるASEAN・日中韓首脳会議などに出席し、タイとベトナムを公式訪問する。習政権の発足後、習氏も李氏も東南アジアを歴訪するのは初めてとなる。
習、李両氏は国内での経済フォーラムなどを利用し、ASEAN首脳と会談してきたが、インドネシア、マレーシアとはまだ実現していなかった。領有権問題でフィリピンと並んで対中強硬派だったベトナムとは、国家主席らの訪中を通じて懐柔策に出ている。
一方、中国の領有権主張は不当として国連海洋法条約に基づく仲裁裁判を申請したフィリピンとは会談に応じていない。外交筋によると、9月に開いた中・ASEAN博覧会ではアキノ比大統領訪中の条件として裁判の取り下げを求め、決裂。フィリピンが米国と新たな軍事協定の協議を始め、中国に対抗しようとしていることも影響している。
中国がフィリピンの孤立化を図るのは、全会一致を原則とするASEANを分断し、法的拘束力を持つ南シナ海の「行動規範」策定を中国ペースで進めようとする思惑もある。複数のASEAN筋は、「中国はバリでもブルネイでも、アキノ大統領との会談に応じないだろう。ASEAN内で孤立化させようとしている」との見方で一致する。
【北京=牧野田亨】中国の習近平国家主席は2~8日、インドネシアとマレーシアを公式訪問し、バリ島で7、8日に予定されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合に出席する。習政権が3月に本格始動して以来、東南アジア諸国連合(ASEAN、10か国)の中で、首脳級指導者の往来がないのはフィリピンだけとなる。南シナ海の領有権問題で対立する同国の孤立化を図り、外交圧力を強める構えだ。
外交筋によると、李克強首相も9、10日にブルネイで開かれるASEAN・日中韓首脳会議などに出席し、タイとベトナムを公式訪問する。習政権の発足後、習氏も李氏も東南アジアを歴訪するのは初めてとなる。
習、李両氏は国内での経済フォーラムなどを利用し、ASEAN首脳と会談してきたが、インドネシア、マレーシアとはまだ実現していなかった。領有権問題でフィリピンと並んで対中強硬派だったベトナムとは、国家主席らの訪中を通じて懐柔策に出ている。
一方、中国の領有権主張は不当として国連海洋法条約に基づく仲裁裁判を申請したフィリピンとは会談に応じていない。外交筋によると、9月に開いた中・ASEAN博覧会ではアキノ比大統領訪中の条件として裁判の取り下げを求め、決裂。フィリピンが米国と新たな軍事協定の協議を始め、中国に対抗しようとしていることも影響している。
中国がフィリピンの孤立化を図るのは、全会一致を原則とするASEANを分断し、法的拘束力を持つ南シナ海の「行動規範」策定を中国ペースで進めようとする思惑もある。複数のASEAN筋は、「中国はバリでもブルネイでも、アキノ大統領との会談に応じないだろう。ASEAN内で孤立化させようとしている」との見方で一致する。
フィリピンの要請で米軍が撤退した後、中国がEEZ内に侵略を開始したことは衆知のことですが、フィリピンは再度米軍との連携を進めていますね。日本も巡視船を援助しています。
日本がフィリピンに巡視船10隻と100億円を供与―中国メディア (Record China) - Yahoo!ニュース
南シナ海での中国の覇権拡大は、東シナ海でも同様の手口で進められていることも衆知のことで、EEZ境界線のガス田開発から始まり、今では尖閣の領海侵入の定常化に至っています。
果ては、西太平洋やインド洋の制海権制空権までを狙っているのですが、これには各国が単独で対抗するのは困難になってきており、連合した対応が必要になってきていますね。
ASEAN10国に日中韓とオーストラリア、ニュージランド、インド、米国、ロシアを加えたEASや、APECなどの会合体がありますが、アジアに多くの連邦国がある英国も、アジアへ力を入れ始めた様子です。
日英交流400周年 新たな関係構築の気運 - 遊爺雑記帳
海洋秩序の重要性確認 日英安保協力会議 (10/2 読売朝刊)
日本と英国の政府高官や元軍幹部が参加し、両国が国際安全保障の分野で果たすべき役割を探る「日英安全保障協力会議」(英王立防衛安全保障研究所、笹川平和財団主催)が9月30日~10月1日、都内で開かれた。
会議では安倍首相が9月30日の開幕冒頭で講演。日英とも「海の平安が国益に直結している」と述べ、海洋安全保障での協力推進を訴えた。英側はエリザベス女王の次男アンドリュー王子が「大陸の周縁に位置し、民主主義が定着した海洋国家。そして米国と特別な関係にある」と日英の共通点を挙げて協力の前提がそろっていることを強調した。
日英は昨年4月の首脳会談で、防衛装備品の共同開発で合意。安全保障に関する情報交換を可能にする情報保護協定を今年7月に締結するなど、防衛協力が加速している。
日本側では、中国の海軍力増強と海洋進出を受けて、航行の自由など海洋秩序の維持に関して国際的影響力を持つ英国の協力を得ようと狙う。香田洋二元海将は「この問題で中国に影響力を行使できなければ、海洋活動の未来は危機にさらされる」と訴えた。
英側は、米国が「アジア太平洋重視」を打ち出す中、インド洋や北大西洋の防衛体制が手薄になるとの懸念を抱く。スタンホープ前英海軍参謀長は「米国の軍事力は無限ではない。1か所で拡大すれば、別の場所では不足する」と語り、米英両軍の負担軽減につながるような役割を日本が担うことに期待を示した。
日本と英国の政府高官や元軍幹部が参加し、両国が国際安全保障の分野で果たすべき役割を探る「日英安全保障協力会議」(英王立防衛安全保障研究所、笹川平和財団主催)が9月30日~10月1日、都内で開かれた。
会議では安倍首相が9月30日の開幕冒頭で講演。日英とも「海の平安が国益に直結している」と述べ、海洋安全保障での協力推進を訴えた。英側はエリザベス女王の次男アンドリュー王子が「大陸の周縁に位置し、民主主義が定着した海洋国家。そして米国と特別な関係にある」と日英の共通点を挙げて協力の前提がそろっていることを強調した。
日英は昨年4月の首脳会談で、防衛装備品の共同開発で合意。安全保障に関する情報交換を可能にする情報保護協定を今年7月に締結するなど、防衛協力が加速している。
日本側では、中国の海軍力増強と海洋進出を受けて、航行の自由など海洋秩序の維持に関して国際的影響力を持つ英国の協力を得ようと狙う。香田洋二元海将は「この問題で中国に影響力を行使できなければ、海洋活動の未来は危機にさらされる」と訴えた。
英側は、米国が「アジア太平洋重視」を打ち出す中、インド洋や北大西洋の防衛体制が手薄になるとの懸念を抱く。スタンホープ前英海軍参謀長は「米国の軍事力は無限ではない。1か所で拡大すれば、別の場所では不足する」と語り、米英両軍の負担軽減につながるような役割を日本が担うことに期待を示した。
日英の絆が復活し、EAS、APEC、英連邦といった多重の会合体のなかで、中国が国際標準に適合した活動が出来る国になる様、アジアの雄の日本は尽力すべきですね。
英国との関係の深化に注目です。
# 冒頭の画像は、ミスチーフ環礁に作られた建造物と掲げられた中国国旗
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