トランプ政権誕生後初の「日米2プラス2」が開催されます。はからずも、日本側も内閣改造があり、河野外相と、小野寺防衛相の新コンビでの出席となりました。
北朝鮮のグァム島に向けたミサイル発射計画が発表・一時保留とされる中での開催。両国の同盟関係の絆の強さを示すと共に、役割分担の強化も話し合われることになる予測が報じられています。
【北ミサイル】米、同盟国防衛を強調 きょう2プラス2 日本の防衛努力にも期待 - 産経ニュース
日本が民主党政権時代に、尖閣への中国の進入攻勢が強まる中、クリントン国務長官(当時)と前原外相(当時)との間で、尖閣の防衛は日米同盟の対象範囲との言質をクリントン国務長官が明言し、その後、オバマ大統領(当時)も明言するといった推移がありますが、日米の間で、日米同盟で米国が日本を護ると米国の発言が盛り込まれることが多くなりました。
今回も、「2+2」に先立ち、トランプ大統領は安倍首相との電話会談で、「米国は自国や同盟国の日本や韓国を防衛し、北朝鮮の脅しと行動に反応する準備ができている」と伝え、「2プラス2」で両国の同盟関係がゆるぎないことをアピールすることとしているのだそうです。
この日本の民主党政権時から顕著となった、米国による相次ぐ日本防衛に対する再確認は、ほとんどは日本の直接的な要請によるものだ。過度の防衛要求は日本の不安を露呈している証となると指摘するのは、英・フィナンシャルタイムズ紙。
英紙から観た日米関係というか、トランプ大統領と安倍首相の関係。面白いですね。
日本を、米国と世界で最も強固な同盟国と言っていますが、トランプ大統領と最も緊密な安倍首相ということですね。国レベルでは、米英関係が歴史の経緯からも最も関係が深く強いと言えますが、ことトランプ大統領となると異なるということですね。
相次ぐ日本防衛に対する再確認は、安倍晋三氏がトランプ大統領に面会した初めての国の首脳になってから始まったと言いますが、冒頭に書いたように、日米同盟で米国が日本を護ることの米国の発言に拘り始めたのは、日本の民主党政権の時が始まりです。中国の尖閣への侵略攻勢が強まり、米国の核の傘を始めとする対中抑止力の重要性が強まった時だったのです。
但し、領土問題については中立の立場であることは念をおしていて、日本の施政下にある限り日米同盟の対象としています。なので、中国の「海監」が定期巡回し、領海に侵入するなどして中国漁船の管理の実績を重ね、日本の漁船を排除しているのですね。艦船の増強や、軍艦の侵入もエスカレートさせていますから、やがて尖閣近海や、EEZ境界のガス田で艦船量に大差をつけて、日本の巡視船を追い出したり、尖閣では巡視船より陸側を航行して中国の施政下にある状況を産み出す日が来る勢いです。
ルーピー・鳩山とやゆされされ、沖縄の米軍基地を国外へと言いながらも、米軍基地が沖縄にあることの重要性を知ったと、沖縄の方々を翻弄した鳩山首相(当時)。オバマ大統領(当時)は、よく我慢してつきあっていただけました。
北朝鮮、中国が一段と対外攻勢を強め、韓国も反日色をつよめている今日。記事が指摘する、トランプ大統領が、日本国民に与えている3つの不安は、正しい指摘ですね。
世界最強の米軍と言えども、軍事予算には制約があり(トランブ大統領は増額すると言っていますが。)急追する中国軍に対抗するには、同盟国との協調が余儀なくされています。
日本は、トランプ政権の誕生を機に、これまで米国におんぶにだっこだった自国の防衛を、普通の先進国同様、自前で行い、さらには、国際貢献も出来る国にかわり、TPPも「TPP11」を推進するなどして、記事の指摘の3つの不安も払拭し、自立する国に代わらねばなりませんね。
# 冒頭の画像は、米ワシントン近郊のアーリントン墓地を訪れた河野外相と小野寺防衛相
キジュの果実
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北朝鮮のグァム島に向けたミサイル発射計画が発表・一時保留とされる中での開催。両国の同盟関係の絆の強さを示すと共に、役割分担の強化も話し合われることになる予測が報じられています。
【北ミサイル】米、同盟国防衛を強調 きょう2プラス2 日本の防衛努力にも期待 - 産経ニュース
日本が民主党政権時代に、尖閣への中国の進入攻勢が強まる中、クリントン国務長官(当時)と前原外相(当時)との間で、尖閣の防衛は日米同盟の対象範囲との言質をクリントン国務長官が明言し、その後、オバマ大統領(当時)も明言するといった推移がありますが、日米の間で、日米同盟で米国が日本を護ると米国の発言が盛り込まれることが多くなりました。
今回も、「2+2」に先立ち、トランプ大統領は安倍首相との電話会談で、「米国は自国や同盟国の日本や韓国を防衛し、北朝鮮の脅しと行動に反応する準備ができている」と伝え、「2プラス2」で両国の同盟関係がゆるぎないことをアピールすることとしているのだそうです。
この日本の民主党政権時から顕著となった、米国による相次ぐ日本防衛に対する再確認は、ほとんどは日本の直接的な要請によるものだ。過度の防衛要求は日本の不安を露呈している証となると指摘するのは、英・フィナンシャルタイムズ紙。
[FT]米の再三の防衛誓約は日本の疑いの反映 :日本経済新聞 2017/8/17 15:55
FT.com
ギリシャの哲学者プラトンは、聞こえのいい話を繰り返すことに害はないと言った。そしてきょう、米国は日本の防衛に対する責任を改めて確認する。トランプ米大統領就任以来、実に28回目となる。
■ほとんどは日本の直接要請によるもの
相次ぐ日本防衛に対する再確認は、一部は民間や世論、そして米政府が主導したものだが、ほとんどは日本の直接的な要請によるもので、安倍晋三氏がトランプ大統領に面会した初めての国の首脳になってから始まった。27回目の再確認は昨日16日、日本への着任を前にしたハガティ米駐日大使が行った。そして17日には、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で新たに任命された日本の外務・防衛大臣が、同じ趣旨の新たな再確認を引き出すために会談に臨む。これは恐らく安堵をもたらすだろう。だが、米国が再確認するほど、米国の防衛コミットメントに対する日本の信頼が揺らいでいることを確認する時が来るはずだ。
日本が今週、再確認の文言を改めて求めた熱意は、見かけ上は理にかなっている。日本の子どもたちは夏の間、ミサイルの避難訓練を行っている。また、トランプ大統領の「炎と怒り」の誓いや、血も凍るような北朝鮮の発表、そして北朝鮮による核開発の進歩で危機が「新たな段階に」突入したとする公式評価が、差し迫った日本の安全保障環境を形作っている。
過去には安全保障問題や、より積極的な姿勢を持つ必要があると明確な強硬路線を取ってきた安倍氏は、米国と北朝鮮の舌戦が勃発するなかで、地政学的な立場をあえて目立たせないようにしてきた。今のところは少なくとも、抜け目なく立ち回ったように見える。しかし、これも全て、米国は戸惑いなしに日本を攻撃から守り、そのためには核兵器の使用も辞さないだろうと知っている、安倍氏を囲む国内外の状況にかかっている。敵味方の誰も動揺を見せるべき時ではない。
安倍氏にとって、どんな小さな弱みも北朝鮮と中国に察知されてしまう地理的なるつぼの中で、揺るぎない日米安全保障条約を示せる最適な手を決断することが問題になってきた。後から考えると、何十年も前から日本には大規模な米軍基地が至る所にあり、利益は口にするまでもなく明らかだったという含みを持たせたうえで、米国の「確固たる関与」を控えめに演出することも一つの手だったかもしれない。
■過度の防衛要求は日本の不安を露呈
安倍氏が過度に再確認を求める手段に出れば、結局は、新たな確認の度にポーカーで言う「テル」と解釈されるリスクが高まる。つまり、日本が本当は心中穏やかでないため、のんきにしてはいられないというヒントを与えることになる。
安倍政権は、疑いの理由を匂わせたかもしれないが、トランプ氏は見逃すことのできない3つのヒントを日本国民に与えている。まず、トランプ氏は大統領就任以降の最初の7カ月間で、米国の地政学的な立場における深い理解や歴史、根本的な目的に対する理解が浅いことを日本に示した。日本は、自国の幸福に対する米国の関心が例外になるとの自信が持てない。
2つ目に、トランプ氏はオバマ前大統領が取ってきた立場のほぼ全てに反感を持っているのは明らかだ。日本には、トランプ氏の反感のなかに、オバマ氏の中心的な政策「アジア回帰」や、北朝鮮や中国の長期的な封じ込めに日本のような重要な同盟国を巻き込もうとした試みが含まれるのではないかと考える人もいる。米国が環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱する決断をトランプ氏が即座に下したことは、日本にとって特に衝撃的だった。
3つ目は、トランプ氏のあからさまな「米国第一主義」が、日米同盟の発足以来くすぶり続けている恐れを高めている。つまり、米国の特定の大統領は、いざとなれば、日本人を防衛することで米国民の生命を危険にさらすのをためらう可能性があるという恐れだ。
これまでのところとても堅実に見えた状況への日本の不安は、トランプ氏率いる米国と世界で最も強固な同盟国との関係において試金石となる。その他の国々、特に現時点で韓国は、米との関係を軍事上、外交上の計算の中心に正しく据えている。だが、日本には米国が憲法に組み込んだ軍事的な制約と平和主義が明記されている。そして、それが日本自身の中核をなしている。
By Leo Lewis
FT.com
ギリシャの哲学者プラトンは、聞こえのいい話を繰り返すことに害はないと言った。そしてきょう、米国は日本の防衛に対する責任を改めて確認する。トランプ米大統領就任以来、実に28回目となる。
■ほとんどは日本の直接要請によるもの
相次ぐ日本防衛に対する再確認は、一部は民間や世論、そして米政府が主導したものだが、ほとんどは日本の直接的な要請によるもので、安倍晋三氏がトランプ大統領に面会した初めての国の首脳になってから始まった。27回目の再確認は昨日16日、日本への着任を前にしたハガティ米駐日大使が行った。そして17日には、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で新たに任命された日本の外務・防衛大臣が、同じ趣旨の新たな再確認を引き出すために会談に臨む。これは恐らく安堵をもたらすだろう。だが、米国が再確認するほど、米国の防衛コミットメントに対する日本の信頼が揺らいでいることを確認する時が来るはずだ。
日本が今週、再確認の文言を改めて求めた熱意は、見かけ上は理にかなっている。日本の子どもたちは夏の間、ミサイルの避難訓練を行っている。また、トランプ大統領の「炎と怒り」の誓いや、血も凍るような北朝鮮の発表、そして北朝鮮による核開発の進歩で危機が「新たな段階に」突入したとする公式評価が、差し迫った日本の安全保障環境を形作っている。
過去には安全保障問題や、より積極的な姿勢を持つ必要があると明確な強硬路線を取ってきた安倍氏は、米国と北朝鮮の舌戦が勃発するなかで、地政学的な立場をあえて目立たせないようにしてきた。今のところは少なくとも、抜け目なく立ち回ったように見える。しかし、これも全て、米国は戸惑いなしに日本を攻撃から守り、そのためには核兵器の使用も辞さないだろうと知っている、安倍氏を囲む国内外の状況にかかっている。敵味方の誰も動揺を見せるべき時ではない。
安倍氏にとって、どんな小さな弱みも北朝鮮と中国に察知されてしまう地理的なるつぼの中で、揺るぎない日米安全保障条約を示せる最適な手を決断することが問題になってきた。後から考えると、何十年も前から日本には大規模な米軍基地が至る所にあり、利益は口にするまでもなく明らかだったという含みを持たせたうえで、米国の「確固たる関与」を控えめに演出することも一つの手だったかもしれない。
■過度の防衛要求は日本の不安を露呈
安倍氏が過度に再確認を求める手段に出れば、結局は、新たな確認の度にポーカーで言う「テル」と解釈されるリスクが高まる。つまり、日本が本当は心中穏やかでないため、のんきにしてはいられないというヒントを与えることになる。
安倍政権は、疑いの理由を匂わせたかもしれないが、トランプ氏は見逃すことのできない3つのヒントを日本国民に与えている。まず、トランプ氏は大統領就任以降の最初の7カ月間で、米国の地政学的な立場における深い理解や歴史、根本的な目的に対する理解が浅いことを日本に示した。日本は、自国の幸福に対する米国の関心が例外になるとの自信が持てない。
2つ目に、トランプ氏はオバマ前大統領が取ってきた立場のほぼ全てに反感を持っているのは明らかだ。日本には、トランプ氏の反感のなかに、オバマ氏の中心的な政策「アジア回帰」や、北朝鮮や中国の長期的な封じ込めに日本のような重要な同盟国を巻き込もうとした試みが含まれるのではないかと考える人もいる。米国が環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱する決断をトランプ氏が即座に下したことは、日本にとって特に衝撃的だった。
3つ目は、トランプ氏のあからさまな「米国第一主義」が、日米同盟の発足以来くすぶり続けている恐れを高めている。つまり、米国の特定の大統領は、いざとなれば、日本人を防衛することで米国民の生命を危険にさらすのをためらう可能性があるという恐れだ。
これまでのところとても堅実に見えた状況への日本の不安は、トランプ氏率いる米国と世界で最も強固な同盟国との関係において試金石となる。その他の国々、特に現時点で韓国は、米との関係を軍事上、外交上の計算の中心に正しく据えている。だが、日本には米国が憲法に組み込んだ軍事的な制約と平和主義が明記されている。そして、それが日本自身の中核をなしている。
By Leo Lewis
英紙から観た日米関係というか、トランプ大統領と安倍首相の関係。面白いですね。
日本を、米国と世界で最も強固な同盟国と言っていますが、トランプ大統領と最も緊密な安倍首相ということですね。国レベルでは、米英関係が歴史の経緯からも最も関係が深く強いと言えますが、ことトランプ大統領となると異なるということですね。
相次ぐ日本防衛に対する再確認は、安倍晋三氏がトランプ大統領に面会した初めての国の首脳になってから始まったと言いますが、冒頭に書いたように、日米同盟で米国が日本を護ることの米国の発言に拘り始めたのは、日本の民主党政権の時が始まりです。中国の尖閣への侵略攻勢が強まり、米国の核の傘を始めとする対中抑止力の重要性が強まった時だったのです。
但し、領土問題については中立の立場であることは念をおしていて、日本の施政下にある限り日米同盟の対象としています。なので、中国の「海監」が定期巡回し、領海に侵入するなどして中国漁船の管理の実績を重ね、日本の漁船を排除しているのですね。艦船の増強や、軍艦の侵入もエスカレートさせていますから、やがて尖閣近海や、EEZ境界のガス田で艦船量に大差をつけて、日本の巡視船を追い出したり、尖閣では巡視船より陸側を航行して中国の施政下にある状況を産み出す日が来る勢いです。
ルーピー・鳩山とやゆされされ、沖縄の米軍基地を国外へと言いながらも、米軍基地が沖縄にあることの重要性を知ったと、沖縄の方々を翻弄した鳩山首相(当時)。オバマ大統領(当時)は、よく我慢してつきあっていただけました。
北朝鮮、中国が一段と対外攻勢を強め、韓国も反日色をつよめている今日。記事が指摘する、トランプ大統領が、日本国民に与えている3つの不安は、正しい指摘ですね。
世界最強の米軍と言えども、軍事予算には制約があり(トランブ大統領は増額すると言っていますが。)急追する中国軍に対抗するには、同盟国との協調が余儀なくされています。
日本は、トランプ政権の誕生を機に、これまで米国におんぶにだっこだった自国の防衛を、普通の先進国同様、自前で行い、さらには、国際貢献も出来る国にかわり、TPPも「TPP11」を推進するなどして、記事の指摘の3つの不安も払拭し、自立する国に代わらねばなりませんね。
# 冒頭の画像は、米ワシントン近郊のアーリントン墓地を訪れた河野外相と小野寺防衛相
キジュの果実
↓よろしかったら、お願いします。