遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ARIGATO トモダチ作戦

2011-04-21 00:47:36 | 東日本大震災
 「トモダチ作戦」に従事していた米海軍の原子力空母ロナルド・レーガン(RR)が佐世保港に入港(19日)し、救援作戦の締めくくりのため艦上で記者会見し、RRと艦載機、随伴艦を束ねる第7空母打撃群司令官のロバート・P・ギリアー少将は、「米海軍と海上自衛隊は、長年の緊密な関係によって今回、迅速に対応できた。被災地を支援する機会を得たことを大変誇りに思う」と「トモダチ作戦」の意義を語ったそうです。
 「トモダチ作戦」での米軍の姿勢は終始支援活動に徹し、「われわれがそこに居たことさえ気づかれないようにする」ことを念頭においていたというのです。
 そのなかで、日本の誰かが砂浜に木切れを使って「ARIGATO」と書いていたのを、「トモダチ作戦」の指揮に当たったトス空軍大佐が飛行中に見かけ、「苦しみの中で懸命に働いている人たちが私たちへの感謝を伝えるため時間を割いて記した。日本の人たちへの感謝がこみ上げた」と語ったそうですね。

 
【東日本大震災】「アリガトウ」の文字に感動 トモダチ作戦の米軍幹部 - MSN産経ニュース
 
復興のため静かに動き静かに去る そして「レベル7」の意味を静かに語る(gooニュース・JAPANなニュース) - goo ニュース

<前略>
○「我々はいなかったことに」

 これまでもご紹介しているようにずっと被災地を取材している米紙『ニューヨーク・タイムズ』のマーティン・ファクラー東京支局長の最新記事は、仙台空港の再開に取り組んだ米軍に目を移しています。「破壊された日本の空港を米空軍兵たちが静かに再開」という13日付記事は、米軍の支援活動「トモダチ作戦」の輸送拠点とするために、津波で水没した仙台空港の修復に米軍が取り組んだ様子を紹介。米空軍第353特殊作戦群(沖縄・嘉手納基地所属)の約20人と海兵隊・陸軍260人がイラクやアフガニスタンなどの戦場で培った技術を駆使して、まず(瓦礫と泥と自動車で覆われた)滑走路の確保から着手していった様子を説明しています。壊れた管制塔の代わりに無線機を背負って管制指示を出していた第353特殊作戦群のトラクスラー少佐は、「災害の時はいつもそうだ。まず滑走路を確保する」、「しかし戦場でもこれほどのひどい破壊は見たことがない」と話していたと。そうこうして
民間航空の使用は4月13日に再開したが、その時には修復に協力した米軍部隊はもう現場を離れていた
ことも。

 「米軍は日本で過去最大級の支援活動を展開したが、米軍を受け入れた当の
日本当局より目立つことのないよう、慎重に行動
していた」、米軍部隊が仙台空港の現場をさっさと離れたのもそのためだと、ファクラー記者は書きます。前述のトラクスラー少佐は、記者に「我々がここにいたことさえ気づかれないようにすること。それが我々の目的だ」と話しています。

 記事はさらに、米兵1万8000人、20艦船が参加した「トモダチ作戦」について、米軍はもちろんPRを怠っていないが、日本は「アメリカの存在に神経質になることもある、誇り高い国」なので、米軍指揮官たちは「仙台空港修復のように中心的な役割を演じた現場でも、自分たちはあくまでも支援する側だったと強調」している、と書きます。現場の海兵隊指揮官は「途上国での災害支援と違い、ここではあくまでも主導権は日本政府と自衛隊にある」と話していた、とも。

 ちなみに、この支援部隊に向かって
日本の人が「ARIGATO」と砂浜に書いた
こと、それに第353作戦群司令官のロバート・トス大佐が感動したということは日本語メディアで複数報道されています(英語メディアでは未発見)。
 これには続きがあって、米軍のこちらのリリース(日本語)では、その
トス大佐が「『ありがとう』などもったいない」、「我々の支援など日本の人々の労力に比べたら、何でもない」
とコメントしているのです。

 在日米軍の存在について、日本人には色々な意見があります。去年の今ごろ、普天間基地の移設が議論の中心になっていたとき、私もいくつかコラムを書きました。東京に住む人間として、沖縄に多大な負担を押し付けるのはおかしいという思いは変わりません(ちなみに去年のコラムでは奇しくも、東京に原発がないことの矛盾にちらっと触れていて、いま読み返して自分で驚きました)。米軍がすべて素晴らしいなどと言うつもりもありません(というか、私は基本的に「○○はすべて▽▽だ」などと断言できないタチなのです)。

 けれども、
黙々と働いて静かに去り、「ありがとう」と言われたら「いやいや、そんなもったいない」と謙遜
するのは、いかにも「美しいアメリカ人」のひとつの理想像です。もちろん、「美しい日本人」のひとつの理想像でもあります。

 ちなみに米軍による支援と言えば、米海兵隊のNBC(核、生物、化学)兵器対応の専門部隊「CBIRF」が4月初めに派遣されて、「おお、シーバーフが来るほど福島第一原発の事故はひどいのか」と緊張したものですが、19日付の日本各紙報道によると、来週にも帰国するとのこと。このニュースにはかなり安心しました。来てくれてARIGATO、出動せずに済んでARIGATOです。

 謙譲の美徳は日本固有のもので、むしろ米国などでは誤解されるので気をつけたほうが良いと教えられたことがありました。
 こと「トモダチ作戦」での日米の絆では、共有される価値観であることが実証されました。
 在日米軍が、日本に対する理解が深いこと、存在価値をPRしていることなどを否定はしませんが、そんなケチな発想を超える、両国の長年の同盟関係に根差し、最近の危機を乗り越えた友達関係を深める気持ちに裏打ちされた大規模な支援行動だと、素直にありがとうと感謝します。

 仙台空港が開通した報道では、一様にその速さに驚嘆を示していました。なかには米軍の初期の作戦のおかげを知らない(無視した?)、TBSのお昼の番組の様な例もありましたが、多数の報道では、米軍の迅速な作戦のおかげと大なり小なり報道していました。

 「トモダチ作戦」の大規模な米軍の展開は終了しましたが、佐世保市の朝長市長は前田佐世保商工会議所会頭とともにRRに乗艦、ギリアー少将を表敬訪問し、市議会議長と連名の感謝状を手渡したとのことです。
 佐世保市だけでなく、日本国民全体が感謝していることも伝えてほしいのですが、砂浜の「ARIGATO」で、東北の方々の気持ちが直接に感じ取っていただけていることは、なによりでした。

 


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写真素材 PIXTA


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