遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

オバマ大統領のアジア4ヵ国歴訪 相互の目的は

2014-02-14 23:58:58 | 米国 全般
 オバマ大統領のアジア3ヵ国歴訪が、韓国を追加して4ヵ国となることで公表されました。米国の目的と、4ヵ国の期待が合致され、「アジア回帰」外交政策を一昨年末に打ち出した頃の盛り上がりを取り戻せるのでしょうか。
 読売が、4ヵ国と米国の関係を書いていましたので、取り上げてみました。
 

米大統領アジア重視強調 4か国歴訪 「外交・経済・安保に関与」 (2/14 読売朝刊)

 【ワシントン=今井隆】オバマ米大統領が4月下旬にアジア4か国を歴訪するのは、アジア太平洋地域を重視する政権の姿勢を改めてアピールする狙いがある。昨年10月には政府機能の一部停止による混乱のあおりで東南アジア歴訪が中止となり、その姿勢に疑問符が付いただけに今回の歴訪でアジアにおける米国の存在感を高めたい考え
だ。
 ホワイトハウスは12日、4月下旬の日本、韓国、マレーシア、フィリピン歴訪を発表する声明の中で、「大統領は、アジア太平洋地域の国々への外交や経済、安全保障面での米国の関与を強めるため4か国を訪れる」と強調した。
 オバマ氏は、
韓国では日韓関係の改善を働きかけるほか、北朝鮮情勢についても意見交換する。マレーシア訪問は、米大統領として1966年のジョンソン大統領以来となる。フィリピンでは、南シナ海の領有権を巡って圧力を強める中国への対応などを話し合うとみられる。

 オバマ大統領の目的を、色あせてきた「アジア回帰」政策を再生させ、米国の存在感を高めるためとし、外交、経済、安全保障面で米国の関与を強めると記事では書いてあります。
 当初オバマ大統領が選んだ3ヵ国から、遊爺の素人推測では、オバマ大統領の目的は、ズバリTPPの早期妥結推進だと考えます。
 APEC欠席に至ったのは国内経済状況が原因であり、オバマ政権の支持率回復の決め手として掲げる政策が、輸出の拡大による雇用創出で、その具体策の柱のひとつがTPPなのですね。
 昨年内に妥結させ、今年の年頭教書で謳い、中間選挙を乗り切るのが主筋の政策でしたが、妥結の見込みはいまだに見えていません。
 日本を訪問して、韓国を訪問しないと、あの告げ口外交を展開している朴槿恵が発狂することは解っているはずですが、外した理由がTPP絡みとしか考えられないのですが、いかがでしょう。韓国に、TPP加入を急がせる思惑(既に二国間FTAは実施済ですが、TPPを拡大させたい)もあるかもしれません。
 が、TPP妥結促進のために、日本と、マレーシアを選んだのだと考えます。
 フィリピンは、南シナ海で、中国の領海侵犯を常設仲裁裁判所に提訴し、中国と厳しく争っていますので、安全保障が目的ですね。

 それに対する、フィリピンとマレーシアの対応は以下。
 

フィリピン 米軍駐留」協定を期待 (2/14 読売朝刊)

 【バンコク=永田和男】フィリピン大統領府報道官は13日の記者会見で4月のオバマ米大統領訪問を発表し、アキノ大統領との会談では「安全保障と経済、人的交流の各面で関係拡大が話し合われる」と語った。フィリピンは、中国との緊張した関係を背景に、米軍の事実上の駐留につながる新軍事協定
の交渉を進めており、大統領訪問を機に妥結が期待されている。
 フィリピン憲法は外国軍の国内駐留を禁じているが、新軍事協定は米軍による「巡回」の増大を認めるという内容だ。
アキノ大統領は今月、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、中国の南シナ海での領有権主張強化をナチス・ドイツになぞらえて非難
した。フィリピンの著名政治評論家ラモン・カシプル氏は、米政府も中国の姿勢に批判を強めていると指摘。「オバマ大統領も首脳会談で中国に対して強く対抗する姿勢を示すことが予想される」との見方を示した。

マレーシア TPP慎重

 一方、マレーシア政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に慎重姿勢を強めているとされる。米国はTPP交渉を通じて国有企業の優遇策を見直すように求めているが、マレーシア側は、経済活動などでマレー系国民を優遇する「
ブミプトラ(土地の子)政策」の見直しにつながる規制緩和には応じない姿勢だ。オバマ大統領が訪問しても譲歩する可能性は薄そうだ。

 南シナ海の抑止力を高め、中国の制海空権独占を阻止したい米国の目的と、独り、中国と闘うフィリピンの米国への支援の期待とは合致しそうですが、パンダハガーが増えているオバマ政権で、何処までフィリピンの期待に応えられるのか、かつての中国包囲網構築の元気はなくなくなっている米国ですから、対応が注目されます。

 マレーシアのTPPは、オバマ大統領の訪問をもってしても難関の様子ですね。

 そして、日韓。ケリー氏が露払いで韓国訪問をしています。(日本は岸田外相が訪米してケリー氏と面談済みです)
 

米、日韓改善促す ケリー氏 「歴史問題克服を」 米大統領4月アジア歴訪 (2/14 読売・朝刊)

 
【ソウル=中川孝之、ワシントン=今井隆】オバマ米大統領が4月のアジア歴訪で、当初想定していなかった韓国訪問を組み込んだのは、冷え込んだ日韓関係の改善を促す狙いがある。13日に訪韓したケリー米国務長官は、早期に関係改善を進めることを両国に求め、米国が仲介に乗り出す意向を表明した。今後の日韓関係の行方もオバマ氏歴訪の焦点となりそうだ。

 韓国の尹炳世外交相と会談した
ケリー氏は共同記者会見で、「韓国と日本は歴史問題を克服し、関係を進展させるべきだ」と述べ、日韓両国に関係改善を強く促した。さらに、「過去より現在がもっと重要だ。(核開発を進める)北朝鮮の脅威など、現代の多くの人々の命がかかる安保問題に焦点を合わせるべきだ
」と訴えた。
 また、「
米国は、(日韓という)二つの同盟国が歴史問題を後回しにし、関係を改善する方法を見つける手助けをする
」と米政府が関係改善の仲介役となる意向も表明した上で、「(4月に歴訪する)大統領が仲裁する形になってはならない」と早期決着を訴えた。

対中朝 連携再確認へ

 ケリー氏の一連の発言の背景には、北朝鮮の核開発問題や中国の軍事的脅威など、日米韓の3か国が連携して対応しなければならない問題が山積しているにもかかわらず、
歴史問題を理由に悪化している日韓関係に対する米政府のいらだちがある
とみられる。
 代表取材団によると、ケリー氏は、朴槿恵大統領との
会談の冒頭でも、「(北東アジア地域では)様々な出来事のため緊張が高まり、難しく複雑な歴史問題がある」と指摘し、日韓関係の改善を朴大統領に促した

 オバマ氏のアジア歴訪は当初、日本、マレーシア、フィリピンの3か国を予定していた。日本は3回目の来日となる今回を狙い、約1年かけて国賓としての来日を働きかけ、7日には岸田外相がケリー氏との会談で正式に要請した。
 関係者によると、
韓国安豪栄駐米大使が、知日派のアーミテージ元国務副長官、マイケル・グリーン元国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長らにも訪韓への協力を働きかけた

 米政府内には、日本と同じ同盟国である韓国を素通りすれば韓国政府が落胆するばかりか、日韓関係の改善にも悪影響を与えかねないとの見方が広がった。アーミテージ氏らは1月31日付のワシントン・ポスト紙に「東京とマニラは訪れるのに、同じ同盟国である韓国に寄らないのは、朴大統領を困惑させる。日韓のとげとげしい関係を考えればなおさらだ」と寄稿。
米国の知日派にも同盟国である日韓のバランスをとるべきだという声が強まっていた

 日本でも、TPPが議題に取り上げられる様子ですね。バイデン副大統領が訪日時、安倍首相に関税撤廃の完全実施を迫り、安倍首相が5品目は譲れないと回答し決裂していたことが、先日報道されていましたね。
 どんな形の交渉になるのか、来日首脳会談に向け、水面下での交渉が進められているのでしょう。
 
 岸田外相が訪米して、国賓としての招聘を申し入れていました。
 韓国のロビー活動の影響は、記事でも書かれていますが、青山繁治氏の話(ニッポン放送 ザ・ボイス そこまで言うか!)では、脅しにも似た訪韓誘致があったのだそうです。
 
ザ・ボイス そこまで言うか! 青山繁治:(02/13 O.A. )Radital

 岸田外相の申し入れより、韓国のロビー活動が勝り、韓国訪問が組み入れられて、日程が短縮された中でも、国賓待遇が出来るようにと準備を進めているのだそうですが、無理をして、国賓のおもてなしの品格を下げる必要はないでしょう。
 日本が、国賓としてお招きしようと言うのを、オバマ氏が断っているのですから、無理をすることはありません。日米同盟の絆の強さを世界に示す為と言いますが、それは自己の理論であって、オバマ氏が予定を変更して韓国の抗議に屈したことは、世界中に知れ渡っているのですから、むりやり繕った国賓待遇では、格式が損なわれるだけです。天皇陛下を政治利用しているとのそしりも免れない。
 安倍・オバマ首脳会談が実施された。両国の課題で、何と何が合意に達し絆が強められた。何と何は、合意に達しなかったが、絆の強い両国は前向きに今後も交渉を重ねる。と、ありのままを公表する方が、よほど両国の同盟関係の盤石さが知れ渡るでしょう。

 日韓関係の修復の仲介役を米国が買って出ていただくことに、異議はありません。
 「過去より現在がもっと重要だ。」「北朝鮮の脅威など、現代の多くの人々の命がかかる安保問題に焦点を合わせるべきだ。」というケリー長官の説得は、世界の常識ですね。
 朴槿恵政権が、どう聞き入れたのか、今後の対応が待たれますが、日本に責任を転嫁する、いつもの調子で、条件付き日本との対話論を展開するのでしょう。
 北との間で、いざと言うときは、在日米軍が出動するのですから、日本の協力なしでは米軍の支援もままなりません。なので、米国が日米韓の同盟の重要さを説くのですが、「従中卑日」政策の朴槿恵には理解が出来ない様です。

 米国は、大岡裁判で、日韓双方に平等に関係修復を要求しているつもりかもしれませんが、米国内での慰安婦像の設置や、政府の方針に反する、教科書の日本海表示の変更の流れの拡大は、州や市の権限内とは言え、政府が放置・黙認しているともいえるもので、とても平等な大岡裁判とは言えません。
 日本は対話のドアは何時でも開いているのです。対話に条件をつけて断っているのは韓国です。
 これまで長い間、このすねかじりの駄々っ子を、大人の対応であやしてきたのですが、甘やかすことでつけあがるばかりなので、あの民主党政権でさえ、我慢の緒を切らしたのです。
 ケリー長官の言葉通りの指導を強く進めての仲裁を期待します。



 # 冒頭の画像は、訪韓したケリー長官と朴槿恵




  この花の名前は、シダレエンジュ




竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube


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竹島は日韓どちらのものか




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