遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

野田首相は、道しるべなき世界を後にするための松明を掲げよ。

2011-12-31 23:15:51 | 日本を護ろう
 2011年が終わろうとしています。国内では東日本大震災と、福島第一原発の事故、世界では欧州の金融危機が、歴史の変換点になる大きな出来事となり、来年以降の日本や世界を大きな影で覆っています。また、アジアの平和にとっては、中国の覇権拡大が進行する中、ASEAN諸国が、米国ほかを巻き込んで中国に対抗する姿勢をみせはじめ、米国がアフガンから撤退し注力先をアジアに転換し、中国包囲網の構築を始めました。
 そんな情勢を、岡本行夫氏が総括しておられます。
 

【人界観望楼】外交評論家・岡本行夫 道しるべなき世界を後に - MSN産経ニュース

<前略>
 
今の世界には、明るい海面に向かう道しるべがない。
 アジアは、どう変わるのか。アメリカは中東を後にし、国益をかけて再びアジア太平洋に入ってきた。

<中略>

 中国とはどうするのか。「戦略的互恵関係」という意味のない標語のもとで、日本は一方的に中国に押しこまれてきた。中国の海洋覇権は、あと10年もしないうちに完成する。太平洋も含めて日本の周辺海域は、中国海軍が圧するところとなる。その中で日本だけが防衛予算を減額し続けている。大事なのはただひとつ。譲れない日本の国益を確定することだ

 道しるべの喪失は、国内も同じだ。東北の被災地には、今も茫漠(ぼうばく)たる無の空間が広がる。がれきは片づいても、復興のつち音が聞こえない。
 それでも、沿岸部が壊滅したが町の大半が残った市町村は起き上がりつつある。しかし、町全体が消失してしまったところは、今も立ちつくしている。陸前高田、大槌、女川、南三陸、山田…。「がんばろう日本」「絆」といった抽象的な言葉は躍るが、支援のペースは遅い。私自身も東北の漁業支援に通っているが、焦燥感が先に立つ。
 日本国内では日常心が戻り、
意識の中で東北の惨状が希薄になりつつあるのではないか。かえって、東北地方の農産物を敬遠する主婦が多い
。民間支援の規模も、ボランティアの数も、報道も減っている。
 政府は体制を整えつつあるが、スピード感がない。阪神淡路の時は、政治家と官僚と地元が一丸となって、2年で神戸を再建した。今回の方が被害規模は大きいが、大きく勇ましいかけ声が聞こえてこない。
東日本大震災復興は敗戦に続く日本変革と復活の大事業
ではなかったのか。野田佳彦首相は再び防災服を着て、再建の陣頭にたってほしい。
 野田首相は、道しるべなき世界を後にするための松明(たいまつ)を掲げよ。社会保障の赤字は、もはや消費税引き上げだけでは対応できない。既得権益の構造に切り込まなければ、日本国家の再建はない。産業の活性化も絶対に必要だ。
1989年に19兆円あった法人税収入が、今はなんと7兆4千億円に減少している
。企業は雪崩を打つように海外に生産を移している。日本国内には7重苦と呼ばれる経営上のハンディが存在するためだ。7重苦のかなりの部分は、政府が作り出した人災である。政治意思があれば、これを解決し、80年代の勢いをもった日本経済を取り戻すことは可能である。
 松明は高く掲げてほしい。誰からも見えるように。

 東京株式市場・大納会の終値は、8,455円35銭となり、昭和57年の8,016円67銭以来29年ぶりの安値となったそうですね。欧州の金融不安は収まる気配は見られず、ユーロ売りが加速、一時 1ユーロ=99円97銭を付け、2001年6月以来10年半ぶりに100円を割り込みました。GDPの 2倍を超える債務残高を誇る日本の国債金利が、いつ火を噴くか安閑としていられない情勢となっています。

 過去に稀に見る災害や事故で覆われた闇夜の中の今、日本も世界経済もどうやって抜け出すのかが課題です。
 野田氏は消費税値上げでの民主党案をなんとかまとめることが出来ましたが、国会議員定数削減、公務員の削減は明文化されていません。
 増税という嫌われることを進めようとしている野田氏の姿勢には、一定の評価をすべきだと考えますが、国民への説明が殆どありません。
 何故増税するのか、その目的には今回議論されている増税率や時期でよいのか。社会保障に使うと言っているが、社会保障のビジョンはどうなっているのか、世代間格差、年金と生活保護の逆転、病院や医師の過疎化への対策は。

 アジア諸国との経済発展へ向けた相互メリットが出る連携や、平和維持と国益確保の外交ビジョンはどうなのか。国民はもちろん、同盟国の米・豪や世界に姿勢を示さねばなりませんが、中・韓への朝貢結果だけが目につくが、民主党のDNAがあり、中・韓への朝貢は止められないのか。口先ではなく、実行で目指す方向を明示していただきたい。

 ゆく年を絞り込んで偲びながら、更に大きな未知の難関が予測される来る年に思いを馳せながら、2011年の筆納めとさせていただきます。

 # 冒頭の画像は、民主党税調総会で演説する野田首相。




  オオバモミジ

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