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日本の原子力政策の根幹をなす、「核燃料サイクル」。原発の使用済み核燃料からウランと使った以上のプルトニウムを取り出す高速増殖炉は「夢の原子炉」と呼ばれ、「もんじゅ」はその中核施設です。しかしながら、約1兆円の費用が投じられながらトラブルや安全管理のミスでほとんど稼働できていない現実から、廃炉が取りざたされていることは、諸兄がご承知の通りです。
もんじゅを所管し存続を求める文部科学省と、否定的な経済産業省の間で意見が対立していて、「もんじゅ」の廃炉と共に、「核燃料サイクル」の断念の声も高まっていました。
政府は今日(9月21日)、原子力関係閣僚会議を首相官邸で開き、「核燃料サイクル」政策は維持するが、高速増殖炉「もんじゅ」は、地元と協議しながら廃炉に向けて最終調整を進め、年内に結論を出す方針を打ち出しました。
「もんじゅ」は、1994年 4月に初臨界を達成。95年12月にナトリウム漏れ事故を起こし、2010年 5月に再稼働したが、同 8月のトラブルで停止が長期化したなか、約 1万点に上る機器の点検漏れも判明し、原子力規制委員会は事実上の運転禁止を命令。15年11月には、運営主体の日本原子力研究開発機構の交代を文科相に求めましたが、受け皿探しは難航しているのが現状です。
地元では存続を求めているのだそうですが、松野文科相は訪問し、西川一誠知事らと会談し、政府の方針を説明するのだそうです。
核燃サイクルを維持=廃炉含め抜本見直し-もんじゅ閣僚会議・政府:時事ドットコム
一方、政府は、日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」に代わる新たな高速炉実用化に向けたロードマヅプを年内に策定する方針も固め、「核燃料サイクル」政策の継続も打ち出しました。
フランスで計画中の高速炉「ASTRID」(アストリッド)での日仏共同研究により、技術開発を継続する方針なのだそうです。
原子力発電の課題のひとつに、使用済み燃料廃棄物の処理が上げられます。「夢の原子炉」と呼ばれる高速増殖炉の稼働は、この「核のゴミ」削減対策にもなりますし、原油より少ない資源とされるウランの資源枯渇対策にもなるのですね。
「もんじゅ」の廃炉とともに灯が消えかけていた「核燃料サイクル」ですが、フランスとの共同開発という形でその研究開発が継続されるのは、国産エネルギー資源が少ない日本のエネルギー安全保障には朗報ですね。
それはさておき、「もんじゅ」が稼働出来なかった原因は明らかにされたのでしょうか。情報収集のしかたが悪いのか、その情報には接することが出来ていません。
仏のASTRIDは、「もんじゅ」とは構造が異なるのだそうです。そうした構造、設計思想が間違っているのか、建造した設備に欠陥があるのか、機器の点検洩れがあり、原子力規制委員会が、運営主体の日本原子力研究開発機構の交代を文科相に求めたことが顕す様に、運用する人に問題があったのか、明確に未稼働の原因が示されていない様に見えます。
原因を究明し、横展開の再発防止策も含めた対策を立案し、実行するのが一般企業の常識です。そこが明らかでないから、文科省に指示された、日本原子力研究開発機構に代わる受け皿がみつからないのではありませんか。
原因が解らないけど、とにかく稼働しないので、仏のASTRIDに乗り換えというのでは、技術立国日本の看板が泣きます。
運用の人的要因というのであれば、仏のASTRIDに乗り換えても運用トラブルは発生します。
新原子炉もいいのですが、何故「もんじゅ」を稼働されることが出来なかったのか。原因の究明と、対策の検討とその情報開示が求められます。それが出来てこその技術立国日本です。
# 冒頭の画像は、原子力関係閣僚会議であいさつする菅官房長官
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この花の名前は、サルマヘンリー
↓よろしかったら、お願いします。
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もんじゅを所管し存続を求める文部科学省と、否定的な経済産業省の間で意見が対立していて、「もんじゅ」の廃炉と共に、「核燃料サイクル」の断念の声も高まっていました。
政府は今日(9月21日)、原子力関係閣僚会議を首相官邸で開き、「核燃料サイクル」政策は維持するが、高速増殖炉「もんじゅ」は、地元と協議しながら廃炉に向けて最終調整を進め、年内に結論を出す方針を打ち出しました。
「もんじゅ」は、1994年 4月に初臨界を達成。95年12月にナトリウム漏れ事故を起こし、2010年 5月に再稼働したが、同 8月のトラブルで停止が長期化したなか、約 1万点に上る機器の点検漏れも判明し、原子力規制委員会は事実上の運転禁止を命令。15年11月には、運営主体の日本原子力研究開発機構の交代を文科相に求めましたが、受け皿探しは難航しているのが現状です。
地元では存続を求めているのだそうですが、松野文科相は訪問し、西川一誠知事らと会談し、政府の方針を説明するのだそうです。
核燃サイクルを維持=廃炉含め抜本見直し-もんじゅ閣僚会議・政府:時事ドットコム
一方、政府は、日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」に代わる新たな高速炉実用化に向けたロードマヅプを年内に策定する方針も固め、「核燃料サイクル」政策の継続も打ち出しました。
フランスで計画中の高速炉「ASTRID」(アストリッド)での日仏共同研究により、技術開発を継続する方針なのだそうです。
高速炉 仏と共同研究 もんじゅ代替 年内に工程表 (9/21 読売朝刊 一面)
政府は、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)に代わる新たな高速炉実用化に向けたロードマヅプ(工程表)を年内に策定する方針を固めた。フランスで計画中の高速炉「ASTRID」(アストリッド)での日仏共同研究により、技術開発を継続する案を柱とする方向だ。最新型の原子炉の共同研究により、実用化に近づくと判断した。21日に関係閣僚による会議を開き、「もんじゅの廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」との方針を確認する。
きょう閣僚会議
政府はもんじゅの廃炉を決断しても、使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクル政策ば堅持する方針だ。ASTRIDのほか、実験炉「常陽」(茨城県大洗町)についても、もんじゅの代替研究拠点として検討したが、「設備が十分でない」ため、基礎的な研究での活用にとどめる考えだ。
ASTRIDでの日仏共同研究により、核燃サイクルの推進姿勢を鮮明にし、核燃サイクル関連施設が集中する青森県などの理解も得たい考えだ。
ASTRIDは、2030年頃の運転開始が計画されており、革新的な技術を採用した安全性の高い最新型の原子炉に位置付けられている。実験炉の常陽や、発電技術の確立を目的とした原型炉のもんじゅに比べ、実用化に近い「実証炉」で、開発が進めば、実用炉の開発に近づくことになる。
菅官房長官は20日の記者会見で、松野文部科学相や世耕経済産業相らが出席する関係閣僚会議について「政府全体として認識を共有する観点から開催する予定だ」と述べた。また、「地元自治体との調整は極めて重要だ。自治体の意見もよく伺って対応を決していく」と語った。
一方、福井県の渕上隆信敦賀市長らは20日、首相官邸で萩生田光一官房副長官と会談し、もんじゅの存続を要望した。同席した地元選出の高木毅自民党衆院議員によると、萩生田氏は「地元の意見を聞きながら決めたい」と述べ、関係閣僚会議で議論する考えを伝えた。
技術・人材の継承優先
政府が高速炉実用化に向けた工程表に、「ASTRID」の活用を盛り込むのは、該燃料サイクル政策堅持という意志を国内外に示す狙いがある。
高速増殖炉を巡っては、実験炉「常陽」で比較的順調に研究を進めた実績があり、日本の技術力への評価は国際的にも高かった。トラブル続きだった「もんじゅ」を主役から降ろし、海外の実証炉を活用するのは「苦肉の策」(政府関係者)だが、核燃料サイクル政策の継続と技術や人材の継承を優先した形だ。
もんじゅと構造が異なるASTRIDに過去の研究成果をどのように生かすかや、共同研究の費用を日仏でどのように分担するか、など調整が必要な課題も残っている。国際的な信頼回復のためにも、緻密に計画を練り直す必要がある。 (政治部 田島大志)
政府は、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)に代わる新たな高速炉実用化に向けたロードマヅプ(工程表)を年内に策定する方針を固めた。フランスで計画中の高速炉「ASTRID」(アストリッド)での日仏共同研究により、技術開発を継続する案を柱とする方向だ。最新型の原子炉の共同研究により、実用化に近づくと判断した。21日に関係閣僚による会議を開き、「もんじゅの廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」との方針を確認する。
きょう閣僚会議
政府はもんじゅの廃炉を決断しても、使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクル政策ば堅持する方針だ。ASTRIDのほか、実験炉「常陽」(茨城県大洗町)についても、もんじゅの代替研究拠点として検討したが、「設備が十分でない」ため、基礎的な研究での活用にとどめる考えだ。
ASTRIDでの日仏共同研究により、核燃サイクルの推進姿勢を鮮明にし、核燃サイクル関連施設が集中する青森県などの理解も得たい考えだ。
ASTRIDは、2030年頃の運転開始が計画されており、革新的な技術を採用した安全性の高い最新型の原子炉に位置付けられている。実験炉の常陽や、発電技術の確立を目的とした原型炉のもんじゅに比べ、実用化に近い「実証炉」で、開発が進めば、実用炉の開発に近づくことになる。
菅官房長官は20日の記者会見で、松野文部科学相や世耕経済産業相らが出席する関係閣僚会議について「政府全体として認識を共有する観点から開催する予定だ」と述べた。また、「地元自治体との調整は極めて重要だ。自治体の意見もよく伺って対応を決していく」と語った。
一方、福井県の渕上隆信敦賀市長らは20日、首相官邸で萩生田光一官房副長官と会談し、もんじゅの存続を要望した。同席した地元選出の高木毅自民党衆院議員によると、萩生田氏は「地元の意見を聞きながら決めたい」と述べ、関係閣僚会議で議論する考えを伝えた。
技術・人材の継承優先
政府が高速炉実用化に向けた工程表に、「ASTRID」の活用を盛り込むのは、該燃料サイクル政策堅持という意志を国内外に示す狙いがある。
高速増殖炉を巡っては、実験炉「常陽」で比較的順調に研究を進めた実績があり、日本の技術力への評価は国際的にも高かった。トラブル続きだった「もんじゅ」を主役から降ろし、海外の実証炉を活用するのは「苦肉の策」(政府関係者)だが、核燃料サイクル政策の継続と技術や人材の継承を優先した形だ。
もんじゅと構造が異なるASTRIDに過去の研究成果をどのように生かすかや、共同研究の費用を日仏でどのように分担するか、など調整が必要な課題も残っている。国際的な信頼回復のためにも、緻密に計画を練り直す必要がある。 (政治部 田島大志)
原子力発電の課題のひとつに、使用済み燃料廃棄物の処理が上げられます。「夢の原子炉」と呼ばれる高速増殖炉の稼働は、この「核のゴミ」削減対策にもなりますし、原油より少ない資源とされるウランの資源枯渇対策にもなるのですね。
「もんじゅ」の廃炉とともに灯が消えかけていた「核燃料サイクル」ですが、フランスとの共同開発という形でその研究開発が継続されるのは、国産エネルギー資源が少ない日本のエネルギー安全保障には朗報ですね。
それはさておき、「もんじゅ」が稼働出来なかった原因は明らかにされたのでしょうか。情報収集のしかたが悪いのか、その情報には接することが出来ていません。
仏のASTRIDは、「もんじゅ」とは構造が異なるのだそうです。そうした構造、設計思想が間違っているのか、建造した設備に欠陥があるのか、機器の点検洩れがあり、原子力規制委員会が、運営主体の日本原子力研究開発機構の交代を文科相に求めたことが顕す様に、運用する人に問題があったのか、明確に未稼働の原因が示されていない様に見えます。
原因を究明し、横展開の再発防止策も含めた対策を立案し、実行するのが一般企業の常識です。そこが明らかでないから、文科省に指示された、日本原子力研究開発機構に代わる受け皿がみつからないのではありませんか。
原因が解らないけど、とにかく稼働しないので、仏のASTRIDに乗り換えというのでは、技術立国日本の看板が泣きます。
運用の人的要因というのであれば、仏のASTRIDに乗り換えても運用トラブルは発生します。
新原子炉もいいのですが、何故「もんじゅ」を稼働されることが出来なかったのか。原因の究明と、対策の検討とその情報開示が求められます。それが出来てこその技術立国日本です。
# 冒頭の画像は、原子力関係閣僚会議であいさつする菅官房長官
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この花の名前は、サルマヘンリー
↓よろしかったら、お願いします。
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