遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

アジア太平洋の「3つの巨人」 そこに日本の名はない

2011-11-01 00:18:55 | 日本を護ろう
 クリントン米国務長官がフォーリン・ポリシー誌に長文の寄稿をし、アメリカは、イラク・アフガニスタンを後にして、これからはアジア太平洋地域を最重視していくと述べているのだそうです。そして、同盟関係の見直しをして、アジア太平洋の「3つの巨人」が緊密に協力し、連携していくべきだと。
 この時、「3つの巨人」とは、アメリカ、中国、インドなのだとも。
 

【人界観望楼】外交評論家・岡本行夫 衰退させるか、反転か (10/31 産経)

 
クリントン米国務長官が最新のフォーリン・ポリシー誌に長文の寄稿をした。アメリカは、イラク・アフガニスタンを後にし、これからはアジア太平洋地域を最重視していくという。まことに結構だが、同時にアメリカの同盟ネットワークの「アップデート」が必要だと指摘する。つまり同盟関係の見直しだ。そして、アジア太平洋の「3つの巨人」が緊密に協力し、連携していくべきだと言う。3つの巨人とは、アメリカ、中国、インドであると。
 日本が入っていないと怒っても始まらない。
日本の姿は確実に薄くなってしまっている。9月にフォーブス誌は、恒例の「アジアの最優良企業50社」を発表した。2005年には日本企業が13社選ばれ、もちろんアジアで最多数だった。そのとき中国の会社は中国石油1社だけ。1990年代であれば日本企業が40社は入っただろう。それが今年のランキングでは、中国企業が断トツの23社。続いてインド、豪州、タイ、インドネシアがそれぞれ複数社。それにシンガポール、台湾、フィリピン、香港、マレーシア。日本企業は何社がリストアップされたか? 答えは「ゼロ」。つまり、アジアの最優良企業50社の中に、日本企業は一つも入らない

 理由は簡単で、超円高をはじめとするいわゆる五重苦である。電力不足を加えれば六重苦。これで企業に国際競争しろというのは無理だ。詳述する紙数はないが
六重苦のほとんどは政府が作り出した
ものだ。
 そのひとつが、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を含めたFTA(自由貿易協定)ネットワークへの参加の遅れだ。日本のTPP参加には、感情的な反対論も多い。「アメリカ陰謀説」も根強いが、いかがなものか。アメリカは、むしろ本音では、日本が交渉に参加して反対を連発し合意パッケージが小さくなってしまうことを危惧しているのではないか。
TPPに参加しないで困るのは、ゼロ関税ネットワークからはじき出される日本であって、アメリカではない
。内閣府は、TPP加盟により、日本の成長は0・5%程度増加すると試算している。加盟しなければ輸出競争力が減る分、逆にマイナスになる。農業は手厚く保護し、さらには品目によって除外交渉をすればよい。しかし、TPP不参加によって日本産業をさらに痛めつけ、日本経済を沈み込ませることは避けてほしい。
 野田政権の行く手は大変だ。普天間問題はもはや解決不可能になった。現在の環境アセス手続きが仮に進んだとしても、その延長線上に移設実現があるわけではない。従来と異なり、沖縄は反対一色になった。キャンプ・シュワブの前に座り込むデモ隊を機動隊は実力で排除するのか。けが人が出れば沖縄は60年代の「島ぐるみ闘争」に戻る。どう考えても出口がない。代替策はあるが、文字どおり政権の命をかけなければできないだろう。決断するのか、しないのか。しなければ日本の安全保障の基盤が揺らぐ。
 政府は2年間という短期間のうちに、この国家の実力を大きく剥奪した。日本の現場には素晴らしい復元力がある。勤勉でひたむきな国民性がある。このまま衰退させるのか、反転させるのか。政治の決断ひとつである。(おかもと ゆきお)



 アジアの優良企業50社に、日本企業が入れていないとはショックですね。
 1兆円の利益を誇ったトヨタも脱落。パナソニックは、赤字転落の発表をしていますね。
 
中日新聞:トヨタ「利益吹っ飛ぶ」 円最高値更新「ものづくり根こそぎに」:自動車産業ニュース(CHUNICHI Web)
 パナソニック、通期の最終赤字4200億円に :業績ニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞

 六重苦((1)円高、(2)高い法人税、(3)自由貿易協定の存在、(4)労働規制(製造業への派遣禁止)、(5)環境規制(温室効果ガスの原因とされる二酸化炭素を2020年までに25%削減する宣言)、(6)震災とそれに伴う電力不足)という、政策の力不足が産み出した阻害要因が大きい。
 この六重苦を一つでも多く解消する為、少子高齢化で縮小する国内市場の壁を撤廃し、世界中がその成長性に注目するアジア市場に広く連携するためには、TPP参加は不可欠な政策です。

 岡本氏は、政府の決断を求めておられますが、野田政権と民主党幹部は参加に向けて動き始めています。民主党の小沢系の議員と、野党の自公幹部が足を引っ張っているのです。
 
TTP 自公首脳は反対や慎重論へ - 遊爺雑記帳

 3次補正予算成立後、来春の解散総選挙を狙う自民党や、選挙に弱い民主党議員、JAとつながりのある与野党議員など、選挙での自分の保身の為、TPP反対や慎重論を唱えているのですね。
 民主党がその失政で日本国を衰退させて来て、普天間移転問題での日米同盟亀裂や、対中対露外交の失政でのアジア諸国からの信頼喪失、財源なきバラマキでの財政悪化を招いていますが、野田新政権が回復に転じる政策決断が出来るかは、岡本氏が指摘されている通り日本の将来の岐路に立った案件が山積の今、とても重要です。
 繰り返しますが、TPPに限れば、野田政権は前向きな決断をしていますが、石破氏、小池氏が外れ、石原氏が残り、派閥のロートルの圧力でスタートした新自民党体制は、その足を引っ張る政局優先策なのです。自民党が産業界に背を向けるとは驚きですが、先の衆議院選挙での大量落選の怖さが保身優先に走らせているのでしょうか、憂国の士が主流から外されて、老害人がはびこっているのでしょうか。
 今日の国会での谷垣氏の論調も、政府批判ばかりの野党根性まるだしで、政権交代の期待を持たせてくれるものではありませんでしたね。
 
衆議院インターネット審議中継
   ↑
 「説明・質疑者等」の「谷垣禎一(自由民主党・無所属の会)」で、開始から19分過ぎあたりからが、TPPに関する話です。

 自民党の猛省と政策転換がなければ、支持率低下(世論はTPP参加が上回っている)で、選挙になってもJA票は民主党反対派と分け合って、全体では敗北してしまうでしょう。

 鎖国の日本は、ますますアジアでの存在感はなくなるし、日本の産業が海外脱出するか、壊滅することになる。農業は老齢化で、今のJAの旧守体制(バラマキ補償依存では財源がなくなる)では、TPP参加の如何にかかわらず壊滅します。







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