遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

着々と尖閣侵略の実績を積み重ねる中国 日本政府の反攻は「茹でガエル」

2011-10-10 01:16:17 | 東シナ海尖閣諸島
 中国の海洋調査船による、東シナ海・尖閣諸島近海のEEZの海域内での「相互事前通報制度」を無視した行動が頻度を増していますね。
 中国の常套手段で、先ず勝手に宣言して、次に行動を起し、反応を観ながら徐々にその頻度を上げて実績を積み重ね、やがては常態化し実質的には勝手に宣言したことを実態として実現させ不動のものとする。
 素人の遊爺でさえ解っている中国の戦術が、素人の遊爺でさえ予測できる通りに尖閣の領有権に対して実行されています。
 「茹でガエル」戦術にはめられる日本。もうお湯が沸騰間近だと、飛び跳ねねば、このまま座して領海・領土を奪われてしまいます。
 

EEZ拡大もくろむ? 中国調査船活動、申請域外で頻発 (10/9 産経)

 沖縄県・尖閣諸島近くの海域で9月下旬以降、相次いで確認された中国の海洋調査船の“不可解な行動”がさまざまな臆測を呼んでいる。中国側が日中間の取り決め通りに事前通報をしてきているにもかかわらず、わざわざ申請区域外で活動
しているからだ。過去には事前通報なしの不当な調査も行っており、中国側の真意は読み切れていない。(太田明広)

 中国調査船の申請区域外での活動が
最初に確認されたのは9月25日。海保の航空機が久場(くば)島から北北東約121キロの海域で調査船「北斗」を発見。その後も同26日と同29日に別の調査船「科学3号」が、10月7日には再び北斗
の活動が確認された。海保によると、いずれもワイヤらしきものを曳航(えいこう)していた。目的は不明だが、資源探査や潜水艦の航路確保のための地形調査などを行っている可能性があるという。
 日中両国は平成13年、中間線を越えて相手国の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査を行う場合、2カ月前までに調査概要や区域、期間などを通報する「相互事前通報」制度を取り決めた。中国側はその後、
事前通報なしの不当な調査も実施。18年から今年9月末までの間に、確認されているだけで10件以上
あり、制度は事実上ないがしろにされてきた。
 しかし今回は取り決め通り、科学3号と北斗による海洋調査の実施を事前に通報。にもかかわらず、申請区域外での活動を繰り返している。確認された6回とも申請区域と日中中間線の“隙間”での活動だった。取り決めには、申請区域外で調査をしても取り締まる制度はなく、海保は6回とも警告を発したが、中国船からの応答はなかった。
 海保関係者は「隙間海域で活動することで、EEZの範囲拡大をアピールしているのでは」と推測。「
新政権への揺さぶり
」との見方を示す関係者もいる。
 元防衛研究所研究室長の平松茂雄氏は「尖閣諸島周辺で常にトラブルを起こすこと自体に意味がある」と中国側の狙いを分析。その上で、「日本の関心を尖閣周辺にそらし、太平洋に出るためのルートの確保を狙っているのではないか」とみる。東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は「
南シナ海で同じように中国と対立するASEAN諸国と協力
し、アジア全体で海における秩序を構築することが必要だ」と話している。


 目的について上記の記事では、「隙間海域で活動することで、EEZの範囲拡大をアピールしている」、「新政権への揺さぶり」、「日本の関心を尖閣周辺にそらし、太平洋に出るためのルートの確保を狙っている」といった、専門家の見方を載せています。
 素人の遊爺が専門家に対し失礼とは思いますが、そんな甘いものではなく、ズバリ尖閣の実効支配(占領)に向けた実績造りが目的です。
 「新政権への揺さぶり」は合っていますし、その反応の手ぬるさに乗じて頻度を上げていて、日本の主張するEEZの範囲を、尖閣近海で無効化する段階を経て、尖閣上陸・実効支配(占領)しようというものです。
 遊爺もそうなのですが、日本のマスコミが最初は騒ぐけれど頻度を上げることで報道しなくなる(今回産経は取り上げていただいていますが。)ことを見越した、じっくり時間をかけた、しかし着実に目的に迫る常套手段の戦術です。
 「太平洋に出るためのルートの確保」などの甘い観測は、「茹でガエル」戦術に、すっぽりはまっています。太平洋へのルートは既に常態化して、毎年艦隊が大挙自由に(日本の巡視船を威圧しながら)航行しています。

 日本は、危機意識を高め、行動をおこさねば「茹でガエル」になってしまいます。
 山田吉彦教授が述べておられる、南シナ海のASEAN各国の動きへの連動は、既にそれを支援したり共同歩調をとって行動開始している、米豪印とともに包囲網を造り、中国に自制を迫る戦略が必要なのです。
 日本政府が、東アジア首脳会議(EAS)で、海上安全保障問題を協議する「東アジア海洋フォーラム」(仮称)の新設を提案する話が出ています。是非、各国への根回しを浸透させ、強く実現に向けた努力をすることを期待しています。
 今日(10/9)の読売の「地球を読む」で、白石隆政策研究大学院大学長が書かれていますが、ミャンマー、ベトナムの脱中国依存(中国との関係だけでなく広く他の国とも連携を深めていくことで中国への牽制力を持つ)の動きに、日本は呼応すべきという考えは、遊爺も触れてきたことです。

 様子見でじっとしている野田内閣ですが、世界は激動で揺れ動いています。じっとしていては「茹でガエル」になります。「東アジア海洋フォーラム」の提案だけでなく、防衛予算や海保関連予算の増額と設備増強など、日本の毅然とした主権防衛の施政を示すなど、多くの素早い行動が求められます。

 日本が東アジアの海洋安保会議を提唱へ - 遊爺雑記帳
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 # 冒頭の写真は、中国の海洋調査船「北斗」




  この花の名前は、ホソバヒャクニチソウ

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尖閣諸島灯台物語
続 中国の海洋戦略




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