遊爺雑記帳

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辛亥革命100周年 中台「統一」呼びかける胡錦濤に、軍事パレードで距離を置く台湾

2011-10-11 00:16:09 | EEZ 全般
 辛亥革命100周年記念ということで胡錦濤主席は、中台双方から慕われている孫文の中華振興思想を引き合いに、一つの民族を唱え中台統一をよびかけたのだそうですね。
 これに対し台湾の馬英九政権は、「一つの中国」では中国との認識は一致しているが、中台それぞれが独自に解釈するとし、台湾は自らの「中華民国」を正統政権と解釈する立場をり、合同での式典開催を拒み、独自に軍事パレードを伴う祝賀イベントを開催したのだそうです。
 

辛亥革命100周年 中台「統一」呼びかけ 胡総書記演説 孫文の「中華振興」引用 (10/10 読売朝刊)

 
【北京=加藤隆則】中国の胡錦濤・共産党総書記は9日、北京の人民大会堂で開かれた辛亥革命100周年記念大会で演説し、清朝を倒した同革命の主導者・孫文が唱えた「中華振興」を強調、中台を結ぶ「中華民族」を前面に出しながら統一を呼びかけた。中国にとって同革命は、国民党を指導した孫文を「国父」と仰ぐ台湾との重要な接点だ。ただ、台湾側は対中接近に慎重な構えを崩していない。

 胡氏は約20分間の演説で、「中華振興」「中華民族の偉大な復興」のスローガンを計30回以上使った。列強の侵略を受け、分割の危機にさらされた中国を救おうと孫文が訴えた理想だ。胡氏は、孫文が「統一は全中国国民の願いだ」と述べたことを引用し、「平和的に統一を実現することは、台湾同胞を含む全中国人の根本的な利益に最も合致している」と訴えた。
 また、「愛国主義は中華民族の精神の核心」としたうえで、「最も幅広い愛国統一戦線」を固めるよう求めた。中台については特に「血のつながっている運命共同体だ」と強調した。
 第2次大戦後、国民党と共産党が戦い、国民党が台湾に逃れた国共内戦については、「対立を終わらせ、歴史的な傷痕を癒やす」との表現にとどめ、「中華民族」の伝統文化を発揚しながら、苦楽を共にする同一民族としての意識を強めるべきだとの考えを示した。
 台湾当局が、100周年記念行事の共催に慎重姿勢を示す中、中国は、中台の大学生約100人が3月から8月にかけ革命史跡を訪ねるツアーを企画するなど、民間レベルでの「共催」演出に力を注いできた。
 中国社会科学院近代史研究所の雷願研究員は、辛亥革命100年について「革命や孫文を通じて中台が一致点を見いだすことができ、統一戦線工作に重要な役割を果たす」と語る。
 だが、雷氏は一方で「台湾が『建国100年』を強調すれば、敏感な問題になる」とも指摘する。
共産党こそが「孫文の国家建設の理想を受け継いだ」(胡氏)と位置づける中国
にとって、辛亥革命記念行事は統一を呼びかける場であると同時に、現政権の正統性を宣伝する場でもあり、台湾側の「建国100年」に理解を示すわけにはいかないからだ。

台湾きょう軍事パレード 中国と距離置く姿勢強調

 【台北=源一秀】台湾当局は、兵員約1800人と戦闘機、戦車、ミサイルを動員した過去最大規模の軍事パレードを中心に「中華民国建国100年」を祝う盛大なイベントを台北の総統府周辺で10日に予定しており、中国と距離を置く姿勢を強調している。
 2008年に発足した台湾の馬英九政権は、
1992年に中台が共通認識に達したとされる「『一つの中国』を中台それぞれが独自に解釈する」ことを認めた。「一つの中国」では中国との認識は一致しているが、台湾は、自らの「中華民国」を正統政権と解釈
する立場をとっている。
 このため、台湾側が祝うのは、中華人民共和国を生んだ革命史の中での「100年」ではなく、「辛亥革命が清朝を倒し、中華民国が樹立された」(馬総統)という歴史を踏まえた「建国100年」だ。
 統一に向けた動きの進展を望む中国は、祝賀行事の共同開催を台湾に呼びかけてきた。しかし、対中政策で「統一せず」を掲げる馬総統は「別々にやればいい」と、拒否してきた。来年1月の総統選で再選を目指す馬総統は、大多数が統一を嫌う世論を重視し、慎重な対中姿勢をとっている。


 また、馬総統は、その式典で演説し、中国が自由・民主を実現するよう呼びかけるとともに、台湾が今も「国号」としている「中華民国が台湾で存在し続けているという事実を(中国は)正視すべきだ」と強調し、台湾の平和統一を目指す中国に対し、台湾の主権を堅持する姿勢を改めて示したのだそうです。
 
台湾総統、中国民主化呼びかけ 辛亥革命記念式典  :日本経済新聞

 中国共産党内では、2012年に中台統一を実現させることを目標としているのだそうですが、そのために軍備を増強し、米国の関与を遠ざける布石を打ってきて外堀を埋めてきた胡錦濤政権が、仕上げに向け平和的統一の呼びかけをしたのですね。
 米国の太平洋艦隊は、既に中国の対艦弾道ミサイル「東風-21D」や原潜の脅威などにより、台湾近海はおろか、いわゆる第二列島線ないへの軍事行動もとりづらくなってしまっています。また、台湾の戦闘機の更新にともなう、F-16 C/Dの購入依頼も、中国の圧力に屈し断る状況です。

 これに対し、傀儡として手なずけたはずの馬政権が反発しました。
 胡錦濤政権の次の一手は、どんな手が出てくるのか、武力行使が出来るご時世ではありませんが、経済制裁なのか、注目されるところです。

 余談ですが、最初の武装蜂起があった湖北省武漢に辛亥革命博物館が完成し、革命を主導した孫文を支えた日本人(宮崎滔天や梅屋庄吉など)も紹介されているのだそうですね。ちょっと驚きです。
 辛亥革命博物館が完成、孫文支えた日本人を紹介 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 # 冒頭の写真は、台湾の辛亥革命を記念した軍事パレードの対空ミサイル


  この花の名前は、ユーパトリウム(青花フジバカマ)

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暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?
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