遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

香港の枢機卿逮捕 宗教の自由にも弾圧の魔手

2022-05-15 01:33:33 | 香港国安法
 中国政府が香港の次期行政長官に元治安当局トップの李家超(ジョン・リー)氏を据えてから1週間もたたないうちに、宗教の自由を標的にし、90歳のカトリック高位聖職者・陳日君(ジョセフ・ゼン)枢機卿等、4人を逮捕しました。
 4人は、2019年の民主化運動に参加した香港市民に法的支援・医療費その他の支援を行うために寄付を受け付けた「612人道支援基金」の信託人だった。
 今回の逮捕は、香港の政治犯を弁護する者はすべて阻止するという中国の考えを浮き彫りにする。中国でそうであるように、次は被告側の弁護士が標的になるかもしれないと、WSJ。
 
【社説】香港の枢機卿逮捕と中国の抑圧術 - WSJ 2022 年 5 月 12 日

 中国は香港で政治的反体制派・報道の自由・独立した司法制度を既に弾圧しているが、新たな標的は宗教の自由となった。これが陳日君(ジョセフ・ゼン)枢機卿の逮捕から読み取れるメッセージだ。

 この90歳のカトリック高位聖職者は11日に逮捕され、
香港の国家安全維持法(国安法)に違反したとして訴追された。また、民主派議員の呉靄儀(マーガレット・ン)氏、ポップ歌手の何韻詩(デニス・ホー)氏、学者の許宝強氏も逮捕された。

 
4人は、2019年の民主化運動に参加した香港市民に法的支援・医療費その他の支援を行うために寄付を受け付けた「612人道支援基金」の信託人だった。元立法会議員でファンドの信託人を務めた何秀蘭(シド・ホー)氏はすでに収監されている。

 
612基金は昨秋、警察が国安法に基づいて捜査を行うと述べた後に閉鎖された今回の逮捕は、香港の政治犯を弁護する者はすべて阻止するという中国の考えを浮き彫りにする。中国でそうであるように、次は被告側の弁護士が標的になるかもしれない

 
政治的な主な標的が、中国による宗教的迫害を声高に批判している陳枢機卿であることは間違いない。彼は、ローマ教皇庁が無神論者である共産党指導部の承認を司教任命の条件とするなどの譲歩点に関して2018年に中国政府と合意したとして、教皇庁を批判していた。陳枢機卿はこの秘密合意について、「中国のカトリック教会を売る」行為だと述べていた。

 中国政府が
香港の次期行政長官に元治安当局トップの李家超(ジョン・リー)氏を据えてから1週間もたたないうちに、枢機卿が逮捕されたことは偶然でない。現在、国務院香港マカオ事務弁公室の主任を務めている夏宝竜氏は以前、浙江省でキリスト教徒の迫害を主導していた。

 
中国政府は香港の自由の名残が本土に広がる可能性があることを恐れ、かつて自治が行われていた香港から徐々に自由を奪っている。キリスト教の信仰が国の制御を超えて中国国内に広がる懸念から、宗教の自由は容認できないとの立場だ。

 陳枢機卿の逮捕は、毛沢東時代に起きたカトリック司教たちへの迫害を思い起こさせる。上海の大司教だった龔品梅(イグナチオ・クン)枢機卿は教会に対する中国政府の支配受け入れを拒否したことで30年の獄中生活を送った。新疆ウイグル自治区のイスラム教徒は今日、強制収容所に収容されている。

 
ローマ教皇庁は11日の声明で、「教皇庁は陳枢機卿逮捕のニュースを懸念とともに受け止め、事態の展開を最大限の注意をもって見守っている」と表明した。この弱い反応はカトリック教会あるいはフランシスコ教皇の評価を高めることにはならない。教皇は中国とのファウスト的契約(悪魔と手を結ぶ契約)を破棄すべきだ

 ロイター通信によれば、逮捕された4人は11日夜に保釈されたが、最高刑として終身刑を言い渡される可能性がある。
90歳の枢機卿を恐れる政権は、体制の正統性について強い疑問を持っているに違いない

 陳枢機卿は、ローマ教皇庁が無神論者である共産党指導部の承認を司教任命の条件とするなどの譲歩点に関して2018年に中国政府と合意したとして、教皇庁を批判していた。
 この、中国による宗教的迫害を声高に批判している陳枢機卿を標的、すなわち中国政府の自由の政治的標的が、宗教の自由の規制迄拡大をしてきたということだとWSJ社説。

 陳枢機卿は、司教任命の条件として無神論者である共産党指導部の承認を必要とするという、ローマ教皇庁と中国政府との秘密契約を批判していたのだそうです。
 ローマ教皇庁は11日の声明で、「教皇庁は陳枢機卿逮捕のニュースを懸念とともに受け止め、事態の展開を最大限の注意をもって見守っている」と表明。
 この弱い反応はカトリック教会あるいはフランシスコ教皇の評価を高めることにはならない。教皇は中国とのファウスト的契約(悪魔と手を結ぶ契約)を破棄すべきだと、WSJ。

 折々に、神社にも、お寺にもお参りする遊爺には、ローマ教皇庁と中国政府との密約について語る資格はありません。
 同様に、宗教の自由について基本的には制限指向の中国に、日本の創価学会が布教を推進していることも、不思議に感じています。

 日本も、江戸時代には、キリスト教を弾圧。独裁政権が、独裁者以上に影響力を持つ宗教を警戒する。中国政府もその例外ではなない。
 
 ローマ教皇庁と、習近平政権との関係。そして、中国や、世界のキリスト教信者の方々との関係。どのように変遷していくのでしょう。



 # 冒頭の画像は、香港の陳日君枢機卿




  この花の名前は、シャクナゲ


↓よろしかったら、お願いします。



遊爺さんの写真素材 - PIXTA

写真素材のピクスタ


Fotolia




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 習近平独裁にブレーキか 次... | トップ | 沖縄本土復帰50年に中国の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

香港国安法」カテゴリの最新記事