新型コロナウイルスによる武漢肺炎の感染拡大が世界に波及しています。
方や中国国内では感染拡大の終息を習近平が打ち出しました。
更に、初動への隠蔽による感染拡大を招いた失政への批判で地に堕ちた支持率の回復に力を入れる習近平。
中国の新聞、テレビ、出版などの関連部門を「宣伝戦線」と言うのだそうですが、それを管理するのは共産党中央宣伝部。
こうした仕組みで国内世論を管理する中共ですが、そこを通じて習近平の支持率を回復させようとしているのですが、ネット世論の力がそれを阻止するほどに高まっていると石平氏。
「主席と党に感謝せよ」評価を受けたい習近平の焦燥 - 遊爺雑記帳
中国国内で新型コロナウイルスが全国で猛威を振るっていた2月下旬。中国の「宣伝戦線」は一斉に今月1日に出版予定の本の予告宣伝を始めたのだそうです。
その本の内容は、人民を率いて新型コロナと戦う共産党政権を褒めたたえるもので書名は『大国戦“疫”(疫病と戦う大国)』。
ところがその内容にネット市民が一斉に異論を唱えて反発。
この本に対する宣伝はぴったり止まってしまい、販売が急遽中止となったのだそうです。
つまり、天下の中央宣伝部がネット世論、あるいはネット世論によって代弁されている民衆の声に負けたと石平氏。
更に、新任の武漢市党委書記の王忠林氏の失言。
「市民を教育し、総書記や党の恩に感謝させなければならない」と発言し、国内多くのニュースサイトによって大々的に報じられましたが、これに対するネット上の激しい反発も。
国内のあらゆるニュースサイトから王党委書記の発言が一斉に消されるという、わずか1週間で、飛ぶ鳥も落とす勢いの中央宣伝部が2回のネットによる「敗退」。
背後にはまず、新型コロナ拡散以降起きている、「言論」に関する中国国民の意識変化があると石平氏。
コロナウイルス拡散の初期段階で政府が行った一連の情報隠蔽と統制が感染拡散を助長し、一般国民に多大な被害をもたらした。
このことから、多くの中国国民は言論の自由の大事さを身をもって実感。今やネット世論は、以前より何倍も勢いを増してきて、中央宣伝部とその指導下の「宣伝戦線」を圧倒するほどの力を持ち始めていると。
中央宣伝部の2回の「敗退」は、更に習主席その人に対する国民の不満と反発が高まっていることを顕しているとも。
敗退を余儀なくされた中央宣伝部、国民に嫌われる習主席、このような大きな政治的変化から、どんなものが生まれてくるのであろうかと石平氏。
定年制を廃止し盤石の権力体制を築いた習近平ですが、米中の「新冷戦時代」突入による経済成長減速とともに、政権の座に危惧が迫っていますね。
# 冒頭の画像は、武漢を視察した習近平。
寒桜とメジロ
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方や中国国内では感染拡大の終息を習近平が打ち出しました。
更に、初動への隠蔽による感染拡大を招いた失政への批判で地に堕ちた支持率の回復に力を入れる習近平。
中国の新聞、テレビ、出版などの関連部門を「宣伝戦線」と言うのだそうですが、それを管理するのは共産党中央宣伝部。
こうした仕組みで国内世論を管理する中共ですが、そこを通じて習近平の支持率を回復させようとしているのですが、ネット世論の力がそれを阻止するほどに高まっていると石平氏。
【石平のChina Watch】ネット世論に敗れた共産党 - 産経ニュース 2020.3.19
中国では新聞、テレビ、出版などの関連部門が一口に「宣伝戦線」と呼ばれて、共産党中央宣伝部の統一指揮下にある。
中央宣伝部が何らかの方針を決めると、全国の「宣伝戦線」が一糸乱れず動き出して計画的な宣伝活動を行っていくのが、その特徴である。
だが最近、この「宣伝戦線」で考えられないような乱れが生じてきている。
2月下旬、新型コロナウイルスが全国で猛威を振るっていた最中、中国の「宣伝戦線」は一斉に今月1日に出版予定の本の予告宣伝を始めた。書名は『大国戦“疫”(疫病と戦う大国)』、内容は、人民を率いて新型コロナと戦う共産党政権を褒めたたえるものである。
しかし1日になると、この本に対する宣伝はぴったり止まってしまい、販売も急遽(きゅうきょ)中止となった。現在も、本来なら、既に印刷済みのはずの本書の販売は宙に浮いたままである。
それが宣伝部にとって大失態であることは明白だろう。原因は、予告された本の内容に対するネット上の猛反発であった。
特に、新型コロナへの対応における習近平国家主席の「戦略的先見性」や「卓越した指導力」をたたえる同書の内容が予告されたのに対し、ネット市民が一斉に異論を唱えて反発した。
その結果、宣伝部肝煎りの本書の販売が中止に追い込まれたのだが、それは、天下の中央宣伝部がネット世論、あるいはネット世論によって代弁されている民衆の声に負けた結果といえる。
習主席に関する宣伝での異変は別のところでも起きた。今月6日、新任の武漢市党委書記の王忠林氏が新型コロナへの対応会議で、「市民を教育し、総書記や党の恩に感謝させなければならない」と発言した一件である。
この発言は翌朝から、地元の長江日報の公式サイトをはじめ、国内多くのニュースサイトによって大々的に報じられたが、これに対するネット上の反発はなおさら激しい。
「武漢市民が苦しんでいる最中なのに、“恩に感謝”とは何か」という憤りの声があふれているのである。
そしてその日の午後、今度は上述の長江日報公式サイトをはじめ、国内のあらゆるニュースサイトから王党委書記の発言が一斉に消された。まさに中央宣伝部指揮下の一糸乱れずの統一行動である。わずか1週間で、飛ぶ鳥も落とす勢いの中央宣伝部が2回の「敗退」を体験したわけだ。
こうした背後にはまず、新型コロナ拡散以降起きている、「言論」に関する中国国民の意識変化があるだろう。コロナ拡散の初期段階で政府が行った一連の情報隠蔽(いんぺい)と統制が拡散を助長し、一般国民に多大な被害をもたらしたことへの反省から、多くの中国国民は言論の自由の大事さを身をもって実感した。その結果、今やネット世論は、以前より何倍も勢いを増してきて、中央宣伝部とその指導下の「宣伝戦線」を圧倒するほどの力を持ち始めているのだ。
中央宣伝部の2回の「敗退」から見えてきたもう一つの事実は、習主席その人に対する国民の不満と反発が高まっていることである。
誰かが習主席の「卓越した指導力」をたたえたり、習主席への「感恩」を唱えたりすると、必ずネット上の猛反発を招いて総スカンを食らう。習主席がよほどの嫌われ者になっていることが分かろう。
敗退を余儀なくされた中央宣伝部、国民に嫌われる習主席、このような大きな政治的変化から、どんなものが生まれてくるのであろうか。今後の動向を注目したい。
中国では新聞、テレビ、出版などの関連部門が一口に「宣伝戦線」と呼ばれて、共産党中央宣伝部の統一指揮下にある。
中央宣伝部が何らかの方針を決めると、全国の「宣伝戦線」が一糸乱れず動き出して計画的な宣伝活動を行っていくのが、その特徴である。
だが最近、この「宣伝戦線」で考えられないような乱れが生じてきている。
2月下旬、新型コロナウイルスが全国で猛威を振るっていた最中、中国の「宣伝戦線」は一斉に今月1日に出版予定の本の予告宣伝を始めた。書名は『大国戦“疫”(疫病と戦う大国)』、内容は、人民を率いて新型コロナと戦う共産党政権を褒めたたえるものである。
しかし1日になると、この本に対する宣伝はぴったり止まってしまい、販売も急遽(きゅうきょ)中止となった。現在も、本来なら、既に印刷済みのはずの本書の販売は宙に浮いたままである。
それが宣伝部にとって大失態であることは明白だろう。原因は、予告された本の内容に対するネット上の猛反発であった。
特に、新型コロナへの対応における習近平国家主席の「戦略的先見性」や「卓越した指導力」をたたえる同書の内容が予告されたのに対し、ネット市民が一斉に異論を唱えて反発した。
その結果、宣伝部肝煎りの本書の販売が中止に追い込まれたのだが、それは、天下の中央宣伝部がネット世論、あるいはネット世論によって代弁されている民衆の声に負けた結果といえる。
習主席に関する宣伝での異変は別のところでも起きた。今月6日、新任の武漢市党委書記の王忠林氏が新型コロナへの対応会議で、「市民を教育し、総書記や党の恩に感謝させなければならない」と発言した一件である。
この発言は翌朝から、地元の長江日報の公式サイトをはじめ、国内多くのニュースサイトによって大々的に報じられたが、これに対するネット上の反発はなおさら激しい。
「武漢市民が苦しんでいる最中なのに、“恩に感謝”とは何か」という憤りの声があふれているのである。
そしてその日の午後、今度は上述の長江日報公式サイトをはじめ、国内のあらゆるニュースサイトから王党委書記の発言が一斉に消された。まさに中央宣伝部指揮下の一糸乱れずの統一行動である。わずか1週間で、飛ぶ鳥も落とす勢いの中央宣伝部が2回の「敗退」を体験したわけだ。
こうした背後にはまず、新型コロナ拡散以降起きている、「言論」に関する中国国民の意識変化があるだろう。コロナ拡散の初期段階で政府が行った一連の情報隠蔽(いんぺい)と統制が拡散を助長し、一般国民に多大な被害をもたらしたことへの反省から、多くの中国国民は言論の自由の大事さを身をもって実感した。その結果、今やネット世論は、以前より何倍も勢いを増してきて、中央宣伝部とその指導下の「宣伝戦線」を圧倒するほどの力を持ち始めているのだ。
中央宣伝部の2回の「敗退」から見えてきたもう一つの事実は、習主席その人に対する国民の不満と反発が高まっていることである。
誰かが習主席の「卓越した指導力」をたたえたり、習主席への「感恩」を唱えたりすると、必ずネット上の猛反発を招いて総スカンを食らう。習主席がよほどの嫌われ者になっていることが分かろう。
敗退を余儀なくされた中央宣伝部、国民に嫌われる習主席、このような大きな政治的変化から、どんなものが生まれてくるのであろうか。今後の動向を注目したい。
「主席と党に感謝せよ」評価を受けたい習近平の焦燥 - 遊爺雑記帳
中国国内で新型コロナウイルスが全国で猛威を振るっていた2月下旬。中国の「宣伝戦線」は一斉に今月1日に出版予定の本の予告宣伝を始めたのだそうです。
その本の内容は、人民を率いて新型コロナと戦う共産党政権を褒めたたえるもので書名は『大国戦“疫”(疫病と戦う大国)』。
ところがその内容にネット市民が一斉に異論を唱えて反発。
この本に対する宣伝はぴったり止まってしまい、販売が急遽中止となったのだそうです。
つまり、天下の中央宣伝部がネット世論、あるいはネット世論によって代弁されている民衆の声に負けたと石平氏。
更に、新任の武漢市党委書記の王忠林氏の失言。
「市民を教育し、総書記や党の恩に感謝させなければならない」と発言し、国内多くのニュースサイトによって大々的に報じられましたが、これに対するネット上の激しい反発も。
国内のあらゆるニュースサイトから王党委書記の発言が一斉に消されるという、わずか1週間で、飛ぶ鳥も落とす勢いの中央宣伝部が2回のネットによる「敗退」。
背後にはまず、新型コロナ拡散以降起きている、「言論」に関する中国国民の意識変化があると石平氏。
コロナウイルス拡散の初期段階で政府が行った一連の情報隠蔽と統制が感染拡散を助長し、一般国民に多大な被害をもたらした。
このことから、多くの中国国民は言論の自由の大事さを身をもって実感。今やネット世論は、以前より何倍も勢いを増してきて、中央宣伝部とその指導下の「宣伝戦線」を圧倒するほどの力を持ち始めていると。
中央宣伝部の2回の「敗退」は、更に習主席その人に対する国民の不満と反発が高まっていることを顕しているとも。
敗退を余儀なくされた中央宣伝部、国民に嫌われる習主席、このような大きな政治的変化から、どんなものが生まれてくるのであろうかと石平氏。
定年制を廃止し盤石の権力体制を築いた習近平ですが、米中の「新冷戦時代」突入による経済成長減速とともに、政権の座に危惧が迫っていますね。
# 冒頭の画像は、武漢を視察した習近平。
寒桜とメジロ
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