遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国がパナマ運河の代替に鉄道をコロンビアに建設

2011-03-02 00:08:19 | 中国 全般
 エジプトの政変でスエズ運河が注目されていますが、太平洋とカリブ海を結ぶパナマ運河に競合する鉄道建設計画を、中国がコロンビアで進めているのだそうです。
 新たな港湾設備計画の詳細などは明らかではないとのことですが、米国も接するカリブ海と太平洋の東端に、中国の息のかかった港が建設されることになります。
 中国は、インドに対し「真珠の首飾り作戦」を展開し、インド洋での覇権確立に向け、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマーに港湾建設を進めていました。中国の艦船の寄港を可能にするものです。
 ソ連がキューバにミサイルを持ち込もうとしたとき、ケネディ大統領は海上封鎖しソ連船による輸送を阻止しました。そこまでの緊迫したものではないにしても、米国本土の目前に中国が迫ることになります。
 
コロンビアに鉄道、パナマ運河の代替 中国、中南米に影響力 (3/1 産経)

 
【上海=河崎真澄】中国と南米コロンビアが、太平洋とカリブ海を結ぶ鉄道建設計画を協議していることが分かった。中国側は巨額の事業費を事実上の政府開発援助(ODA)として負担。中米パナマと接するコロンビアでの同計画は、パナマ運河を代替する輸送路を確保する意味を持つ。ムバラク政権崩壊でエジプトのスエズ運河通航のリスクが高まる中、中国はパナマ運河に準じる鉄道建設を請け負い、中南米での影響力を強めようとしている。

 中国国営新華社通信の電子版などによると、この鉄道は、コロンビアの太平洋岸とカリブ海側の港湾を結ぶ全長220キロ。
 主に貨物輸送を想定し、年間4千万トンの輸送能力を計画している。コロンビアから中国向けに石炭を輸出する際、太平洋側から積み出すための輸送インフラにすることが主目的だとしている。
 着工時期や具体的な建設ルート、新たな港湾設備計画の詳細などは明らかではないが、中国国家開発銀行が事業資金として総額76億ドル(約6360億円)の低利融資を主導する方向で調整。さらに国有の中国鉄路集団が建設工事を引き受けることが融資条件で、事実上、ひも付き(タイド)のODA供与となる。
 南米大陸最北端に位置するコロンビアにとって、太平洋と大西洋を結ぶ交通インフラが整備されれば、パナマに独占されてきた両岸の物流で発言権を得ることができる。貿易などの民間利用だけでなく軍事物資の輸送も容易となるため、戦略的な意味合いも持つ。
 中国は支援を通じて中南米で一定の影響力を確保するとともに、鉄道の海外輸出でも実利を得る狙いがあるようだ。
 中国紙、21世紀経済報道によると、中国はブラジルで4月に行われる高速鉄道の建設入札にも日本やフランスなどに対抗して応札し、車両を含めて初めてとなる南米向け鉄道輸出で実績を積み上げようとしている。

 経済面の話では、コロンビアは親米国で貿易額が最大なのは米国です。しかし、4年前に米国と調印したFTAを米連邦議会がいまだに批准しないことに失望感を募らせているのだそうです。一方、アジア諸国、とりわけ中国との関係強化を進めていて、米国に次ぐ貿易相手国となっているのだそうです。
 日本の売り込みも、頑張って成約にこぎつけていただきたいのですが、政府は国政どころか党内のゴタゴタで精いっぱいで、とてもグローバル戦略にまで手が回らない状況ですね。

 経済と軍事と、両輪での戦略を立てた中国の覇権拡大が、米国本土近辺へ迫ろうと忍び寄っています。
 環境破壊の廃棄物垂れ流し、上昇傾向が出てきたとはいえ国民に強いている安価な賃金といった犠牲の上に成り立っている世界一を誇る輸出額が産み出す利益が原動力となっているのです。
 茉莉花革命は、徹底した抑え込みにより、不発に終わるのでしょうか?伊藤忠出身の中国隷属大使の丹羽氏は、火消に一役買って出ているようですね。報道しているのも朝日。

 
asahi.com(朝日新聞社):「ジャスミン革命、中国では起きない」 丹羽中国大使 - 国際




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