野田政権は、APECでの「TPP参加」表明に続き、EASでの「海洋安全保障」の提案へむけ、米中のアジアでの覇権争いに割って入れるかの外交を開始しています。
国際会議を除いた外国訪問で最初に選んだ国は、米国でも中国でもなく韓国を選び、しかも「通貨スワップ拡大」と「朝鮮王室儀軌」のお土産持参の朝貢外交姿勢でした。
韓国訪問の内容は、お土産は持参したものの、竹島の実効支配実績拡大や日本の国会議員の鬱陵島訪問拒否、慰安婦問題の再燃には全く触れないという平身低頭の朝貢振りで、野田氏も所詮は民主党かと、暗澹たる先行きを予感させられました。が、「TPP参加」については、党内融和を優先するところが払拭出来ていませんが、最低限の決断(交渉開始)と世界へ向けての意思表明は与野党の反対の中、敢行しました。
野田氏の外交方針はどんな理念のもとに、どんな方向を向いているのか、読売の朝刊で記事がありました。
野田氏の韓国朝貢訪問については、内容も最初の訪問国として選んだことも評価できませんが、与野党国会議員が反対する中で、玉虫色で諸国の不信を買うところはありますが、TPP参加の方向を示したことは評価できます。続く、EASでの「海洋安全保障」の提案にむけた事前根回しは評価できますし、それを察知している中国は、せっかく引き裂いた日米関係がもとに戻らない様、日本への高圧的な態度を軟化させてきたのですね。
野田政権の、TPP交渉参加表明については、自民党は「反対」表明をしています。ただし、TPPへの参加の是非の自民党見解は出されていません。政局優先で、日本の国や国民の将来について、語っていません。
この自民党の様子には驚きましたが、経団連も中曽根氏もあきれ果てている様ですね。
賛否決められぬ自民 中曽根元首相も苦言(産経新聞) - goo ニュース
谷垣総裁は、「米国と組み過ぎて中国やアジアを除外する形になると日本のためによくない」とまでの発言をしたのだそうですね。
【主張】TPPと自民党 「反対」で政権を担えるか - MSN産経ニュース
派閥領袖に乗っ取られた谷垣新体制は、とても政権を任せられる党ではなくなってきています。谷垣氏が鳩に見えてきて、外国人参政権は反対(昨日の国会答弁では慎重であるべきの言葉)の野田氏。鬱陵島訪問を阻止された自民党議員に対し、訪問を中止させようとした石原幹事長に対し、入国拒否した韓国に苦言を呈した枝野氏。上記記事にある野田氏の封印した内側の思想。どちらが自民党で、どちらが民主党が錯覚を覚えてしまいます。
経団連とは決別しそうな自民党。兼業農家や後継者が途絶えた零細老齢化農家といった特定の層(それも民主党と分け合っている)の党に縮小され、社会党→社民党のたどった道を辿るのでしょうか。
野田内閣の、フィリピンなどと事前根回し済みの、EASでの「海洋安全保障」の提案が成功し、関連諸国の信頼回復につながることを願っています。
この花の名前は、ノハラアザミ (撮影場所=六甲高山植物園)
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国際会議を除いた外国訪問で最初に選んだ国は、米国でも中国でもなく韓国を選び、しかも「通貨スワップ拡大」と「朝鮮王室儀軌」のお土産持参の朝貢外交姿勢でした。
韓国訪問の内容は、お土産は持参したものの、竹島の実効支配実績拡大や日本の国会議員の鬱陵島訪問拒否、慰安婦問題の再燃には全く触れないという平身低頭の朝貢振りで、野田氏も所詮は民主党かと、暗澹たる先行きを予感させられました。が、「TPP参加」については、党内融和を優先するところが払拭出来ていませんが、最低限の決断(交渉開始)と世界へ向けての意思表明は与野党の反対の中、敢行しました。
野田氏の外交方針はどんな理念のもとに、どんな方向を向いているのか、読売の朝刊で記事がありました。
始動・野田外交 硬軟両構え対中方程式 (11/16 産経)
35分間、野田首相はついに一度も「尖閣」という単語を口にしなかった。12日、米ホノルルで行った中国の胡錦濤国家主席との初会談だ。
逆に野田は「日中青年友好交流の『3000人訪中団』以来です。1984年のことですね」と懐かしげに話した。訪中団は、受け入れ責任者が胡だった。野田はこの時、松下政経塾生。古い縁に言及し、関係を深めようとの思いがにじんだ。
苦心の会談は、昨年9月の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件以来不穏だったこれまでとは打って変わり、「全体として大変いい雰囲気」(同席者)で終わった。
伏線はあった。
昨年は、会談前に通常行う事務方同士の事前打ち合わせすら、まともに出来なかった。それが、「今回はうまくいった」と関係者は振り返る。
11月3日に野田が仏カンヌで胡と立ち話で懇談した際も、通訳は日本側が用意した一人だけだった。用心深い中国にしては珍しい。外務省幹部は「中国の日本に対する敵対心は緩んでいる」と感じた。
最近の野田は、中国をどう見ているのか。「政治体制が異なるから警戒は必要だが、無視はできない。特に、経済協調の深化は避けて通れない」1という"硬軟両様"路線だと周辺は証言する。
松下政経塾が2009年、「特別限定版」として部内用にまとめた提言「私たちはどのような国をめざすのか」という本がある。野田が中心になってまとめた第1章にはこんなくだりがある。
「事あるごとに中国は南京大虐殺を持ち出し、韓国は従軍慰安婦を持ち出すわけですが、そのたびに日本政府は頭を垂れて謝罪を繰り返しているという有り様です」
同じ流れで、中国、韓国の外交姿勢を「歴史力ード」を使った外圧だと断じている。
2年後、日本外交の最高責任者となった野田は、持論をすっかり"封印"した。政府高官の一人は、「マイナスをゼロにするのが野田政権。今は外交でポイントを稼ぐ局面ではない。とにかく今は安全運転だ」と解説する。
中国に対する硬軟両構えは、他のアジア諸国との関係強化の動きにも顕著だ。
菅政権の末期、政府は冷え込んだ日中関係を改善するため、今年10月の首相訪中に向けて調整を続けていた。野田政権の発足当初も、2国間外交での初外遊先は中国で固まりかけていた。ところが、9月下旬、外務省幹部が「親日派の李明博・韓国大統領の在任中に日韓関係を進めておくべきです」と進言すると、野田はすんなり受け入れた。
民主主義、市場経済といった価値観を共有し、ともに米国の同盟国の韓国。野田と玄葉外相は、いずれも最初の訪問国にこの国を選んだ。首相、外相がそろって韓国を選んだのは戦後初めてのことだ。
李と個人的な信頼関係が結べるとの予感は的中した。
「価値観だけでない。我々は政治家としての信念も共有していますね」
10月19日、ソウルで行った首脳会談で、野田と李はすぐに意気投合した。前の週の13日、米韓自由貿易協定(FTA)の早期発効を目指すと表明した李は、国内で激しい批判にさらされていた。一方の野田も、環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる困難な国内情勢を打ち明け、共感しあったという。
今、野田政権は、中国との関係が微妙な国々との関係強化に乗りだしている。玄葉の東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪に続き、インドのクリシュナ外相も10月末に来日し、海上自衛隊とインド海軍との海上演習の検討を進めることで合意した。インドの本音は、対中けん制だ。
野田の首脳外交は、ハワイに続き、19日にインドネシアのリゾート島・バリでの東アジア首脳会議(EAS)に舞台が移る。オバマ米大統領、温家宝中国首相、李大統領と向き合う第2ラウンドは間近に迫っている。(敬称略)
35分間、野田首相はついに一度も「尖閣」という単語を口にしなかった。12日、米ホノルルで行った中国の胡錦濤国家主席との初会談だ。
逆に野田は「日中青年友好交流の『3000人訪中団』以来です。1984年のことですね」と懐かしげに話した。訪中団は、受け入れ責任者が胡だった。野田はこの時、松下政経塾生。古い縁に言及し、関係を深めようとの思いがにじんだ。
苦心の会談は、昨年9月の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件以来不穏だったこれまでとは打って変わり、「全体として大変いい雰囲気」(同席者)で終わった。
伏線はあった。
昨年は、会談前に通常行う事務方同士の事前打ち合わせすら、まともに出来なかった。それが、「今回はうまくいった」と関係者は振り返る。
11月3日に野田が仏カンヌで胡と立ち話で懇談した際も、通訳は日本側が用意した一人だけだった。用心深い中国にしては珍しい。外務省幹部は「中国の日本に対する敵対心は緩んでいる」と感じた。
最近の野田は、中国をどう見ているのか。「政治体制が異なるから警戒は必要だが、無視はできない。特に、経済協調の深化は避けて通れない」1という"硬軟両様"路線だと周辺は証言する。
松下政経塾が2009年、「特別限定版」として部内用にまとめた提言「私たちはどのような国をめざすのか」という本がある。野田が中心になってまとめた第1章にはこんなくだりがある。
「事あるごとに中国は南京大虐殺を持ち出し、韓国は従軍慰安婦を持ち出すわけですが、そのたびに日本政府は頭を垂れて謝罪を繰り返しているという有り様です」
同じ流れで、中国、韓国の外交姿勢を「歴史力ード」を使った外圧だと断じている。
2年後、日本外交の最高責任者となった野田は、持論をすっかり"封印"した。政府高官の一人は、「マイナスをゼロにするのが野田政権。今は外交でポイントを稼ぐ局面ではない。とにかく今は安全運転だ」と解説する。
中国に対する硬軟両構えは、他のアジア諸国との関係強化の動きにも顕著だ。
菅政権の末期、政府は冷え込んだ日中関係を改善するため、今年10月の首相訪中に向けて調整を続けていた。野田政権の発足当初も、2国間外交での初外遊先は中国で固まりかけていた。ところが、9月下旬、外務省幹部が「親日派の李明博・韓国大統領の在任中に日韓関係を進めておくべきです」と進言すると、野田はすんなり受け入れた。
民主主義、市場経済といった価値観を共有し、ともに米国の同盟国の韓国。野田と玄葉外相は、いずれも最初の訪問国にこの国を選んだ。首相、外相がそろって韓国を選んだのは戦後初めてのことだ。
李と個人的な信頼関係が結べるとの予感は的中した。
「価値観だけでない。我々は政治家としての信念も共有していますね」
10月19日、ソウルで行った首脳会談で、野田と李はすぐに意気投合した。前の週の13日、米韓自由貿易協定(FTA)の早期発効を目指すと表明した李は、国内で激しい批判にさらされていた。一方の野田も、環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる困難な国内情勢を打ち明け、共感しあったという。
今、野田政権は、中国との関係が微妙な国々との関係強化に乗りだしている。玄葉の東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪に続き、インドのクリシュナ外相も10月末に来日し、海上自衛隊とインド海軍との海上演習の検討を進めることで合意した。インドの本音は、対中けん制だ。
野田の首脳外交は、ハワイに続き、19日にインドネシアのリゾート島・バリでの東アジア首脳会議(EAS)に舞台が移る。オバマ米大統領、温家宝中国首相、李大統領と向き合う第2ラウンドは間近に迫っている。(敬称略)
野田氏の韓国朝貢訪問については、内容も最初の訪問国として選んだことも評価できませんが、与野党国会議員が反対する中で、玉虫色で諸国の不信を買うところはありますが、TPP参加の方向を示したことは評価できます。続く、EASでの「海洋安全保障」の提案にむけた事前根回しは評価できますし、それを察知している中国は、せっかく引き裂いた日米関係がもとに戻らない様、日本への高圧的な態度を軟化させてきたのですね。
野田政権の、TPP交渉参加表明については、自民党は「反対」表明をしています。ただし、TPPへの参加の是非の自民党見解は出されていません。政局優先で、日本の国や国民の将来について、語っていません。
この自民党の様子には驚きましたが、経団連も中曽根氏もあきれ果てている様ですね。
賛否決められぬ自民 中曽根元首相も苦言(産経新聞) - goo ニュース
谷垣総裁は、「米国と組み過ぎて中国やアジアを除外する形になると日本のためによくない」とまでの発言をしたのだそうですね。
【主張】TPPと自民党 「反対」で政権を担えるか - MSN産経ニュース
派閥領袖に乗っ取られた谷垣新体制は、とても政権を任せられる党ではなくなってきています。谷垣氏が鳩に見えてきて、外国人参政権は反対(昨日の国会答弁では慎重であるべきの言葉)の野田氏。鬱陵島訪問を阻止された自民党議員に対し、訪問を中止させようとした石原幹事長に対し、入国拒否した韓国に苦言を呈した枝野氏。上記記事にある野田氏の封印した内側の思想。どちらが自民党で、どちらが民主党が錯覚を覚えてしまいます。
経団連とは決別しそうな自民党。兼業農家や後継者が途絶えた零細老齢化農家といった特定の層(それも民主党と分け合っている)の党に縮小され、社会党→社民党のたどった道を辿るのでしょうか。
野田内閣の、フィリピンなどと事前根回し済みの、EASでの「海洋安全保障」の提案が成功し、関連諸国の信頼回復につながることを願っています。
この花の名前は、ノハラアザミ (撮影場所=六甲高山植物園)
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