APECでの、TPP加入表明関連騒動が冷めやらぬ日本です。米国と中国のアジアでの主導権争いが、米国によって顕在化させられたともいえる会議でした。
中国の覇権拡大に対する各国の対応は、引き続き15日からのASEAN外相会議を皮切りに、19日に開催される東アジアサミット(EAS)で、南シナ海の領有権、海洋の安全保障問題などが協議される予定で、日本は海洋の安全保障問題を提起すべく関連各国への根回しをしていました。
TPPではGDP第三位の国として参加表明したにもかかわらず、冷たくあしらわれた日本でしたが、今度はリーダーシップが発揮できるのでしょうか。
一方、西太平洋・南シナ海からインド洋にかけた米国の中国包囲網戦略では、日本の沖縄の膠着状況から、脱日本でオーストラリアに海兵隊を分散、または移行することを考慮に入れた、米豪 2+2 で、オーストラリアでの海兵隊駐留の話が進められていましたが、実現に向けた進展があった様です。
米軍基地を日本から豪州へ移転 - 遊爺雑記帳
米軍のアジアの拠点としての条件で、「場所」、「抗堪性」、「国やその国民にとり、基地が政治的に受け入れられているか」が挙げられるのだそうですが、日豪を比較するとすべてに日本は不適格で、豪州のほうが優位性があるという論があり更に、横須賀・佐世保・嘉手納は想定される重要戦域から離れ過ぎである半面、中国軍のミサイル射程内にあり極めて危険。それ故、海軍力の少なくとも一部を豪州に移動させるべきという論があるのです。
EAS直前に、オバマ氏が訪豪し、海兵隊の豪州駐留開始の具体策を打ち出すことは、APECでの対中牽制からEASでの更なる圧力強化に向けた具体的行動であり、一時は押したり引いたりの姿勢でしたが、選挙用国内対策もあるのか、押しの一手の筋書きの対中外交姿勢です。
もちろん中国は、従来からの対抗手段の二国間交渉(札束をちらつかせながら)を強化しています。
ASEANで中国の南沙諸島進出に対抗するリーダーのベトナム。それを支援する米国と言った構図が、豪やインドのベトナムやASEAN支援に輪が広がってきていることは、諸兄がご承知の通りです。
日本も、海洋安全保障の提案をするとのことで、成果が期待されます。
しかし、民主党内や国会での野党も、国内の議論ばかり。欧州も、アジアも大きく変わろうとしている今、のんきな鎖国国家です。そういえば、あの鎖国国家のミヤンマーが、ASEANの議長国をやると言い始め、それも今回の議題なのですね。
日本の野党(自公)や、民主党の自己保身の議員さんたちは、世界の動きは解っているはずなのですが、自己保身を優先させています。
だんだんに、政界再編が正解と思い始めて来るようになってきました。
この花の名前は、ツリガネニンジン (撮影場所=六甲高山植物園)
↓よろしかったら、お願いします。
中国の覇権拡大に対する各国の対応は、引き続き15日からのASEAN外相会議を皮切りに、19日に開催される東アジアサミット(EAS)で、南シナ海の領有権、海洋の安全保障問題などが協議される予定で、日本は海洋の安全保障問題を提起すべく関連各国への根回しをしていました。
TPPではGDP第三位の国として参加表明したにもかかわらず、冷たくあしらわれた日本でしたが、今度はリーダーシップが発揮できるのでしょうか。
一方、西太平洋・南シナ海からインド洋にかけた米国の中国包囲網戦略では、日本の沖縄の膠着状況から、脱日本でオーストラリアに海兵隊を分散、または移行することを考慮に入れた、米豪 2+2 で、オーストラリアでの海兵隊駐留の話が進められていましたが、実現に向けた進展があった様です。
米軍基地を日本から豪州へ移転 - 遊爺雑記帳
米海兵隊 豪駐留へ 同盟強化で中国けん制 (11/15 読売朝刊)
米国とオーストラリアが、軍事協力を強化し、同盟関係の緊密化に動いている。16日にはオバマ米大統領が初訪豪し、ギラード豪首相とともに、米海兵隊の豪州駐留開始などの具体策を打ち出す見通しだ。インド洋から西太平洋まで進出を図る中国をけん制する目的がある。 (キャンベラで梁田真樹子)
現在、豪国内に米軍基地はなく、駐留する米兵は約180人。豪メディアによると、米海兵隊は独自の基地を設けず、北部ダーウィンにある豪海軍の基地に駐留する形を取る。駐留する兵員の規模は不明。
海兵隊が豪州に駐留すれば、アジア太平洋地域で沖縄などに次ぐ米軍の拠点が生まれ、同地域全体を取り囲む形で米軍のプレゼンスが向上することになる。
12日付の豪紙オーストラリアン(電子版)は、米海兵隊が多くの兵力を置く沖縄と米領グアムは地理的に、「中国のミサイル攻撃に脆弱」とする米国側の見方を指摘。「米国は軍事拠点の分散化を目指している」と、豪駐留の理由を説明した。
豪メディアによると、米軍は、ダーウィンの基地以外の豪軍施設の利用も拡大する。スミス豪国防相は11日、協力強化の内容について「豪北部での(米軍の)艦船寄港や訓練・演習の増加」と述べた。
米豪の軍事協力が、もっぱら豪北部での活動を想定しているのは、海洋進出を図る中国の動向をにらんでいるためだ。
豪州はこれまで、自軍の戦力の多くを主要都市が集中する東部に割いてきた。だが、今年6月に開始した戦力態勢見直し作業では、戦力をダーウィンなどの北部に振り向ける方針を明確にした。
オバマ大統領とギラード首相は、17日にダーウィンを訪問し、同盟強化の具体策を明らかにする見通しだ。インドネシア・バリ島で19日には、東アジア首脳会議が行われる。
両首脳と中国の温家宝首相も出席し、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が対立する南シナ海問題が焦点の一つ。会議直前に米豪首脳が同盟深化を打ち出すことは、中国に向けた強いメッセージとなる。
米国とオーストラリアが、軍事協力を強化し、同盟関係の緊密化に動いている。16日にはオバマ米大統領が初訪豪し、ギラード豪首相とともに、米海兵隊の豪州駐留開始などの具体策を打ち出す見通しだ。インド洋から西太平洋まで進出を図る中国をけん制する目的がある。 (キャンベラで梁田真樹子)
現在、豪国内に米軍基地はなく、駐留する米兵は約180人。豪メディアによると、米海兵隊は独自の基地を設けず、北部ダーウィンにある豪海軍の基地に駐留する形を取る。駐留する兵員の規模は不明。
海兵隊が豪州に駐留すれば、アジア太平洋地域で沖縄などに次ぐ米軍の拠点が生まれ、同地域全体を取り囲む形で米軍のプレゼンスが向上することになる。
12日付の豪紙オーストラリアン(電子版)は、米海兵隊が多くの兵力を置く沖縄と米領グアムは地理的に、「中国のミサイル攻撃に脆弱」とする米国側の見方を指摘。「米国は軍事拠点の分散化を目指している」と、豪駐留の理由を説明した。
豪メディアによると、米軍は、ダーウィンの基地以外の豪軍施設の利用も拡大する。スミス豪国防相は11日、協力強化の内容について「豪北部での(米軍の)艦船寄港や訓練・演習の増加」と述べた。
米豪の軍事協力が、もっぱら豪北部での活動を想定しているのは、海洋進出を図る中国の動向をにらんでいるためだ。
豪州はこれまで、自軍の戦力の多くを主要都市が集中する東部に割いてきた。だが、今年6月に開始した戦力態勢見直し作業では、戦力をダーウィンなどの北部に振り向ける方針を明確にした。
オバマ大統領とギラード首相は、17日にダーウィンを訪問し、同盟強化の具体策を明らかにする見通しだ。インドネシア・バリ島で19日には、東アジア首脳会議が行われる。
両首脳と中国の温家宝首相も出席し、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が対立する南シナ海問題が焦点の一つ。会議直前に米豪首脳が同盟深化を打ち出すことは、中国に向けた強いメッセージとなる。
米軍のアジアの拠点としての条件で、「場所」、「抗堪性」、「国やその国民にとり、基地が政治的に受け入れられているか」が挙げられるのだそうですが、日豪を比較するとすべてに日本は不適格で、豪州のほうが優位性があるという論があり更に、横須賀・佐世保・嘉手納は想定される重要戦域から離れ過ぎである半面、中国軍のミサイル射程内にあり極めて危険。それ故、海軍力の少なくとも一部を豪州に移動させるべきという論があるのです。
EAS直前に、オバマ氏が訪豪し、海兵隊の豪州駐留開始の具体策を打ち出すことは、APECでの対中牽制からEASでの更なる圧力強化に向けた具体的行動であり、一時は押したり引いたりの姿勢でしたが、選挙用国内対策もあるのか、押しの一手の筋書きの対中外交姿勢です。
もちろん中国は、従来からの対抗手段の二国間交渉(札束をちらつかせながら)を強化しています。
南シナ海問題で対話攻勢 中国、ベトナムと首脳会談 (11/15 読売朝刊)
【ホノルル=大木聖馬】中国の胡錦濤国家主席は12日、ホノルルでベトナムのチュオン・タン・サン国家主席と会談した。
中国外務省によると、胡主席は「両国関係が発展する過程でどんな問題に遭遇しても、断固揺るぎなく友好を深めなければならない」と述べ、南シナ海の領有権問題が両国関係全体に影響を及ぼさないよう促した。また、「メディアへの正確な指導を強化し、両国友好の宣伝を強め、関係発展のために良好な世論や雰囲気を作る必要がある」とも述べ、領有権問題で対中批判が高まらないよう、メディア規制強化を提案した。
中国は、温家宝首相が出席するインドネシア・バリ島での19日の東アジア首脳会議で南シナ海問題が再び争点となり、米国や日本が関与を強める事態を避けたい思惑があり、当事国への対話攻勢を強めている。
【ホノルル=大木聖馬】中国の胡錦濤国家主席は12日、ホノルルでベトナムのチュオン・タン・サン国家主席と会談した。
中国外務省によると、胡主席は「両国関係が発展する過程でどんな問題に遭遇しても、断固揺るぎなく友好を深めなければならない」と述べ、南シナ海の領有権問題が両国関係全体に影響を及ぼさないよう促した。また、「メディアへの正確な指導を強化し、両国友好の宣伝を強め、関係発展のために良好な世論や雰囲気を作る必要がある」とも述べ、領有権問題で対中批判が高まらないよう、メディア規制強化を提案した。
中国は、温家宝首相が出席するインドネシア・バリ島での19日の東アジア首脳会議で南シナ海問題が再び争点となり、米国や日本が関与を強める事態を避けたい思惑があり、当事国への対話攻勢を強めている。
ASEANで中国の南沙諸島進出に対抗するリーダーのベトナム。それを支援する米国と言った構図が、豪やインドのベトナムやASEAN支援に輪が広がってきていることは、諸兄がご承知の通りです。
日本も、海洋安全保障の提案をするとのことで、成果が期待されます。
しかし、民主党内や国会での野党も、国内の議論ばかり。欧州も、アジアも大きく変わろうとしている今、のんきな鎖国国家です。そういえば、あの鎖国国家のミヤンマーが、ASEANの議長国をやると言い始め、それも今回の議題なのですね。
日本の野党(自公)や、民主党の自己保身の議員さんたちは、世界の動きは解っているはずなのですが、自己保身を優先させています。
だんだんに、政界再編が正解と思い始めて来るようになってきました。
この花の名前は、ツリガネニンジン (撮影場所=六甲高山植物園)
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