14日、全米50州と首都ワシントンで行われた。計538人の選挙人による投票で、民主党のジョー・バイデン前副大統領(78)が過半数を超える306票を獲得し、当選が事実上確定しましたね。
バイデン次期政権に対する批判勢力は、同政権が中国に硬軟両面のシグナルを送っていることをやり玉に挙げて、すでに攻撃を開始していると、WSJ「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ウォルター・ラッセル・ミード氏。
バイデン氏、米大統領選の「当選が確定」…選挙人投票で過半数獲得 : アメリカ大統領選挙2020 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン
バイデン氏のチームは中国への対応で「良い警官と悪い警官(同情と脅迫)」の役割を演じていると、ウォルター・ラッセル・ミード氏
硬軟織り交ぜた戦略は、現段階ではどちらかと言えばバイデン・チームにとって都合がよい。しかし、周囲にとって懸念材料になるのは、これから先、中国のような強大なライバルと対峙する際に新政権が取る可能性のある、あいまいな姿勢だとミード氏。
台頭する中国が米国およびインド太平洋地域の同盟諸国に及ぼす脅威に効果的に対応できなければ、その手法はチームを脱線させかねないと。
トランプ政権について批判できる点は多くあるものの、政権のメンバーは、地政学的な成功がなければ、気候変動、人権、ジェンダー政治について米国人がどう考えても、あまり意味がないことを理解していた。
これは、「米国第1主義」の外交政策への支持ではない。全く逆だ。地政学的な争いでは、強い同盟関係が重要になるとミード氏。
ハードパワーで戦争に勝つことはできるが、安定した平和を作り出すためには、さらに必要なものがある。成功する国家は、組織を立ち上げて、規範を定め、国際問題に対処するための有意義な努力を行うことを通じて正統性を確立すると。
バイデン次期政権は、歴史が終わった1990年代の黄金時代を懐かしんでいる。
2001年9月11日に起きた同時多発テロとその後のロシアと中国の敵意により、米国の外交政策は徐々に大国間の対立に焦点を当てる方向にシフトした。
そして、トランプ政権が2017年の国家安全保障戦略で、「大国間の争い」を米国の国際的政策目標の中心に据えたことで、ピークに達したとミード氏。
次期大統領の周囲にいる人々の多くは、これが悲劇的な間違いだったと信じていると。
彼らは気候変動とパンデミック(感染症の世界的大流行)を大国間の対立より恐ろしく切迫した危険だとみなしている。また、人類には力強い共通の利益があると信じている。この考え方だと、グローバルな統治の推進は、地政学的利益の追求よりも良い国家安全保障戦略となると。
残念ながら、物事はそのように動かない。共通の利益は、地政学上の対立関係を形作る一因になり得る。例えば、米国と旧ソ連は核のデスマッチを回避したいとの望みを共有し、その結果、核兵器制限条約で合意できた。しかし、それで冷戦がなくなることはなかったとミード氏。
厳しい現実は、地政学が最優先だということだと。
オバマ政権は事態に効果的に対応することができなかった。優柔不断でしばしば事態を把握できない米政府に対してロシアと中国がさらに攻撃的な動きを見せる中、地政学的状況はその後の8年間でずっと大きな脅威になっていったとミード氏。
中国が南シナ海で人口島の建設を開始し、不法に領土・領海と宣言し、軍事基地化を始めた時、太平洋軍司令官のハリス氏が、対応をオバマ政権に進言しましたが、オバマ氏は習近平を話し合いで説得するとし、会談に臨みました。
しかし、逆に習近平から「太平洋二分割管理」を主張され、人口島建設は進められてしまったことは、諸兄がご承知の通りです。
バイデン・チームの多くが最も注意を払っているグローバル・ガバナンスの問題は、多くの民主党員が拒否する現実的な地政学上の行動なしに対応することは不可能だ。次期政権の外交政策が成功するか失敗するかは、このパラドックスを扱うバイデン氏の能力にかかってくるだろうとミード氏。
オバマ政権の後期にパンダハガー指向がつよまりましたが、そのリードをしたスーザン・ライス氏の登用が注目されました。上院の承認の必要がないが、重要ポストとされる、国民政策委員会(Domestic Policy Council)委員長に登用しました。
ハンターバイデン氏による、チャイナケート疑惑も抱えているバイデン政権。
一方、議会の大勢は、両党ともに世界の覇権獲得を目指す中国への対抗姿勢は一致。
また、トランプ大統領は来月に行われるバイデン氏の大統領就任式に出席せず、フロリダ州で集会を開くことを検討しているとか。
バイデン氏の大統領就任式 トランプ氏欠席し集会か
バイデン政権の対中外交の行方には、目が離せません。
# 冒頭の画像は、米大統領選の選挙人投票で勝利を確実にし、デラウェア州ウィルミントンで演説するバイデン氏
この花の名前は、ノコンギク
↓よろしかったら、お願いします。
バイデン次期政権に対する批判勢力は、同政権が中国に硬軟両面のシグナルを送っていることをやり玉に挙げて、すでに攻撃を開始していると、WSJ「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ウォルター・ラッセル・ミード氏。
バイデン氏、米大統領選の「当選が確定」…選挙人投票で過半数獲得 : アメリカ大統領選挙2020 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン
【オピニオン】バイデン氏、明確な中露政策出せるのか - WSJ 2020年12月15日 WSJ「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ウォルター・ラッセル・ミード
米国のバイデン次期政権に対する批判勢力は、同政権が中国に硬軟両面のシグナルを送っていることをやり玉に挙げて、すでに攻撃を開始した。バイデン氏のチームは中国への対応で「良い警官と悪い警官(同情と脅迫)」の役割を演じている。国家安全保障問題担当の大統領補佐官に指名されたジェイク・サリバン氏が、中国からの圧力を受けているオーストラリアへの米国の支援を呼び掛ける一方で、気候変動対策担当の大統領特使になる予定のジョン・ケリー氏は、気候変動問題で中国と包括的合意を結ぶことに期待を寄せている。しかし、こうした硬軟織り交ぜた戦略は、現段階ではどちらかと言えばバイデン・チームにとって都合がよい。周囲にとって懸念材料になるのは、これから先、中国のような強大なライバルと対峙(たいじ)する際に新政権が取る可能性のある、あいまいな姿勢だ。
硬軟織り交ぜた対応は、普通の外交テクニックだ。イランは米国に対して何十年にもわたって、良い警官と悪い警官の戦略を使って極めて大きな成果を得てきた。米大統領が同じ戦略を試して悪い理由はない。
中国政府が、国際関係のリセットを求めていないように見えるのは確かだ。中国は、インド、オーストラリアなどの国々に対し、攻撃的姿勢を示している。対立をあおるような中国の「戦狼外交」は、引き続き目立っている。しかし、トランプ政権の時代の動きが荒々しかっただけに、バイデン次期政権の良い警官と悪い警官のどちらと付き合うか決めるチャンスを中国政府に与えることは、少なくとも米国の選択を明確にするだろう。
2020年12月の段階では、一般的な良い警官と悪い警官の手法が新チームを脱線させることはないだろう。しかし、台頭する中国が米国およびインド太平洋地域の同盟諸国に及ぼす脅威に効果的に対応できなければ、その手法はチームを脱線させかねない。
トランプ政権について批判できる点は多くあるものの、政権のメンバーは、地政学的な成功がなければ、気候変動、人権、ジェンダー政治について米国人がどう考えても、あまり意味がないことを理解していた。米国が第2次世界大戦に負けていたとしたら、フランクリン・ルーズベルト元大統領の人権や国際機関についての考えは、歴史学的な興味の対象にしかならなかっただろう。
これは、「米国第1主義」の外交政策への支持ではない。全く逆だ。地政学的な争いでは、強い同盟関係が重要になる。良い地政学が価値判断の影響を受けないわけでもない。フランスの政治家・外交官タレーランは、戦争での勝利を継続的な秩序に変えられなかったナポレオンの無能さについて、「あなたは銃剣を使って何でもできるが、その上に安座することだけはできない」と述べたとされる。言い換えると、ハードパワーで戦争に勝つことはできるが、安定した平和を作り出すためには、さらに必要なものがあるということだ。成功する国家は、組織を立ち上げて、規範を定め、国際問題に対処するための有意義な努力を行うことを通じて正統性を確立する。
バイデン次期政権は、歴史が終わった1990年代の黄金時代を懐かしんでいる。世界政治は冷戦後、グローバルな統治を目指すように見えていた。より開かれた貿易と金融のシステムを構築し、気候変動に対応して、民主主義と人権擁護を推進し、女性と性的少数者の平等を押し進めるように見えていた。2001年9月11日に起きた同時多発テロとその後のロシアと中国の敵意により、米国の外交政策は徐々に大国間の対立に焦点を当てる方向にシフトした。この動きは、トランプ政権が2017年の国家安全保障戦略で、「大国間の争い」を米国の国際的政策目標の中心に据えたことで、ピークに達した。
次期大統領の周囲にいる人々の多くは、これが悲劇的な間違いだったと信じている。その理由の1つには、彼らが気候変動とパンデミック(感染症の世界的大流行)を大国間の対立より恐ろしく切迫した危険だとみなしていることがある。彼らはまた、公衆衛生から金融規制に至る、国家の指導者が長期間無視できないような問題に対処するという点で、人類には力強い共通の利益があると信じている。チーム・バイデンはこうした問題に対処することで、米国が世界的な同盟関係を構築し、地政学を背景に追いやることができると考えている。この考え方だと、グローバルな統治の推進は、地政学的利益の追求よりも良い国家安全保障戦略となる。
残念ながら、物事はそのように動かない。共通の利益は、地政学上の対立関係を形作る一因になり得る。例えば、米国と旧ソ連は核のデスマッチを回避したいとの望みを共有し、その結果、核兵器制限条約で合意できた。しかし、それで冷戦がなくなることはなかった。
厳しい現実は、地政学が最優先だということだ。国際秩序は、それがよって立つ地政学上の基盤と同程度までの強さと有効性しか持ち得ない。グローバル・ガバナンスの目標を持つのは良いことだ。ウィンウィンの結果を考えること、そして、同盟国を奮い立たせながら対立相手との和解を図るために共通の価値に向けて努力することは重要だ。しかし、米国およびその同盟諸国は、政治力学が適切に働くようにしなければならない。そうでないと、より平和的で持続可能な世界秩序に対する希望が消え去るのを目の当たりにすることになる。
国民に不人気な中東紛争と金融危機で身動きが取れなくなったジョージ・W・ブッシュ(子)政権の末期、ロシアと中国は米国の弱さを感じ取った。こうした状況の責任がオバマ政権にあったわけではないが、同政権は事態に効果的に対応することができなかった。優柔不断でしばしば事態を把握できない米政府に対してロシアと中国がさらに攻撃的な動きを見せる中、地政学的状況はその後の8年間でずっと大きな脅威になっていった。
バイデン・チームの多くが最も注意を払っているグローバル・ガバナンスの問題は、多くの民主党員が拒否する現実的な地政学上の行動なしに対応することは不可能だ。次期政権の外交政策が成功するか失敗するかは、このパラドックスを扱うバイデン氏の能力にかかってくるだろう。
米国のバイデン次期政権に対する批判勢力は、同政権が中国に硬軟両面のシグナルを送っていることをやり玉に挙げて、すでに攻撃を開始した。バイデン氏のチームは中国への対応で「良い警官と悪い警官(同情と脅迫)」の役割を演じている。国家安全保障問題担当の大統領補佐官に指名されたジェイク・サリバン氏が、中国からの圧力を受けているオーストラリアへの米国の支援を呼び掛ける一方で、気候変動対策担当の大統領特使になる予定のジョン・ケリー氏は、気候変動問題で中国と包括的合意を結ぶことに期待を寄せている。しかし、こうした硬軟織り交ぜた戦略は、現段階ではどちらかと言えばバイデン・チームにとって都合がよい。周囲にとって懸念材料になるのは、これから先、中国のような強大なライバルと対峙(たいじ)する際に新政権が取る可能性のある、あいまいな姿勢だ。
硬軟織り交ぜた対応は、普通の外交テクニックだ。イランは米国に対して何十年にもわたって、良い警官と悪い警官の戦略を使って極めて大きな成果を得てきた。米大統領が同じ戦略を試して悪い理由はない。
中国政府が、国際関係のリセットを求めていないように見えるのは確かだ。中国は、インド、オーストラリアなどの国々に対し、攻撃的姿勢を示している。対立をあおるような中国の「戦狼外交」は、引き続き目立っている。しかし、トランプ政権の時代の動きが荒々しかっただけに、バイデン次期政権の良い警官と悪い警官のどちらと付き合うか決めるチャンスを中国政府に与えることは、少なくとも米国の選択を明確にするだろう。
2020年12月の段階では、一般的な良い警官と悪い警官の手法が新チームを脱線させることはないだろう。しかし、台頭する中国が米国およびインド太平洋地域の同盟諸国に及ぼす脅威に効果的に対応できなければ、その手法はチームを脱線させかねない。
トランプ政権について批判できる点は多くあるものの、政権のメンバーは、地政学的な成功がなければ、気候変動、人権、ジェンダー政治について米国人がどう考えても、あまり意味がないことを理解していた。米国が第2次世界大戦に負けていたとしたら、フランクリン・ルーズベルト元大統領の人権や国際機関についての考えは、歴史学的な興味の対象にしかならなかっただろう。
これは、「米国第1主義」の外交政策への支持ではない。全く逆だ。地政学的な争いでは、強い同盟関係が重要になる。良い地政学が価値判断の影響を受けないわけでもない。フランスの政治家・外交官タレーランは、戦争での勝利を継続的な秩序に変えられなかったナポレオンの無能さについて、「あなたは銃剣を使って何でもできるが、その上に安座することだけはできない」と述べたとされる。言い換えると、ハードパワーで戦争に勝つことはできるが、安定した平和を作り出すためには、さらに必要なものがあるということだ。成功する国家は、組織を立ち上げて、規範を定め、国際問題に対処するための有意義な努力を行うことを通じて正統性を確立する。
バイデン次期政権は、歴史が終わった1990年代の黄金時代を懐かしんでいる。世界政治は冷戦後、グローバルな統治を目指すように見えていた。より開かれた貿易と金融のシステムを構築し、気候変動に対応して、民主主義と人権擁護を推進し、女性と性的少数者の平等を押し進めるように見えていた。2001年9月11日に起きた同時多発テロとその後のロシアと中国の敵意により、米国の外交政策は徐々に大国間の対立に焦点を当てる方向にシフトした。この動きは、トランプ政権が2017年の国家安全保障戦略で、「大国間の争い」を米国の国際的政策目標の中心に据えたことで、ピークに達した。
次期大統領の周囲にいる人々の多くは、これが悲劇的な間違いだったと信じている。その理由の1つには、彼らが気候変動とパンデミック(感染症の世界的大流行)を大国間の対立より恐ろしく切迫した危険だとみなしていることがある。彼らはまた、公衆衛生から金融規制に至る、国家の指導者が長期間無視できないような問題に対処するという点で、人類には力強い共通の利益があると信じている。チーム・バイデンはこうした問題に対処することで、米国が世界的な同盟関係を構築し、地政学を背景に追いやることができると考えている。この考え方だと、グローバルな統治の推進は、地政学的利益の追求よりも良い国家安全保障戦略となる。
残念ながら、物事はそのように動かない。共通の利益は、地政学上の対立関係を形作る一因になり得る。例えば、米国と旧ソ連は核のデスマッチを回避したいとの望みを共有し、その結果、核兵器制限条約で合意できた。しかし、それで冷戦がなくなることはなかった。
厳しい現実は、地政学が最優先だということだ。国際秩序は、それがよって立つ地政学上の基盤と同程度までの強さと有効性しか持ち得ない。グローバル・ガバナンスの目標を持つのは良いことだ。ウィンウィンの結果を考えること、そして、同盟国を奮い立たせながら対立相手との和解を図るために共通の価値に向けて努力することは重要だ。しかし、米国およびその同盟諸国は、政治力学が適切に働くようにしなければならない。そうでないと、より平和的で持続可能な世界秩序に対する希望が消え去るのを目の当たりにすることになる。
国民に不人気な中東紛争と金融危機で身動きが取れなくなったジョージ・W・ブッシュ(子)政権の末期、ロシアと中国は米国の弱さを感じ取った。こうした状況の責任がオバマ政権にあったわけではないが、同政権は事態に効果的に対応することができなかった。優柔不断でしばしば事態を把握できない米政府に対してロシアと中国がさらに攻撃的な動きを見せる中、地政学的状況はその後の8年間でずっと大きな脅威になっていった。
バイデン・チームの多くが最も注意を払っているグローバル・ガバナンスの問題は、多くの民主党員が拒否する現実的な地政学上の行動なしに対応することは不可能だ。次期政権の外交政策が成功するか失敗するかは、このパラドックスを扱うバイデン氏の能力にかかってくるだろう。
バイデン氏のチームは中国への対応で「良い警官と悪い警官(同情と脅迫)」の役割を演じていると、ウォルター・ラッセル・ミード氏
硬軟織り交ぜた戦略は、現段階ではどちらかと言えばバイデン・チームにとって都合がよい。しかし、周囲にとって懸念材料になるのは、これから先、中国のような強大なライバルと対峙する際に新政権が取る可能性のある、あいまいな姿勢だとミード氏。
台頭する中国が米国およびインド太平洋地域の同盟諸国に及ぼす脅威に効果的に対応できなければ、その手法はチームを脱線させかねないと。
トランプ政権について批判できる点は多くあるものの、政権のメンバーは、地政学的な成功がなければ、気候変動、人権、ジェンダー政治について米国人がどう考えても、あまり意味がないことを理解していた。
これは、「米国第1主義」の外交政策への支持ではない。全く逆だ。地政学的な争いでは、強い同盟関係が重要になるとミード氏。
ハードパワーで戦争に勝つことはできるが、安定した平和を作り出すためには、さらに必要なものがある。成功する国家は、組織を立ち上げて、規範を定め、国際問題に対処するための有意義な努力を行うことを通じて正統性を確立すると。
バイデン次期政権は、歴史が終わった1990年代の黄金時代を懐かしんでいる。
2001年9月11日に起きた同時多発テロとその後のロシアと中国の敵意により、米国の外交政策は徐々に大国間の対立に焦点を当てる方向にシフトした。
そして、トランプ政権が2017年の国家安全保障戦略で、「大国間の争い」を米国の国際的政策目標の中心に据えたことで、ピークに達したとミード氏。
次期大統領の周囲にいる人々の多くは、これが悲劇的な間違いだったと信じていると。
彼らは気候変動とパンデミック(感染症の世界的大流行)を大国間の対立より恐ろしく切迫した危険だとみなしている。また、人類には力強い共通の利益があると信じている。この考え方だと、グローバルな統治の推進は、地政学的利益の追求よりも良い国家安全保障戦略となると。
残念ながら、物事はそのように動かない。共通の利益は、地政学上の対立関係を形作る一因になり得る。例えば、米国と旧ソ連は核のデスマッチを回避したいとの望みを共有し、その結果、核兵器制限条約で合意できた。しかし、それで冷戦がなくなることはなかったとミード氏。
厳しい現実は、地政学が最優先だということだと。
オバマ政権は事態に効果的に対応することができなかった。優柔不断でしばしば事態を把握できない米政府に対してロシアと中国がさらに攻撃的な動きを見せる中、地政学的状況はその後の8年間でずっと大きな脅威になっていったとミード氏。
中国が南シナ海で人口島の建設を開始し、不法に領土・領海と宣言し、軍事基地化を始めた時、太平洋軍司令官のハリス氏が、対応をオバマ政権に進言しましたが、オバマ氏は習近平を話し合いで説得するとし、会談に臨みました。
しかし、逆に習近平から「太平洋二分割管理」を主張され、人口島建設は進められてしまったことは、諸兄がご承知の通りです。
バイデン・チームの多くが最も注意を払っているグローバル・ガバナンスの問題は、多くの民主党員が拒否する現実的な地政学上の行動なしに対応することは不可能だ。次期政権の外交政策が成功するか失敗するかは、このパラドックスを扱うバイデン氏の能力にかかってくるだろうとミード氏。
オバマ政権の後期にパンダハガー指向がつよまりましたが、そのリードをしたスーザン・ライス氏の登用が注目されました。上院の承認の必要がないが、重要ポストとされる、国民政策委員会(Domestic Policy Council)委員長に登用しました。
ハンターバイデン氏による、チャイナケート疑惑も抱えているバイデン政権。
一方、議会の大勢は、両党ともに世界の覇権獲得を目指す中国への対抗姿勢は一致。
また、トランプ大統領は来月に行われるバイデン氏の大統領就任式に出席せず、フロリダ州で集会を開くことを検討しているとか。
バイデン氏の大統領就任式 トランプ氏欠席し集会か
バイデン政権の対中外交の行方には、目が離せません。
# 冒頭の画像は、米大統領選の選挙人投票で勝利を確実にし、デラウェア州ウィルミントンで演説するバイデン氏
この花の名前は、ノコンギク
↓よろしかったら、お願いします。