今月 8日、中国共産党は腐敗や汚職の摘発を担う中央規律検査委員会の全体会議を開き、習近平総書記は今後の「工作指針」としての「重要講話」を行った。
国内の腐敗問題について「依然、深刻で複雑だ」との厳しい現状認識を示した上で、「持久戦」という言葉を持ち出し、「粘り強く努力し、反腐敗の長い闘争に断固として勝利しなければならない」と語った。それは明らかに習総書記による「反腐敗持久戦展開」の大号令だと石平氏。
そもそも習近平が主席の座を安定させることが出来たのは、王岐山による政敵の腐敗を理由とした一掃の結果だったことは、諸兄がご承知の通りです。
★王岐山の去就と中共の苦境★2017年9月4日 – 清涟居
2012年の習政権発足以降、「反腐敗闘争の推進」はずっと政権の一枚看板であり続けていると、石平氏。
18年12月、習総書記は党の中央政治局会議で「反腐敗闘争は圧倒的な勝利を収めた」と高らかに宣言。
約 5年がたった今、習総書記自身が「腐敗は依然、深刻で複雑」との現状認識を示したことで事実上、それまでの「勝利宣言」は単なる虚言であったことを自ら暴くことになったと、石平氏。
それを承知の上で、習総書記が再び「反腐敗」の旗印を高らかに掲げて「持久戦」の展開を呼びかけたのはなぜか。背後にあるのはやはり、政権を取り巻く国内情勢の未曽有の厳しさであろうと。
経済が崩壊しつつあり、若年層を中心に大量失業が広がっている中で、国民の不平不満が日々高まり、国内はいつ爆発するかもしれぬ危機的状況となりつつある。八方ふさがりの状況下で政権としては、国民の不平不満を少しでも和らげ、人々の視線を足元の深刻な経済問題などからそらすためには、今一度「反腐敗闘争」の狼煙(のろし)を上げて〝水戸黄門式〟の反腐敗大劇場を大々的に演じてみせる以外にないと、石平氏。
その一方で、彼が示した今後の反腐敗闘争の具体的な方向性は逆に、国内の経済情勢をさらに悪化させることにもなるとも。
今後の腐敗摘発の方針として、「政・商結託の腐敗への厳罰を戦いの重点の中の重点とし、権力を利用した資本の利益追求を厳しく取り締まるべきだ。特に、金融、エネルギー、医薬、インフラ建設などの領域、そして国有企業における腐敗を深く追及しなければならない」と習近平。
今後の反腐敗闘争で、多くの民間企業やその経営者たちが摘発の標的となるのは必至。
その結果、民間企業はより一層萎縮して経済活動の展開には消極的になる。そして政府の幹部たちも企業に対する支援やテコ入れを極力避けることになるから、それらは全部、経済への悪影響となると。
習総書記は「金融、エネルギー、医薬、インフラ建設」などの産業分野を腐敗摘発の「重点領域」に指定しているが、それらの大半は、中国経済を支える重要な産業分野。
今後、反腐敗摘発の手が及ぶと、それらの産業分野において大混乱が起きてくることは火を見るより明らかだ。それは中国経済全体のさらなる沈没に拍車をかける。ただでさえ瀕死(ひんし)の状態になっている中国経済に対し、習政権の「反腐敗持久戦」が決定的な一撃を与えることになりかねないと、石平氏。
中国経済を、米国に次ぐ地位まで引き上げたのは、改革開放経済を導入した鄧小平。
それを継ぐ、共青団派をさきの党大会で一掃した習近平。登用した側近は、おべっかでひきあげられた輩ばかり。
経済成長の原動力の民間企業を弾圧し、国営企業を優先する習近平。喘ぐ国内経済不況への対策が産まれるべくもない。
国内の支持が低下、苦境に陥ると海外に敵を創り眼を逸らすのは中共の常套手段。
台湾侵攻(≒尖閣=沖縄=日本侵攻)危機が懸念される由縁ですね。
# 冒頭の画像は、中国共産党中央規律検査委員会に臨んだ習近平総書記
この花の名前は、セイヨウアブラナ
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国内の腐敗問題について「依然、深刻で複雑だ」との厳しい現状認識を示した上で、「持久戦」という言葉を持ち出し、「粘り強く努力し、反腐敗の長い闘争に断固として勝利しなければならない」と語った。それは明らかに習総書記による「反腐敗持久戦展開」の大号令だと石平氏。
【石平のChina Watch】「新・反腐敗闘争」経済に打撃 - 産経ニュース 2024/1/18
今月 8日、中国共産党は腐敗や汚職の摘発を担う中央規律検査委員会の全体会議を開き、習近平総書記は今後の「工作指針」としての「重要講話」を行った。
その中で習総書記は国内の腐敗問題について「依然、深刻で複雑だ」との厳しい現状認識を示した上で、「持久戦」という言葉を持ち出し、「粘り強く努力し、反腐敗の長い闘争に断固として勝利しなければならない」と語った。それは明らかに習総書記による新年早々の「反腐敗持久戦展開」の大号令である。
2012年の習政権発足以降、「反腐敗闘争の推進」はずっと政権の一枚看板であり続けている。そして、18年12月、習総書記は党の中央政治局会議で「反腐敗闘争は圧倒的な勝利を収めた」と高らかに宣言した。それ以来、「反腐敗闘争の圧倒的な勝利」が総書記本人の「偉大なる業績」として吹聴されてきたのだが、約 5年がたった今、習総書記自身が「腐敗は依然、深刻で複雑」との現状認識を示したことで事実上、それまでの「勝利宣言」は単なる虚言であったことを自ら暴くことになった。
それを承知の上で、習総書記が再び「反腐敗」の旗印を高らかに掲げて「持久戦」の展開を呼びかけたのはなぜか。背後にあるのはやはり、政権を取り巻く国内情勢の未曽有の厳しさであろう。
経済が崩壊しつつあり、若年層を中心に大量失業が広がっている中で、国民の不平不満が日々高まり、国内はいつ爆発するかもしれぬ危機的状況となりつつある。八方ふさがりの状況下で政権としては、国民の不平不満を少しでも和らげ、人々の視線を足元の深刻な経済問題などからそらすためには、今一度「反腐敗闘争」の狼煙(のろし)を上げて〝水戸黄門式〟の反腐敗大劇場を大々的に演じてみせる以外にないのである。
それこそ、習総書記が今、「反腐敗闘争」のさらなる展開を号令した最大の狙いであろう。その一方で、彼が示した今後の反腐敗闘争の具体的な方向性は逆に、国内の経済情勢をさらに悪化させることにもなるのだ。
前述の「重要講話」の中で習総書記は、今後の腐敗摘発の方針として、「政・商結託の腐敗への厳罰を戦いの重点の中の重点とし、権力を利用した資本の利益追求を厳しく取り締まるべきだ。特に、金融、エネルギー、医薬、インフラ建設などの領域、そして国有企業における腐敗を深く追及しなければならない」と指示した。
習総書記は「政・商結託」や「権力を利用した資本の利益追求」を腐敗摘発の重点とする方針を明確に示しているが、そのことは、今後の腐敗摘発が単なる党幹部だけでなく、幹部と結託している「商」と、権力を利用する「資本」にも、その矛先を向けることを意味している。
つまり今後の反腐敗闘争で、多くの民間企業やその経営者たちが摘発の標的となるのは必至だ。その結果、民間企業はより一層萎縮して経済活動の展開には消極的になる。そして政府の幹部たちも企業に対する支援やテコ入れを極力避けることになるから、それらは全部、経済への悪影響となるのであろう。
さらに、習総書記は「金融、エネルギー、医薬、インフラ建設」などの産業分野を腐敗摘発の「重点領域」に指定しているが、それらの大半は、中国経済を支える重要な産業分野である。今後、反腐敗摘発の手が及ぶと、それらの産業分野において大混乱が起きてくることは火を見るより明らかだ。それは中国経済全体のさらなる沈没に拍車をかける。ただでさえ瀕死(ひんし)の状態になっている中国経済に対し、習政権の「反腐敗持久戦」が決定的な一撃を与えることになりかねない。
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石平 せき・へい
1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
今月 8日、中国共産党は腐敗や汚職の摘発を担う中央規律検査委員会の全体会議を開き、習近平総書記は今後の「工作指針」としての「重要講話」を行った。
その中で習総書記は国内の腐敗問題について「依然、深刻で複雑だ」との厳しい現状認識を示した上で、「持久戦」という言葉を持ち出し、「粘り強く努力し、反腐敗の長い闘争に断固として勝利しなければならない」と語った。それは明らかに習総書記による新年早々の「反腐敗持久戦展開」の大号令である。
2012年の習政権発足以降、「反腐敗闘争の推進」はずっと政権の一枚看板であり続けている。そして、18年12月、習総書記は党の中央政治局会議で「反腐敗闘争は圧倒的な勝利を収めた」と高らかに宣言した。それ以来、「反腐敗闘争の圧倒的な勝利」が総書記本人の「偉大なる業績」として吹聴されてきたのだが、約 5年がたった今、習総書記自身が「腐敗は依然、深刻で複雑」との現状認識を示したことで事実上、それまでの「勝利宣言」は単なる虚言であったことを自ら暴くことになった。
それを承知の上で、習総書記が再び「反腐敗」の旗印を高らかに掲げて「持久戦」の展開を呼びかけたのはなぜか。背後にあるのはやはり、政権を取り巻く国内情勢の未曽有の厳しさであろう。
経済が崩壊しつつあり、若年層を中心に大量失業が広がっている中で、国民の不平不満が日々高まり、国内はいつ爆発するかもしれぬ危機的状況となりつつある。八方ふさがりの状況下で政権としては、国民の不平不満を少しでも和らげ、人々の視線を足元の深刻な経済問題などからそらすためには、今一度「反腐敗闘争」の狼煙(のろし)を上げて〝水戸黄門式〟の反腐敗大劇場を大々的に演じてみせる以外にないのである。
それこそ、習総書記が今、「反腐敗闘争」のさらなる展開を号令した最大の狙いであろう。その一方で、彼が示した今後の反腐敗闘争の具体的な方向性は逆に、国内の経済情勢をさらに悪化させることにもなるのだ。
前述の「重要講話」の中で習総書記は、今後の腐敗摘発の方針として、「政・商結託の腐敗への厳罰を戦いの重点の中の重点とし、権力を利用した資本の利益追求を厳しく取り締まるべきだ。特に、金融、エネルギー、医薬、インフラ建設などの領域、そして国有企業における腐敗を深く追及しなければならない」と指示した。
習総書記は「政・商結託」や「権力を利用した資本の利益追求」を腐敗摘発の重点とする方針を明確に示しているが、そのことは、今後の腐敗摘発が単なる党幹部だけでなく、幹部と結託している「商」と、権力を利用する「資本」にも、その矛先を向けることを意味している。
つまり今後の反腐敗闘争で、多くの民間企業やその経営者たちが摘発の標的となるのは必至だ。その結果、民間企業はより一層萎縮して経済活動の展開には消極的になる。そして政府の幹部たちも企業に対する支援やテコ入れを極力避けることになるから、それらは全部、経済への悪影響となるのであろう。
さらに、習総書記は「金融、エネルギー、医薬、インフラ建設」などの産業分野を腐敗摘発の「重点領域」に指定しているが、それらの大半は、中国経済を支える重要な産業分野である。今後、反腐敗摘発の手が及ぶと、それらの産業分野において大混乱が起きてくることは火を見るより明らかだ。それは中国経済全体のさらなる沈没に拍車をかける。ただでさえ瀕死(ひんし)の状態になっている中国経済に対し、習政権の「反腐敗持久戦」が決定的な一撃を与えることになりかねない。
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石平 せき・へい
1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
そもそも習近平が主席の座を安定させることが出来たのは、王岐山による政敵の腐敗を理由とした一掃の結果だったことは、諸兄がご承知の通りです。
★王岐山の去就と中共の苦境★2017年9月4日 – 清涟居
2012年の習政権発足以降、「反腐敗闘争の推進」はずっと政権の一枚看板であり続けていると、石平氏。
18年12月、習総書記は党の中央政治局会議で「反腐敗闘争は圧倒的な勝利を収めた」と高らかに宣言。
約 5年がたった今、習総書記自身が「腐敗は依然、深刻で複雑」との現状認識を示したことで事実上、それまでの「勝利宣言」は単なる虚言であったことを自ら暴くことになったと、石平氏。
それを承知の上で、習総書記が再び「反腐敗」の旗印を高らかに掲げて「持久戦」の展開を呼びかけたのはなぜか。背後にあるのはやはり、政権を取り巻く国内情勢の未曽有の厳しさであろうと。
経済が崩壊しつつあり、若年層を中心に大量失業が広がっている中で、国民の不平不満が日々高まり、国内はいつ爆発するかもしれぬ危機的状況となりつつある。八方ふさがりの状況下で政権としては、国民の不平不満を少しでも和らげ、人々の視線を足元の深刻な経済問題などからそらすためには、今一度「反腐敗闘争」の狼煙(のろし)を上げて〝水戸黄門式〟の反腐敗大劇場を大々的に演じてみせる以外にないと、石平氏。
その一方で、彼が示した今後の反腐敗闘争の具体的な方向性は逆に、国内の経済情勢をさらに悪化させることにもなるとも。
今後の腐敗摘発の方針として、「政・商結託の腐敗への厳罰を戦いの重点の中の重点とし、権力を利用した資本の利益追求を厳しく取り締まるべきだ。特に、金融、エネルギー、医薬、インフラ建設などの領域、そして国有企業における腐敗を深く追及しなければならない」と習近平。
今後の反腐敗闘争で、多くの民間企業やその経営者たちが摘発の標的となるのは必至。
その結果、民間企業はより一層萎縮して経済活動の展開には消極的になる。そして政府の幹部たちも企業に対する支援やテコ入れを極力避けることになるから、それらは全部、経済への悪影響となると。
習総書記は「金融、エネルギー、医薬、インフラ建設」などの産業分野を腐敗摘発の「重点領域」に指定しているが、それらの大半は、中国経済を支える重要な産業分野。
今後、反腐敗摘発の手が及ぶと、それらの産業分野において大混乱が起きてくることは火を見るより明らかだ。それは中国経済全体のさらなる沈没に拍車をかける。ただでさえ瀕死(ひんし)の状態になっている中国経済に対し、習政権の「反腐敗持久戦」が決定的な一撃を与えることになりかねないと、石平氏。
中国経済を、米国に次ぐ地位まで引き上げたのは、改革開放経済を導入した鄧小平。
それを継ぐ、共青団派をさきの党大会で一掃した習近平。登用した側近は、おべっかでひきあげられた輩ばかり。
経済成長の原動力の民間企業を弾圧し、国営企業を優先する習近平。喘ぐ国内経済不況への対策が産まれるべくもない。
国内の支持が低下、苦境に陥ると海外に敵を創り眼を逸らすのは中共の常套手段。
台湾侵攻(≒尖閣=沖縄=日本侵攻)危機が懸念される由縁ですね。
# 冒頭の画像は、中国共産党中央規律検査委員会に臨んだ習近平総書記
この花の名前は、セイヨウアブラナ
↓よろしかったら、お願いします。