米中の貿易戦争で、課税合戦がエスカレートしていますが、輸入が米国より少ない中国が不利であることは、衆知の事実。
そこで、課税合戦以外の対抗措置もとらねばならない中国が、保有する米国債の売却を始めたのではないかとみられる、中国の米国債の保有残高減が発生しているのだそうです。
米国債売却が進めば、金利上昇が世界に広がり、日本にも影響が及ぶと警告を発しておられるのは、産経新聞の山口暢彦記者。
7月の中国による米国債の保有残高が 1兆1710億ドルと、半年ぶりの低水準まで減少したのだそうです。
2017年8月以降、中国による米国債の保有残高は、細かな増減を繰り返しながらも、減少トレンドにあり、市場では「中国が嫌がらせで米国債を売り始めたのではないか」との見方がささやかれのだそうですが、今年の7月、トランプ米政権が中国に対し、知的財産権侵害を理由とした第1弾となる約340億ドルの追加関税を発動した月。市場では、中国が“対抗措置”として米国債を手放したのではないかとの見方が浮上したのだそうです。
中国が米国債の売却を本格化し、米金利がさらに上がれば、米国の政府も民間も金利負担が増え、景気が冷え込んで、米国の経済成長が後退する可能性があり、中国の報復が成し遂げられる。
しかし、米国の金利上昇は、米国に留まらず、中国や日本も含め世界に広がるため、中国が進めている債権処理にも悪影響がおよぶことになるとも。
それでも中国が報復を優先させて米国債売却を進めるのか。単なる嫌がらせの牽制なのか。日本にも影響が及ぶ話なので、警戒が必要な話です。
余談になりますが、マティス国防長官の「更迭」の可能性が報じられていますね。
諸兄がご承知の通り、トランプ大統領の軍事暴走を抑えているとされるマティス長官。その抑止力が無くなると、軍事的抗争も発展しかねないことになります。
米中摩擦の深刻化は、どこまで続くのでしょう。
トランプ大統領、暴走加速でマティス氏「更迭」!? “重し”なくなり米中軍事衝突の恐れも - zakzak
椿の蕾
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そこで、課税合戦以外の対抗措置もとらねばならない中国が、保有する米国債の売却を始めたのではないかとみられる、中国の米国債の保有残高減が発生しているのだそうです。
米国債売却が進めば、金利上昇が世界に広がり、日本にも影響が及ぶと警告を発しておられるのは、産経新聞の山口暢彦記者。
【経済インサイド】中国の米国債保有残高、半年ぶり低水準 貿易戦争で対抗して売却か - SankeiBiz(サンケイビズ) 2018.10.16
7月の中国による米国債の保有残高が1兆1710億ドルと、半年ぶりの低水準まで減少した。7月といえば、トランプ米政権が中国に対し、知的財産権侵害を理由とした第1弾となる約340億ドルの追加関税を発動した月だ。市場では、中国が“対抗措置”として米国債を手放し始めたのではないかとの見方も浮上する。米中の貿易戦争が深刻化する中、今後、かりに中国が“対抗カード”として米国債売却を加速すれば、米長期金利が上昇に向かい、米国経済、ひいては世界経済が冷え込むことになりかねない。
中国による米国債の保有残高は、海外勢による保有残高の2割弱を占め、首位をキープしてきた。ちなみに、ずっと2位を保っているのは日本で、7月は1兆355億ドルだった。米国の財政は、いわば中国と日本からの「借金頼み」で運営してきたということもできる。
中国による保有残高は5月が1兆1813億ドル、6月が1兆1787億ドル。7月までで、3カ月連続で減少した。7月の水準は、1月の1兆1682億ドル以来の低さだ。
また、より中長期で眺めると、直近のピークは17年8月の1兆2017億ドルだった。この月は、トランプ米大統領が11日の中国の習近平国家主席との電話会談で、通商法301条に基づく対中貿易の調査開始を準備していると通告したと報じられた月だ。米中の貿易摩擦の深刻化が、より意識され始めた時期となる。
17年8月以降、中国による米国債の保有残高は、細かな増減を繰り返しながらも、減少トレンドへ向かった。市場では「中国が嫌がらせで米国債を売り始めたのではないか」との見方もささやかれている。
経済的に対立する国への嫌がらせとして国債を売るという選択肢は、十分にありうることだ。実際、かつて米国との間で深刻な貿易摩擦を抱えていた日本も、橋本龍太郎首相(当時)が1997年、「米国債を売りたい誘惑にかられたことが何度かある」と発言し、市場の混乱を招いた例がある。
米国と中国の対立は過熱する一方だ。今年7月6日には第1弾となる340億ドル相当の、8月23日には第2弾となる160億ドル相当の追加関税を発動。さらには9月24日、第3弾となる2千億ドル相当の追加関税も発動した。これらに対し、中国は同規模の報復関税措置を実施している。
トランプ米大統領は、さらに残り全ての輸入品に対し25%の関税を課す考えも示しており、米中の貿易戦争は「泥沼」の様相だ。
もっとも、輸入総額が大きく米国を下回る中国が、今後、同じ規模の報復関税を打ち出し続けることは不可能といえる。そこで浮上しているのが、中国が米国債の売却を加速するのではないかという観測だ。
米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策を手じまう「出口戦略」にかじをきっていることもあり、すでに米国の長期金利は3%前後で高止まりしている。
今後、かりに中国が米国債の売却を本格化し、米金利がさらに上がれば、米国の政府部門も、家計・企業の民間部門も債務返済負担が一気に苦しくなり、景気が冷え込んで、続いている米国経済の成長は後退する恐れがある。貿易摩擦の影響で景気が低迷しているとされる中国としては、見事に「反撃」できるというわけだ。
ただ一方で、中国も簡単に「国債売り」は進められないという見方も強い。
財務官や国際協力銀行総裁を歴任し、現在、国際通貨研究所理事長をつとめる渡辺博史氏は、中国を含む世界の金利は、米国の金利が上がれば、あわせて上昇すると指摘。金利が上がれば、中国が進める不良債権処理が苦しくなることは、「中国もわかっているはずだ」とする。
また、中国にとって、豊富に外貨を持っておくことは人民元の安定につながるため、簡単に米国債を売りに走らないのではないかとの考えもある。
ただ、トランプ米大統領は中国への追い込みを緩める気配をみせていない。「北朝鮮によるミサイル発射と同じで、本当に(米国債売却を)やるかもしれないと冷や冷やしている人はいる」(渡辺氏)。米国の金利の動向は日本の金利や、外国為替市場の円ドル相場の動向にも影響し、「対岸の火事」ではないだけに、注視が必要だ。(山口暢彦)
7月の中国による米国債の保有残高が1兆1710億ドルと、半年ぶりの低水準まで減少した。7月といえば、トランプ米政権が中国に対し、知的財産権侵害を理由とした第1弾となる約340億ドルの追加関税を発動した月だ。市場では、中国が“対抗措置”として米国債を手放し始めたのではないかとの見方も浮上する。米中の貿易戦争が深刻化する中、今後、かりに中国が“対抗カード”として米国債売却を加速すれば、米長期金利が上昇に向かい、米国経済、ひいては世界経済が冷え込むことになりかねない。
中国による米国債の保有残高は、海外勢による保有残高の2割弱を占め、首位をキープしてきた。ちなみに、ずっと2位を保っているのは日本で、7月は1兆355億ドルだった。米国の財政は、いわば中国と日本からの「借金頼み」で運営してきたということもできる。
中国による保有残高は5月が1兆1813億ドル、6月が1兆1787億ドル。7月までで、3カ月連続で減少した。7月の水準は、1月の1兆1682億ドル以来の低さだ。
また、より中長期で眺めると、直近のピークは17年8月の1兆2017億ドルだった。この月は、トランプ米大統領が11日の中国の習近平国家主席との電話会談で、通商法301条に基づく対中貿易の調査開始を準備していると通告したと報じられた月だ。米中の貿易摩擦の深刻化が、より意識され始めた時期となる。
17年8月以降、中国による米国債の保有残高は、細かな増減を繰り返しながらも、減少トレンドへ向かった。市場では「中国が嫌がらせで米国債を売り始めたのではないか」との見方もささやかれている。
経済的に対立する国への嫌がらせとして国債を売るという選択肢は、十分にありうることだ。実際、かつて米国との間で深刻な貿易摩擦を抱えていた日本も、橋本龍太郎首相(当時)が1997年、「米国債を売りたい誘惑にかられたことが何度かある」と発言し、市場の混乱を招いた例がある。
米国と中国の対立は過熱する一方だ。今年7月6日には第1弾となる340億ドル相当の、8月23日には第2弾となる160億ドル相当の追加関税を発動。さらには9月24日、第3弾となる2千億ドル相当の追加関税も発動した。これらに対し、中国は同規模の報復関税措置を実施している。
トランプ米大統領は、さらに残り全ての輸入品に対し25%の関税を課す考えも示しており、米中の貿易戦争は「泥沼」の様相だ。
もっとも、輸入総額が大きく米国を下回る中国が、今後、同じ規模の報復関税を打ち出し続けることは不可能といえる。そこで浮上しているのが、中国が米国債の売却を加速するのではないかという観測だ。
米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策を手じまう「出口戦略」にかじをきっていることもあり、すでに米国の長期金利は3%前後で高止まりしている。
今後、かりに中国が米国債の売却を本格化し、米金利がさらに上がれば、米国の政府部門も、家計・企業の民間部門も債務返済負担が一気に苦しくなり、景気が冷え込んで、続いている米国経済の成長は後退する恐れがある。貿易摩擦の影響で景気が低迷しているとされる中国としては、見事に「反撃」できるというわけだ。
ただ一方で、中国も簡単に「国債売り」は進められないという見方も強い。
財務官や国際協力銀行総裁を歴任し、現在、国際通貨研究所理事長をつとめる渡辺博史氏は、中国を含む世界の金利は、米国の金利が上がれば、あわせて上昇すると指摘。金利が上がれば、中国が進める不良債権処理が苦しくなることは、「中国もわかっているはずだ」とする。
また、中国にとって、豊富に外貨を持っておくことは人民元の安定につながるため、簡単に米国債を売りに走らないのではないかとの考えもある。
ただ、トランプ米大統領は中国への追い込みを緩める気配をみせていない。「北朝鮮によるミサイル発射と同じで、本当に(米国債売却を)やるかもしれないと冷や冷やしている人はいる」(渡辺氏)。米国の金利の動向は日本の金利や、外国為替市場の円ドル相場の動向にも影響し、「対岸の火事」ではないだけに、注視が必要だ。(山口暢彦)
7月の中国による米国債の保有残高が 1兆1710億ドルと、半年ぶりの低水準まで減少したのだそうです。
2017年8月以降、中国による米国債の保有残高は、細かな増減を繰り返しながらも、減少トレンドにあり、市場では「中国が嫌がらせで米国債を売り始めたのではないか」との見方がささやかれのだそうですが、今年の7月、トランプ米政権が中国に対し、知的財産権侵害を理由とした第1弾となる約340億ドルの追加関税を発動した月。市場では、中国が“対抗措置”として米国債を手放したのではないかとの見方が浮上したのだそうです。
中国が米国債の売却を本格化し、米金利がさらに上がれば、米国の政府も民間も金利負担が増え、景気が冷え込んで、米国の経済成長が後退する可能性があり、中国の報復が成し遂げられる。
しかし、米国の金利上昇は、米国に留まらず、中国や日本も含め世界に広がるため、中国が進めている債権処理にも悪影響がおよぶことになるとも。
それでも中国が報復を優先させて米国債売却を進めるのか。単なる嫌がらせの牽制なのか。日本にも影響が及ぶ話なので、警戒が必要な話です。
余談になりますが、マティス国防長官の「更迭」の可能性が報じられていますね。
諸兄がご承知の通り、トランプ大統領の軍事暴走を抑えているとされるマティス長官。その抑止力が無くなると、軍事的抗争も発展しかねないことになります。
米中摩擦の深刻化は、どこまで続くのでしょう。
トランプ大統領、暴走加速でマティス氏「更迭」!? “重し”なくなり米中軍事衝突の恐れも - zakzak
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