遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国に頼らない体制構築を進めるべき

2010-02-15 00:28:13 | 日本を護ろう
 中国の経済発展を背景とした「倣岸不遜」ぶりに、「G2」が取りざたされた米国でいまやともに世界を先導することはありえないとする「中国異質論」が台頭しているのだそうです。
 米国の、対中国観の急激な変化については昨日も触れましたが、今日、読売の記事でも変化の背景に触れた記事がありました。
 
米で「G2幻想論」 中国は傲岸不遜で信用できぬ 国際協調無視に失望 (2/14 読売朝刊)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国と中国が今後の世界秩序を主導するという「G2」論が取りざたされていた米国で、今度は、中国の思考は米国とはかけ離れており、ともに世界を先導することなどあり得ないとする「中国異質論」が台頭している。対中国観の劇的な変化の背景には、気候変動やイラン核問題などで米国や国際社会と共同歩調を取らない中国への強いいら立ちがある。
 
 「グローバル・パワーとして浮上したことで思い上がった中国は、経験の浅いオバマ大統領をどこまで追い込めるか試している」
 米紙ワシントン・ポスト(4日付)は社説で、オバマ政権が諸懸案で中国からの協力を期待して同国の人権問題に目をつぶり、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマー4世との会談を延期するなど妥協を重ねたせいで、逆に中国は付け上がったと批判した。
 この社説に代表されるように、中国の「傲岸不遜」ぶりに対する米国内の拒絶反応は急速に高まっている。
 オバマ大統領は昨年11月、北京での胡錦濤国家主席との会談で、中国と「前向きで協力的で包括的なパートナー関係を築く」と表明した。ところが、翌12月にコペンハーゲンで行われた気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)では中国の非妥協的態度が主因となって目立った成果を打ち出せず、中国への失望感を広げるとともに、G2論の幻想を早々と打ち砕いた。
 オバマ政権が今年1月、台湾への兵器売却を決めると、中国は兵器を供給する米企業への制裁を警告するという異例の措置に出た。
 今月18日に予定されるオバマ大統領とダライ・ラマの初会談をめぐっても、歴代米大統領が1990年以降、会談を重ねているにもかかわらず、今回は報復まで予告した。
 中国が強気に出た理由について、世界経済危機以降、国際社会で中国の影響力が高まり、中国抜きに世界は動かないとの確信を深めたとの分析が目立つ。米中関係に詳しい研究家アンドリュー・スモール氏は、「中国は、たとえ悪者と見られようとも、自国の発展を目指し始めた」と指摘し、国際的な懸案の解決で中国に頼らない体制の構築を進めるべきだと主張する。
 一方、中国への違和感の根底には、共産主義体制に対する本質的な不信もある。元国務次官補のキム・ホームズ米ヘリテージ財団副理事長は、「中国は、世界を主導するには、あまりに権威主義的で、内向きで、信用性に欠ける」と断言した。

 記事ではきっかけとなった「COP15」のほかに本文で触れてないものも含め、米中間の最近の争点として、「人民元」「グーグル」「台湾」「チベット」の4つをあげています。
 米中の間にはこれまでもいろいろありましたが、前政権の終盤に「ステークホルダ」という概念のもとに、経済優先(国債の最大の購入先)で融和を図るようになり、オバマ新政権ではさらにその姿勢が強まり、妥協を重ねてきて、「包括的なパートナー関係」を標榜していたのでした。
 
 妥協の姿勢であったオバマ政権が、きちんと主張する姿勢に戻ったことは、いまや世界経済を主導し自信をもち更に「中華思想」を表に出し始めて「傲岸不遜」となってきた中国の脅威の認識を新たにしたことによるといえます。
 そして、中国も上述の4つの課題に対して一歩も譲らず、逆に攻めの姿勢ですね。

 世界一の外貨準備高や輸出額。日本を追い越して世界2位になろうとしているGDP。世界一の自動車消費量。枚挙にいとまがない経済成長の現実があり、この成長力を背景にアフリカ他の新興国への進出を推進し、更に輸出を増やし成長を進めるといった、かつての日本の成長モデルをそのまま実施しています。軍備も急拡大させています。

 その実力は誰もが認めるのですが、世界経済をリードしながらも、世界に対し責任や義務を果たしていない点が、米国の「中国異質論」の根拠のひとつとされています。
 責任や義務どころか、自国の利益優先で、アフリカの紛争地では人権問題のある政権に利する進出をしていますし、イランへの核への対応姿勢(日本は米国などとの板ばさみに悩みながらの資源開発交流)には、国際協調のカケラも見られません。

 そして、経済力によって可能となっている軍事力の拡大とその力を使っての、台湾海峡、南シナ海、東シナ海(ガス田、尖閣、ひいては沖縄)への覇権拡大による東南アジアの平和への危機台頭がもうひとつの要因としてあげられます。直接には米国の利害につながらないはなしですが、米国においつき追い越すという中華思想での覇権拡大はグローバルな中長期の観点から、米国のみならず世界平和という視点にたてば、大きな脅威といえます。

 ではどうやって、覇権拡大の脅威をおさえるか。
 「中国に頼らない体制の構築」が解決策のひとつだという言葉に賛同します。記事で引用されている場合の意味とは異なるのですが、中国の経済成長の元は何か、それが一極集中しているものを、適正かつ平準化すればよいのではと考えるのです。

 中国の経済成長力の起源であり、今でも基盤となっているのは輸出です。安価な製造コストでの世界の工場からスタートし最近では、経済支援と絡める日本モデルを導入した世界一となった輸出です。「中国に頼らない体制」とは、中国だけへの投資、中国からだけの輸入ではなく、ベトナム他の東南アジア、インド、脱ロシアの東欧諸国等々への分散平準化です。
 既に数年前から進められようとしているのですが、中国の内需への期待から、中国への投資はまだ止んではいません。中国に売るのは伸ばせばいいのですが、買うほうは分散すべきです。
 自由経済派の胡錦濤政権が、反日活動を制限するのは、輸出先の1, 2を占める日本を重視するからです。

 米国が認識しはじめた中国の脅威と対策の必要性。日米や世界の協調が必要ですが、日本の現状が離米、中国隷属政権となっていて、中国の長期戦略にはまってしまいつつあることが、情けなくなります。




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 続 中国の海洋戦略 



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2 コメント

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Unknown (むじな)
2010-03-01 13:51:05
>日本の現状が離米、中国隷属政権となっていて、

それをいうなら、イラク戦争参戦など、過度の対米従属の自民党に誤りがあったわけだが、その反省はどこに?

同じ米国の同盟国であるドイツはイラク戦争に反対したんですよ。

しかも同盟国である日本を差し置いて、中国を重視してきたのがほかならぬ最近の米国でしょう。
米国が悪いんですよ。

>中国の長期戦略にはまってしまいつつあることが、情けなくなります。

それなら同盟国のトヨタをバッシングする米国議会の反日活動をまずは止めてもらわないといけませんね。
トヨタをたたくなら、米国と同盟国であり続ける必然性はありませんね。

正直言って米国もぜんぜん信用できない。
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Unknown (むじな)
2010-03-01 13:47:51
>中国に売るのは伸ばせばいいのですが、買うほうは分散すべきです。

これは甘い!
中国に売るほうを伸ばしてしまったら、市場経済では消費者のほうが優位にあるんだから、中国に「買う買わない」を選別されて、経済の命運を握られてしまうよ。

もっとも中国に購買力はなく、そんなことまでするだけの経済力もないわけだけど。

要するに現状の中国は単に代替可能な生産基地でしかないってことです。
欧米日が中国製品を買わなければ中国は持たない。
実際、有毒物質問題で中国製を買わなくなっていて、だから中国経済はもはや崩壊目前になっているわけですよ。

GDPが日本を抜いたなんてのも嘘っぱち。共産国家は統計を水増しするものです。実態は今の半分しかないだろうね。
しかも人口が10倍以上いてやっと日本を追い越したということは、一人当たりの経済力は日本の10分の1だってこと。
まだまだ貧しい、たいしたことがないのが中国。
それを日本人は国土の広さに幻惑されて、過大評価して脅威を感じているだけ。

中国なんて利己主義者の集まりですから、総合国力はたいしたことないよ。むしろ韓国のほうが国力は中国より上でしょうね。

大国かどうかは国土面積や人口には関係しない。英国は大国で日本よりも国力は上ですが、面積も人口も日本より小さいですよ。

中国なんて、しょせんはシナ人の集まり。馬鹿です。

自民党支持層って経済音痴が多く、意外に中国を買いかぶっている媚中派が多いようですね。
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