遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

習近平の強硬政策へ、米国、フィリピン、ベトナムが対抗手段実行開始

2015-05-29 23:50:39 | 中国 全般
 南シナ海で、米中間の緊張が急速に高まっていることは、諸兄がご承知の通りです。
 米国にとどまらず、米国と連携を深めるフィリピンやベトナムも行動を開始している様ですね。
 その中で、米証券取引委員会(SEC)と、米司法省が、米金融大手JPモルガン・チェースの中国での贈賄疑惑に絡み、中国共産党最高指導部の政治局常務委員7人の1人で、汚職摘発を指揮する党中央規律検査委員会トップの王岐山(ワンチーシャン)氏等について調査していることが報じられています。
 王岐山氏については、先日、習近平政権で太子党がトップセブンを抑え政権が安定化されてきた。その功労者は、反腐敗キャンペーンの名のもとに政敵失脚を強行した王岐山氏の功績が大きいという話を取り上げたばかりでした。
 この一連の「トラ退治」では、太子党関連者が一切取り締まられていない点が、くすぶる火種となりかねないのは衆目が一致するところですが、取り締まりの総元締め王岐山氏が贈収賄に係っていたとすれば、「トラ退治」の推進どころか、習近平政権の基盤が崩壊しかねない事態に突入しますね。
 習近平政権の急所を攻撃する、米国の強かな戦術で、行方が注目されます。

 
習近平政権 「太子党」がトップセブンの中枢を押さえ込んだ - 遊爺雑記帳
 
中国幹部の情報要求 不正疑い35人分 米、JPモルガンに (5/29 読売朝刊)

 【ニューヨーク=広瀬英治】米金融大手JPモルガン・チェースの中国での贈賄疑惑に絡み、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は27日、米証券取引委員会(SEC)がJPモルガンに対し、中国の最高幹部クラス35人とのあらゆる会話記録などを提出するよう命じたと報じた。35人のリストの筆頭には、中国共産党最高指導部の政治局常務委員7人の1人で、汚職摘発を指揮する党中央規律検査委員会トップの王岐山(ワンチーシャン)氏
が挙げられている。米司法省もJPモルガンに対し、王氏に関する情報を求めているとされる。
 同紙によると、リストには王氏のほか、高虎城(ガオフーチョン)商務相らが含まれる。同紙は、米当局の調査について、JPモルガンが中国高官の子弟を縁故採用し、中国での事業で便宜供与を受けたかどうかが焦点だと指摘している。一方、リストに記載された人物に、違法行為の証拠が見つかっているわけではないという。


 ベトナムとフィリピンが米国との連携を強めて抑止力を高めつつ、実効支配を強める対抗策実行に動き始めたのだそうです。3国が連携して中国に対抗する動きを強めているのです。
 

対中国 荒れる南シナ海 (5/29 読売朝刊)

フィリピン 関与強化で米と合意
ベトナム 主権主張し埋め立て


 南シナ海での中国の強引な海洋進出を巡り、フィリピンやベトナムなど利害関係国が対抗姿勢を強めている。フィリピンと米国は27日、ハワイで国防相会談を行い、スプラトリー(南沙)諸島での中国による岩礁埋め立ての中止などを求めていく方針を確認した。一方、ベトナムは同諸島内の実効支配地域で埋め立て
を行っている。各国の対立は今後、一段と深刻化する恐れがある。(バンコク 児玉浩太郎、北京 竹内誠一郎)

いち早く訴え
 フィリピンは、中国による埋め立ての写真を昨年5月に公表するなど、南シナ海問題をいち早く国際社会に訴えた国だ。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合などでも理解を求めてきたが、中国から経済的な影響を受ける国が多い中、「連帯」の機運は高まっていない。
 そうした現実にしびれを切らしてか、
フィリピンは最近、具体的な行動に出始めた。デルロサリオ外相は3月末、実効支配する同諸島パグアサ島(英語名はティトゥ島)にある滑走路を補修する可能性に言及した。今月11日には、国軍のカタパン参謀総長が同島を訪れ、駐留部隊を視察
。「島は我々の管理下にあり、守らなければならない」と述べ、兵士らを激励した。
 27日の米比国防相会談では、南シナ海問題への関与を強めるという発言を米国側から引き出した。
カーター米国防長官は、「全ての紛争の平和的解決と、全ての当事者による即刻かつ永続的な埋め立ての停止を望む。係争地のこれ以上の軍事化にも反対する」
と語った。

正当性を強調
 
スプラトリー(南沙)諸島のウェストロンドン礁など少なくとも2か所で埋め立て工事に乗り出したのがベトナム
だ。米戦略国際問題研究所(CSIS)が今月公開した衛星写真で明らかになった。
 ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官は14日の記者会見で、「ベトナムには議論の余地がない主権がある。古い施設を改修する目的の活動で、現状を変更するものではない」と工事の正当性を強調。さらに、「ベトナムの主権を侵害する全ての行為には強く反対する」と述べ、中国を改めてけん制した。
 
国際社会へのアピール
も図っている。国営紙タンニエン(電子版)は19日、中国が進める岩礁埋め立てやビル建設の様子を写真付きで報じた。
 今年はベトナム戦争終結40年、米越国交正常化20年にあたる。ベトナムの
最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長は、同党書記長として初の訪米を7月にも予定しており、南シナ海問題で米との連携強化を図る
とみられる。

不快感あらわ
 こうした動きに中国は不快感をあらわにしている。中国外務省の華春瑩・副報道局長は27日の定例記者会見で、「中国は自ら面倒を引き起こすことはしないが、主権と領土を守る意思と能力がある」と述べた。
 しかし、南シナ海での岩礁埋め立ての口火を切ったのは、中国だ。昨年後半以降、大規模な埋め立て工事や施設建設を加速させ、ファイアリー・クロス礁(永暑礁)を「永暑島」に変えた。米国防総省の今月8日の発表によると、南沙諸島での中国の埋め立て地の面積は、昨年末から4か月余りで約4倍の約8平方キロに広がった。永暑島では、滑走路などインフラ建設も進行している。
 中国軍関係者によると、
習近平国家主席は、日米や越比からの批判には取り合わず、作業を進めるよう指示
。米国に南シナ海で警戒監視活動などをさせることで、「疲弊させる狙いがある」との見方もある。

  南シナ海の中国の暴挙については、早くからベトナムが主導して、「南シナ海行動宣言(DOC)」から、「南シナ海行動規範(COC)」策定へ向けて協議が重ねられていますが、中国の札束外交に屈した国々の動きのなさから進展が観られていないことは、諸兄がご承知の通りです。

 フィリピンとベトナムが、直接の軍の衝突もあることからも、緊張が急速に高まる海域での、実効支配強化の対抗行動を始めようとしているのです。
 日本も、安倍政権により「集団的自衛権」行使実現に向けて、法改正を進めるために、国会審議が始まっています。
 しかし、内容は平和ボケしたもので、野党は変動する国際情勢のなかで、国と国民をどう守るのかの政見を討議するのではなく、重箱の隅をつつく以下の失言を引き出すための挑発に時間を費やすだけの空虚さを露呈しています。自己の議席や政局を優先させ、国民や国の安全保障への政治理念が欠乏しているからです。

 冒頭の話題に戻りますが、王岐山氏の収賄疑惑。公に話題に上るだけでも、習近平政権には痛手でしょう。
 江沢民・上海グループ、胡錦濤・共青団派と三つ巴での政局争いに、腐敗撲滅の御旗のもとに政敵を駆逐し、そのことで国民の支持を得て、ようやく不安定だった政権基盤の安定化の兆しが見えてきた矢先。その腐敗撲滅の陣頭指揮を執る王岐山氏に疑惑発生ですから、国民の支持も陰りが出てくるでしょう。
 どう打開するのか、一段と強硬策に走るのか、一歩後退して、戦線を整えるのか、習近平の動向に注目ですね。



 # 冒頭の画像は、王岐山氏






  この花の名前は、ミチノクコザクラ (撮影場所;六甲高山植物園 2014年 5月 撮影)


↓よろしかったら、お願いします。






Fotolia


中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5月28日(木)のつぶやき | トップ | 5月29日(金)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国 全般」カテゴリの最新記事