尖閣近海では、実効支配の実績造りで長期戦を展開し、公船の数の増強や定期巡回の定着化や領海侵入頻度の増加、公船の管理体制の統合を実施してきている中国ですが、新たな戦術を増強してきたようですね。
統合された新体制の国家海洋局所属の公船によるものではなく、国営企業(上海海洋石油局)の海洋調査船による海洋調査という新手段は、昨年11月に登場していたのだそうですが、出没頻度が高まってきたのだとか。ジャブを繰り出し、様子を見ながらエスカレートさせて来る常套手段ですね。
今日はまた「海監51」「海監5001」等4隻が、尖閣国有化以来50回目という従来戦術の領海侵犯を実施しました。
中国船4隻が一時領海侵入 尖閣周辺、国有化後50回目 - 47NEWS(よんななニュース)
棚上げしたものを日本側が約束を破って仕掛けたとか、ポツダム宣言が有効で日本は戦後の体制を崩そうとしているとか言いたい放題の中国です。
勝手に棚上げ論をぶち上げ、「核心的利益」と勝手に宣言して太平洋への進出を虎視眈々と隙を狙い、あるいは日米韓の分断を計り進めているのは、むしろ中国なのです。
細かな話ですが、「DISCOVERER2」はワイヤ8本を曳航しながら航行していたとの報道ですが、何が目的なのか、議論が割れています。
1つは、上海海洋石油局本来の目的の「東シナ海、南シナ海、黄海などの海域で新しい油田を発見し、採掘開発基地を速やかに建設すること」の為の調査。(ロープを曳航ということは、海底の地形調査?)。もう一つは、油田開発の為の調査が主目的ではなく、非難の矛先や日本の巡視船の監視を分散させ疲弊させる為。あるいは、ロープを曳航していることから、潜水艦の訓練支援か、潜水艦探索といったことが挙げられていますね。
日本の巡視船の数が十分ではなく、増艦を進めたいが時間もかかるし数量も不十分であることの情報は、国内で頻繁に報道されていますから、中国は当然知っています。戦ですから、敵の弱点を突くのは当然の戦術で、かねてからの計画の大型新造艦を着々と就航させている中国は、弱点追及を強めるために、国家海洋局の船に加えて、新たに上海海洋石油局と言うルートを増設したのでした。
日本は法治国家ですから、安倍政権は国営企業の船であれ、公船であれ、それぞれを国内法、海洋法に照らし善処する"はず"です。
# 冒頭の画像は、海洋調査船「DISCOVERER2」
この花の名前は、オオイヌノフグリ
↓よろしかったら、お願いします。
統合された新体制の国家海洋局所属の公船によるものではなく、国営企業(上海海洋石油局)の海洋調査船による海洋調査という新手段は、昨年11月に登場していたのだそうですが、出没頻度が高まってきたのだとか。ジャブを繰り出し、様子を見ながらエスカレートさせて来る常套手段ですね。
中国企業船も尖閣接近 先月3度 EEZ内、通告せず調査 (7/1 産経)
■「上海海洋石油局に所属」
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域に6月、3度にわたって姿を現したバハマ船籍の海洋調査船が、海上保安庁の巡視船の警告に対し「上海海洋石油局の所属」と名乗っていたことがわかった。同局は中国の大手国有企業の傘下にある政府系機関で、新しい油田の発見などが主な業務。同船は以前から尖閣周辺での航行が確認されているが、頻度が急に高まっており、第11管区海上保安本部(那覇)では、中国が中央政府とは別の機関を使って尖閣での示威行為を本格化させた可能性もあるとみて、警戒を強めている。
11管によると、バハマ船籍の海洋調査船は「DISCOVERER2」。30日午前6時20分ごろ、尖閣諸島・久場島の北北西約132キロにある日本の排他的経済水域(EEZ)内でワイヤ8本を曳航(えいこう)しながら航行しているのが確認された。
海上保安庁の航空機が「同意のない調査は認められない」と警告した。
DISCOVERER2は6月17~18日と23日にも同様に航行。17日には、巡視船の警告に対し「上海海洋石油局の所属だ」と説明した上で「ここは中国の排他的経済水域で中国政府の許可を得ている」などと中国語で回答してきたという。11管は、海底資源の調査をしていた可能性もあるとみている。
EEZ内で他国が海洋調査を行う場合、海域の権益を持つ国の同意が必要で、事前に通告しなければならないが、11管によると、この船から日本に対し事前通告はなかったという。
上海海洋石油局は、大手国有企業、中国石油化工集団(シノペック)の傘下にある政府系機関で、前身は国務院地質鉱産省の上海海洋地質調査局だった。省庁再編などに伴い、1997年に国有系企業に吸収された形で中央政府から切り離され、現在の名前に変更した。シノペックのホームページなどによれば、同局の主要業務は「東シナ海、南シナ海、黄海などの海域で新しい油田を発見し、採掘開発基地を速やかに建設すること」とされている。
この船はバハマ船籍だが、同国では税制の優遇や乗組員の国籍条項を緩和したりするなどし、外国船を誘致する政策を取っている。11管では、この船も便宜上バハマに船籍を置いた「便宜置籍船」であり、「実態は中国当局の意向を受け、上海の半官半民の機関が運用している」(幹部)とみている。
DISCOVERER2は昨年11月にも尖閣周辺の日本のEEZ内で確認されたが、この際は、海保の警告に何も応答することなくすぐに海域を離れ、運用国を特定できなかった。
今回、所属を明かした理由などについては、海保は「不明」としているが、「中国の中央政府とは別の機関を使うことで、抗議の矛先を当局に向けさせないねらいも考えられる」とみる専門家もいる。
中国企業船も尖閣接近 直接批判避け長期戦 山田吉彦・東海大教授(海洋政策)
上海海洋石油局の所属だという船による尖閣への関与は、中国政府への直接の批判をかわす狙いに加え、政府とは別の機関の船には日本側も強硬な態度に出ないという考えがあると思われる。中国側は長期戦を見据えて今後もこうした手段を繰り出してくるとみられる。中国側からは尖閣の領有権の「棚上げ論」も出ているが、安易に妥協すると、日本の実効支配が揺らぐ恐れもある。日本は、尖閣を海洋保護区にして環境を前面に出して関与を強めるなど、中国の先手を打つことが重要だ。
■「上海海洋石油局に所属」
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域に6月、3度にわたって姿を現したバハマ船籍の海洋調査船が、海上保安庁の巡視船の警告に対し「上海海洋石油局の所属」と名乗っていたことがわかった。同局は中国の大手国有企業の傘下にある政府系機関で、新しい油田の発見などが主な業務。同船は以前から尖閣周辺での航行が確認されているが、頻度が急に高まっており、第11管区海上保安本部(那覇)では、中国が中央政府とは別の機関を使って尖閣での示威行為を本格化させた可能性もあるとみて、警戒を強めている。
11管によると、バハマ船籍の海洋調査船は「DISCOVERER2」。30日午前6時20分ごろ、尖閣諸島・久場島の北北西約132キロにある日本の排他的経済水域(EEZ)内でワイヤ8本を曳航(えいこう)しながら航行しているのが確認された。
海上保安庁の航空機が「同意のない調査は認められない」と警告した。
DISCOVERER2は6月17~18日と23日にも同様に航行。17日には、巡視船の警告に対し「上海海洋石油局の所属だ」と説明した上で「ここは中国の排他的経済水域で中国政府の許可を得ている」などと中国語で回答してきたという。11管は、海底資源の調査をしていた可能性もあるとみている。
EEZ内で他国が海洋調査を行う場合、海域の権益を持つ国の同意が必要で、事前に通告しなければならないが、11管によると、この船から日本に対し事前通告はなかったという。
上海海洋石油局は、大手国有企業、中国石油化工集団(シノペック)の傘下にある政府系機関で、前身は国務院地質鉱産省の上海海洋地質調査局だった。省庁再編などに伴い、1997年に国有系企業に吸収された形で中央政府から切り離され、現在の名前に変更した。シノペックのホームページなどによれば、同局の主要業務は「東シナ海、南シナ海、黄海などの海域で新しい油田を発見し、採掘開発基地を速やかに建設すること」とされている。
この船はバハマ船籍だが、同国では税制の優遇や乗組員の国籍条項を緩和したりするなどし、外国船を誘致する政策を取っている。11管では、この船も便宜上バハマに船籍を置いた「便宜置籍船」であり、「実態は中国当局の意向を受け、上海の半官半民の機関が運用している」(幹部)とみている。
DISCOVERER2は昨年11月にも尖閣周辺の日本のEEZ内で確認されたが、この際は、海保の警告に何も応答することなくすぐに海域を離れ、運用国を特定できなかった。
今回、所属を明かした理由などについては、海保は「不明」としているが、「中国の中央政府とは別の機関を使うことで、抗議の矛先を当局に向けさせないねらいも考えられる」とみる専門家もいる。
中国企業船も尖閣接近 直接批判避け長期戦 山田吉彦・東海大教授(海洋政策)
上海海洋石油局の所属だという船による尖閣への関与は、中国政府への直接の批判をかわす狙いに加え、政府とは別の機関の船には日本側も強硬な態度に出ないという考えがあると思われる。中国側は長期戦を見据えて今後もこうした手段を繰り出してくるとみられる。中国側からは尖閣の領有権の「棚上げ論」も出ているが、安易に妥協すると、日本の実効支配が揺らぐ恐れもある。日本は、尖閣を海洋保護区にして環境を前面に出して関与を強めるなど、中国の先手を打つことが重要だ。
今日はまた「海監51」「海監5001」等4隻が、尖閣国有化以来50回目という従来戦術の領海侵犯を実施しました。
中国船4隻が一時領海侵入 尖閣周辺、国有化後50回目 - 47NEWS(よんななニュース)
棚上げしたものを日本側が約束を破って仕掛けたとか、ポツダム宣言が有効で日本は戦後の体制を崩そうとしているとか言いたい放題の中国です。
勝手に棚上げ論をぶち上げ、「核心的利益」と勝手に宣言して太平洋への進出を虎視眈々と隙を狙い、あるいは日米韓の分断を計り進めているのは、むしろ中国なのです。
細かな話ですが、「DISCOVERER2」はワイヤ8本を曳航しながら航行していたとの報道ですが、何が目的なのか、議論が割れています。
1つは、上海海洋石油局本来の目的の「東シナ海、南シナ海、黄海などの海域で新しい油田を発見し、採掘開発基地を速やかに建設すること」の為の調査。(ロープを曳航ということは、海底の地形調査?)。もう一つは、油田開発の為の調査が主目的ではなく、非難の矛先や日本の巡視船の監視を分散させ疲弊させる為。あるいは、ロープを曳航していることから、潜水艦の訓練支援か、潜水艦探索といったことが挙げられていますね。
日本の巡視船の数が十分ではなく、増艦を進めたいが時間もかかるし数量も不十分であることの情報は、国内で頻繁に報道されていますから、中国は当然知っています。戦ですから、敵の弱点を突くのは当然の戦術で、かねてからの計画の大型新造艦を着々と就航させている中国は、弱点追及を強めるために、国家海洋局の船に加えて、新たに上海海洋石油局と言うルートを増設したのでした。
日本は法治国家ですから、安倍政権は国営企業の船であれ、公船であれ、それぞれを国内法、海洋法に照らし善処する"はず"です。
# 冒頭の画像は、海洋調査船「DISCOVERER2」
この花の名前は、オオイヌノフグリ
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