遊爺雑記帳

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対中政策のキーマン、キャンベル氏の親中すぎる過去

2021-02-06 01:23:56 | 米国 全般
 米国のバイデン政権は、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)にアジア政策を統括する「インド太平洋調整官」を新設し、カート・キャンベル元国務次官補が就任しました。
 キャンベル氏は大統領副補佐官を兼務し、外交の最重要課題となる対中政策を中心に、アジア外交を取り仕切るのだそうです。
 ところが、キャンベル氏は、中国政府と関係のある米中友好団体の幹部をかつて務めていたとして米国メディアから批判されているのだそうです。

 知日家・キャンベル氏、アジア政策を統括…新設「インド太平洋調整官」に : アメリカ大統領選挙2020 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン

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対中政策のキーマン、キャンベル氏の親中すぎる過去 米メディア、「中国共産党の対米工作機関」の幹部だったと批判 | JBpress(Japan Business Press) 2021.2.3(水) 産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授 古森 義久

 米国バイデン政権の「インド太平洋調整官」という新設の枢要ポストに任じられたカート・キャンベル氏が、中国政府と関係のある米中友好団体の幹部をかつて務めていたとして米国メディアから批判されている。

 キャンベル氏は
オバマ政権のアジア担当高官を務め、日本でもよく知られる人物だが、トランプ政権が違法と断じた中国政府機関「孔子学院」ともつながりがあったというのだ。

■「インド太平洋調整官」の役割とは
 
キャンベル氏は、民主党系の安全保障・外交専門の政治官僚として歴代民主党政権の運営に加わり、とくにオバマ政権では2009年から2013年まで東アジア・太平洋問題担当の国務次官補だった。その間、日本や中国との折衝にあたり、日本でも広く知られるようになった。

 キャンベル氏はその後、民間の研究機関などで活動してきたが、この
1月にバイデン政権の国家安全保障会議の「インド太平洋調整官」という新設のポストに任命されたこのポストは、大統領の下で中国、日本、インド、朝鮮半島などインド太平洋の広範な領域の動向に対処し、とくにこの地域で膨張を続ける中国に対応することが主要な任務とされる。

 ところがこのキャンベル氏が、
中国政府とつながりのある米中友好団体「米中強財団(The US-China Strong Foundation)」(中国名「中美強基金会」)の副会長をかつて務め、同財団の創設者の一員だったことが、ワシントンの保守系メディア「ワシントン・フリー・ビーコン」および「政治リスク・ジャーナル(Journal of Political Risk)」に1月下旬に報じられた。

■中国政府の広報活動を展開
 両メディアによると、キャンベル氏は2016年に米国で創設された
「米中強財団」の副会長を、財団創設時から少なくとも2020年8月まで務めていた米中強財団は元々、中国系米国人の実業家フロレンス・ファン氏(中国名・方李邦琴)からの寄付金100万ドルなどによって創設され、「米中両国の若者たちを交流させ、両国の友好や交流を深めること」を活動目的としてきた。しかし、同財団は実際には中国政府との関係が深く、米国内で以下のような活動を展開してきたという。

・2017年8月米中強財団中国人民解放軍創設90周年の広報活動を展開した。米国で習近平主席の人民解放軍礼賛の演説の英訳を発表し、多くの人の目に触れさせようとした。

・同時期に同財団は、中国政府の推進する「一帯一路」構想についてのキャンペーン活動を行い、その利点や美徳を強調する広報作戦を展開した。

・2018年3月には、ワシントンの全米記者クラブ内で、米国にある孔子学院本部との共催で「米中高等教育の40年間の交流成果」というタイトルの討論会を開いた。この時期にトランプ政権の司法当局は、米国内での孔子学院の活動に違法行為がある疑いから捜査を始めていた。

 
キャンベル氏は以上のような米中強財団の活動の実態を知りながら黙認、あるいは奨励した疑いが濃いという。

 もちろん、米中間の交流を促進したり、中国政府の主張を米国側に広く伝えること自体は犯罪ではない。しかし、中国政府が米国にとって有害な活動を展開するプロセスにおいて 米国側の学者、あるいは旧政府高官がその活動に加担することには少なくとも道義的な問題がある。まして、
バイデン新政権の対アジア政策の枢要部門で中国の国際規範違反などに対処することになる人物が、そのように中国と密接に関わっていたことは問題だと報道は指摘する。

■「中国共産党の対米工作機関」に協力?
 
ワシントン・フリー・ビーコンの記事は、キャンベル氏の中国との絆、あるいはその疑惑に対する批判として、米国政府の情報機関で中国の対米工作などの調査に当たった経験を持つというアンダーズ・コア氏の以下のような論評を紹介していた。

米中強財団は、中国共産党の対米工作機関の性格があると言える。表面的には米中両国間の『関与』『協力』『理解』という標語を唱えるが、実際には違法行動も含めて水面下で米側の官民に影響力を行使する多様な工作を進めている。米国の新政権の中国政策を担当する高官が、そうした組織の中枢にあったことには問題がある。改めて実態を調査することが必要だろう」

 保守系メディアからの民主党のバイデン政権の高官に対する以上のような批判が、党派性、政治性を帯びたものであることは、もちろん念頭に置く必要があるだろう。だがそれを踏まえたとしても、
こうした論議が表面に出ること自体が、中国の対米工作の広範さや、中国への政策をめぐる民主党と共和党、リベラルと保守の対立の激しさを表していると言えるだろう。

 キャンベル氏はオバマ政権のアジア担当高官を務め、日本でもよく知られる人物だが、中国政府と関係のある米中友好団体の幹部をかつて務めていたことと、トランプ政権が違法と断じた中国政府機関「孔子学院」ともつながりがあったと米国メディアから批判されていると、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森氏。

 国家安全保障会議の「インド太平洋調整官」という新設のポストは、大統領の下で中国、日本、インド、朝鮮半島などインド太平洋の広範な領域の動向に対処し、とくにこの地域で膨張を続ける中国に対応することが主要な任務。
 ところがこのキャンベル氏が、中国政府とつながりのある米中友好団体「米中強財団(The US-China Strong Foundation)」(中国名「中美強基金会」)の副会長をかつて務め、同財団の創設者の一員だったことが、ワシントンの保守系メディア「ワシントン・フリー・ビーコン」および「政治リスク・ジャーナル(Journal of Political Risk)」に1月下旬に報じられたと古森氏。

 キャンベル氏は2016年に米国で創設された「米中強財団」の副会長を、財団創設時から少なくとも2020年8月まで務めていた。
 米中強財団は元々、中国系米国人の実業家フロレンス・ファン氏(中国名・方李邦琴)からの寄付金100万ドルなどによって創設され、実際には中国政府との関係が深く、米国内で数々の活動を展開。
 キャンベル氏は米中強財団の活動の実態を知りながら黙認、あるいは奨励した疑いが濃いのだと。
 バイデン新政権の対アジア政策の枢要部門で中国の国際規範違反などに対処することになる人物が、そのように中国と密接に関わっていたことは問題だと報道は指摘していると。

 ワシントン・フリー・ビーコンの記事は、アンダーズ・コア氏の以下のような論評を紹介。
 「米中強財団は、中国共産党の対米工作機関の性格があると言える。実際には違法行動も含めて水面下で米側の官民に影響力を行使する多様な工作を進めている。米国の新政権の中国政策を担当する高官が、そうした組織の中枢にあったことには問題がある。改めて実態を調査することが必要だろう」と。

 こうした論議が表面に出ること自体が、中国の対米工作の広範さや、中国への政策をめぐる民主党と共和党、リベラルと保守の対立の激しさを表していると言えるだろうと古森氏。

 キャンベル氏が1月12日のForeign Affairsに「米国はアジアの秩序をどのようにして支えられるか」と題する論文を発表しています。
 米新政権のインド太平洋政策は「協力と抑止」か?  WEDGE Infinity(ウェッジ)

 この論文は中国への対処に焦点を絞ったものなのだが、日米同盟の役割については特に記述はされていない。むしろ対中抑止手段の自前化とか、アジアでの特定の基地への過度の依存からの脱却とか、醒めた文言が目に付く。他方、QUADについては特記されているので、豪州、インドとほぼ同等に、日本は考えられているのでないかと。
 この論文は中国について「協力と抑止」を旨としており、トランプ時代との大きな違いは見られないとも。
 日米安保関連で注目される個所は以下。
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・独自の対中抑止手段の開発を米国は助ける、としていること。これが、米国が開発している中距離核ミサイルの配備も意味することとなれば、日本国内で大きな問題となる。
・既存の基地への過度の依存は脆弱性を招くので避け、米軍を地域にもっと分散配置するとしていること。
・空母への過度の依存を薄め、別の兵器体系を開発するとしていること。

 アジア地域の多国間首脳会議への参加をうたっているが、高齢のバイデンには酷であろう。カマラ・ハリス副大統領の役割が重要になる。彼女は国際政治、外交面での経験が薄いので、日本のことを十分理解してもらうことが重要となる。
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 茂木外相の反応は以下。当然外交辞令の表向きの差しさわりのない発言ですが。。
 茂木外相、知日派キャンベル氏を歓迎 「インド太平洋を重視」 - 産経ニュース

 動き始める民主党・バイデン政権。安倍・トランプ時代の蜜月時代とはどう変わるのか、何処は変わらないのか。目が離せませんね。



 # 冒頭の画像は、カート・キャンベル氏




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