Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

悪魔が来たりて笛を吹く

2007-01-06 | TVドラマ(日本)
2007年/フジテレビ

「再確認。金田一はコミカルさがポイント」


哀しきかな、横溝ファンとしては見るまい、見るまいと思っていてもやっぱ見てしまった。
このところ、フジテレビ戦法には乗るまい!と固く思っているんだけどなあ…

ところが見てみると稲垣金田一は思ったよりもいいじゃん(笑)。これはね、またレビュー書きますが、リメイク「犬神家の一族」の石坂浩二がすこしお年を召されていて「キレ」がなかった、というのが大きいからだと思う。なので石坂金田一を観た後の稲垣金田一は若々しさがあって意外と好感もてたな。

やはり、横溝作品というのは「犯人役の演技力」が作品の最終的な印象の全てを担っている言ってもいい。誰もが知っている犯人。一同を前にしての独白。決まり切ったラストシーンの中でいかに自分が「哀しい犯人」なのかというのを視聴者に植え付けなければならない。

そう、横溝作品の犯人は「悲しくてナンボ」の存在価値なのだ。その存在が不遇で不幸で殺人犯にならなければ生きていけない苦悩を持っているからこそ、最後の独白が生きる。役者として横溝作品の犯人を依頼されるのは、かなり勇気がいることなんだろうとしみじみ思った。その点、成宮くんは、なかなか良くやっていたよ。悪魔と呼ばれる存在として生を受けた哀しみがよく出ておりました。

国仲涼子ちゃんがねえ…。あのくりくりおめめの演技がちょっと横溝ワールドとは合ってないように感じました。それからクリアな映像ね。やっぱフィルムで見たいなあ。今の時代フィルムで撮る方が予算とかかかってしまうものなんでしょうか。

お正月の2時間ドラマとしては合格点。もちろん、映画とは次元が違うので比べようがありませんが。