Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

パコと魔法の絵本

2010-11-17 | 日本映画(は行)
★★★☆ 2008年/日本 監督/中島哲也

「観客を驚かせたい」

怒濤のカラフル攻撃。次から次へとド派手なキャラクターが登場して飲めや歌えの大騒ぎで、まるでリオのカーニバルのよう。そのパワーたるや圧倒的なんだけども、これ、ハマル人とそうでない人がいるんじゃないかなあ。私は残念ながら後者の方で最初の30分くらいでお腹いっぱいになって、後半は疲れました。この感想「嫌われ松子」と同じだぞ。

でも、中島監督ってのは面白いですね。彼はCM出身なんだけど、CM作りってのは必ず「商品を売りたいターゲット」ってのが存在するでしょう?でも彼の映画を観る限り、映画制作に関してはターゲットを全く置いていないように見える。むしろ、ターゲットを絞ることで作品の自由度を失うことを最も嫌っているのではないだろうか。この作品にしても「子供向け」とか「子供向けだけど大人も楽しめる」とか、そういうターゲット層を意識した言葉ではうまく表せないんだもの。

「観客を驚かせたい」。それが中島監督のポリシーなのかもね。または「今まで見たこともないものを見せたい」とか。ところどころ、ティム・バートンとかディズニーを思い起こさせるような部分もあるんだけど、そこにヤンキーもパンクもゴスロリもぶちこんで、独自の世界観を作ってる。AKBのPVも話題だし、チャレンジャーですね、中島監督は。それにしても小池栄子がぶっとんでたなあ。夢に出てきて追いかけられそうだわ。