Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

運命の女

2011-01-29 | 外国映画(あ行)
★★★★☆ 2002年/アメリカ 監督/エイドリアン・ライン

「女のココロもカラダも映像で魅せる」

いやぁ、これはやられた。さすが、エイドリアン・ライン。官能たるは何かを心得てらっしゃる。わたしゃ感心し過ぎて、思わずうーん、うーんと唸り続けてしまったよ。

初めて浮気した日、帰りの電車で悶えるダイアン・レインのシークエンスが圧巻。つい先ほどの情事を思い出して思わずトイレに駆け込んでしまうんですよね。狭い狭い列車のトイレ内。ぐるぐると引き出されるトイレットペーパー。列車が揺れて、洗面に溜まった水がぐわんぐわんと揺れる。この水面の揺れがいろいろと想像を掻き立てるんですねー。洗面の水がエロいなんて思ったの、これが初めてですよ。

もちろん、その後続くベッドシーンの数々も非常に美しいですが、肌と肌を重ねる映像ではなく、別の方法で官能を表現する才能はピカイチだわ。この人はどういう映像にすればオンナの本能に響くのかとわかっているとしか思えない。これは、鍛えようがなくて、持って生まれたものだと思う。

ダイアン・レインが美しいってことはさておき、むしろ私はこの作品のリチャード・ギアが凄くいいと思った。クライマックス、浮気相手をいざ目の前にした時の困惑した表情。リチャード・ギアのあんな顔は初めて見た気がするなあ。

ストーリーは昼メロみたいなんだけど、溺れる女心、焦らされる女心、戸惑いの女心と中年女の心模様を映像が見事に物語っていてすばらしいのであります。