Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

氷上の王、ジョン・カリー

2019-06-18 | 外国映画(は行)
★★★★ 2018年/イギリス 監督/ジェームズ・エルスキン

恥ずかしながらジョンカリーというスケーターについてほとんど知らなかったのですが、本当に滑りが美しくて驚きました。残された映像の質は決して良くないけど、そんなこと全く気にならないほど魅了されました。特にすばらしかったのはプロ転向後の「牧神の午後」。あんなにうっとりするプログラムはないですね。ゲイであることへの社会の無理解、カンパニー立ち上げ後の運営難など、様々な問題に直面するカリーの苦難の人生。本当に見て良かったです。上映後には長光コーチのトークが20分程度。もう少し質疑応答などあれば良かったなあ。高橋選手がビートルズメドレーのプログラムを練習中、ジョンカリーの「After All」というプログラムをYouTubeで見て参考にしたとのこと。私も帰って早速見たけど、本当に優雅な滑りで見とれてしまう。スケートにしか表現できない美と芸術というものが存在するんだということを改めて思い出させてくれる映画でした。スケートファンの方はもちろんだけど、芸術家の孤独を描くという点においてもとても優れた映画だと思う。