Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

愛がなんだ

2019-06-20 | 日本映画(あ行)
★★★★ 2019年/日本 監督/今泉力哉

(映画館)

「愛がなんだ」をたくさんの若い女性に囲まれて鑑賞。原作にはないというラストシーンがとてもいい。これは自己消失の物語か、それとも自己実現の物語か。ハッピーエンドか、アンハッピーエンドか。鑑賞者の恋愛観、人生観によって180度反対の解釈ができるのがすばらしい。とはいえ、女性の自立について悩みもがき苦しんできたアラフィフとしては見ててしんどくなったのも事実。テルコ、あんたの自我はどこにある?と悲しくなる。

マモちゃんに愛されたいでも、振り向かれたいでもなく、マモちゃんになりたいってのは、あれかね?推しが来てる服を買って来たりするのと同じ心境?この究極の自己完結型恋愛をそれで良しと思うか、哀れと思うか。私がテルコの母親ならあまりに哀れでつっぷして泣く。

語り合いたくなるということでも話題だが、重々気をつけた方がいいと思う。何度も言うように本作を語ることは自己のこれまでの生き方や価値観を晒すことになり、そういう意味でとても危険な映画だと思う。本作の感想を語り合うことで、友人を失う可能性も否定できない。

テルコの突然ラップがおもしろかったね。「勝手にふるえてろ」のヨシカの突然ミュージカルを想起させる。若い女性の生き様を描いた邦画が豊作になっていく予感。若葉竜也は相変わらず最高だった。