★★★★ 2018年/アメリカ 監督/マリエル・ヘラー
有名人の気分で手紙をでっち上げる。ほんの些細な出来心。金策のために一通、また一通。物書きだからこそ、この甘美な違法行為がやめられない。ベストセラー作家でも見えない未来。孤独な独身女をメリッサ・マッカーシーが好演。全編染み渡る孤独感、寂しいけれど心地いい。
とにかくNYが舞台の映画にめっぽう弱い。摩天楼の街並、大都会で生きる人間の孤独、そしてジャズ。本作も冒頭からNYムード全開で一気に引き込まれた。地味だけど、手堅い1本。もし、私なら誰に成りすまして手紙を書こうか。不謹慎にもそんな事を考えてしまった。