Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ある女流作家の罪と罰

2020-07-06 | 外国映画(あ行)
★★★★ 2018年/アメリカ 監督/マリエル・ヘラー

有名人の気分で手紙をでっち上げる。ほんの些細な出来心。金策のために一通、また一通。物書きだからこそ、この甘美な違法行為がやめられない。ベストセラー作家でも見えない未来。孤独な独身女をメリッサ・マッカーシーが好演。全編染み渡る孤独感、寂しいけれど心地いい。

とにかくNYが舞台の映画にめっぽう弱い。摩天楼の街並、大都会で生きる人間の孤独、そしてジャズ。本作も冒頭からNYムード全開で一気に引き込まれた。地味だけど、手堅い1本。もし、私なら誰に成りすまして手紙を書こうか。不謹慎にもそんな事を考えてしまった。

SKIN スキン

2020-07-06 | 外国映画(さ行)
★★★★ 2019年/アメリカ 監督/ガイ・ナティーブ

人は孤独と貧困から逃れるため、いともたやすく差別主義者になってしまう。愛に気付けた事は幸運だが、それはまた地獄の始まり。普通の生活を手に入れるにはあまりに罪深き所業の数々。1つずつ消し去るタトゥーはこれ迄の罪の1つずつ。激痛に耐え未来の扉を叩く。希望はある。

己の罪にもがく主人公の生き様は確かに壮絶だが彼らを転向させる黒人運動家の、その忍耐強さに感銘を受けた。本作で登場シーンは少ないがぜひ彼の視点からの物語も見てみたい。そして初めて出会った少年少女にタバコを与え「ママと呼んで」と言う、そういう悪魔は日本の都会の闇にもうじゃうじゃいる。

ピーキーブラインダーズ シーズン5

2020-07-06 | TVドラマ(海外)
中国マフィアに北部勢力、次々とならず者どもが投入され、退場する人、入場する人、入り乱れての情報戦と銃撃戦。ファシズムが台頭する中、政治家となったトミーの策略は成功するか。裏切り者は誰か。全エピ密度が濃くて最高。英国ロック響き渡る傑作ドラマ。S6いつー?

タクシー運転手 約束は海を越えて

2020-07-06 | 外国映画(た行)
★★★★ 2017年/韓國 監督/チャン・フン

ソンガンホ力あっての感動作。
おバカで素直な一介のタクシー運転手が腹をくくって事を成す。その心情の移り変わりに観客が気持ちを乗せる一体感が極上。ラストのカーチェイスはやり過ぎかもしれないが、悲惨な過去の歴史をエンタメとして届けるには必須の展開。日本映画よ、続け。