Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

GIRI/HAJI

2020-07-14 | TVドラマ(海外)
★★★☆ BBC

父の役割、娘の役割。警察の掟にヤクザの掟。 そうした我々を縛るものを解体する物語と感じた。偶然の玉突きのように人と人とが交わり、暴力に巻き込まれる。それらの交わりのきっかけが「寂しさ」という点が特異。決して爽快感はない。ラストのピナバウシュにも驚かされた。

これまでのどんなドラマにもない後味と言ったらいいだろうか。本当に変わった物語だ。 平岳大、窪塚洋介、本木雅弘。イギリス人と同じ画面に入っても、ルックが実に際立っている。爽快感があるとすればそこだろう。4話くらいまでは全くノレなかったが、終わってみるとS2を期待。

否定と肯定

2020-07-14 | 外国映画(は行)
★★★★ 2016年/アメリカ・イギリス 監督/ミック・ジャクソン

ホロコーストはなかったという男に名誉毀損で裁判を起こされた主人公。裁判に勝つにはホロコーストはあったことを証明しなければならない。自明の理をなぜわざわざ…の焦燥感にも負けず粘り強く立ち向かう主人公の姿勢と戦い方に学べることは多い。

しかし訴えられた方に立証責任がある英国の裁判、キッツイな…。差別主義者は言いたい放題だし、ユダヤ人の生存者は侮辱行為を避けるため証言台に立てないし。しかし、一つ一つ検証する作業をオープンにしていくことに大きな意味がある。そうしないと「あれはなかった」野郎はいつまでも出てくるんだ。

アス

2020-07-14 | 外国映画(あ行)
★★★ 2019年/アメリカ 監督/ジョーダン・ピール

がっかり。ドッペルゲンガーに襲われるというアイデアだけで走ってしまい細部がなおざり。観念的な存在ならまだしも、具体的な世界があるならその理由や構造についてもう少しきちんと説明されるべき。初見でわかりづらい不親切設計も好みではない。二役を演じた俳優陣の熱演は凄いと思うが。



イコライザー2

2020-07-14 | 外国映画(あ行)
★★★ 2018年/アメリカ 監督/アントワン・フークア

続編になってないと思う。本作の魅力は物静かでインテリで思慮深いマッコールのキャラクター。それがうまく引き継がれていない。そこ肝だと思うのですが。19秒で暗殺シーンもとりあえず入れときましたって感じだし。悪役も登場してすぐにわかっちゃうし。ああ、もったいない。

工作 黒金星と呼ばれた男

2020-07-14 | 外国映画(か行)
★★★★☆ 2018年/日本 監督/ユン・ジョンビン

工作員、諜報部の人間関係を把握しようと終始頭はフルスロットル。北朝鮮と韓国の政治的な駆け引き、ここまで踏み込むかの圧倒的リアリティ。身元がバレたら殺されるかも、のスリリングな展開が続き、終盤まさかアイツとアイツの友情に泣かされるとは。見応え抜群。力作。

小道具がの使い方が上手い。最も印象的なのはピカピカに磨かれた眼鏡だ。主人公のかけた眼鏡に相手の持ち物や部屋の様子が映る。そこに映る物を信じていいのか。緊張感が一気に高まる。そして北朝鮮の風景が圧巻。現地撮影ではないかというクオリティ。自分も潜入員になったように鼓動が早まった。