★★★★☆ 2006年/アメリカ 監督/ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
<京都シネマにて鑑賞>
「ミスコンなんてクソだ!」
ひょんなことから少女向けのミスコンに代表として選ばれたオリーブ。おんぼろワーゲンバスに乗って、アリゾナからカリフォルニアまでいざ出発!サンダンス映画祭などで絶賛を受けた負け組家族のロードムービーは、噂に違わぬすばらしい作品。老若男女世代を問わず多くの人にみてほしい!
私は「勝ち組」「負け組」という言葉が大嫌いだ。そう言うと、負け犬の遠吠えのように解釈する輩もいるらしいが、んなこと私は全く意に介さない。人生を勝った負けたで評価すること自体、非常にさもしい行為だし、人と自分の人生を比べることがそんなに大事か!?と心底疑問に思う。そんな私の考えに近いのは兄のドウェーン。彼は叫ぶ「この大会はクソだ」と。私だって同意見。「ミスコンなんてクソだ」と思ってる。でも、そのクソみたいな世界と隔絶して生きていくことはできない。どっかで折り合いをつけなきゃイカンのだ。それが生きる、ということだ。
家族一人ひとりの異彩なキャラクターがとても面白くて、物語をぐいぐい引っ張る。また、そのキャラを際だたせるための一人ひとりのエピソードがどれもこれも笑わせてくれる。「人生を勝つための9段階」を本にして一発儲けようという父親。日常生活でも「それは4段階目に入ったとこだ」とかいちいち言うのがおもしろい。本当にこれが父親だったらウンザリするよなあ。この他、ヘロインの常習者でいつも露骨にエッチな話をするじいさんや、ゲイの大学教授で自殺未遂したおじさんなど全ての面々が壁にぶつかってもがき、あがいている。
壁にぶつかり落ち込むのは、ひとりの人間としての苦難だけど、それを乗り越えるには「家族」という存在が大きな役割を果たしてくれる。テーマとしてはありきたりかも知れないけど、「家族みんなで手を合わせよう!」みたいな、しらじらしい展開では決してないのがいい。最も印象的なシーンは落ち込む兄に黙って寄り添うオリーブ。言葉なんかいらないのが家族だぜぃ。
ラスト、みんな揃ってダンスして大爆笑のはずなのに、なぜか頬を涙が…。えっ~なになに、なんでアタシ泣いてんのー。胸がきゅうっとなる泣き笑いって、なんかすごい久しぶり。愛すべきフーヴァー家を見て再確認。
やっぱ人生、はみだしてナンボだよね。
<京都シネマにて鑑賞>
「ミスコンなんてクソだ!」
ひょんなことから少女向けのミスコンに代表として選ばれたオリーブ。おんぼろワーゲンバスに乗って、アリゾナからカリフォルニアまでいざ出発!サンダンス映画祭などで絶賛を受けた負け組家族のロードムービーは、噂に違わぬすばらしい作品。老若男女世代を問わず多くの人にみてほしい!
私は「勝ち組」「負け組」という言葉が大嫌いだ。そう言うと、負け犬の遠吠えのように解釈する輩もいるらしいが、んなこと私は全く意に介さない。人生を勝った負けたで評価すること自体、非常にさもしい行為だし、人と自分の人生を比べることがそんなに大事か!?と心底疑問に思う。そんな私の考えに近いのは兄のドウェーン。彼は叫ぶ「この大会はクソだ」と。私だって同意見。「ミスコンなんてクソだ」と思ってる。でも、そのクソみたいな世界と隔絶して生きていくことはできない。どっかで折り合いをつけなきゃイカンのだ。それが生きる、ということだ。
家族一人ひとりの異彩なキャラクターがとても面白くて、物語をぐいぐい引っ張る。また、そのキャラを際だたせるための一人ひとりのエピソードがどれもこれも笑わせてくれる。「人生を勝つための9段階」を本にして一発儲けようという父親。日常生活でも「それは4段階目に入ったとこだ」とかいちいち言うのがおもしろい。本当にこれが父親だったらウンザリするよなあ。この他、ヘロインの常習者でいつも露骨にエッチな話をするじいさんや、ゲイの大学教授で自殺未遂したおじさんなど全ての面々が壁にぶつかってもがき、あがいている。
壁にぶつかり落ち込むのは、ひとりの人間としての苦難だけど、それを乗り越えるには「家族」という存在が大きな役割を果たしてくれる。テーマとしてはありきたりかも知れないけど、「家族みんなで手を合わせよう!」みたいな、しらじらしい展開では決してないのがいい。最も印象的なシーンは落ち込む兄に黙って寄り添うオリーブ。言葉なんかいらないのが家族だぜぃ。
ラスト、みんな揃ってダンスして大爆笑のはずなのに、なぜか頬を涙が…。えっ~なになに、なんでアタシ泣いてんのー。胸がきゅうっとなる泣き笑いって、なんかすごい久しぶり。愛すべきフーヴァー家を見て再確認。
やっぱ人生、はみだしてナンボだよね。