【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

桔梗

2021-12-12 | 折々の花~お庭編~
この小さな、心遣ひは、鋼鐵(こうてつ)と、モーターの唸(うな)りの中の一滴の香水です。 長谷川町子
「この香水は騒々しい機械のあふりを喰(く)つて、ふるへてをります」と続く。
1944年夏、漫画家は九州の工場を巡り、漫画入りの取材記を新聞連載した。
挺身(ていしん)隊の少女たちが今属板にドリルで穴を開ける作業をしている部屋の隅に、コップに挿した一輪の桔梗の花が。
否応(いやおう)なしの作業の傍らに見つけた「床しさ」のひとかけら。
『言葉を刻む』取材班著『地べたの戦争』から。
2021年12月12日 朝日新聞朝刊一面 折々のことば 鷲田 清一
『言葉を刻む』
戦争体験者らの印象的な言葉に、短い説明を添えるコンパクトさが特徴。
戦後75年の昨年に西日本新聞の取材班が企画し、各紙と連携して同5〜10月の本紙に100回を連載した。
『地べたの戦争』
敗戦から70年以上が過ぎ、体験の継承が課題になる中、当時を語る市井の人たちの声を集めた「地べたの戦争 記者に託された体験者の言葉」が刊行された。 各地で発行する新聞9紙が連携して、過去の記事や取材ノートなどに記された一言一言を選んだ。 誰もがいや応なく巻き込まれた戦時の現実が重く響いてくる。


2020年7月9日  A子さん宅のお庭にて


2021年7月10日 A子さん宅のお庭にて


【おまけ】
地べたの戦争・・・ 記者に託された体験者の言葉
「今でも赤くうれたグミの木を見ると心が痛みます」
国と国との戦争は、地方に住む人たちを翻弄した。彼らの生活は隅々まで戦争で埋め尽くされ、それぞれの思いも埋もれていった。
家族や恋人への言葉、死を覚悟したものの思い、戦地での壮絶な体験、消せない記憶…。悲しみだけではない。その中にたたずむ一筋の喜びもあった。
戦争が風化する中、今までとは違った伝え方が必要ではないかそんな思いから、新聞記者たちが紙面や取材ノートをめくり直し、後世に残したい体験者の言葉を掘り起こした。
西日本新聞が地方紙8紙(岩手日報、山形新聞、福井新聞、京都新聞、山陰中央新報、徳島新聞、高知新聞、琉球新報)と連携した企画「言葉を刻む」(2020年度『平和・協同ジャーナリスト基金賞』奨励賞)の書籍化。
山形新聞⇒こちら
画家、野見山暁治さんが、装画、巻末の書き下ろしエッセーを担当した。

西日本新聞絵画課に勤務していた長谷川町子さんによる「軍需工場ルポ」を収録。近年、西日本新聞戦時版に掲載されていたことが確認された連載で、戦後に生まれる「サザエさん」を彷彿とさせる挿絵とともに、長谷川さんが見た戦下の日常をつづる。ほかにも、五木寛之さん、松本零士さん、益川敏英さん、土門拳さんら、著名人が記者に語った言葉も掲載している。